ヒョンデ 記事一覧

TEXT:TET 編集部
EVバスを導入したい自治体や事業者の救世主となるか!? ヒョンデ中型EVバスを2024年末までに国内投入

ヒョンデが「中型」EVバスを導入する理由 Hyundai Mobility Japan(以下、ヒョンデ)は、日本市場のニーズに合わせた中型のEV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレク シティ タウン)」を日本の正規販売店を通じて、2024年末から販売を開始すると発表した。 ヒョンデは日本市場で2009年から大型観光バス「Universe(ユニバース)」を販売し、各地のバス事業者に納入してきた実績がある。また、近年のヒョンデは積極的にZEV(ゼロエミッションビークル)の開発を推進し、2022年にはEVの「IONIQ 5(アイオニック5)」とFCEV(燃料電池自動車)の「NEXO(ネッソ)」を日本市場で発売。商用車部門でも、2017年にEV路線バスの「ELEC CITY(エレク シティ)」シリーズを韓国で発売して以来、アップデートを重ねながらEVバスのラインアップを拡充させている。 そしてヒョンデは、2024年末にEV路線バスの「ELEC CITY」 シリーズの中型バスに相当する「ELEC CITY TOWN」を日本で発売する。韓国では環境対策としてEVやFCEVといった次世代バスの導入が積極的に進められており、とくに2020年以降は急速に登録台数が増加し、街で次世代バスを目にする機会が増えているという。韓国市場においてはいくつもの次世代バスメーカーが存在するものの、そのなかでもヒョンデは先進技術を持ったトップメーカーとして、大きなシェアを獲得しているそうだ。 地球温暖化対策としてCO2削減が世界的な課題となるなか、日本でも公共交通機関を運営する自治体や事業者においてもさまざまな取り組みが求められている。従来、バスの動力源といえばディーゼルエンジンが唯一の選択肢だったが、技術革新によりバス運行で求められる条件を満たせるEV路線バスが開発されるようになった。 今回、ヒョンデが国内に投入する中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN」は、郊外路線やコミュニティバスなど一定数の需要が見込めるマーケットだ。その一方で、日本においては有効な国内外のメーカーラインアップは限られている。公共交通機関を運営する自治体や事業者などにとって、環境問題に対応できる車両の導入は喫緊の課題ではあるものの、使用環境に適したバスの選択は難しい状況にあった。そこでヒョンデは中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN」を国内に投入し、身近なバス路線からCO2削減、環境問題への課題解決に貢献し、国内需要に応えていく構えだ。

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TEXT:高橋 優
人気の軽EVのライバルとなるか? 日本導入も確実なヒョンデの小型EV「インスター」の気になる中身

ただの格安EVじゃない! 韓国ヒョンデが新型EVとして、全長3825mmという、日本の軽自動車に近しいコンパクトなサイズ感を実現しながら、355kmというゆとりの航続距離を確保したインスターを発表した。2025年早々にも日本国内でも発売される可能性が濃厚という最新EVについて解説します。 ヒョンデが最新EVとして、インスターのワールドプレミアをしました。このインスターについては、全長が3825mmという非常にコンパクトなサイズ感であり、2021年から韓国国内で発売されていた、ガソリン車のキャスパーのEVバージョンとなります。 やはりコンパクトなEVというのは、ヒョンデの主要マーケットのひとつでもある欧州市場とインド市場などで重要なモデルとなります。セダンとしてIONIQ6をラインアップしながら、SUVとしてはIONIQ5、コナ、そして今回のインスターと、ミッドサイズからコンパクトまでをラインアップ。さらに2024年末ごろにも、3列目シートを備えた大型SUV、IONIQ7の導入も控えています。 いずれにしても、今回の最小EVであるインスターは、ヒョンデのEVの全方位戦略を補完する上で極めて重要なモデルと位置づけられるでしょう。 それでは、今回発表された小型EVであるインスターについて、気になるEV性能を一挙にまとめていきましょう。 まず初めに、全長3825mm、全幅1610mm、全高1575mm、ホイールベースが2580mmと、たとえば、トヨタ・ヤリスが全長3950mm、全幅1695mmなので、ヤリスよりもひとまわりコンパクトという、非常に小型なサイズ感である様子がイメージ可能です。 次に、搭載バッテリー容量は、エントリーグレードの42kWhとロングレンジグレードの49kWhの2種類をラインアップ。WLTPサイクルをベースにした、WLTCモードクラス3において最大355kmという航続距離を実現しています。 この電池容量は私の想像を超える大容量でした。というのも、このような小型EVについてはバッテリー容量を抑えてくるのが通例です。たとえば欧州でスマッシュヒットを記録していたDaciaのSpring Electricは、26.8kWhというバッテリー容量。中国国内のベストセラー車、BYD Seagullも、エントリーグレードは30.08kWh。やはり30kWh程度がひとつの基準となっています。 つまり、今回のインスターの商品設計は、ただの格安EVとして設計していないと見るべきなのです。 また、同時に注目するべきは、その充電性能です。最大120kW級の急速充電に対応することによって、充電残量80%までにかかる時間も30分程度を実現。さらに、オプション設定として、バッテリーヒーティングシステム、ヒートポンプシステムも搭載可能であることで、冬場におけるEV性能も担保可能です。 さらに、車内に200Vコンセントが搭載されていたり、充電ポートからも電力を取り出すことが可能という点も注目ポイントでしょう。 インテリアでも、50:50に分割可能な後席シートは完全にフルフラットに折りたたむことが可能。1列目のシートもフラットに折りたたむことが可能な設計によって、専用のマットレスを購入すれば、大人ふたりが宿泊可能な車中泊にも対応可能です。 つまり、ただの街乗り専用の小型EVのような使い方だけではなく、中長距離を走破可能な航続距離や充電性能を兼ね備えながら、小型EVとしては比較的大きなバッテリーサイズを搭載することによって、EVの使い方をさらに広げるモデルとなっているわけです。

