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TEXT:TET 編集部
排ガスを出さずに要人を護衛。独BMWが世界初となるEV防弾仕様車「i7プロテクション」を発表

独BMWは8月9日(現地時間)、電動フラッグシップサルーン「i7」を防弾仕様とした「i7プロテクション」を欧州で発表した。現地における顧客への納車開始は本年12月を予定している。 64式小銃の直撃に耐える造り 従来からBMWでは上級車種を中心にVIP向けの防弾仕様を設定してきたが、今回ついにこのカテゴリーも電動化されることとなった。世界初となるバッテリー電気自動車(BEV)の防弾車としてデビューしたi7プロテクションは、i7のボディコアをアーマースチールで作られた専用品へ換装。ドア、アンダーボディ、ルーフには追加装甲が付与され、各ガラスも分厚いアーマードガラスに交換されている。 こうした装甲については、ベースとなる新型「7シリーズ」の開発段階から並行して検討が行われており、完成車を入手してから装甲を追加していく外部業者とは性能に格段の違いが生まれるとのことだ。 また、i7プロテクションが採用する「BMWプロテクションコア」は、ボディを支持する構造全体を初めてアーマースチールで構成。3次元設計された各部位は、すべて非常に高い耐性を持つ熱間成型合金で製作されており、ベースモデルと大差ないサイズで飛躍的に防護性能を高めている。さらに、時代に即して、アンダーボディに加えルーフにも爆発物に対する保護設計を採用。手榴弾の爆発による破片から乗員を保護するほか、ドローンを使った爆発物による攻撃も防ぐことができる。 もちろん、タイヤやホイールも専用開発品となっており、ホイールリムに装着されたリングにより、空気圧が完全に失われた場合でも80km/hで走行を続けることができるという。 結果として、i7プロテクションはドイツの「VR9」基準をクリア。そのガラスは自衛隊の64式小銃にも使われる7.62mm弾の直撃に耐えることができる。さらに、ボディに対して同等の保護性能を与えるオプションも用意されているから、こちらを選ぶ顧客も多くなるだろう。 >>>次ページ 防弾車にもかかわらず0-100km/h加速は9.0秒を達成

TAG: #VIP #護衛車 #防弾車
TEXT:TET 編集部
EVに“速さ”を求める人へ。「メルセデスAMG EQE SUV」がアメリカで発売。日本価格は2,000万円超か

メルセデス・ベンツの米国部門は8月1日(現地時間)、電動高性能SUV「メルセデスAMG EQE SUV」を米国で発表した。AMGモデルということで気になるのは、そのパフォーマンス。航続距離は400km以上確保しつつ、パワーは600hpを余裕で超える性能が与えられているのだ。日本導入前にその内容をチェックしておきたい。   AMGモデルに相応しい豪華ぶり 「EQS」、「EQS SUV」、「EQE」に続く、バッテリー電気自動車(BEV)専用プラットフォーム「EVA2」を使った4番目のモデルとして登場したEQE SUVは、その名のとおり、ミドルクラスセダンEQEのSUVバージョンで、内燃機関モデルでいうと「GLE」に相当するモデルとなる。 既にグローバル市場では通常のメルセデス・バージョンである2WDの「EQE 300」および「EQE 350+」、4WDの「EQE 350 4MATIC」および「EQE 500 4MATIC」がリリースされていたが、今回パフォーマンスを極限まで高めたAMGバージョンが米国で発表された。 現地でのグレード構成は、具体的な名称こそ未詳ながら(欧州では『EQE 53 4MATIC+ SUV』の名で展開)、標準仕様と豪華装備を盛り込んだトップグレードの2種類が設定される。もちろん、標準仕様とはいえAMGモデルだけに装備はかなり充実しており、「AMG RIDE CONTROL+ アダプティブダンピングシステム付きエアサスペンション」、「アクティブリアアクスルステアリング」に加え、AMG以外のEQE SUVではオプションとなる「MBUXハイパースクリーン」も標準装備となる。特に、インストゥルメントパネルが1枚のガラスで覆われるMBUXハイパースクリーンは、高価なものの、アリとナシでコクピットの印象がガラリと変わるから全車標準化はうれしい。 これに加え、トップグレードでは、AMG独自のコンテンツを含んだヘッドアップディスプレイや、4ゾーンエアコンディショニングシステム、アクティブアンビエントライティングなどが装備され快適度がさらにアップする。米国での価格は標準仕様が10万9,300ドル(約1,565万円)、トップグレードが11万2,600ドル(約1,612万円)とされ、両者の差はわずかだから、おそらくほとんどのオーナーがトップグレードを選ぶのではないだろうか。 >>>次ページ 電動SUVにして最高速度は240km/hを達成

