ヒョンデ 記事一覧

TEXT:TET 編集部
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う

冒険心を持つお客さまへ 今年発売されたヒョンデのスモールEV「インスター」に早くも新たな仲間が加わった。 9月の発売開始を前に8月8日から先行予約が始まったのは、「インスタークロス」と呼ばれるアウトドアテイストを内外装に盛り込んだ、アクティブなイメージの新グレードだ。「タフで存在感のあるアクティブなデザインに仕上げ、インスターが持つ高い実用性はそのままに、冒険心を持つお客さまのニーズに答えていく」とヒョンデは語っている。 インスタークロスは専用デザインの前後バンパーと、サイドシルプロテクター、17インチアルミホイールに加え、アウトドアテイストあふれるクルマの定番アイテムとなった大型ルーフバスケットを装備。アクティブグレードらしい外観とアウトドアシーンに必要な大型ギアを満載できる実用性を兼ね備えたEVに進化している。 ボディカラーはインスタークロス専用色となるアマゾナスグリーンマット、ダスクブルーマット、アンブリーチドアイボリーを含む全5色展開。いずれもアウトドアシーンに映える色使いが魅力だ。 それはインテリアでも同じ。スタンダードなブラックモノトーンの内装色に加え、グレーとカーキのコンビネーションシートに、ライムイエローのアクセントがあしらわれて「ダークグレーライトカーキ」と呼ばれる内装色が用意されている。 オシャレと航続性能はトレードオフ? EVとしての性能はほぼインスターのボヤージュまたはラウンジと同等。最高出力85kW、最大トルク147Nm、総電力量49.0kWhという値も一緒ならば、2輪駆動という点も変わらない。しかし、全長15mm、全高100mm拡大したボディに加え、ラウンジに対し車体重量が10kg増加した影響か、WLTCモードの電力量消費率は18%ほど悪化し、141Wh/kmとなっていることに注意が必要だ。このため、一充電走行距離はボヤージュ・ラウンジの458kmに対し393kmと発表されている。 ただし、アウトドアテイストが存分に感じられるスモールEVという存在は唯一無二。だから航続距離にはひとまず目をつぶり、このデザインだけで飛びついたとしても決して悪い選択ではないはずだ。 先行予約特典と早期納車情報 なお、9月10日からの正式発売に先立って行なわれる先行予約に申し込むと、次のうちどちらかの特典が受けられるという。 ①INSTER 5年 Health Care 「ヒョンデ・アシュアランス・プログラム」のヘルスケアを通常の3年から5年に延長し、4年目の法定12カ月点検基本料金と5年目の車検基本料金を無料で提供 ②INSTERアウトドアセットをプレゼント プレミアムネッククッション、オーガナイザー&サイドテーブル、助手席シートバックボードテーブル、折り畳み式チェア、ピクニックマットの5点セットをプレゼント また、ヒョンデは秋の行楽シーズンにインスタークロスの納車を間に合わせるべく、早期に納車が可能な初回生産車を合計25台用意した。25台の内訳は、外装色トムボーイカーキと内装色ダークグレーライトカーキの組み合わせが15台、外装色アンブリーチドアイボリーと内装色ブラックモノトーンの組み合わせが10台、それぞれ先着順ということなのでお早めに。 ファッション感度に優れた方からも支持されそうな、魅力ある内外装を備えたヒョンデ・インスタークロスの車両本体価格は、税込み372万9000円となっている。 近年需要が高まっている電化製品を用いたキャンプスタイルと、外部給電(V2L)機能をもったEVの組み合わせは親和性が高く、アウトドアシーンでの新たなトレンドになりつつある。そこにきてインスタークロスの登場はまさにドンピシャのタイミングともいえる。

