BYD 記事一覧

TEXT:TET 編集部
BYDの2023年の年間販売台数が300万台超え! 世界の新エネルギー車市場をリード

「世界の自動車販売台数トップ10」にランクイン BYDは2023年の年間販売台数が300万台を超えたことを発表した。同時に、「世界の自動車販売台数トップ10」に初めてランクイン。中国市場でも、もっとも販売台数の多い自動車ブランドおよびメーカーのポジションを維持した。 12月単月の販売台数は前年比45%増の34万1043台となり、年間販売台数は前年比61.9%増となる302万4417台だった。 2023年の輸出台数については前年比334.2%増の24万2765台に達し、販売エリアも6大陸70ヵ国以上に拡大。 また、BYDは2023年、王朝シリーズ、海洋シリーズ、DENZA(デンツァ)、方程豹(ファンチョンパオ)、仰望(ヤンワン)などのブランドシリーズを完成させた。 王朝および海洋シリーズの販売台数は、前年比55.3%増の287万7353台で、DENZA(デンツァ)は2023年に12万7840台を販売し、DENZA D9はMPVの年間販売台数で第一位に輝いた。 2023年に発売され11月に納車を始めた仰望(ヤンワン)と方程豹(ファンチョンパオ)は、市場で高い評価を得ている。仰望U8は100万元レベルのNEVセグメントでトップセラーに浮上し、BAO 5はオフロードセグメントで強力な足場を築いた。 中国のNEV市場をリードしてきたBYDは、世界のNEV販売台数でトップとなり、現在では世界の自動車業界のトップ10にもランクイン。今後もBYDは、「より良い生活のための技術革新」の活用を積極的に進め、より環境に優しい未来への移行を加速させるとともに、”地球の温度を1℃下げる”というカンパニー・ビジョンを実行していく。

TAG: #2023年 #販売台数
TEXT:TET 編集部
BYDドルフィンが「Best Buy Car of Europe 2024」を受賞

圧倒的なコストパフォーマンスが評価された BYDのコンパクトEV、ドルフィンがAUTOBESTの「Best Buy Car of Europe 2024」に選出された。 ドルフィンは、全長4.29mと比較的コンパクトな5ドアハッチバックでありながら、巧みな室内レイアウトにより広いキャビンを実現している。同様に印象的なのが安全性で、最近行われたEuro NCAP安全性テストでは最高評価の5つ星を獲得した。 BYDの先進的なe-Platform 3.0をベースとし、安全性、耐久性、安定性、エネルギー密度において新たな基準を打ち立てた最先端のブレードバッテリーを搭載。このバッテリーは、ドルフィンの効率的なパワートレイン技術および標準装備のヒートポンプとシームレスに連動し、最大427km(WLTP複合値)の航続距離を実現する。 先進技術、上質なインテリア、充実した標準装備にもかかわらず、ドルフィンはすでに3万ユーロ以下から購入可能(国によって異なる場合あり)。日本でのメーカー希望小売価格は税込み363万〜407万円だ。 AUTOBESTの「Best Buy Car」は、欧州で最大かつもっとも価値のあるカーアワードのひとつ。毎年、AUTOBESTに加盟する欧州31カ国の自動車ジャーナリストおよび専門家31名が、欧州で購入可能なクルマのなかで一番優れた1台を選出する。「Best Buy Car」選考では、クルマの品質や価格だけでなく、デザインや新しい技術の採用も重視される。 選考会では、この1年間に欧州市場で発売されたすべての新車のなかから最終的に4車種が選ばれた。これらのクルマは、オーストリアのテースドルフ・サーキットで審査員によってテストされ、評価される。決勝ではフィアット600e、ヒョンデ・コナ、ジープ・アベンジャーと競い合い、2万57ポイントを獲得したBYDドルフィンが優勝。AUTOBESTの「Best Buy Car of Europe 2024」に選出された。ドルフィンのハイテクな安全装備、充実した標準装備、コストパフォーマンスがとくに高く評価された。 今回以外にも、ATTO 3が「VAB Family Car of the Year 2023」を受賞、その1年後にドルフィンが「VAB Family Car of the Year 2024」を受賞というように、BYDのラインアップ全体がかつてない競争力を持っていると言える。また、シールは「European Car of the Year 2024 Award」の最終選考車7台のうちの1台に残っており、結果は2024年2月末に発表される予定だ。

TAG: #Best Buy Car of Europe 2024 #ドルフィン #輸入車
TEXT:TET 編集部
BYDが福岡モビリティショー2023に出展!