TAG: #インスター #小型EV
TEXT:TET 編集部
ヒョンデ・アイオニック5Nを借りて貸してお得に乗ろう! DeNA SOMPOの定額リースならリース中の貸出シェアだってできる

日本初「アイオニック 5 N」のカーリースが登場 DeNA SOMPO Carlifeが提供するカーリース「SOMPOで乗ーる」は、ヒョンデが6月5日から販売を開始したハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N(アイオニック 5 エヌ)」の取り扱いを2024年7月3日から開始したことを発表。カーリースでアイオニック 5 Nを取り扱うのは、「SOMPOで乗ーる」が日本初だという。 2023年の7月に、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて発表されたヒョンデのハイパフォーマンスブランド「N」にとって初のEV モデル「アイオニック 5 N」は、電動化時代においてもNブランドの楽しさを追い求める姿勢を示すクルマだ。 ヒョンデがモータースポーツへの参戦経験や「動く研究所」と呼ばれるローリングラボから蓄積した最新技術が詰まっており、2024年3月27日に開催された「ワールド・カー・アワード」では、「2024年ワールド・パフォーマンス・カー・アワード」を受賞し、世界中から高い評価を得ている。 一方の定額払いカーリース「SOMPOで乗ーる」は、クルマの購入・維持費など必要な費用から、契約期間満了時における設定残存価格(リース期間満了時の予想車両価格(残価))を差し引き、月々定額で費用を支払うシステムだ。 この定額費用には、クルマ代、税金、車検代、メンテナンス代などが全て含まれている。そのため、EVでも定額払いで安心して利用することができる。リース契約期間は、3年・5年・7年・9年から選ぶことができ、「フルメンテプラン」を選択すれば、自動車保険料も定額費用に含めることができる。よって誰でも気軽にサステナブルなクルマの利用が可能になり、社会全体のカーボンニュートラルへの貢献が可能になるというわけだ。 さらに「SOMPOで乗―る」はSOMPOホールディングスとDeNAがタッグをカーリースだから、リース車両であってもDeNAが運営する個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」に登録することができてしまう。これにより、エニカで車両を貸出することで収益が得られ、実質的にリース費用を軽減できるのがポイントだ。 ディーラー試乗車ではわずかばかりの時間しか試乗が許されず、十分にクルマを評価できるとは言い難い。趣味性の高いクルマこそしっかりと購入前に吟味したいし、特にアイオニック 5 NのようなハイパフォーマンスEVなら、乗り味だけでなく電力消費を含めた使い勝手をじっくり検証したい潜在ユーザーは多いはずだ。定額カーリースとエニカの組み合わせで、お得にアイオニック 5 Nを保有してみるのはいかがだろうか。

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TEXT:高橋 優
価格競争力は十分! スペックも凄い! 驚異のEV「BYDシール」を「テスラモデル3」と徹底比較してみた