TAG: #SUV #ヒョンデ #輸入車
TEXT:渡辺陽一郎
小型で安くて長距離も乗れるって国産EVマジでヤバいぞ! ヒョンデ・インスターの選び方

3種類のグレードをラインアップ ヒョンデ自動車は韓国の大手メーカーで、日本には電気自動車と燃料電池車を輸出している。インスターは、このなかでもっともコンパクトで安価な電気自動車だ。ボディサイズは、全長が3830mm、全幅は1610mm、全高は1615mmに収まる。この大きさは、スズキ・ジムニーの5ドアとなるノマドの3890mm×1645mm×1725mmに近い。インスターは、コンパクトSUVのなかでもとくに小さい。 インスターのグレードは、ベーシックなカジュアル(価格は284万9000円)、中級のボヤージュ(335万5000円)、上級のラウンジ(357万5000円)になる。 駆動用リチウムイオン電池の総電力量は、カジュアルが42kWh、ボヤージュとラウンジは49kWhだ。駆動用モーターは全車共通だが、電池容量によって出力が変わるから動力性能も異なる。42kWhのカジュアルは、最高出力が97馬力で、49kWhのボヤージュとラウンジは115馬力になる。最大トルクは15kg-mで共通だ。 動力性能はとくに高くないが、コンパクトなボディで車両重量も電気自動車では比較的軽い。カジュアルは1300kg、ボヤージュは1360kg、ラウンジは1400kgだ。そのためにパワー不足も感じにくい。 ボディがコンパクトで最小回転半径も5.3mに収まるため、混雑した街なかや狭い裏道でも運転しやすい。その一方で、駆動用電池の容量に余裕があり、ボヤージュとラウンジであれば、1回の充電でWLTCモードにより458kmを走行できる。 日産サクラや三菱eKクロスEVは、リチウムイオン電池の容量が20kWhで、1回の充電で走れる距離は180kmだ。インスターではカジュアルの走行可能距離が未発表ではあるが、総電力量が2倍以上だから走れる距離も長い。コンパクトな電気自動車でありながら、長距離を移動することも特徴だ。 価格は前述のとおりカジュアルがもっとも安い。ただし、安全装備はシンプルで、ヘッドライトはハロゲンになってしまう。価格は50万円少々高くなるが、中級のボヤージュを推奨したい。車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、後方の並走車両を検知できる安全装備、LEDヘッドランプ、ルーフレール、アルミホイールなどが加わり、リチウムイオン電池の総電力量も49kWhに拡大される。 国から交付される補助金額は、ヒョンデ・インスターの場合、すべてのグレードが56万2000円だ。ボヤージュの価格は335万5000円だから、補助金額を差し引いた実質価格は279万3000円に収まる。この金額はトヨタ・ヤリスクロスハイブリッドZの288万7500円よりも少し安い。つまり、ヒョンデ・インスターでは、国産のハイブリッド車と同等の出費で買えることも大きなメリットになっている。

TAG: #新車 #購入
TEXT:渡辺陽一郎
コスパ最高の韓国生まれのEV「インスター」! ライバルとお買い得度を比べてみた

中級グレードのボヤージュに注目 電気自動車のヒョンデ・インスターは、輸入車でありながら、価格の安さで注目される。グレードは3種類用意され、もっとも安価なカジュアルは284万9000円だ。ただし、ヘッドライトはハロゲンで、運転支援機能や後方の並走車両を検知する安全装備やアルミホイールは装着されない。 その意味では、中級グレードのボヤージュに注目したい。カーナビ情報と連動させた車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットコリジョン、前席シートヒーター、ルーフレール、15インチアルミホイールなどを標準装着した。さらに、リチウムイオン電池の総電力量もカジュアルの42kWhに対して49kWhに拡大され、1回の充電でWLTCモードにより458kmを走行できる。 ボヤージュの価格は335万5000円だから、カジュアルよりも50万6000円高いが、ニーズの高い装備を標準装着している。 さらに、22万円を加えてラウンジを選ぶと、電動スライドドアや前席のシートベンチレーションが加わり、アルミホイールが17インチに拡大される。ラウンジの装備は、必須とはいえないが、内外装をオシャレにして快適性をさらに高めたいユーザーには選ぶ価値が高い。販売店も「人気のグレードはラウンジ」という。 買い得グレードを335万5000円のボヤージュとすれば、同じ価格帯のライバル車として、まずは日産サクラがある。サクラは軽自動車とあってリチウムイオン電池は20kWhと小さく、1回の充電で走れる距離も180kmと短いが、価格も割安だ。インスターボヤージュの価格は前述の335万5000円で、国から交付される補助金の56万2000円を差し引くと279万3000円だ。サクラは運転支援のプロパイロットやSOSコールなどを標準装着する上級のGでも308万2200円だから、補助金の57万4000円を差し引くと、250万8200円になる。 サクラGにインスターボヤージュと同じ予算を投入すれば、オプションのプレミアムパッケージ(5万5000円)を装着して内装の質感をさらに向上させ、車庫入れを容易にするプロパイロットパーキング(7万7000円)なども装着できる。 つまり、一家に1台のファーストカーとして長距離を移動するならインスター・ボヤージュ、2台目のセカンドカーとして街なかだけを走るならサクラGという選び方が可能だ。インスターにも選択の余地が十分にある。 このほか、インスター・ボヤージュのライバル車として、BYDドルフィン・ベースラインも挙げられる。駆動用リチウムイオン電池の総電力量は44.9kWhで、1回の充電で400kmを走行できる。インスター・ボヤージュの458kmに比べて少し短いが実用的だ。装備は充実しており、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、12.8インチのタッチスクリーンなどを備える。BYDドルフィンベースラインの価格は299万2000円で、補助金額の35万円を差し引くと264万2000円になる。サクラGよりは高いが、インスター・ボヤージュよりは安い。 ボディサイズから見るとフィアット500eもライバル車だが、内外装がオシャレで装備も充実する代わりに、価格は577万円以上と高い。電気自動車を安価に買うなら、ヒョンデ・インスター、BYDドルフィン、日産サクラ、その姉妹車になる三菱eKクロスEVから選びたい。