TAG: #SUV #メルセデスAMG #発売前モデル
TEXT:TET 編集部
ドヤり過ぎないイケメン顔で登場。新型「Vクラス」&「EQV」が本国発表。日本導入に期待大

独メルセデス・ベンツの商用車部門メルセデス・ベンツ・バンズは本国で、改良型「Vクラス」を発表。併せて、同モデルのバッテリー電気自動車(BEV)バージョンとなる「EQV」の改良モデルも発表した。さっそくその内容をご紹介しよう。   高級感漂うデザインへと進化 今回のVクラスの改良において、エクステリアの最大のポイントは、フロントマスクの大幅な刷新だ。先代モデルに比べてバンパー下部まで開口部が広げられた新デザインのフロントグリルが採用されるほか、周囲を取り囲むLEDエレメントも新しい意匠によって押し出し感が強調された。最上級グレードの「エクスクルーシブ」では、Vクラスとして初めてボンネット上にスリーポインテッドスターのマスコットが取り付けられるのもトピックだ。 リアについては、新デザインのバンパーとLEDコンビネーションランプが採用され、ウインドウ下部にはブランドロゴ付きのクロームストリップが追加された。また、17、18、19インチの3サイズが用意されるアルミホイールは、より空力を最適化した新デザインとなった。なおボディカラーには5種の新色が追加されるという。 インテリアはデジタル化が進み、新たに12.3インチのワイドスクリーンディスプレイが装備されるほか、エアコン吹き出し口のデザインが刷新され、静電容量式ハンズオフ認識機能を備えたステアリングホイールが装備される。さらに「ハイ、メルセデス」の音声で起動するMBUXも最新世代にアップデートされ、音楽ストリーミングサービスやAR(拡張現実)に対応したナビゲーションシステムなど様々な追加機能にアクセス可能となった。 >>>次ページ EV版「EQV」は快適性やインフォテインメントが進化

TAG: #EQV #メルセデスEQ #発売前モデル
TEXT:烏山 大輔
関西のEVユーザーは伊丹空港利用がオススメ!184基もの充電用コンセントを使って満充電で帰ろう!

関西には伊丹空港(大阪国際空港、大阪府豊中市)の他にも、関西国際空港(大阪府泉南群)、神戸空港(兵庫県神戸市)と3つの空港が揃っている。どの空港からでも国内線に搭乗できるが、EVユーザーは184基もの充電用コンセントが設置される伊丹空港がオススメだ。 この充電用コンセントの設置は、ユビ電が実施する。2024初頭に設置工事が完了し、サービス開始の予定だ。国内で最大規模のEV充電設備を備えた空港になる。 コンセントの出力は3kWだが、空港は駐車しておく時間が長いと思われるので、ほとんどのEVが満充電になる可能性がある。例えば107.8kWhものバッテリーを搭載するメルセデス・ベンツEQS SUVでも36時間で満充電になる計算なので、一泊二日以上の旅行であれば、満充電で帰路につける。 充電用コンセントは、ユビ電が提供している「WeCharge」アプリでコンセントにあるQRコードをスキャンすれば、充電から料金清算までを完結できる。 充電用コンセントが設置されるのは下記の2つの駐車場だ。 北立体駐車場① 3F 駐車場予約サービス 84区画 南立体駐車場 2F 駐車場予約サービス 100区画 ※コンセントを利用するには駐車場の予約と200V対応の充電ケーブルが必要。 EVの基礎充電は、自宅や宿泊先が基本だったが、少なくても数時間、中には数日は停めたままになることもあり得る空港で、クルマを置いている間に100%まで充電できるのはとてもありがたいサービスだ。今後も同様の動きが全国に広まることを願う。

