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TEXT:烏山 大輔
販売台数で好調を維持するテスラが、モデル3 とモデルY を値下げ

テスラが、モデル3 とモデルYの値下げを発表 2023年7月1日からの値下げで、モデル3は最大21.6万円、モデルYでは最大で30万円の値下げとなる。さらにCEV補助金(65万円)や各種補助金(東京都の補助金は45万円)を適用すると、モデル3は400万円台で購入することができるようになる。居住地の市区町村の補助金もある場合は、さらなる出費の低減も可能だ。 改定後(消費税込) 価格差 モデル 3 RWD ¥5,245,600 -¥160,400 ロングレンジAWD ¥6,268,600 -¥193,000 パフォーマンス ¥7,005,600 -¥216,000 モデル Y RWD ¥5,637,000 -¥234,600 ロングレンジAWD ¥6,526,000 -¥271,600 パフォーマンス ¥7,279,000 -¥302,600 また、テスラは2023年第2四半期の好調な販売台数(モデルSとYで19,225台、モデル3とYで446,915台、合計466,140台)により、2023年の累計納車台数が、889,015台と過去最高の納車台数を達成している。モデル3 とモデルYの値下げはこの勢いの維持に貢献するだろう。 テスラ独自の充電システム「スーパーチャージャー」も加速中 テスラのスーパーチャージャーは、わずか数十分で充電が完了し、旅行や移動中に充電で停車する回数や時間を最小限に抑えるために戦略的に配置されている。 現在、日本で展開されているあらゆる充電技術よりも高性能で、V3スーパーチャージャーは最大250kWの出力により約15分で最大275km走行分を充電することができる。 スーパーチャージャーネットワークは、北米、ヨーロッパ、そしてアジア太平洋地域の主要なルートを繋ぎ、合計で45,000基以上が設置されている。日本国内では先月、新たに9箇所がオープンし、現在は79箇所390基以上のスーパーチャージャーが稼働している。 さらに北米では、フォードに続きGMやボルボもテスラ規格である「NACS」の採用を決定した。このテスラ規格は普通充電と急速充電の両方に対応しており、今後さらなる拡大も見込まれる。

TAG: #テスラ #モデル3 #モデルY
TEXT:烏山 大輔
アクサダイレクト、電欠時の「EV駆けつけ充電サービス」を全国で開始

アクサ損害保険株式会社(以下「アクサダイレクト」)は、2023年5月より「EV駆けつけ充電サービス」を開始した。 アクサダイレクトの自動車保険とバイク保険を契約している顧客のBEV(バッテリー電気自動車)の充電が切れて「電欠」状態となった場合に、全国(一部の離島を除く)の提携ロードサービスセンターから現地へ駆けつけて給電を行う。 全国47都道府県の提携ロードサービスセンターに、給電設備が搭載された車両もしくは携帯式充電器を配備し、電欠時の対応を強化した。EV所有者が多い都市に位置する提携ロードサービスセンターには、給電機能を備えた車両を複数台配置し、今後増加が見込まれる要請にも対応していく。 なお、EVに対する現地給電は車の状況・条件により提供できない場合もあり、提供できない場合は、現場から最寄りの充電可能な設備までのレッカー移動の対応となる。 アクサダイレクトは、保険会社としてグリーン・インシュアランス・プロダクト(環境に配慮した保険商品)を推進しており、サービスの提供を通じて、国内のEV普及を後押し、環境負荷低減と脱炭素社会実現への貢献を目指している。 2022年に「EV割引」と「EV充電設備補償特約」を導入し、2023年1月には「AXAプレミアムロードサービス規定」を改定し、EVが電欠で自力走行不能となった場合、その現場から最寄りの充電可能な設備までのレッカー移動の利用回数を無制限とした。

TAG: #充電 #自動車保険 #電欠
TEXT:TET 編集部
「EVsmart」と「EV充電エネチェンジ」アプリが統合し「EV充電エネチェンジ」へと進化。ユーザー評価機能も 