「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」を展示 BYD Auto Japanは、2023年12月22日(金)~25日(月)、マリンメッセ福岡A・B館で開催される福岡モビリティショー2023に出展する。 BYD Auto Japanブース(マリンメッセ福岡B館)では、日本で現在発売中のミドルサイズSUV「ATTO 3」、コンパクトEV「DOLPHIN」、そして日本発売車種第3弾として、2024年春に導入予定のEVセダン「SEAL」を展示。 さらに、アンケートに答えると、抽選でSEALやDOLPHINのモデルカー、BYDお守りマスコット、ステッカーなど、オリジナルグッズがプレゼントされるキャンペーンや「BYD DOLPHIN Long Range」の体験試乗も実施する。 BYD Auto Japanは「eモビリティをみんなのものに。」をブランドパーパスとして掲げ、全国にBYDのeモビリティに触れられる場を拡充。九州地方では、ショールームを備えた正規ディーラー店舗としてBYD AUTO 福岡西、BYD AUTO 鹿児島をオープンしているほか、BYD AUTO 佐賀、BYD AUTO 大分をはじめとした開業準備室では、試乗や購入に関する相談および購入後のアフターサービスの受付を行っている。 お近くの方はぜひ会場でBYDのeモビリティに触れてみてほしい。

TAG: #ATTO 3 #DOLPHIN #SEAL #福岡モビリティショー2023
TEXT:TET 編集部
BYD「シール」&「ドルフィン」がEuro NCAP安全性能テストで5つ星を獲得

最高評価の5つ星を獲得! BYDのシールとドルフィンが欧州の独立安全評価プログラム、Euro NCAPの安全性評価で5つ星を獲得した。2023年は成人乗員保護性能、子供乗員保護性能、安全支援性能、歩行者および自転車保護性能の4項目でテストを行った。 ハイエンドセダンのシールは全過程で非常に高い水準を達成し、卓越したアクティブおよびパッシブセーフティ性能と、BYDのCTB(Cell to Body)技術の構造的な利点を実証。 BYDのコンパクトEVであるドルフィンは、成人と子どもの乗員保護性能で高得点を獲得し、優れた品質を証明した。 いずれのモデルも成人乗員保護性能で89%、子ども乗員保護性能で87%を達成。BYDのEV専用プラットフォーム、「e-Platform 3.0」の安全性の高さがうかがえる結果となった。 BYDヨーロッパ・マネージングディレクターのMichael Shuは「ヨーロッパの厳しい安全テスト条件下で、BYDの全モデルが卓越した性能を発揮したことをうれしく思います。『BYDシール』と『BYDドルフィン』は、『BYD ATTO 3』とともに、安全性テストの最高評価を獲得しました。これは誇るべきことです。これは、BYDが環境に優しい技術開発の分野で、いかにたゆまぬ努力を続けているかを示すものです。お客さまには、BYDの技術革新の最前線には常に安全があるという安心感をお届けします」とコメントしている。