TAG: #伊丹空港 #充電 #電気自動車
TEXT:烏山 大輔
通勤車を電気自動車に変えて、職場で充電!Hakobuneによる新しいEVの活用法

株式会社Hakobune(東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 雅典)は、個人が所有管理するクルマを会社から貸与するEVに変えて、職場で再エネにより充電する「EV通勤 × 再エネ職場充電」の「Hakobune」というサービスを提供している。サービスの詳細とどんなメリットがあるのかをみていく。 通勤を脱炭素化できる! コロナ渦を経て、リモートでも仕事できるという方が増えた反面、業務内容によっては以前と変わらず、出社がマストな方も当然おられる。また、都市圏では電車通勤も多いと思われるが、郊外や地方においては車通勤がメインの地域もあるだろう。 筆者自身も以前に5年間ほど愛知県で車通勤をしていた時期があった。特に愛知県のような「車社会」がメインの社会では、各家庭に住んでいる人数と同じ台数のクルマがあり、そのうち数台は通勤がメインという状況も珍しくない。 「Hakobune」は、まず個人が所有管理するクルマを、会社が貸与するEVに変えることから始まる。社員は通勤に使えるし、プライベートでの利用もできる。もちろんガソリン代はかからなくなる。会社では社屋の屋根や駐車場などに設置した太陽光発電により、CO2フリーの電気でEVを充電する。自宅に充電器がなくても満充電のEVで自宅に帰ることができる。 社員に貸与されるEVは、会社とHakobuneがレンタル契約する。車両代に加え、保険とメンテナンスも含んだ月額料金を、会社と社員がシェアする。通勤分は会社が負担、プライベート分は個人が負担するという考え方なので、社員の車所有コストは下がる可能性が高い。会社側も通勤手当や交通費よりも少額になるかもしれない。 会社が駐車場などに設置する太陽光発電は、Hakobuneが費用を負担するPPA(Power Purchase Agreement)方式のため会社側の負担はない。 EVはこれまで、自宅での基礎充電、もしくは外出先では高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、ショッピングモール、ディーラーなどでの急速充電が主流だったように思える。そこに数時間は確実に停めたままになる職場での基礎充電を加えるという視点が新しい。

TAG: #バッテリー #充電 #充電インフラ
TEXT:TET 編集部
現行の価格は約370万円。米国で最もリーズナブルなEV「ボルト」の新型が近日中に発表

米GM(ゼネラルモーターズ)は7月25日(現地時間)、バッテリー電気自動車(BEV)「シボレー BOLT(ボルト)」の次世代モデルを市場投入すると発表した。新型ボルトのスペックや発売日等は追って発表されるとのこと。 北米ではリーフよりも安価な価格設定 日本では馴染みの薄いBEVハッチバックの「ボルト」だが、現行型は米国で最も安価なBEVとして高い人気を博している。ボルトのスタート価格は現在2万6500ドル(約371万円)となっており、例えば米国ではかなり安価な日産「リーフ」が2万8140ドル(約394万円)だから、日本車よりも安い価格設定なのだ。 もっとも、日本では軽BEVの日産「サクラ」が254万8700円なので、ボルトの割安感を感じない人もいるかもしれないが、Bセグメントのボディサイズ、約417kmという長い航続距離、200hpという高出力等々を考えると、そのお買い得度は半端ではない。 事実、ゼネラルモーターズもボルト最大のアピールポイントが性能に比して手頃な価格だということを認識しており、新型も「米国で最も手頃な価格のBEV」になるという。つまり、リーフなどの価格を上回るわけにはいかないから、現状を前提にするならモデルチェンジで値上げされてもせいぜい1,000ドル(約14万円)程度という予想がつく。 もちろん、専用プラットフォームをイチから開発したのではコストが嵩む分、新車価格を抑えることが難しくなるため、ゼネラルモーターズでは既存のBEV専用プラットフォーム「Ultium(アルティウム)」をベースに新型ボルトを開発している模様。さらに、BEVではパワートレーン以上に重要となるソフトウェアプラットフォームについても既に他モデルで採用済みの「Ultifi(アルティファイ)」を搭載することで競争力を高める方針だ。 ちなみに現行ボルトはゼネラルモーターズがブレイザーEVなど新型BEVに幅広く展開しているアルティウムをあえて採用せず、旧世代の技術をベースとすることで圧倒的な低価格を実現している。なので、新型ボルトが最新版のアルティウムを採用しながらも、全米一安価なBEVとして登場すれば、他メーカーにとって大きな脅威になることは間違いない。 ゼネラルモーターズによれば、ボルトは2017年の発売以降BEVのゲームチェンジャーとして同社に多大な貢献をしており、2023年前半の販売実績(SUVのボルトEUV含む)はこれまでで最も好調だったという。しかも、ボルトのオーナーはブランドへの愛着が強く、乗り換えの際もシボレーを選ぶ傾向が強いとのことだから、クルマのデキもいいのだろう。アップデートされたテクノロジーを採用するボルトへの期待はさらに高まる。 北米での発売時期は、先述の通り後日発表される見通しだが、参考までにシボレーの新型BEVラインナップのうち「シルバラードEV」、「ブレイザーEV」、「エクイノックスEV」の3台は今年発売されることが既にアナウンスされている。逆読みすると新型ボルトの発売は来年以降になるのかもしれない。 日本導入の予定はないものの、ゼネラルモーターズは日本市場で「コルベット」や「キャデラック」を展開している。既に販売ネットワークを構築しているだけに将来的に新たなラインアップとして新型ボルトが加わる可能性もゼロではないかもしれない。  