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TEXT:渡辺陽一郎
競争力抜群の価格で登場したヒョンデ・インスターは果たして売れるか? 気になる点をチェック!!

一番のセールスポイントは価格 ヒョンデは韓国の大手自動車メーカーで、日本では電気自動車と燃料電池車を輸入販売している。そのなかで、もっともコンパクトで価格の安い車種が、2025年4月に発売された電気自動車のインスターだ。 インスターのボディサイズは、全長が3830mm、全幅は1610mmと小さい。とくに全幅は、軽自動車をベースに開発されたジムニーシエラの1645mmを下まわる。最小回転半径も5.3mだから運転しやすい。その一方で、全高は1615mmだからカローラクロスと同等だ。フェンダーにはホイールアーチの樹脂パーツも装着され、SUVらしさを強めた。 モーターの動力性能は、ベーシックなカジュアルの最高出力は71kW(97馬力)、最大トルクは147Nm(15.0kg-m)になる。中級のボヤージュと上級のラウンジは、最大トルクは147Nm(15.0kg-m)でカジュアルと共通だが、最高出力は85kW(115馬力)に向上する。 駆動用リチウムイオン電池の総電力量は、カジュアルは42kWhだ。1回の充電で走れる距離は、2025年5月上旬時点では未定になる。ボヤージュとラウンジは、49kWhを搭載して、WLTCモードにより458kmを走行できる。 インスターの1番のセールスポイントは価格だ。カジュアルは後方の並走車両を検知する安全装備などが装着されず、ヘッドライトもハロゲンになる。駆動用リチウムイオン電池の容量も前述の42kWhと小さいが、価格も284万9000円に収まる。国から交付される補助金は、インスターの全グレードが56万2000円だから、カジュアルの実質価格は228万7000円だ。

TAG: #インスター #コンパクトカー
TEXT:TET 編集部
元ガソリンスタンド跡地がゼロエミッションビークルの最新拠点に転生! 国内2カ所目となるサービス拠点「Hyundai Customer Experience Center 大阪」がオープン

