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TEXT:TET 編集部
LCの電動バージョン登場か。レクサスがモビリティショーで披露するド級モデルの正体が気になる

10月26日に開幕するジャパン モビリティショー2023に、レクサスからすごいモデルが登場しそうだ。2035年までにバッテリー電気自動車(BEV)ブランドへと変革を目指すレクサスは、モビリティショーでどんな未来を見せてくれるのか。 メーカーが示す“限界”への挑戦 今回明らかにされたレクサスブースのテーマは、「Pushing the Boundaries of the Electrified Experience」(電動化体験の限界に挑む)。この言葉からも、電動モデルの高性能化を図った展示が行われることが予想できる。そして、そのテーマを具現化したとおぼしき1台のスポーツモデルの予告画像が公開された。 公開された画像は、コンセプトカーのフロント、およびフェンダー部分を見下ろした2枚のカット。低く構えたフォルムから、コンセプトカーは、低重心化を図ったスポーツモデルであることがうかがえる。 また、ヘッドライト、あるいはデイタイムランニングライトの点灯形状は、レクサス車特有のブーメラン型となっており、BEVとなってもレクサスのアイデンティティは変わらないことを強くアピールする。 さらに、ドアミラーがスタイリッシュな超小型タイプとなっているのは、カメラ方式のミラーを採用しているためだろう。 公開された画像のアングルが限られていることもあって、エクステリアの詳細までうかがい知ることはできないが、張り出しを強調したフェンダーの膨らみや、ブラックとシルバー系のツートーンと思われるボディカラーからは、このコンセプトモデルがプレミアムスポーツを指向していることは明白。位置づけとしては現在の「LC」の電動バージョンといったところだろうか。 >>>次ページ クルマ屋が創るBEVが具現化

TAG: #ジャパンモビリティショー #レクサス #未来のクルマ
TEXT:TET 編集部
等身大に楽しめる次世代カー。ダイハツの未来への期待が高まる、5台のコンセプトモデルが披露

ダイハツは、10月26日(木)から開催されるジャパン モビリティショー2023に、5台のコンセプトモデルを出展すると発表した。 いよいよ現実に!? ボディを変えられるクルマ 軽のバッテリー電気自動車(BEV)の「me:MO(ミーモ)」は、内外装部品をモジュール化し、デザインだけでなく、ボディ形状まで変更可能としたのが特徴。こうした部品の共通化は、欧州でヒット中のマイクロBEVシトロエン「アミEV」などにも採用され、コスト削減の手法として注目を集めている。 ダイハツはさらに顧客のライフステージや用途に応じてクルマのカタチそのものを変更可能とし、サステイナブルなモデルとしてアピールしている。これまでも類似したコンセプトは存在したが、パワートレインをはじめ、様々な技術革新により、ボディを変えられるクルマも現実味を帯びてきた。もし市販化されれば、大ヒットの可能性を秘めていそうだ。 近未来の“働くクルマ” 電動化まったなしの商用軽については、同分野で発表済みのスズキやトヨタと共同開発したバンとまったまったく異なるBEVコンセプト、「UNIFORM(ユニフォーム)」シリーズを出展する。このうち、トラックの「UNIFORM Truck(ユニフォーム トラック)」は荷台に見るからに使い勝手の良さそうなほぼ真四角の箱を乗せた外観が特徴だ。 一方、バンの「UNIFORM Cargo(ユニフォーム カーゴ)」は、トラックと全長は同じながら、ホイールベースを55センチ延長し積載量を最大化。移動店舗などに使える外部給電機能も備えており、未来的な外観も相まって、市販されればクルマで事業を営むユーザーから大きな反響を呼びそうだ。 移動を楽しむ、その名も“オサンポ” 遊び心がたっぷり詰まった「OSANPO(オサンポ)」は、軽規格のオープンBEVコンセプト。軽オープンの名車「コペン」に、SUVテイストを加えたようなエクステリアは、親しみやすさと楽しさが融合した仕上がりだ。 ダイハツがOSANPOで提案するのは、カリカリのオープンスポーツではなく、気持ちいい風に吹かれながら、お散歩気分で自然と触れ合うドライビング。EVゆえバッテリーの搭載によって高めになりがちな全高を、開放感向上というアピールポイントに変えて、これまでにない新感覚のオープンカーに仕立てている。BEVのウィークポイントを逆手に取ったオープンカーの商品企画は、今後他のメーカーにも影響を与えるかもしれない。 いよいよ出るか、“ビッグコペン” 最後に紹介するのは、出展されるコンセプトのうち、おそらく最も市販化が期待できそうな「VISION COPEN(ビジョン・コペン)」。コペンの気軽さはそのままに、走る喜び・楽しさを追求したというこのオープンカーは、ルックスこそ初代「コペン」の進化版だが、ボディサイズは全長3,835mm×全幅1,695mm×全高1,.265mm と完全な登録車(5ナンバー)規格。 エンジンもカーボンニュートラル燃料の活用を見据えた排気量1.3Lの内燃機関とされ、軽の枠を大きく超えている。さらに駆動方式は驚きのFR!。確かに、ボンネットの長いクラシカルなフォルムは後輪駆動のそれだが、このご時世にFFのコペンを駆動方式を変更してまで訴求していこうというダイハツの姿勢はクルマ好きの心を打つ。 おそらく、ボディの大型化は海外販売強化を狙ったものとも考えられるが、現状マツダ「ロードスター」しか存在しない国産FRオープンスポーツの選択肢が増えることは大歓迎。ぜひ市販化してほしいところだ。  