航続距離は最大640km! 中国BYDが最新EV、シールの正式発売をスタート。BYDのフラグシップセダンとして、テスラ・モデル3、およびドイツ御三家のセダンとガチンコの戦いを挑みます。 中国BYDについては、2022年7月に日本市場に正式参入を果たしてから、2023年1月にコンパクトSUVのアット3、2023年9月にコンパクトハッチバックのドルフィンと、矢継ぎ早に新型EVを投入しました。そして今回、新たに投入されたのが、ミッドサイズセダンセグメントのシールです。このシールに関しては、中国本国においては2022年8月に正式発売がスタートしたモデルです。 それでは今回のシールに関して、同じくミッドサイズセダンのEVであるテスラ・モデル3と比較して、どれほどの性能やコスト競争力を実現してきているのかについてを考察していきましょう。 まず初めにEV性能について、今回のシールに関してはRWDとAWDグレードをラインアップ。じつは海外市場についてはエントリーグレードとして61.44kWhのバッテリーをラインアップしているものの、やはり日本国内の充電インフラの脆弱性およびセダンの販売台数が少ないこともあってか、まずはEV性能をある程度担保したグレードのみを展開してきた格好です。 よって航続距離については、WLTPサイクルを基準とした、市街地モード、郊外モード、および高速モードの平均値であるWLTCモードクラス2、通称日本WLTCモードにおいて最大640kmという航続距離を実現しています。日本WLTCモードで航続距離600km以上を実現するEVというと、今回比較対象であるモデル3ロングレンジグレードを筆頭として、セダンとしては、BMW i4、i7、メルセデスEQS450+くらいしか存在しません。 他方で、電費性能に関して、シールについては148Wh/kmを実現したものの、テスラ・モデル3 RWDは123Wh/kmと、よりすぐれた効率を実現。効率性という観点ではテスラがリードしている様子が見て取れます。 次に充電性能に関して、シールは最大250アンペア、最大105kWの充電出力に対応可能。 一方、モデル3はRWDで170kW、ロングレンジは250kWを実現しているために劣っているように見えながら、充電残量80%を超えてもなお、80kW以上という充電出力を実現できています。 実際にBYDが公表しているとおり、充電残量30%からの充電性能については、90kW級の急速充電器を使用しても30分間で42kWhと、じつはモデル3ロングレンジの充電量とほとんど同じです。もちろん150kW級を使用するとさらに多くの電力量を充電可能となり、モデル3の充電効率を上まわる計算です。 また、テスラ車はスーパーチャージャーでしか超急速充電ができないため、一回高速道路を退出しなければなりません。すると、充電効率だけではなく、コストという観点でも、テスラ車は不利な場合があるわけです。 何よりも、シールの場合であれば、別に充電残量10%からでも30〜40%くらいからでも、常に安定した充電量を回復可能です。よって、日本国内の充電環境におけるシールについては、モデル3と比較して充電性能が劣っているとはいえないケースも多分に存在するということです。 また、このシールについて将来期待できるのが、800Vシステムの急速充電器が2025年から設置された際に、さらに充電性能を引き上げることが可能という点です。シールの定格電圧は550.4Vですが、BYD側に確認したとおり、今後800V級の急速充電器が登場した際には、最大150kW級の充電出力を実現可能となります。この将来の冗長性という観点も期待ポイントでしょう。 次に動力性能に関して、シールAWDは、0-100km/h加速は3.8秒と、値段設定で競合するモデル3ロングレンジの4.4秒を凌駕しています。ただし、シールの最高速は時速180kmであり、モデル3の時速201kmに対してやや劣っていますし、パフォーマンスでは時速261kmと圧倒しています。 他方で、すでに中国本国においては、シールのハイパフォーマンスグレードが公式機関の車両登録情報にあがっており、その最高速は時速240kmと大幅に引き上げられています。中国本土では2024年末までにモデルチェンジが行われるといわれている新型シールのパフォーマンスグレードの最新動向にも注目です。 ただし、シールと比較してモデル3が有利であるのが、その収納スペースという観点です。シールは車内の快適性を重視しているため、とくに後席部分の開放感ではモデル3をリード。この点は、どのような利用用途を重視するのかで評価がわかれる部分でしょう。

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TEXT:TET 編集部
ビル内の配送と駐車はヒョンデのロボットにおまかせ! ヒョンデグループから2種類の「超便利ロボット」が登場