TAG: #シール #ドルフィン
TEXT:TET 編集部
BYDが「六本木ヒルズ クリスマスマーケット2023」に協賛! EVによるライトアップで街を彩る

eモビリティで世の中を明るく! BYD Auto Japanは、2023年11月25日(土)から開催される「六本木ヒルズ クリスマスマーケット 2023」にメインスポンサーとして初協賛する。 会期中は「HAPPY BYD e-LLUMINATION(ハッピービーワイディーイルミネーション)」をコンセプトに、屋外広告や車両展示に加え、V2L機能を使用したイルミネーション装飾を実施。 展示車両はミドルサイズSUV「ATTO 3」、コンパクトEV「DOLPHIN」、そして2024年春頃に日本導入予定のハイエンドセダン「SEAL」の3車種だ。 近接するヒルズカフェ/スペースには、「BYD e-LLUMINATION CAFE(ビーワイディーイルミネーションカフェ)」をオープン。 今回のために用意された「BYDイルミネーション ビーフサンドウィッチ」や「BYDブッシュ・ドルフィン・ノエル」などのオリジナルメニューは、クリスマスシーズンにぴったりだ。 会場では、回答することでBYDオリジナルステッカー、またはオリジナルメニューの「BYDドルフィンラテ」がもらえるアンケートを実施。さらに、アンケート回答者のなかから抽選で5名に、BYD車両を1週間モニター利用できる「eモビリティフレンズプログラム」への参加権が当たるとのこと。 BYDの「eモビリティで世の中を明るくしたい」という思いを、ぜひ会場で感じてみてほしい! イベントの詳細は以下。 ■「六本木ヒルズ クリスマスマーケット 2023」 期間:11月25日(土)~ 12月25日(月)/11:00〜21:00 場所:六本木ヒルズ 大屋根プラザ 【屋外広告展開】 期間:2023年11月25日(土)~12月25日(月)/終日 場所:六本木ヒルズ 大屋根プラザ 【BYD e-LLUMINATION CAFE】 期間:2023年11月28日(火)~12月10日(日)/11:00~23:00 場所:六本木ヒルズ ヒルズ カフェ/スペース(ヒルサイド2F) ※店内外にBYD ATTO 3、BYD DOLPHIN、BYD SEALを展示 ※車両説明、アンケートキャンペーンは11:00~18:00 【クリスマスマーケット車両展示】 期間:2023年12月11日(月)~12月25日(月)/11:00~21:00 場所:六本木ヒルズ 大屋根プラザ プロモーションスペース ※プロモーションスペースでの展示はBYD SEALのみ ※車両説明、アンケートキャンペーンは11:00~18:00

TAG: #イルミネーション #クリスマス
TEXT:TET編集部
BYDが名古屋モビリティショー2023に出展! 「DOLPHIN」に試乗できるチャンスあり

2024年春に導入予定の「SEAL」を含む3車種を展示 BYD Auto Japanは名古屋モビリティショー2023に出展することを発表した。 名古屋モビリティショー2023は、ジャパンモビリティショー2023終了後に会場を移して開催される地方ショーの一番手。2023年11月23日(木・祝)から11月26日(日)まで、ポートメッセなごやで開催される。 ブースに展示されるのはミドルサイズSUV「ATTO 3」、コンパクトEV「DOLPHIN」、そして2024年春に導入予定のEVセダン「SEAL」の計3車種。 その他アンケートに答えると抽選でSEALやDOLPHINのモデルカー、BYDお守りマスコット、ステッカーなどがもらえるキャンペーンや、「DOLPHIN Long Range」の体験試乗も実施される。 BYDは1995年に中国・深圳で創業。バッテリーメーカーとして創業した背景から、バッテリーはもとより、モーターやコントローラーなど、電気自動車のコアとなる技術を自社開発・製造している。自動車事業においては世界70超の国と地域、400超の都市に電気自動車を展開。中国国内では9年連続でNEV販売台数第1位、さらに2022年には電気自動車販売台数世界No.1となった。 お近くの方はぜひ会場に足を運び、BYDの最新モデルに触れてみてほしい。

TAG: #ATTO 3 #DOLPHIN #SEAL #名古屋モビリティショー2023
TEXT:小川 フミオ
日々の生活の相棒としてBYDのコンパクトEV「シーガル」は最適な1台かもしれない