TAG: #BEV #ジャパンモビリティショー #未来のクルマ
TEXT:TET 編集部
ホンダ初の電動SUV「プロローグ」が北米デビュー。日本でもデカいSUV好きのユーザーに刺さりそう

全幅2m……もう少し幅狭なら日本でもイケそう ホンダの米国法人は、北米市場で2024年年初に発売を予定している新型バッテリー電気自動車(BEV)「プロローグ」を発表した。 プロローグは、ホンダがゼネラルモーターズ(GM)と共同で開発したミドルサイズSUV。2040年までにBEVと燃料電池自動車(FCEV)を合わせてグローバルで100%に引き上げる目標を掲げるホンダにとって、北米初展開となるBEVだ。 バッテリーは、GMと共同開発した「Ultium(アルティウム)」を搭載し、容量は85kW。航続距離は米国基準で300マイル(約482km)以上を目指すとされ、150kWの急速充電にも対応する。これにより約10分で最大65マイル(約104km)相当の充電が可能という。 ボディサイズは、全長192インチ(約4,877mm)×全幅78.3インチ(約1,989mm)×全高64.7インチ(約1,643mm)で、国内で販売されているモデルでは「ジープ グランドチェロキー」の車高を20cm弱落としたサイズ感となる。また、121.8インチ(約3,094mm)のホイールベースはクラス最長をうたう。 エクステリアのデザインコンセプトは「ネオ・ラギッド」とされ、最大21インチのホイールを採用するなど、EVらしいシンプルなデザインの中に、スポーティ感を程よく盛り込んでいる。公開されたプロローグのイメージを見ると、SUVとしてはかなり低めの車高が特徴的で、ロー&ワイドなシルエットが印象的だ。 >>>次ページ トルクは余裕の451Nm