脱炭素テック企業のENECHANGE(エネチェンジ)株式会社は6月27日、同社が運営する充電スポット検索アプリ「EVsmart」と「EV充電エネチェンジ」アプリを統合すると発表した。2つのアプリはEVユーザーにとってより便利な統合版「EV充電エネチェンジ」アプリへと生まれ変わり、「検索する」「充電する」「記録する」のすべてが1つのアプリで完結する。 充電器のユーザー評価の機能がプラス これまでエネチェンジ社が運営してきた「EV充電エネチェンジ」は、充電スポットの検索のほか、充電器利用時の操作やキャッシュレス決済にも対応したアプリ。エネチェンジ社は東京証券取引所グロース市場に上場するベンチャー企業で、同社の6kW倍速充電器は既に全国の商業施設等へ3,000基以上の導入が決定している。そして、「EV充電エネチェンジ」アプリを利用するEVユーザーは、各地の同社充電器の検索から、支払いまで行えるようになっていた。 これだけでも十分利便性は高かったが、さらなる使い勝手が図られることとなった。「EVsmart」アプリ統合により、新機能の「稼働状況の口コミ記録」が追加された。具体的には、気軽に利用報告ができる「使えた」「使えなかった」の評価ボタンや、コメント機能の他、お気に入りスポットの登録が利用可能となる。 既にグルメサイトなどでお馴染みだが、こうしたユーザーによる口コミ機能はサービスの質を高めていくうえで役立つ。特に充電設備の場合、行ってみたら故障で使えなかったという問題や、利用施設から遠く離れた場所に設置されていて利便性が低かったなど、事前に知りたい情報が多い。 また、周辺に他の充電器がない場所で、行ってみたら充電器が使えなかったとなれば、バッテリー残量の不足といった事態にもなりかねない。そのため、口コミの持つ重要性は高いと言えるだろう。 >>>次ページ 新アプリへは自動移行。さらに使えるアプリへ

TAG: #エネチェンジ #充電インフラ #充電器
TEXT:烏山 大輔
三菱とヤマダデンキが、「eKクロス EV」と「ミニキャブ・ミーブ」の法人向け新車販売で協業

三菱自動車工業とヤマダデンキは、ヤマダデンキの神奈川県と埼玉県の計5店舗において、三菱自動車の軽EV「eKクロス EV」と軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の法人向け新車販売を7月4日から開始することを発表した。 三菱自動車とヤマダデンキは、これまでもEV販売に関する協業実績があり、2010年にはヤマダデンキの一部店舗でEV「アイ・ミーブ」の新車販売を行っていた。 今回の協業では、三菱自動車の国内販売子会社である東日本三菱自動車販売の営業地域で、法人向け自動車販売を手がけるヤマダデンキの5店舗において新車販売を開始し、今後は販売店舗を11店舗まで増やす計画だ。また、購入後のアフターサービスについては、東日本三菱と連携しヤマダデンキがパートナー(一般社団法人日本自動車車体補修協会)と構築している整備ネットワークが担当する。 三菱自動車は、軽EV「eKクロス EV」と軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の商品ラインナップが揃ったことを機に、ヤマダデンキと再び協業し、お客様にEVの活用提案と利便性の高いサービスを提供することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。 ヤマダデンキは、「創造と挑戦」の理念に基づき、電気自動車(EV)を「21世紀の新しい家電」と位置づける新たな発想とサービスの融合を実現すべく、これまでEV周辺事業であるバッテリーチャージング事業、スマートハウス事業、自動車整備事業(ヤマダ車検)など、次世代モビリティ・ビジネスの構築に取り組んできた。 三菱自動車と再び協業し、EVの取り扱いを開始することで、これまで培ったEV用充電器や太陽光発電システム、V2H(Vehicle to Home)の販売や設置工事請負事業、そして自動車整備などの周辺サービス事業をさらに拡大し、お客様に日本最大級の店舗ネットワークの強みを生かした「EVのワンストップサービス」を提供することで、社会と環境への貢献に資する新たな可能性を追求していく。 EVの取り扱いを開始するヤマダデンキ5店舗 テックランド横浜本店(神奈川県横浜市港南区下永谷5-2-1) テックランド横浜泉店(神奈川県横浜市泉区上飯田町 3937) 家電住まいる館 YAMADA 戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区汲沢2- 1-7) テックランド大宮宮前本店(埼玉県さいたま市西区宮前町 257) Tecc LIFE SELECT 春日部本店(埼玉県春日部市小渕字前田 259-3)