横浜に続き全国2拠点目が大阪に誕生 ヒョンデは5月14日に関西圏におけるブランド体験と顧客接点の拡大を目指し、大阪の心斎橋に「Hyundai Customer Experience Center 大阪(通称:CXC大阪)」をオープンした。 ヒョンデはZEVに絞った商品展開に加え、それらをオンラインで販売するのが特徴。さらに、ショールームの展開も一般的な自動車ディーラーとは異なり、地域に根差してライフスタイルを提供する企業とのコラボレーションで展開する「Hyundai Mobility Lounge」、オンライン購入を検討している客に対してのサポートを目的とした「Hyundai Citystore」、カー用品店のオートバックス内に設けられた「Hyundai Corner」など、バリエーションが豊かだ。 それらショールームのなかでも、Hyundaiブランドのイメージリーダーであり、ブランドが目指すクリーンモビリティやサステナブルな取り組みを紹介し、体験できる空間として設立されたのが「Hyundai Customer Experience Center(CXC)」だ。 元ガソリンスタンドに拠点を構える意義 2022年7月に神奈川県横浜市で初めてオープンしたのに続き、今回の大阪・心斎橋で2拠点目。これにより東西の人口集積地にヒョンデのイメージを牽引する拠点が整備された格好となる。また、オンライン販売を軸とするヒョンデながら、購入相談から納車、アフターサービスまでワンストップで提供できるのがCXCの強みだ。それが大阪の中心部にできた意義は大きい。 なにしろCXC大阪が拠点を構える場所は、長年地域に親しまれてきた出光長堀ビルのガソリンスタンド跡地なのだ。化石燃料の供給拠点であった同地が、今後は電気自動車をはじめとするZEVの魅力を発信し、ヒョンデが掲げる持続可能なモビリティ社会の実現に向けた意志を体現する場所となるのだから、そのメッセージ性は非常に強い。 ヒョンデは「大阪は多様な文化を受け入れ、人とのつながりを重んじる都市であり、EVという新たなモビリティ文化を発信するうえで意義深い地域と捉えています」とコメント。関西はもとより、西日本におけるヒョンデブランドの認知拡大と、多くの顧客層への新たな接点創出につながることが期待されている。 国内初のオフィシャルグッズ実店舗販売も実施 店内はゆったりとしたラウンジスペースや、クルマを運転する愉しさを体験できるNドライビングシミュレーターなどが設置されるほか、ヒョンデオフィシャルグッズ「Hyundai Collection」の実店舗販売が国内で初めて行なわれる。また、歴史のある建築のなかに新しい構造体を取り込み、視覚的にも印象的な構成を生み出すことが意識されている。 ヒョンデの日本法人Hyundai Mobility Japanの代表取締役社長である七五三木氏は、14日のCXC大阪オープニングセレモニーにおいて、「かつてのガソリンスタンドがEVショールームとして生まれ変わったこの場所から、ヒョンデのEV体験を五感で楽しんでいただきたい」とコメントするとともに、「地域との連携を深めながら、CXC大阪を通じて関西圏での顧客接点をさらに広げていく」と関西圏での堅実なブランドの浸透を目指していく構えを示した。 CXC大阪は大阪メトロ御堂筋線・心斎橋駅2番改札を出て、北7番出口より徒歩すぐという場所に位置するが、来客用の駐車場は持たないため、クルマで行く際は事前にCXC大阪へ問い合わせてほしいとのことだ。 2022年にヒョンデが日本へ再参入して以来、関西地域への直営拠点オープンに対する要望や期待の声は多数ヒョンデに寄せられていたという。5カ所の協力整備場に加え、2024年には「CXC大阪 開業準備室」を設置。大阪府内では数回の大規模な試乗会や、西日本のクルマ好きが集結する大阪オートメッセへの出展など、着々と地盤を整えてきた。そして満を持してのCXC大阪オープンである。ここからがいよいよ本番といえそうだ。