TAG: #ニューモデル #プロローグ #海外モデル
TEXT:烏山 大輔
ヒョンデ、新型電気自動車「コナ」の予約受付を開始、予定価格は税込400万円から

ヒョンデは9月27日、11月に発売を予定しているバッテリー電気自動車(BEV)の「コナ」の予約受付を開始した。 4グレード展開で予定価格は400万円から 発表された日本でのグレードと予定価格帯(税込)は以下の通りだ。 Casual:400万円~420万円 Voyage:450万円~470万円 Lounge:480万円~499万円 Lounge two-tone:480万円~499万円 1-2ヶ月後の発売予定にもかかわらず「予定価格帯」としているのは、円相場の動きを警戒したものだろう。今後の「確定」価格発表を待ちたい。 仮にCasualグレードが400万円だった場合、コナは給電機能(V2H/V2L)を有し、国からは65万円の補助金が見込めるため、実質335万円で購入可能になるだろう。 東京都民の場合は、都からさらに45万円の補助金が期待できるので290万円になる。自宅に太陽光発電設備がある場合はさらに30万円がプラスされ、合計140万円も安くなり、260万円で購入できる可能性がある。 ボディカラーは落ち着いた色のモノトーンが6色、ツートーンのみビビッドな黄色や赤が選択できる。 駆動方式はフロントにモーターを搭載したFWD(前輪駆動)のみだ。 バッテリーは2種類 Casualは48.6kWh、その他のグレードには64.8kWhの容量を持つバッテリーが搭載される。 一充電走行距離の発表はなかったが、同じくヒョンデのBEVであるアイオニック5の数値(※)を参考にすると、おそらく48.6kWhは415-440kmほど、64.8kWhは550-580kmほどと推測できる。 Casualとその他グレードの価格差は50万円だ。プラス100kmの「航続距離」という安心を50万円で入手できる。 ※:アイオニック5もバッテリー容量が2種類あり、一充電走行距離をバッテリー容量で割ると、いずれも電費は約8.5km/kWhになる。コナはアイオニック5よりも200kgほど軽いので、多少の上振れを考慮して推計した。

TAG: #KONA #コナ #ヒョンデ
TEXT:烏山 大輔
BYDの新型EV「ドルフィン」は363万円から。補助金で200万円台も可能

BYD Auto Japanは9月20日、日本で販売する2番目のモデルであるBEV(バッテリー電気自動車)「ドルフィン」の価格を発表し、発売も開始した。 300万円台のスターティングプライスを実現 価格は航続距離(WLTC)400kmの「ドルフィン」が363万円、同476kmの「ドルフィン・ロングレンジ」(以下、ロングレンジ)が407万円だ。 65万円の国からの補助金を活用することにより、ドルフィンは298万円、ロングレンジは342万円で購入可能だ。 ボディサイズは全長4,290mm、全幅1,770mm、全高1,550mmで、多くの機械式駐車場に入庫可能なサイズとした。 ドルフィンとロングレンジの駆動方式は、ともにフロントにモーターを搭載したFWDのみ。 ドルフィンとロングレンジの外観での違いは、ボディカラーがドルフィンのワントーンに対して、ロングレンジはボンネット、ピラー、ルーフがブラックやグレーのツートーンに塗り分けられていることだ。   ベースバージョンでも400kmの航続距離と充実した装備 ドルフィンとロングレンジの主な差は下記のとおり。 バッテリー総電力量 ドルフィン:44.9kWh、ロングレンジ:58.56kWh 急速充電性能(CHAdeMO) ドルフィン:65kW、ロングレンジ:85kW 一充電走行距離(WLTC) ドルフィン:400km、ロングレンジ:476km モーター出力 ドルフィン:70kW(95ps)/180Nm(18.4kgm)、ロングレンジ:150kW(204ps)/310Nm(31.6kgm) リヤサスペンション ドルフィン:トーションビーム、ロングレンジ:マルチリンク ロングレンジにあってドルフィンにない主な装備は、スマホワイヤレス充電、パノラミックガラスルーフだ。 安全・運転支援システムは、ドルフィンとロングレンジともにアダプティブ・クルーズ・コントロール、自動緊急ブレーキ、エレクトロニックスタビリティーコントロール、幼児置き去り検知システムなど全45装備ととても充実している。 日本以外では1,570mmの全高を、ルーフのアンテナを調整することで1,550mmとしたり、右ウインカーと日本語音声認識への対応、日本向けにペダル踏み間違い時加速抑制装置を独自開発するなど、BYD本社とBYD Auto Japanがドルフィンにかける大きな期待が感じられる。 現在日本で購入でき、軽自動車を除くBEVで最も低価格だったのは、「日産リーフ」(408.1万円、40kWhバッテリー、航続距離322km)だった。今回のドルフィンの価格は、リーフよりもリーズナブルで、軽自動車BEVとの隙間を埋めるものだ。 BYDが「コンパクトEVの決定版」と謳うドルフィンは、「日産サクラ」や「三菱ekクロスEV」のように大ヒットするだろうか。今後のBYDからのニュースに注目したい。 試乗記はこちらをご覧ください。   BYDドルフィン 全長:4,290mm 全幅:1,770mm 全高:1,550mm ホイールベース:2,700mm 車両重量:1,520kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:129Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:400km(WLTCモード) 最高出力:70kW(95ps)/3,714-14,000rpm 最大トルク:180Nm(18.4kgm)/0-3,714rpm バッテリー総電力量:44.9kWh モーター数:前1基 トランスミッション:1段固定 駆動方式:FWD フロントサスペンション:マクファーソンストラット リアサスペンション:トーションビーム フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ソリッドディスク タイヤサイズ:前後205/55R16 最小回転半径:5.2m 車両本体価格:363万円   BYDドルフィン・ロングレンジ […]