ビル内の配送と駐車で自律型ロボットが活躍 ヒョンデモーターグループは、韓国・ソウルの東部に位置する流行発信地、聖水洞(ソンスドン/Seongsu don)にあるスマートオフィスビル「Factorial Seongsu」において、同グループ内の自動車メーカーヒョンデとキアが「DAL-e Delivery」ロボットを、同グループ内の自動車部品メーカーヒョンデWIAが「駐車ロボット」を開発したことを発表した。これらのロボットは、ソウルの同ロボットフレンドリー型オフィスビルにおいて画期的なサービスを提供するという。具体的にどのようなものなのか、順を追ってみていこう。 まず前提として、ヒョンデモーターグループはスマートオフィスビル「Factorial Seongsu」を、同グループのロボット総合ソリューションを利用した最初のビル施設にすることを目指している。そのロボット総合ソリューションとは、各種ロボット顔認識システムをスマートビル施設内で利用するというもので、マルチ連携型管理システムを開発し連携することで、ビル内で稼働する複数の配送ロボットを管理することも開発目標に掲げれられている。 ヒョンデは現在ブランドビジョンである「Progress for Humanity」に基づき、スマートモビリティ・ソリューション・プロバイダーへの転換を加速させている。その一環でロボティクスやAdvanced Air Mobility(AAM)などの先進技術に投資し、未来のモビリティサービスを導入するためのオープンイノベーションを追求していこうとしている。 そこでスマートオフィスビル内の利便性を向上させるイノベーティブとして、ロボット総合ソリューションが開発された。では、具体的にどのような役割をもつロボットが開発されたのか、詳細をみていこう。 配送ロボット「DAL-e Delivery」 Factorial Seongsuで稼働するロボットは大きく分けてふたつある。 ひとつ目は配送ロボットの「DAL-e Delivery」だ。このロボットの特徴として、ビル施設内を移動する自律走行機能が挙げられる。DAL-e Deliveryはエレベーターやドアの管理システムとシームレスに接続し、最適経路をリアルタイムで判断することで配送サービスを素早く行えるようにしている。また、11.6インチの高解像度ディスプレイを備え、サービス状況を分かりやすく表示してくれる。 例えば、ロボットの利用者が携帯アプリから飲み物を注文したとする。注文を受けたDAL-e Deliveryは所定のドッグピットを離れ、地下フロアのカフェで飲み物を受け取る。その経路上にはセキュリティーゲートや、エレベーター、障害物などが存在するものの、このロボットはそれらを独自の通信機能とカメラ認識により、安全に通過する。 ビル内の曲がり角はHolonomic turn technologyと呼ばれる技術で、軽やかに曲がり、積載物への影響を最小限にする配慮がなされている。配送先に到着したら、カメラと人工知能(AI)による顔識別技術を駆使して受け取るべき人物を識別。この顔識別技術はRobotics LABが開発したもので、識別精度は99.9パーセントだという。 受取人の識別後は、収納トレイが自動で前進して飲み物を届ける。そうして利用者が選択したオフィススペースまたは会議室まで無事に飲み物を届けるのが、この配送ロボットの役割だ。雑な言い方をしてしまえば、ファミレスで導入が進む配膳ロボットをより高度化したものだと思っていただければ、理解しやすいかと思う。 積載能力は、コーヒー16杯分、重さにして最大10㎏の荷物を一度に運ぶ能力があるという。これによりビル利用者の利便性を大幅に向上するとヒョンデは見込んでおり、将来的には導入台数を増加させ、書類や郵便物の配送サービスにも取り組んでいくことが検討されている。

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TEXT:TET 編集部
ヒョンデ3台がパイクスピークを完走! 驚異的なタイムにみた高性能EVの可能性