TAG: #シボレー #ボルト #発売前モデル
TEXT:TET 編集部
「軽EV」が市民権を獲得か。日産「サクラ」の販売台数が発売1年で5万台を達成。補助金が販売を後押し

軽バッテリー電気自動車(BEV)の「日産サクラ」が売れている。日産自動車の発表によると、昨年6月に発売した「サクラ」の受注累計が5万台を突破したと発表した。年間5万台というのは、軽乗用車全体の中でもかなり優秀な数字。詳しく見ていこう。 普通車に匹敵する充実装備も人気の秘訣か 全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,655mmという人気のトールワゴンスタイルで三菱「ekクロスev」と同時にデビューしたサクラは、BEVにもかかわらず、当初233万3,100円という戦略的な価格設定で大人気を博し、一時は新規受注が停止される騒ぎとなった。 もちろん、BEVハッチバック「リーフ」を世界に先駆けて販売した日産が自信を持って送り出すモデルだけに、走行性能も妥協はなく、最高出力47kW(64ps)/最大トルク195Nmを生み出すモーターや20kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。航続可能距離(WLTCモード)は180kmと軽乗用車として実用に過不足ない水準を確保し、「CHAdeMO(チャデモ)」方式の急速充電にも対応しているため、80%までの充電時間は約40分で済む。 軽自動車の枠を超えた装備の充実も人気の秘訣で、エントリーグレードの「X」(254万8,700円)でもLEDヘッドライトや電動パーキングブレーキなど日常遣いに便利な装備が標準。さらに、上級の「G」(304万400円)なら、アダプティブクルーズコントロールなどからなる運転支援システム「プロパイロット」や9インチワイドディスプレイを備えたインフォテイメントシステムまで付いてくる。 スタート価格については、各種原材料の高騰などから数回の値上げを経て現在254万8,700円となっているが、例えば東京都の場合、国の補助金55万円に加え、都独自の補助金55万円(基本補助額45万円+メーカー別上乗せ補助金10万円)が上乗せされ、計110万円が支給されるから、車両本体の自己負担は150万円以下で済む。 これだけの充実装備を持った軽自動車なら通常の内燃機関車(ICE)でも200万円弱はいくから、BEVのサクラに注文が集まるのも無理はないだろう。さらに、日産のホームページによると、今ならサクラは注文から工場出荷まで1〜2ヶ月程度と納期も短いから、非の打ち所がないという状況だ。 >>>次ページ 軽ベストテンも見えてきた