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TEXT:TET 編集部
大型トラックのEV化進む。メルセデスが航続距離500kmの「eアクトロス600」を発表

独メルセデス・ベンツの商用車部門メルセデス・ベンツ・トラック・バスは9月11日、電動大型トラック「eアクトロス」のロングレンジ版として、航続距離500kmを実現した「eアクトロス600」を、10月10日にワールドプレミアすると発表した。 1000kWh充電に対応 メルセデス・ベンツ・トラック・バスは世界で商用車の電動化を進めているが、その中でも大容量の荷物輸送に特化した大型電動トラックシリーズとして展開しているのが「eアクトロス」だ。そのネーミングどおり、かつて日本でも販売されていた内燃機関版の「アクトロス」をベースに、完全電動パワートレーンを与えられた同シリーズは、これまで「eアクトロス300」(112kWhバッテリー3個搭載)および「eアクトロス400」(同4個搭載)が発売済み。これらのモデルは、最大で400kmに達する航続距離を武器に、既に欧州などでは実際のビジネスシーンで活用が始まっている。 今回、そのeアクトロスに新設定されることが判明したeアクトロス600は、数字から分かるように、航続距離をさらに延長。メルセデス・ベンツ・トラック・バスによれば、充電なしで最大500kmの航続距離を達成しているという。さらに、将来的な1000kWh(メガワット)充電にも対応できるよう設計されているとのことだ。 その詳細なスペック等はまだ公表されていないが、昨秋ドイツで開催された「IAAトランスポーテーション2022」にメルセデス・ベンツ・トラック・バスが出展したプロトタイプ「eアクトロス・ロングホール」は、大容量のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを3つ搭載し、600kWh以上の電池容量で約500kmの航続距離を実現していた。明言はされていないものの、航続距離の公表値からして、eアクトロス600がeアクトロス・ロングホールの量産版と考えれば、そのバッテリーは上述のリン酸鉄タイプ3個ということになるのだろう。 また、今回同時に公表されたティザーイメージからは、eアクトロス600がトラクターヘッドであることも判明。もしかすると、これは数あるボディ形状の一つかもしれないが、少なくともメーカーが最も数を売りたいと考えているのは、トラクターヘッドなのだろう。実は、メルセデス・ベンツ・トラック・バスでは牽引されるトレーラーを使って航続距離をさらに伸ばすことも検討中。具体的には、トレーラーにもバッテリーと駆動モーターを搭載することで、航続距離を最大800km程度まで延長できる見通しということだ。 もちろん、これはすぐに市販可能というわけではないだろうが、トラクターヘッドをeアクトロス600のアイコンにすることで今のうちに数を売り、将来的なトレーラーの販拡にもつなげようという狙いかもしれない。 もうひとつ、注目なのはeアクトロス600が既存の300や400とは異なるデザインを採用しているらしいこと。ティザーイメージからは、コクピットが既存モデルより強くスラントしているようにも見え、メルセデス・ベンツ・トラック・バスもエアロダイナミクスを高めた旨発表しているから、トラックとしては異例のスタイリッシュなルックスも期待できそうだ。 世界では大型トラックも着実に電動化が進んでいる。こうした動きが日本にどのような影響を与えるのか、注目していきたい。  

TAG: #メルセデス・ベンツ #商用EV #発売前モデル
TEXT:TET 編集部
新モデル「iX1 eDrive20」がBMWのEVに追加。実質500万円前後で購入可能かも?