IONIQ 5 N TA Specがエキシビションクラスで優勝 2024年6月23日、ヒョンデは3台のIONIQ 5 Nモデルがブロードムーア・パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)を無事に完走し、電動改造車部門とクロスオーバーSUV型量産部門で新記録を達成したことを発表した。 ヒョンデがPPIHCに初参戦したのは1992年。ロッド・ミレンが「ヒョンデ・スクープ」を駆り、2WDショールームストック部門で優勝。2012年には、リース・ミレンがドライバーを務めた「ヒョンデ・ジェネシスクーペ」でコースレコードを樹立した。 2024年のPPIHCは、2台のIONIQ 5 N TA(Time Attack)Specと1台の量産型IONIQ 5 Nで参戦。3台のモデルはすべて、156のコーナー、予測不可能な天候、高地特有の条件に直面しながら、パイクスピークの頂上まで4700フィート(1438m)超の12.42マイル(20km)を登るという過酷なコースを完走した。 Hyundai World Rallyでドライバーを務めたダニ・ソルド運転のIONIQ 5 N TA Specは、9分30秒852でフィニッシュし、エキシビションクラスで優勝。ランディ・ポブストがドライバーを務めたTA Specは、9分55秒551でレースを終えた。 IONIQ 5 N TA Specは大幅な変更を行わず、IONIQ 5 N量産モデルの強みが強調される設計。TA Specは、モーターの最大出力を上げるためのマイナーなソフトウェアチューニングと、新たなショックアブソーバーやモータースポーツ仕様のブレーキ、スリックタイヤなど、いくつかの高性能パーツの変更を除き、一般ユーザー向けのIONIQ 5 N量産モデルとほとんど変わらない。 IONIQ 5 N量産モデルのドライバーは、PPIHC初参戦で自動車メディアパーソナリティのロン・ザラスが務め、10分49秒267でフィニッシュ。このモデルが、変更を加えなくてもトップクラスの性能を備えていることを証明した。 N Brandマネジメントグループの副社長兼責任者であるパク・ジュンは、「今年のパイクスピークの結果は、Hyundai Nの舞台裏で多くの人々が夢見てきたことの集大成です。私たちは、これまで存在しなかったような高性能EVを作るために、すべての知恵を結集しました。そして今日、この技術は世界でもっとも過酷なヒルクライムレースでも勝つことができると確信しました」とコメント。 ヒョンデのNブランド&モータースポーツ担当副社長兼責任者のティル・ワーテンバーグは、「パイクスピークで新記録を樹立できたことと、全体として素晴らしい結果を出せたことを非常にうれしく思っています。今後も、パイクスピーク参戦など、エキサイティングなモータースポーツを通じて、当社の量産車の優れた性能を披露するとともに、お客さまのニーズに応えるだけでなく、お客様の期待を超える技術を開発し続けていきます」と語った。 Hyundai Nは量産型のIONIQ 5 Nだけでなく、「IONIQ 5 N eN1 Cup Car(アイオニックファイブ N eN1 カップカー)」や「IONIQ 5 N […]

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TEXT:TET 編集部
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発

Nブランド初のEV上陸 2023年7月に世界最大のモータースポーツの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でワールドプレミアされ、以後、欧米では数々の権威あるコンテストでトロフィを獲得。日本ではラリージャパンの会場で初披露され、東京オートサロンではカスタマイズが施されたモデルが展示されるなど、じっくり存在をアピールしてきたヒョンデのアイオニック 5 N。 それが「ついに」と言っていいのか「ようやく」と言っていいのか、2024年6月5日15時から日本でも販売開始となった。「1000万円よりは全然安いはず」と漏れ伝わってきていた情報のとおり、車両価格は消費税込み858万円。モノグレードでの展開となる。 ヒョンデ・アイオニック 5 Nというクルマがどのようなものか、いまさら説明するまでもないと思うが、一応さらりと説明すると、ヒョンデの走りを象徴するブランド「N」としては初めてとなる高性能EVであり、コーナリング性能、サーキットを本気で走れる能力、日常もドライビングを楽しめる、Nの3大要素を兼ね備えたハイパフォーマンスEVだ。 高性能四輪駆動システムをベースに、84.0kWhの高出力バッテリーとハイパフォーマンスEVのために開発された熱管理システムなど、さまざまな専用技術が盛り込まれ、650馬力のシステム最高出力で0-100km加速を3.4秒でこなす身体能力を手に入れている。 開発にあたっては、徹底的にニュルブルクリンクをはじめとしたフィールドで走り込みを行い、クルマ全体の作り込みはもちろんのこと、とくにブレーキにはかなりの労力をかけたといわれている。なんせ車両重量は2210㎏にも達するのだから、この重量に打ち勝つための運動性能を手に入れるには、強靭なブレーキで姿勢をコントロールしなければならず、開発は困難を極めたと想像できる。このあたりの詳しいことは、ヒョンデのホームページにも詳しく記載があるので、アイオニック 5 Nに少しでも興味のある方は一度ご覧いただきたい。 なお、日本で発売したアイオニック 5 Nの車両スペックは下の画像の通りだ。

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TEXT:TET 編集部
SHIBUYA TSUTAYA1階が2045年にタイムスリップ!? ヒョンデ「アイオニック 5 N」とアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」のコラボムービー第2弾公開