TAG: #eKクロス EV #ミニキャブ・ミーブ #ヤマダデンキ
「白馬EVラリー」2022年の様子
TEXT:福田 雅敏
全国のEV乗りよ白馬へ集え…「ジャパンEVラリー 白馬 2023」の記念すべき10回目が開催

EV乗りのツーリングイベントが7月22日(土)・23日(日)に開催 EV乗りのツーリングイベント「ジャパンEVラリー 白馬 2023」(白馬EVラリー/主催:日本EVクラブ)が、7月22日〜23日に開催される。 全国のEV乗りが集まるこのイベントは、今年で10回目を数えるそこそこの歴史を持つ。現在、参加者を募集中だ(EV1台につき6,000円/日本EVクラブ会員は5,000円)。筆者も参加経験があり、特に昨年はスタッフとしてイベントを手伝った。 EV乗りはもちろん、EVに興味のある方もぜひ訪れてほしいイベントなので、この場を借りて、昨年の内容を振り返りつつ紹介したい。 今年で10回目の開催、遠くは屋久島からの参加者も 「白馬EVラリー」は、今年で10回目を数えるそこそこ歴史のあるイベントである。昨年の参加台数は79台で、最も遠くは岡山県井原市からの参加者がいた(会場まで約650km)。ちなみに記録は、鹿児島県の屋久島からの参加である(約1,450km)。最も遠方からの参加者には、白馬村長賞が用意されているので「我こそは」というEVユーザーはぜひ挑んでほしい。 イベントは2日間行われ、もちろん片方の曜日の参加でもOKだ。しかし2日間にわたって行われる「ミッションラリー」というコンテンツが用意されているので、せっかくであれば宿泊の上での参加をお勧めする。 2日間にわたる賞典ありのコンテンツ 「ミッションラリー」は以下の内容となる。 1.白馬村の宿に泊まる(充電設備のある施設) 2.試乗会に参加する(22日に開催) 3.パレードに参加する(23日に開催) 4.SNSに投稿する(「#EVラリー白馬2023」のハッシュタグをつけてTwitter/Facebook/Instagramのいずれかに投稿) 5.白馬村内にてランチをとる(22日中に) 参加者には「ミッションシート」が配布され、これらのミッションをクリアするごとにスタンプがもらえる。 また、「デジタルスタンプラリー」というコンテンツもある(1日の参加でもOK)。白馬村内に設定されたスポットを巡ることで、専用アプリ内にポイントが集計される。「ミッションラリー」と「デジタルスタンプラリー」のポイントは合算され、両方をクリアした上位入賞者には、白馬村宿泊補助券や白馬村特産物などの賞品が授与される。

TAG: #イベント #オフ会 #ジャパンEVラリー
TEXT:烏山 大輔
代官山T-SITEで「アイオニック5」のカーシェアを開始!ヒョンデとCCCがZEV時代の共創パートナーに

ヒョンデとCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は6月22日、代官山T-SITE(東京都渋谷区)でZEV(ゼロエミッション・ビークル、走行中に二酸化炭素を排出しない電気自動車や燃料電池車の総称)時代の共創パートナーシップに向けた協業に合意し、調印式を行った。 お互いの企業理念に共鳴 地球環境や気候変動など地球規模で取り組むべき環境課題のひとつである「脱炭素社会」の実現に向け、世界的にZEV 市場が急拡大する中、生活者においてもクルマに対する新たな価値観が浸透しはじめ、モビリティライフは大きな変革のタイミングを迎えている。 そのような中でヒョンデは、「Progress for Humanity(プログレスフォーヒューマニティ)」をブランドビジョンに、環境や気候に優しい未来への道を開くため、ヒョンデが提供するクリーンモビリティを新しい移動手段として、すべての人がより持続可能な暮らしを送ることができるライフスタイルを提案している。 一方CCCは、「カルチュア・インフラを、つくっていくカンパニー。」をミッションに、変化する時代とライフスタイルに対して、TSUTAYA や蔦谷書店、1.3億人(有効ID数)のビッグデータなどを通じ、「自分らしさ」=「My Style」を持っている人々へ、新しい「ライフスタイルの提案」により、「ヒトと世の中をより楽しく幸せにする環境=カルチュア・インフラ」の創出を行っている。 ヒョンデとCCCは、それぞれのブランドコンセプトとミッションに共通する「ライフスタイル提案」という考え方に共鳴し、経済的・社会的・環境的な持続可能性が求められる新たな時代を見据え、両社の強みを活かした「ZEV を通じた新しいライフスタイル」を日本国内に浸透させ、その先にあるグローバルな展開も視野に入れ、両社の協業を進めていく。 両社は今回の基本合意を元に、「新たなモビリティサービスの創出」「ZEV拡大のためのデータマーケティング協業」「グローバルEV体験プラットフォーム開発およびその拡大」の3つの主要協業領域を選定した。