独BMWは9月5日、バッテリー電気自動車(BEV)である「iX1」に、新グレード「iX1 eDrive20」を設定し、発表した。 BMWの新たな電動エントリーSUV BMWがSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶSUVシリーズのうち、最もサイズの小さい「X1」をベースに、パワートレーンを電動化した「iX1」。今年2月にフルモデルチェンジした同モデルに、お手頃な新グレード「iX1 eDrive20」が追加された。 全長4,500mm×全幅1,835mm×全高1,620mmというボディサイズは、都市生活者にもピッタリのサイズ感だったが、従来のグレード構成は、前後ツインモーターのAWDパワートレインが最高出力272psを発揮する「iX1 xDrive30」のみ。スタート価格はBMWのBEVの中では最も安価ではあったものの、698万円となかなかの高額となっていた。 こうした状況のなか、よりリーズナブルなEVを求める人に朗報となるのが、今回本国で発表されたeDrive20だ。パワートレーンは204hp(約207ps)を発揮するシングルモーターによるFWD。xDrive30に比べると2割程パワーで及ばないが、0-100km/h加速は8.6秒、最高速度は170km/h(リミッター作動)と、街乗りには十分なスペックを確保している。駆動方式も頻繁にスキー等のレジャーへ出かけるのでなければ、FWDで必要十分と考える人もいるだろう。 eDrive20のフロアに搭載されるバッテリーの容量は64.7kWh。日本仕様のxDrive30が66.5kWhであるのに対し、若干小さい容量となるが、その差は微々たるもの。また、eDrive20の航続距離(WLTP暫定値)は、最大475kmとアナウンスされており、日本仕様のxDrive30(最大465km)よりも若干伸びている。基準等の差異による影響はあるにしても、xDrive30とeDrive20はほぼ同程度の航続距離と考えていいだろう。 >>>次ページ 車両価格は約600万円。補助金を利用できるとすれば……

TAG: #iX1 #SUV #ニューモデル
TEXT:TET 編集部
次期MINIのEV版が発表! 新型「MINIクーパー」と「MINIクロスオーバー」が世界初公開

独BMWは、フルモデルチェンジした新型「MINIクーパー」および新型「MINIカントリーマン(日本名:MINIクロスオーバー)」のバッテリー電気自動車(BEV)バージョンを発表した。実車は9月5日に独ミュンヘンで開幕するIAAモビリティ2023で公開される。 デザイン一新、航続距離は300〜400kmを確保 まず、ラインナップの核となる3ドアハッチバックのMINIクーパーは、184hp/290 Nmの「クーパーE」および、218hp/330Nmの「クーパーSE」というラインナップで登場。0-100km/h加速はクーパーEが7.3秒、クーパーSEが6.7秒と発表されている。航続距離(WLTPテストサイクル)は、40.7kWhバッテリーを搭載するクーパーEが最大305km、大容量の54.2kWhバッテリーを搭載するクーパーSEは最大402kmとなる。 直流急速充電については、クーパーEは最大75kWまで、クーパーSEは最大95kWまで対応し、残量30%から80%までおよそ十分弱で充電可能とのことだ。なお、第5世代にあたる新型MINIでは、「クーパー」の呼称はこれまでのようにエンジン出力を示すのではなく、3ドア/5ドアハッチバックおよびコンバーチブルのサブネームとなる模様。 新型MINIクーパーのエクステリアは、新たにフラップ式とされたドアハンドルや、フェンダーフレアを排したフラットなデザインが特徴。フロントグリルはこれまでの六角形から八角形とされ、表情に力強さを与えている。また、特徴的な円形ヘッドライトにはアニメーション機能も付与され、インタラクティブな体験が可能となっている。 インテリアについてはダッシュボード表面が初めてテキスタイルとされ、温かみのあるデザインとなった。コクピット中央には直径240mmの円形OLEDディスプレイが設置され、速度やバッテリーの状態など車両関連情報に加え、ナビゲーション、各種メディア、電話、天気予報などの表示が可能。さらに、アイコニックなトグルスイッチも残され、見た目はそのままに重要な機能へのショートカットとして機能するようだ。 >>>次ページ MINIクロスオーバーはより長い航続距離を実現