迫力満点の第2弾ムービー「二人の素子」公開 ついに2024年6月5日から日本でも発売が開始されたヒョンデの新型ハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N(アイオニック ファイブ エヌ)」だが、この発売を一層盛り上げるコラボレーション企画が現在展開中だ。 コラボの相手は、日本が誇るサイバーパンク作品の金字塔、攻殻機動隊のアニメシリーズ「攻殻機動隊 SAC_2045」だ。経済災害により世界中が荒廃した西暦2045年を舞台に、情報ネットワークとサイボーグ(義体)技術の発達により電脳化された全身義体のサイボーグである草薙素子が社会の秩序を取り戻すべく、電脳犯罪に立ち向かっていく。電脳化・電動化した未来という設定のなか、全身義体の主人公・素子は、人間のパフォーマンスを超えた存在として作品のなかで描かれている。新次元の未来を駆ける彼女は、常に「人間とは何か? 自分とは何か?」を問い続ける。 一方のヒョンデ・アイオニック 5 Nは、ヒョンデの高性能ブランド「N」が現世の電動化時代に提案する高性能EVモデルだ。その特徴のひとつとして、運転時の加速を感じながらドライバーが人とクルマの一体感を味わうことのできるさまざまな機能(N e-Shift、N Active Sound+ など)が搭載された、ドライビングの楽しさを追求した遊び心満載の1台。こうして、Nブランドが追求する電動化時代でも続くドライビングの楽しさを実感しながら、あらためて「クルマとは何か?」という考えを人々に問い続けている。 そんな根底的な問いかけにシンパシーを感じた両者がコラボして制作された第1弾ムービー「Ghost in the “N”」は、素子が新次元に近いアイオニック 5 Nを操縦することで、”人間としての魂(ゴースト)”を震わせ、この世界に自分自身が存在していることを実感します。これが、素子にとっての「Never just drive.」であり、社会においてますます重要視されているデジタル・AI化の現状を、今回のコラボレーションによってより本質的に再考するきっかけにつながることを期待している。 そして、6月3日からは第2弾のコラボムービー「二人の素子」が公開された。本編では、主人公・草薙素子はもちろんのこと、攻殻機動隊のキャラクターであるバトー、イシカワ、多脚思考戦車・タチコマが登場。公安9課のメンバーは、突如現れたアイオニック 5 Nの驚くべき走行性能を分析しながら、その正体を突き止めるため、素子はタチコマを操り追いかけていく。 迫力満点なカーチェイスを繰り広げるなか、アイオニック 5 Nに乗って姿を見せた予想外のドライバーとは? 搭載機能のひとつである「N Grin Boost」の圧倒的な加速で、公安9課を置き去りにしていくアイオニック 5 N。その姿に素子は、何を見て、何を感じたのか。新次元の未来に問いかけた声が囁く「あなたは、何を感じるか?」、60秒のオリジナルコラボムービーに注目してほしい。 先着2000名! ファン垂涎の限定コラボグッズを獲得せよ 今回のコラボはムービーだけに留まらない。6月3日から22日まで、東京都渋谷区のSHIBUYA TSUTAYA 1階で「IONIQ 5 N | 攻殻機動隊 SAC_2045」の世界に没入できる体験型コラボイベントが開催されている。 東京を象徴するスポットである渋谷は、多くの高層ビル群とそこに設置されたデジタルサイネージ、渋谷駅前のスクランブル交差点などにより、未来感のある独特な景観を生み出している。2045年のサイバーパンク作品として世界が描かれる攻殻機動隊と、これからの高性能EVのひとつの在り方を提案するアイオニック 5 Nは、今回のコラボレーションの舞台としてそのような景観を持つ渋谷に高い親和性を感じているという。コラボムービーのなかで、素子が呟いた「もうひとつの未来よ」という台詞は、クルマの未来とアニメで描かれるそれぞれの未来がいかに近しいものであるかということを表現しているようだ。 その渋谷で展開中のイベントコンセプトは、「公安9課からのMISSION:渋谷に現れた“N”の正体を追え!」と銘打たれている。SHIBUYA TSUTAYA 1階の館内では、公安9課のメンバーが明かしていく“N”の正体を追体験できる仕かけが施されている。なかでも、アイオニック 5 Nと人工知能(AI)を搭載し、自律的に行動する思考戦車タチコマ(原寸大サイズ)のカーチェイスシーンを実写化した展示や、アニメーションの世界観に没入できる3面大型ビジョンの特別ブース、さらにNの爽快なドライビングを体験できるシミュレーションゲーム(Hyundai i20 N Rally1)など、突如渋谷に現れた“N”の正体はアイオニック 5 […]

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TEXT:TET 編集部
ニュル24時間でのクラス優勝で勢いに乗る「ヒョンデ」はパイクスピーク攻略を目指す! さらにグランツーリスモとのコラボも発表