日本円換算で150万円から180万円の価格で、305kmから405kmも走れるBYDの電気自動車「シーガル」。短時間だが走りを確かめた小川フミオ氏は、価格から想像する以上の良いフィーリングを得たようだ。 けっして安物ではない BYDが23年に(本国で)ローンチした、日本の軽自動車より30cmほど長いだけの全長3,780mmのコンパクト4ドア「シーガル」。乗ると、けっして安物ではない印象を受けた。 BYDは、モデルラインナップの拡充で、市場のニーズを先取りしていこうという製品戦略のようで、大から小まで、手がけるモデルのサイズを拡げている。 大は、「ジャパンモビリティショー2023」に出展した電動スーパーSUV「Yangwang(ヤンワン) U8」や、アルファードより長い車体の「Denza(デンザ) D9」。小はたとえばこのシーガル。 シーガルは、「ドルフィン」や「シール」などのBEVと共通の「eプラットフォーム3.0」を使用。ホイールベースは2,500mmと、全長に対して比較的長い。BEVならではのパッケージングだ。 乗りこんだ時の印象は、まずシートクッションが予想以上に厚くて、しっかりからだを受け止めてくれるのが嬉しかった。 私が乗ったのはおそらく上級グレードだったはずで、室内は落ち着いたグレーとトルコブルーというのか、くすんだ水色との2トーン。ハンドルリムもブルーで巻いてあって、視覚的な質感も高い。 モニタースクリーンは、ドライバー前に小型なものと、ダッシュボード中央に10.1インチの、やはりドルフィンなど上級車種よりすこし小ぶりのものがそなわる。私は試す時間がなかったが、これもボタンで90度回転して縦型になるという。 中国のクルマで感心するのは、すべてスマートフォンを使うこと前提の設定。そのひとつが、かならずといっていいほど装備されているワイヤレス充電器だ。 上級車は2台並べて置けるけど、スペースが限られてしまうシーガルでは1台ぶんのみ。それでも通勤用途がメインなら、十分だろう。

TAG: #BYD #シーガル
TEXT:小川 フミオ
これぞコスパ最強の電気自動車!180万円で400km走れるBYD「シーガル」に試乗した!

BYD「シール」の試乗会に参加した小川フミオ氏は同社の「シーガル」にも乗る機会があった。日本円にすると約150万円からと価格破壊的なEVはどんなクルマだったのだろうか。 シティ派ユーザーに響くEV BYDのプロダクト戦略はおもしろい。BYDジャパンの劉学亮(Liu Xueliang)社長は、市場の嗜好が変化していく速度は従来と比較にならないほど速い、と語っていた。 2023年4月に発表された「シーガル Seagull」も、いまっぽいプロダクトだ。 全長3,780mm、全幅1,715mm、全高1,540mmと、都会的というのか、シティユースに適した外寸を持つボディ。 大小、サイズ的に広くカバーしようというBYDの市場戦略の一翼を担うモデルともいえるし、日本でいうと日産サクラ/三菱ekクロスEVなどを考えているシティ派ユーザーに響きそう。 日本でも発売されているドルフィンは、本国では働く女のひとが通勤用に購入する場合が多い(BYD本社の広報担当談)そうで、ひょっとしたら、同様の市場において、価格的にさらに買いやすいモデルを求めるひとがターゲットなのかもしれない。 私が、限られた時間だけれど、シーガルに乗れたのは、深圳のBYD本社において。広い敷地内を走って、市街地でドライブしたときの印象を多少なりとも得ることが出来た。

TAG: #BYD #コンパクトカー #シーガル
TEXT:烏山 大輔
BYDの驚愕の開発スピードの早さ!日本メーカーはまず仕事のやり方を変える必要がある!?

日本で電気自動車の「アット3」と「ドルフィン」を発売し、セダンの「シール」も来春の発売を予定するなど、着実にラインナップを増やしているBYD。ジャパンモビリティショーの現場でBYD Auto Japanの担当者に、この開発スピードの秘密を聞いた。 Build Your Dreams TVCMの放映も始まり、「BYD」というブランドを認知している人も増えているのではないだろうか。 BYDは中国版「シリコンバレー」と言われる深圳(シンセン)で1995年に電池製造からスタートした。自動車事業に参入したのは2003年だったため、自動車メーカーとしては新興勢と言える。 そんなBYDは、2022年3月に純ガソリンエンジン車製造に別れを告げ、BEV(バッテリー電気自動車)とPHEVのメーカーになった。 そしてBYDは、王朝シリーズと海洋シリーズからなる“BYD”、メルセデスとの協業で話題のモデル「D9」を擁する“電座(デンザ、DENZA)”、ハイエンドブランドの“仰望(ヤンワン、Yangwang)”と、既に3ブランドを展開する自動車企業に成長している。 ジャパンモビリティショーでも「アット3」「ドルフィン」「シール」「デンザD9」「ヤンワンU8」と5台を展示した。 日本メーカーのブースと決定的に異なる点は、5車種ともにコンセプトカーではなく“市販”されているクルマということだ。 いかにして、これほどのモデル展開を実現できる開発を行っているのだろうか。ジャパンモビリティショーのBYDブースにおいて、深圳のBYD本社と日頃からやりとりしているBYD Auto Japanの担当者に話を聞いてみた。

TAG: #BYD #デンザ #ヤンワン
TEXT:小川フミオ
「電座D9」の実力を知るべくBYD本社へ。日本未導入モデルをいち早く試す!