TAG: #ディーラー #ヒョンデ #新店舗
TEXT:桃田健史
特別感がないのが逆に強みか? ヒョンデのフラッグシップSUV「IONIQ 9」にチョイ乗りした

ロサンゼルスでワールドプレミア! 韓国の現代自動車グループ(以下、ヒョンデ)の最上級EV。それが「IONIQ 9(アイオニックナイン)」だ。量産モデルがワールドプレミアされたのは、昨年11月の米ロサンゼルスオートショーだった。つまり、ヒョンデとしてはEV市場としての将来性があるアメリカでの需要を優先する構えだ。 アメリカでは2025年に入り、第二次トランプ政権が発足し、いわゆるトランプ関税によって日本を含めた世界各国や地域がアメリカとの政治・経済における「ディール(取引き)」に頭を悩ませているところだ。 そうしたなかでも、中長期的にはアメリカでもEVシフトが進むというのが、ヒョンデを含めた世界自動車産業界の見立てだ。 韓国では4月からIONIQ 9の先行予約が開始されている。同月3日に開幕したソウルモビリティショー2025では、会場に隣接する駐車場を拠点にユーザー向けの公道試乗会が行われたが、家族連れやカップル、そして熟年夫婦など多様なユーザーがIONIQ 9の走りを味わっていた。 この試乗会に筆者も参加することができた。ヒョンデ本社と韓国自動車ジャーナリスト協会のサポートによるものだ。 まず外観だが、この前日に近隣にあるヒョンデ独自のブランド発信拠点「ヒョンデ・モビリティスタジオ」で見たときよりも、屋外ではさらに大きく見える。 ボディ寸法は、全長5060mmx全幅1980mmx全高1790mm、ホイールベースが3130mmである。アメリカ市場でいえば、フルサイズSUVというよりは、近年ますます大柄化しているミッドサイズSUV級の大きさだ。 サイドビューに特徴があり、SUVというよりは、大きなステーションワゴンといった雰囲気すらある。 インテリアは水平基調のダッシュボードで、デジタルサイドミラーのモニターを除けば、一般的な上級SUVという印象だ。IONIQ 5のインテリアが特徴的であるため、それと比較するとIONIQ 9のインテリア造形は正統派といえるだろう。 パワートレインは、RWD(リヤ駆動)をベースとしたAWD。モーターの最高出力は、リヤが160kW、フロントが70kW。電池容量は110.3kWhとかなり大きい。 では、走り出そう。今回は市街地と高速道路で約6kmを走行したが、思ったよりもドッシリ感が強くない。 これだけ大きな電池を床部に搭載していても、過度にドッシリ・ズッシリという乗り味ではない。一般的な米ミッドサイズSUVと同じような感覚で乗れる。 ただし、重量が大きいことは否めず、回生ブレーキは終始レベル2を維持する必要があるように感じた。 いまのところ、日本での発売計画はないが、大型EV・SUVとしてグローバル市場におけるベンチマークになることは間違いない。

TAG: #IONIQ 9 #SUV
TEXT:TET 編集部
インスターにもKONAにもIONIQ 5にも乗れる! 「想像より、相当たのしい。全国試乗会」を16か所で開催

話題のEV「インスター」にいち早く試乗しよう ヒョンデは新型スモールEV「INSTER(インスター)」の日本発売を機に、5月10日の茨城県石岡市を皮切りに、8月24日の神奈川県まで、約3か月をかけて全国16か所を巡る試乗会「想像より、相当たのしい。全国試乗会」を開催する。 「想像より、相当たのしい。全国試乗会」は、戦略的な価格設定とファニーなスタイリングにユーティリティの高いインテリアを備えた注目のスモールEV「インスター」をはじめ、未来的なスタイリングと日常のさまざまなシーンでの使い勝手に優れたコンパクトe-SUVの「KONA(コナ)」、そしてフラグシップEVとしてさらなる進化を遂げたクロスオーバーEVの「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」の3車種が用意される。 日本各地のヒョンデショールームや、ヒョンデサービス拠点でも開催されるので、車両の説明はもちろんのこと、購入からアフターサービスなどの幅広い相談も可能な試乗会となる。 試乗には各会場ごとの事前予約が必要となる。試乗体験者にはヒョンデオリジナルグッズのプレゼントも実施されるので、開催場所とスケジュールを確認のうえ、ヒョンデが誇るZEVライアンアップの乗り比べに申し込んでほしい。 試乗会「想像より、相当たのしい。全国試乗会」概要 試乗車両:INSTER Lounge、KONA Lounge、IONIQ 5 Lounge ※会場によりINSTER Loungeのみの場合あり 試乗予約:以下のHyundai サイトより事前申し込み 予約ページ:https://www.hyundai.com/jp/brand/events-JP1PEM00000000000639 会場・スケジュール 1)茨城県・石岡 日程:2025年5月10日(土)〜5月11日(日) 会場:Hyundai Service 石岡 住所:茨城県石岡市府中3丁目11-18 開催時間:10:00 – 18:00 試乗車両:INSTER Lounge、KONA Lounge、IONIQ 5 Lounge 2)東京都・代官山 日程:2025年5月17日(土)〜5月18日(日) 会場:代官山T-SITE 住所:東京都渋谷区猿楽町17-5 開催時間:10:00 – 18:00 試乗車両:INSTER Lounge 3)群馬県・高崎 日程:2025年5月24日(土)〜5月25日(日) 会場:Hyundai Service 高崎 住所:群馬県高崎市町屋町-708 開催時間:10:00 – 18:00 試乗車両:INSTER Lounge、KONA Lounge、IONIQ 5 […]