TAG: #売れ筋モデル #日産 #補助金
TEXT:烏山 大輔
BMWジャパン、日本でiX5ハイドロジェンの実証実験を開始。市販燃料電池車の開発に活かす

BMWジャパンは7月25日にBMW Tokyo Bay(東京都江東区)で開催した記者会見において、同日より燃料電池実験車両「BMW iX5ハイドロジェン」の公道走行による実証実験を開始すると発表した。 電気自動車の開発と同じステップを踏む BMWは、2020年代後半に予定しているFCEV(燃料電池車)の発売に向けて、今年の2月からドイツやアメリカでiX5ハイドロジェンの実証実験を行っている。今回、その実験実施国に日本が加わった。 日本に持ち込まれたiX5ハイドロジェンは3台で、日本各地での走行テストだけでなく、官公庁や行政機関、大学などとも連携し、専門家からのフィードバックを得る予定だ。集まったデータはドイツ本社に送り開発に役立てられる。なお、日本での公道テストは2023年末までの予定である。 BMWは、BEV(バッテリー電気自動車)の開発から発売に至る工程でも、「MINI E」と「BMW ActiveE」をパイロット車両として開発に用いて、BMW初の市販BEVである「i3」の発売につなげた。 FCEVでも同じステップを踏む。今回のiX5 ハイドロジェンはパイロット車両で、6年以内にリリースされる予定のFCEVの開発を支える役目を担う。 「iX5ハイドロジェンは、南フランスでのサマーテストを2回、スウェーデン北部でのウィンターテスト3回を含む4年にもわたる量産車と同じテストを実施しました。さらにこの車の開発プロジェクトは次の重要なフェーズである公道でのテストに入ります」と同車のプロジェクト・マネージャーのロバート・ハラス氏は述べた。 401psのRWD、0-100km/h加速は6秒以下 iX5ハイドロジェンを構成するシステムをみていこう。FCEVは、車両から供給する水素と空気中の酸素を燃料電池で化学反応させ、電気を作りだし、その電気でモーターを回転させることでクルマを走らせている。その要の燃料電池システムは125kW(170ps)を連続して出力することができる。燃料電池セルは2013年からFCEVを共同開発しているトヨタから調達したものだ。 「この安定した出力によりアウトバーンでの長距離移動も問題なくこなすことができます」とハラス氏が自慢げに語った。 水素タンクはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製で、センタートンネルと後席下に2基が設置され、700気圧の気体水素を6kg貯めることができる。もしタンクが空になっても満タンにするのに3分ほどしかかからない。航続距離(WLTP)は504kmだ。 リヤには第5世代の「BMW eDrive テクノロジー」が搭載される。これは電気モーター、トランスミッション、パワー・エレクトロニクスをまとめたものだ。この車両専用に開発したリチウムイオンバッテリーを組み合わせて、最高出力295kW(401ps)のパワートレインを実現した。これにより0-100km/h加速は6秒以下、最高速は約185km/hのパフォーマンスを発揮する。 車両重量の発表はなかったが、同クラスのBEVよりは軽く、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)と同等程度とのこと。 iX5ハイドロジェンはミュンヘンにあるBMWグループ研究革新センター(FIZ)のパイロット・プラントで製造される。

TAG: #BMW #iX5ハイドロジェン #燃料電池車(FCEV)
TEXT:TET 編集部
小さいながらも猛毒! BEV時代のホットハッチ。0-100km/h=7秒「アバルト 500e」が日本初公開

ステランティスジャパンは7月20日、アバルトブランド初のバッテリー電気自動車(BEV)「ABARTH 500e(アバルト チンクエチェント イー)」の国内販売開始に先駆けて、7月22日(土)および23日(日)に、新宿の東急歌舞伎町タワー前のステージ上で、実車を国内初披露すると発表した。 モーター出力は155ps、0-100km/h加速は7秒 コンパクトカーに高出力パワートレインを搭載し、足回りのポテンシャルも引き上げられた、“ホットハッチ”。BEV初のホットハッチとして昨年世界初公開されたのが、アバルト 500eだ。 パワートレインは、既に国内でもリース販売が開始されているフィアットのコンパクトEV「500e」をベースに、モーター出力は3割以上も引き上げられ(118ps→155ps)、0-100km/h加速7秒と、小さいながらも猛毒を持つサソリを思わせる。 さらに、ベースモデルよりフロントが30mm延長されたことでルックスの迫力が増すとともに空力性能が向上し、ロワーグリルの突起などサソリの脚をモチーフにしたディテールが各所に盛り込まれたことも相まって、アバルト 500eは電動時代のホットハッチにふさわしいデザインとなっている。 今回、本年秋と目される国内販売開始に先立って、新宿で公開されるのはコミュニケーションカラーでもあるアシッドグリーンにペイントされたアバルト 500e。オーシャングリーンのベースモデル500eと並べて展示され、ステランティスの電動車を国内のファンにアピールする。なお、今回の展示概要は下記のとおり。公開日は2日間限定で、アバルトファンならずとも要注目だ。 2023年7月22日(土)~23日(日) 10:00~18:00 東急歌舞伎町タワー内「KABUKICHO TOWER STAGE」(東京都新宿区歌舞伎町1丁⽬29番1) さらに、ステランティスジャパンでは公開されたばかりの新作映画「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」とコラボしたキャンペーンを展開中。新宿での実車展示に併せ、7月22日(土)の12:00~18:00まで新宿歌舞伎町タワービジョンにて、アバルト 500eとミッション:インポッシブルとのコラボレーションにより実現した、スペシャル動画が放映されるほか、7月21日(金)~8月4日(金)には全国24ヵ所の劇場でも、同映画の上映前にスペシャル動画が放映されるとのことだ。 >>>次ページ “これまで以上にアバルトらしい” 