TAG: #CCC #MOCEAN #カーシェア
TEXT:烏山 大輔
日本未発売の「アイオニック6」も間近で見られる!代官山T-SITEで「ヒョンデウィーク」を開催

ヒョンデは6月30日(金)までの期間限定でヒョンデウィークを開催中だ。 代官山T-SITEには、ヒョンデのBEV(電気自動車)のアイオニック5、100台限定のアイオニック5 Lounge AWD Limited Edition、2023ワールドカーオブザイヤーに輝いたアイオニック 6が展示される。さらにヒョンデの自動車の歴史や伝統、ブランドストーリーを体感できるコンテンツ展示もある。 また期間中、代官山T-SITE の各展示エリアでスタンプを集めると、毎日先着50名にヒョンデオリジナルステッカーがプレゼントされる。 さらに試乗予約をした方を対象に全国の映画館で上映中の映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」の映画鑑賞ペアチケット引換券のプレゼントイベントも実施する。 なお、代官山T-SITEでは、6月23日からアイオニック5(Loungeグレード)をカーシェアできる「MOCEAN(モーシャン)」というカーシェアサービスも始まる。 今秋にはBEVの「コナ」の日本導入が迫るヒョンデに今後も注目していきたい。 <Hyundai Week> ■イベント開催期間:2023年6月22日(木)~6月30日(金) ■時間:10:00~20:00 ■場所:代官山T-SITE(東京都渋谷区猿楽町16-5) ■展示エリア: ・アイオニック 5 Lounge AWD Limited Edition:2号館1階展示スペース ・アイオニック 5 Lounge AWD:2号館・3号館メインストリート ・アイオニック6:タクシー乗り場

TAG: #アイオニック 6 #カーシェア #ヒョンデウィーク #モーシャン
TEXT:TET 編集部
905馬力のモンスターSUV降臨。ロータス、ブランド初の電動SUV「エレトレ」の国内受注を開始

ロータスの日本における代理店エルシーアイは、ブランド初となるSUVのバッテリー電気自動車(BEV)、「エレトレ」の予約販売を6月17日に開始した。エルシーアイによると日本へ導入されるのは、「エレトレS」および「エレトレR」の2モデルとなる。 速さを取るか、航続距離を選ぶか 公表された日本仕様のスペックを確認すると、まずシングルモーターのエレトレSは、603hp/710Nm、0-100km/h加速4.5秒、最高速度258km/h、航続距離600km(WLTP)。一方ツインモーターのエレトレRは、905hp/985Nm、0-100km/h加速2.95秒、最高速度265km/h、航続距離490km(同)となる。 つまり、エレトレSは航続距離を重視したロングレンジグレード。エレトレRは走行性能を追求したパフォーマンスグレードという位置付けだ。とはいえ、エレトレSでもメルセデス「EQS SUV」のトップグレードを凌ぐ馬力なので、ロータスがアピールするハイパーSUVであることに疑いはない。 充電時間の早さもエレトレの特徴で、800VのEVアーキテクチャーはDC350kWまでの急速充電に対応。最速わずか20分で充電量10%から80%までチャージでき、その電力で400kmの走行が可能という。充電中にリアコンビネーションライトが緑色に光り、バッテリー残量をリアルタイム表示するのも所有欲を掻き立てるギミックだ。 また、高度な自動運転へ対応した装備も充実している。エレトレのLiDAR(レーザー光を使った計測システム)は車両の周囲200mを全方位スキャンし、高度な3Dマップを生成可能。前方の環境検知には500m先まで撮影できる望遠カメラを装備し、4つのサイドカメラやリアセンサーも合わせ、360度あらゆる方向をカバーする。もちろん、フロントにはミリ波レーダーも備え、歩行者等も正確に発見可能だ。これらは、将来的な完全自律走行も視野に入れた装備で、オーナーはソフトのアップデートだけで最新の運転支援システムを享受できるという。 >>>次ページ インテリアはスポーティかつ高級