TAG: #インスター #コナ #試乗
TEXT:石橋 寛
GT-R NISMOやポルシェ911 GT3をぶっちぎる57秒台! 筑波最速EVの座を奪取した「ヒョンデ・アイオニック5 N」がヤバすぎる!!

アイオニック5 N TA SpecがEV最速マシンに これまで、筑波サーキットにおけるEVの最速タイムは、テスラ・モデルSのチューニングカーが出した59秒761という1分切りの素晴らしいものでした。どれだけすごいかというと、筑波で1分を切れる市販車はNISMOのGT-Rやポルシェ911 GT3といった限られたスポーツカーだけ、ということ。ですが、このテスラの記録を2秒も縮めたEVが登場しました。ヒョンデ・アイオニック5 N TA Specは57秒446を叩き出し、筑波のレーシングカー&スリックタイヤクラスのEV最速マシンの座をゲット。0.2秒ならまだしも、一気に2秒短縮となると、次元が違う速さといわざるをえません。 ヒョンデのアイオニック5 Nといえば、たしかにスポーティ、かつスタイリッシュなEVで見るからに速そうなモデル。実際、ラリー競技ではWRC世界ラリー選手権、ツーリングカーシリーズではFIA TCRワールドカップ、あるいは山をガンガン登るパイクスピークのレースにも積極的。 そんなアイオニックが筑波最速EVの座を目指して参戦したのがシバタイヤAttack筑波2025レーシングカー&スリックタイヤクラス。 ご存じの方も少なくないでしょうが、これは国内外から速さ自慢のマシンが数多く参戦するイベントで、ドライバーも軒並みプロフェッショナルがブッキングされるというガチなもの。

TAG: #SUV #筑波 #輸入車
TEXT:TET編集部
コスパ抜群で評価も高いとか向かうとこ敵ナシ!? ヒョンデ・インスターが「2025ワールド・エレクトリック・ビークル」の栄冠に輝く

ヒョンデのワールド・カー・アワード部門別受賞は4年連続 スタイリッシュかつコンパクトでありながら広々としたスペースを持ち、必要十分な一充電航続性能を備えたヒョンデのスモールEV「INSTER(インスター)」が、世界的に名誉あるワールド・カー・アワードの2025年授賞式で、世界中の電気自動車(EV)のなかからもっとも優れた1台に送られる「ワールド・エレクトリック・ビークル」の栄冠に輝いた。 ワールド・カー・アワードは、世界30カ国96名のモータージャーナリストから構成される審査員団が、秘密投票を通じてファイナリストを選出し、4月のニューヨーク国際オートショー開催期間中に行なわれる授賞式で各部門の受賞が発表されるものだ。 2025年のワールド・エレクトリック・ビークルをインスター(韓国での車名はキャスパー・エレクトリック)が受賞したことで、ヒョンデとしては2022年のアイオニック 5、2023年のアイオニック 6、そして昨年のアイオニック 5 Nと、4年連続でワールド・カー・アワードの何かしらの部門でトップの座に就いたことになる。 インスターが2025年のワールド・エレクトリック・ビークルを受賞した理由は、EV部門における類稀なる価値が評価されただけでなく、ヒョンデのEV技術と持続可能性の推進に対する検診が認められたものだとヒョンデは発表している。 今回の受賞にあたり、ヒョンデのホセ・ムニョスCEOは、「インスターは、発売当初からお客さまから高い評価をいただいておりましたが、権威あるワールド・カー・アワードの審査員である自動車の専門家の皆さまからも同様の評価をいただいたことを、たいへん喜ばしく思います。魅力的なデザイン、長い航続距離、心地よい走行特性、直感的な操作のインフォテインメント、そしてお客さまからの評価も高いテクノロジー等の組み合わせは、皆様に卓越した価値を提供したいという当社の姿勢を表しています。当社のグローバルな製品ラインが商業的にも批評的にも成功している理由は、世界中で最高のクルマを提供している当社のバリューチェーン全体で努力を続ける従業員によるものです。この大きな業界へ多大な貢献をしてくださる審査員の皆様に感謝いたします」とコメント。 世界的な評価が高いことを改めて示した形の今回の受賞。インスターはその出来の良さに加え、日本国内では税込み284万9000円からという魅力的な価格設定も武器となる。日本メーカーでは、日産サクラと三菱ekクロスEVの軽EVコンビを除くと、実質的なライバルが不在の国内コンパクトEV市場。このヒョンデ・インスターがブルーオーシャンともいえるその市場を牛耳るのではないかという不安と予想が、いよいよ現実味を帯びてきそうだ。