TAG: #MINI #MINIクロスオーバー #発売前モデル
SDGs 氷上電気カート競技会 ERK on ICE(photo=日本EVクラブ)
TEXT:福田 雅敏
EVカートでアイスダンス……氷上EVカート競技「ERK on ICE」の申込みが9月9日まで

腕に関係なく参加が可能 日本EVクラブは、新感覚のEVモータースポーツ「第4回SDGs氷上電気カート競技会 ERK on ICE」を開催する。 筆者は第1回からこの「ERK on ICE」にスタッフとして参加している。「ERK on ICE」は、普段モータースポーツとは無縁のアイススケートリンクを使用し、電動レーシングカート(ERK)を滑るように走らせるイベント。普段味わうことができないクルマの挙動の面白さを体験できる唯一無二の機会である。 レース経験やテクニックに応じたクラス分けをしているため、経験を問わず気軽に申し込め、無理なく楽しめる内容となっている。3回目の開催となった昨年は、小学生や障害を持った方も参加し、氷上での新しいEVモータースポーツへの関心の高まりと同時に、裾野の広がりを感じた。

TAG: #EVカート #イベント #モータースポーツ
TEXT:烏山 大輔
テスラが新型「モデル 3」を受注開始!「オートシフト」を搭載か、航続距離は700km超えもあるか!?

テスラは9月1日、「モデル 3」のマイナーチェンジ版の受注を開始した。内外装デザインにも大幅に手が加えられた。その詳細をみていく。 パフォーマンスグレードはなし 今回発表された新型「モデル3」のグレードは、RWDとロングレンジの2つで、価格とスペックは下記の通りだ。納車は今年の12月以降を予定している。 RWD 563.1万円、航続距離513km(WLTP)、0-100km/h加速6.1秒、最高速201km ロングレンジ(AWD) 651.9万円、航続距離629km(WLTP)、0-100km/h加速4.4秒、最高速201km 現行型で航続距離605km(WLTC)、0-100km/h加速3.3秒、最高速261kmだったパフォーマンスグレードの発表はなかったので、今後の展開を待ちたい。 ついにレバーも無くなった BEV(バッテリー電気自動車)専業メーカーとして、これまでの自動車会社によるクルマ作りの固定観念のないテスラは、スイッチ類を“断捨離”し、驚くほどシンプルなインテリアを創り出してきた。 そしてその発想はついにステアリングコラムから左右に1本づつあったレバーさえも無くしてしまった。そしてレバーが持っていた機能、ウインカー、ワイパー、ライト、ACC(アダプティブクルーズコントロール)はステアリングホイールのスポーク部に移されている。 写真からは読み取れなかったシフトコントロールについてテスラ担当者に確認したところ、モデル Sと同様の「オートシフト」を含む下記の3種類が予定されているが、まだ日本仕様がどうなるかは決まっていないそうだ。 「オートシフト」:乗車後、シートベルトを着用してブレーキを踏むと、カメラが周囲を認識し、D or Rが自動で選択される。 「タッチスクリーン」:タッチスクリーン上に表示されるPRNDを押す。 「PRNDボタン」:天井部に表示されるPRNDボタンをタップする。 シフトレバーを無くすどころか、車両が判断することでシフト操作からもドライバーを解放するテスラの考え方には脱帽だ。 ドアトリムとダッシュボードの連続性のあるデザインも新しくなり、現行のそれと比べると、よりダッシュボードの奥に弧を描くような自然なラインになっている。この変更により広々感を得つつも、スッキリとした見た目になった。アンビエントライトもその効果をより強くすることに一役買っている。 前席のシートベンチレーションと後席用の8インチタッチスクリーンも新設された。

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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