ニュル24時間クラス4連覇の勢いをそのままに 世界一過酷なサーキットと言われ、数々の市販車開発テストの場ともなっているドイツ・ニュルブルクリンク。毎年5月から6月にかけて行われる恒例のニュルブルクリンク24時間レース開催に合わせて、TCRクラスで3連覇中のヒョンデが、モータースポーツに関する発表を行った。 現在ヒョンデは、WRC世界ラリー選手権の最高峰クラスRally1で、トヨタと熾烈なチャンピオン争いを展開中だが、サーキットレースでも長年ツーリングカーカテゴリーのTCRで活躍している。このニュルブルクリンク24時間レースにおいても、エラントラ N TCRを投入し、目下クラス3連覇中だ。そして、6月1・2日に行われた2024ニュルブルクリンク24時間レースでも、見事クラス1位から3位までを独占する活躍を見せて4連覇を達成した。 そんなヒョンデが24時間レースの開催週に2点のトピックスを発表した。 まずはこれまた世界一過酷で、100年を超える歴史を誇る伝統のヒルクライム競技、「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」への参戦車両「アイオニック5 N TA Spec」を発表したことだ。 そして、もうひとつのトピックスはPlay Station用シミュレーションレーシングビデオゲーム「グランツーリスモ」とのコラボレーションだ。 ヒルクライム参戦車「アイオニック 5 N TA Spec」とは? 2024年6月23日にアメリカのコロラド州コロラドスプリングスで開催される第102回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)は、標高2863mのスタート地点から150以上のコーナーを抜け、標高差1400mあまりに位置する4302mの山頂ゴールまで、全長約20kmのコースを一気に駆け上がっていくタイムアタック形式のモータースポーツ。別名「雲へ向かって登るレース」だ。 標高差に由来する空気密度の変化に苦しめられる内燃エンジンに比べると、EVはスタートからゴールまで持ち前の瞬発力と巨大なトルクを活かすことができる。そのため、2015年には早くもEV車が総合優勝を達成している。その際には、モンスター田嶋こと田島伸博氏が駆るEVマシンも2位に入り、パイクスの歴史にEV到来を強く印象付けた。 その後、2018年にはフォルクスワーゲンがパイクス専用EVマシン「I.D. R」で、現在のコースレコードとなる7分57秒148を樹立。もはや、「勝つならEV以外に選択肢はない」と言っていいほど、パイクスピークではEVのレーシングマシンが大活躍している。 そんなパイクスピークにヒョンデが持ち込むのは、「アイオニック 5 N TA Spec」と呼ばれる車両。TAはTime Attackの頭文字だ。 マシンは量産モデルから車体の根本的な変更は行わず、ベース車の強みを際立たせるような設計を施し、高性能パワーエレクトリックシステムを引き継いでいる。むろんレース参戦にあたってソフトウェアには専用のチューニングを与え、リヤモーターの出力を37馬力向上させたのと相まって、最高出力は687馬力 に達する。専用ロールゲージに強化されたブレーキシステム、18インチ径のヨコハマADVAN 005スリックタイヤ、独自のハイダウンフォース空力パッケージの採用など、レース仕様の特別装備に抜かりはない。 レースにはこれらの特別装備を施したマシン2台と、先ごろ日本でも発売が開始された量産モデルのアイオニック 5 Nを2台投入し、クロスオーバーSUV型EV車量産モデルと、クロスオーバーSUV型コンバートEV車の記録更新を狙う。ドライバーにおいても、WRCで活躍するダニ・ソルドの起用をはじめ、量産モデル2台を含め4台のドライバーは粒ぞろいだ。 グランツーリスモとのコラボを発表 もうひとつのトピックスについては、詳細は2024年後半まで待つ必要があるものの、PlayStation用の人気レーシングシミュレーション「グランツーリスモとのコラボレーションを計画していることが明らかにされた。 ヒョンデのスポーツブランド「N」とグランツーリスモの関係は長く、2015年にゲーム内で「ヒョンデ N 2025 ビジョングランツーリスモ」がリリースされたときまで遡るという。そして今回、ヒョンデ Nブランドとグランツーリスモが再びパイクスピークへの参戦などさまざまなレースシミュレーションのアクティビティで、コラボレーションを行っていく予定だとしている。 ハイパフォーマンスEVカーとして注目を集める「アイオニック 5 N」とともに、モータースポーツシーンでもヒョンデ Nブランドの勢いが止まらない。

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TEXT:TET 編集部
ヒョンデのモバイルサービスカー「ヒョンデQちゃん」2号機発進! 出張メンテナンスをするだけではない第二の役割にも期待