ジャパンモビリティショーで話題となった「電座D9」。ショーを直前にした時期に、小川フミオは中国BYD本社で、このラグジュアリーミニバンを体感してきた。 電座Denzaの豪華ミニバン「D9」シリーズは、アルファード/ヴェルファイアとの近似性が指摘される。パッケージングはミニバンとして似通ってしまうのは仕方ないだろう。 ディメンション(ボディサイズ)は、ただし、D9のほうが大きく、ピュアEVが設定されている点では、さきを行く。 私が、2023年10月に運転したのは、プラグインハイブリッドの「D9 DM-i」と、ピュアEVの「D9 EV」。 外国人が公道で運転するのは原則的に許可されていないため、自分でハンドルを握ったのは、深圳にあるBYD本社の敷地内だった。 敷地内といっても、社員移動用に、スカイレールという高架鉄道が敷設されているほど広大。本社とさまざまな関連施設と、それに工場があるのだから、ひとつの小さな街ぐらいにはなる。 BYD本社の敷地内で試すハンドリングと後席の居心地 まずドライブしたのは、D9 DM-iだ。1.5リッターのエンジンに、外部充電式のハイブリッドシステムが組み合わせてある。 最大トルクが681Nm(AWD)というだけあって、踏み始めからたいへんスムーズな加速で、加速していってもボディはいやな振動もなく、ハンドリングはすなおで、遊びも少なく、扱いやすいという印象が強かった。 プレミアムクラスのミニバンは、後席の快適性とともに、ドライバーには、それなりのファン・トゥ・ドライブ性が必要となる。そこもちゃんとクリアしていると感じられた。 満充電なら190kmは電気走行なので、エンジンが回ったときの印象は(残念ながら)わからなかった。エンジンは、ゴルフとか家族旅行とかで遠出する機会の多いひとなら、あったほうがよさそうだ。そういうひとには、このモデルがいいのだろう。 いっぽう、D9 EVは、こちらもよく出来ている。上記のとおり、DM-iでエンジンが回ったまま走行すると、どんなフィールなのかわからなかったので、ちゃんと比較できないのだが(すみません)。 速度が上がっても、静粛。ウインドウまわりからの音も、路面からの音もほとんど気にならない。バッテリーによって重心高が下がっているのも、ハンドリングのよさに寄与しているのだろう。運転が好きなひとも好感もてそうだと思った。 EVモデルでは、後席で移動する機会もあった。シートクッションはふかふかっとしているが、いわゆる腰があって、2~3時間ていどの乗車では、からだに負担がかかることもなく、快適。 バックレストを、いわゆるプレミアムエノコミークラスのシート程度にリクラインさせて乗れるし、レッグレストもでてくる。が、私はじつはあれが落ち着かない。ちょこんとまっすぐな姿勢で乗っているのが好きである。 でも、休んで移動したいというひとなら、これはアリだと思う。 「電座」の日本導入は未定 ジャパンモビリティショーでは、トヨタ車体が、レクサスLMやクラウンSUVなみに2列めシートがほぼフルフラットになる「ヴェルファイア・スペーシャスラウンジ(コンセプト)」を出展した。 すぐにでも注文を受けられる状態と聞いたので、この点は、トヨタ系が先に行っていると言えるかもしれない。 ただし、「電座ブランドの日本販売はいまのところ未定」(BYDオートジャパンのマーケティング責任者)とのことで、ピュアEVのミニバンという、少なくとも東京など都市内では活躍してくれそうなD9 EVは、いまはおあずけ。よく出来てるクルマだったので、ちょっと残念だ。 <了>

TAG: #BYD #Denza #電座
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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