TAG: #インスター #ヒョンデ #ワールド・カー・アワード
TEXT:高橋 優
コスパで比較するとEVはヒョンデが圧倒! スズキやホンダの新EV登場でますます激化する日本の電気自動車市場

BYDがATTO 3とドルフィンの値下げを実施 BYDが2025年度にさらなる販売攻勢を仕かけるためにドルフィンとATTO 3の値下げを実施しました。補助金を含めた実質の値段設定も含めて、競合のEVなどと競争力を比較します。 まずBYDジャパンは2022年7月に日本市場に正式に参入を表明しながら、2023年1月にコンパクトSUV「ATTO 3」を発売。さらに9月中に2車種目のコンパクトEV「ドルフィン」を発売。また、2024年6月中に、ミッドサイズセダンの「シール」を発売。そして、2024年4月15日からはミッドサイズSUVの「シーライオン7」を発売しました。 その一方で、BYDジャパンは2025年に突入してから最初の2カ月間で215台の乗用車を発売したものの、前年同四半期では318台を販売しており、前年比32%以上のマイナス成長に留まっています。また、シールの1000台の初回限定モデルはいまだに売れ残っています。いずれにしても、販売増加のためにさらなる販売戦略の更新の必要性に迫られていたのです。 そして、このような背景においてBYDジャパンが新たに発表してきたのが、価格戦略のアップデートです。具体的にはATTO 3とドルフィンの値下げを実施しました。まず、現在450万円のATTO 3は32万円値下げされ、418万円となりました。さらに、ドルフィンロングレンジは33万円値下げされて、374万円を実現。そして363万円という通常グレードはラインアップから落ち、Baselineという新たなエントリーグレードを設定。このBaselineの値段設定は299.2万円となり、実質的に63.8万円もの値下げを行ってきた格好となります。 BYDジャパンは、今後の車種展開に備えて商品ポートフォリオを最適化すると説明しており、今後投入されるシーライオン7と新型PHEVモデルには、新たな価格基準で値段が設定されることから、さらなるコスパのよさを期待可能でしょう。 それでは今回の値下げによって、具体的にどれほどコスト競争力が高まったのかについて、とくに競合となる韓国ヒョンデのインスターやコナなどと比較検討したいと思います。 まず、ドルフィンロングレンジとATTO 3が該当するコンパクトセグメントの競合車種として、ヒョンデ・コナVoyageグレードと比較しましょう。 ドルフィンロングレンジは、日本WLTCモードで476kmを確保しながら85kWの急速充電に対応、2700mmというゆとりのホイールベースを確保して374万円で発売中です。ATTO 3も470kmの航続距離、85kW急速充電、そして418万円からという値段設定です。 その一方で、ヒョンデ・コナは625kmというゆとりの航続距離を確保しながら、466リットルというトランク容量と27リットルのボンネット内収納を確保。そして値段設定が452.1万円と、値段だけをみるとATTO 3比でわずかに割高に見えます。 ところがヒョンデは2025年度の補助金において67万円を適用可能となり、これにより実質の値段設定でATTO 3とまったく同等となります。それでいて航続距離が150km以上も長いことから、コナのコスト競争力の高さが際立つのです。

TAG: #値下げ #新車購入
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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