TAG: #スポーツカー #ホットハッチ #発売前モデル
TEXT:TET 編集部
EVになってもマニュアル車は残る! トヨタの次世代EV「BEVになっても運転は楽しい」をアピール

一時はバッテリー電気自動車(BEV)の普及に及び腰とも評されていたトヨタ自動車。だがここにきて、そうした批判派もアッと驚くようなEV戦略を打ち出してきた。今回は、トヨタが公開した次世代BEVに関するこだわりの一端を紹介したい。   「ココロ揺さぶるBEV」をコンセプトに 自動車ファンならご存じの通り、トヨタがBEVに対して積極的になったといっても、それは欧州メーカーのようにBEV一辺倒を意味するのではない。トヨタは地域の実情に応じてプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)、そして通常のハイブリッド車(HEV)等、複数の技術を適材適所に採用し、カーボンニュートラルを目指して行く方針だ。 その上で、BEVに関しては今年5月に専任組織であるBEVファクトリーを立ち上げ、車両に関する技術開発はもちろん、新たな生産体制の構築から業務改革まで一体として取り組んでいく。なかでも注目は車両に関する技術開発で、2026年には現行の「bZ4X」等とはまったく別の次世代BEVを市場投入する予定だ。 トヨタはこの次世代BEVの特徴として、次世代電池の採用、航続距離1000kmの達成、電費世界トップ等々、登場まで3年とは思えない高い目標を打ち出しているが、クルマ好きとして期待大なのは「クルマ屋がつくるココロ揺さぶるBEV」というコンセプトを掲げている点だ。また、自社メディアでは「トヨタのBEVはコモディティにしない」とアピールしており、ともすれば味気ないフィーリングとなってしまう現状のBEVに強烈なアンチテーゼを放っている。 では、運転して楽しいBEVを実現するため、トヨタではどのような技術を開発しているのだろうか。まず、クルマを運転している感覚を高めてくれるのが「マニュアルBEV」。トランスミッションを持たないBEVでありながら、モーターの制御を工夫することで内燃機関(ICE)のマニュアル車と同じようにシフトレバーやクラッチペダル操作を再現しているのだ。しかも、ギアの選択次第で加速力が変化することに加え、上手に変速しないとショックが大きく出る機構まで備えている。もちろん、スイッチ一つで通常のATも選択可能とのことだから、ファミリーカーとしても躊躇なく購入できそうだ。 一方、BEVならではのシステムと唸らされるのが、その日の気分で自由に「乗り換えられる」クルマ。つまり、ソフトウェア次第で乗り味を大きく変えられるBEVの特性を活かし、TPOに応じてファミリーカーからスーパーカーまで走行特性を設定できるシステムを開発しているのだ。 トヨタでは実際に1台のBEVで小型ハッチバックの「パッソ」から、和製スーパーカーのレクサス「LFA」までを再現したプロトタイプを公開しており、複数台所有というクルマ好き庶民の夢が、EV化により実現できる可能性を示唆している。 >>>次ページ 操縦桿タイプのステアリングを拡大展開

TAG: #クルマ屋がつくるEV #新技術 #発売前モデル
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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