軽整備なら専任スタッフとQちゃんが現地対応 ヒョンデのクルマをさらに安心して乗ることができる「モバイルサービス」というサポート体制があるのをご存知だろうか。これは、車両に不具合が発生した際、出張整備で初動不具合診断や部品交換、キャンペーン作業、ソフトウェアアップデートなどの軽整備をしてくれるものだ。 メインバッテリーやモーター交換などの重整備、不具合以外の一般整備、タイヤ交換やタイヤの脱着を伴うなど、リフトアップが必要な修理対応は協力整備工場への入庫が必要なものの、一般的なロードサービスとは異なり、ヒョンデの専門メカニックが出張料無料で駆けつけてくれるから、輸入車なうえにEVであっても安心感が高い。 また、モバイルサービスはヒョンデの整備予約ページから事前予約することもできる。利用にあたっては、訪問先が一定の条件を満たす整備環境であることや、不具合内容を細かく確認し、現地対応可能と判断された場合に限られるなどのいくつか条件がある。しかし、協力整備工場から遠方に住んでいる場合や、リモートワークをしている最中に整備を依頼したい方にはおすすめのサービスと言えるだろう。 ヒョンデQちゃんの気になる中身と第2の役割 ヒョンデは出張対応にうってつけの整備専用車両「モバイルサービスカー(通称:ヒョンデQちゃん)」を1台、同社のカスタマーエクスペリエンスセンター横浜に2023年4月から常駐させている。先ほどの利用メリットからか、需要は拡大を続けているといい、2024年5月30日から2号機のヒョンデQちゃんが配備されることとなった。 このモバイルサービスカーは、ヒョンデが販売しているBEV「アイオニック5」をアフターサービス用に改造した車両だ。特殊工具を含む整備用具や、事務手続きのためのプリンター電源は、アイオニック5のV2L(Vehicle to Load)機能を活用する。さらに、ヒョンデオーナーに対するホスピタリティとして、修理中に淹れたてのコーヒーなどの提供にもこのV2L機能が活用される。クルマのケアだけじゃなく、オーナーに癒しも提供するなんてすごいぞQちゃん。 今回稼働を開始した2号機のモバイルサービスカーは、2023年4月稼働開始の1号機の出張整備実績をもとに、より現場に特化した実践的な工具を搭載し、EV整備に特化した仕様になっている。さらに車体はリフトアップが施され最低地上高がアップしているほか、オフロード用タイヤを採用するなど、悪路対策が施されている。 悪路に強いということは、ユーザーサポート環境の幅を広げる一環ではあるものの、ヒョンデはもうひとつのメリットを提示している。それが災害支援だ。先述のV2L機能を活用した非常時の電力配給をはじめ、災害現場や被災地の支援活動にも積極的に対応する計画だという。そのために2号機は悪路走破性を向上させているのだ。 1号機のモバイルサービスカーが、副次的要素にアイオニック5の広々とした空間と室内デザインを活かし、木材パネルなどを使用してカフェのようなインテリアを採用して、ユーザーへのホスピタリティを重視したのとは対照的に、2号機はより機能性を向上し、社会貢献性も持たせたとみるべきだろう。 2024年5月現在は、カスタマーエクスペリエンスセンター横浜を拠点に活動しているモバイルサービスカーだが、今後は「モバイルサービス」とともに順次対応範囲を広げていく予定だという。また、2023年4月時点では全国39箇所だった協力整備工場は、現時点で62箇所まで拡大され、これまで以上にサポート体制が充実した。 ちなみに、モバイルサービスカーのことをヒョンデは通称「ヒョンデQちゃん」と名付けているが、この名前にはサービスカーのベース車両である「IONIQ5のQ」と「レスキューのキュー」という意味が込められているとのこと。もしヒョンデオーナーでモバイルサービスカーのお世話になったら、親しみを込めて「ヒョンデQちゃん」と呼んであげよう。 ヒョンデに限らず、テスラなどでも類似のサポート体制が敷かれているが、まだまだEVの所有に不安を覚える方や、アップデートにより進化するEVの特長を考えると、同様のサービスは今後も需要は拡大していくことだろう。すでに電欠対応のロードサービスをヒョンデは行っているが、今後は車両から車両への給電を可能にするV2V(Vehicle to Vehicle)機能の実装を計画しているというから、モバイルサービスカー自体の機能向上にも期待していきたい。

TAG: #アイオニック5 #ヒョンデ #メンテナンス
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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