TAG: #SUV #ロータス #高性能車
TEXT:TET編集部
スズキ、空飛ぶクルマ事業へ前進:24年春生産開始を目指しスカイドライブと基本合意書を締結

スズキの工場で「空飛ぶクルマ」を作る スズキ株式会社(以下、「スズキ」)は、「空飛ぶクルマ」の製造に向けた協力について、株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役CEO福澤知浩、以下「スカイドライブ」)と基本合意書を締結。調印式にはスズキの神代英俊 常務役員、スカイドライブの福澤知浩 代表取締役CEOが出席した。 スカイドライブは「空飛ぶクルマ」の製造を目的とした100%出資の子会社を設立する。スズキとスカイドライブは、スズキグループが静岡県内に保有する工場を活用し、2024年春ごろから製造開始を目指す。スズキは、スカイドライブ製造子会社の人材確保など、製造開始に向けた準備についても協力する。より具体的な条件については協議を継続し、別途取り決める予定。 2022年3月には 両社が「空飛ぶクルマ」の事業・技術連携に関する協定を締結した。さらに同年9月には、スズキがスカイドライブへの出資を明らかにしている。今回の基本合意書締結は、こうした協力関係をさらに強固にするものだ。 2社の連携協定には、機体開発及び要素技術の研究開発、製造・量産体制および計画、スズキの四輪・二輪・マリンに「空飛ぶクルマ」を加えた新しいモビリティの具体化、インドを中心とした本件対象の海外市場開拓など、「空飛ぶクルマ」の社会実装実現を目指した幅広いターゲットが盛り込まれている。

TAG: #スカイドライブ #スズキ #モビリティ #空飛ぶクルマ
TEXT:TET 編集部
BYD、フランスにEVを5モデル投入。コンパクトから高級セダン、SUVまでラインナップ

中国最大の電気自動車(EV)メーカー、BYDは、新たに参入したフランス市場に5つのモデルを投入すると発表した。併せて年内に15から20のサービス拠点をオープンし、2025年には100店舗を目指す計画を明らかにした。 すでに欧州14ヵ国に参入済みのBYD 2022年に世界で186万台以上のEVを販売し、米テスラを猛追する勢いを見せたBYD。日本国内でもコンパクトSUVの「ATTO 3(アット3)」を440万円からという戦略的価格で販売し話題になった。 実はこのBYD、EVの普及が遅れる日本よりも先に欧州で知名度を高めており、既に英国、ドイツ、オランダ、ベルギー、オーストリアなど欧州14ヵ国に参入を果たしている。そして今月、満を持してドイツ、英国と並ぶ自動車大国フランスで車両のデリバリーが始まり、間もなく一般販売も開始されるのだ。 当初、フランスで販売されるのは先述のアット3に加え、Eセグメントセダンの「漢(ハン)」、7人乗りEセグメントSUVの「唐(タン)」の3台とのこと。そして、Cセグメントハッチバックの「DOLPHIN(ドルフィン)」、Dセグメントセダンの「SEAL(シール)」がそれらに続くようだ。 ここでアット3以外の日本ではなじみの薄い4台を紹介しておこう。まず「ハン」はオーソドックスな3ボックススタイルのセダンで、次のタンと同じく歴代中国王朝の名に由来するシリーズの1台。運転手付きで乗っても馴染むフォーマルなルックスや、元々バッテリー専業メーカーだったBYDらしく、ブレードバッテリーという薄型電池を搭載していることが特徴だ。 「タン」は「レクサスRX」などと同等のボディサイズを持つミドルサイズクロスオーバー。3列シートのレイアウトで最大7人が乗れ、米国がメイン市場と見られるが、家族での長距離バカンスが定着している欧州でも商機があると踏んでいる模様。 >>>次ページ 今年中に日本でも発売予定のドルフィンとシール

TAG: #SUV #アット3 #セダン #新型車
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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