栁 蒼太 記事一覧

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テラモーターズ、電源のない月極駐車場へのEV用充電器導入をサポート

EV充電インフラ「テラチャージ」(Terra Charge)を提供するTerra Motors株式会社は、月極駐車場や青空駐車場といった電源が無い駐車場に対し、EV充電設備を導入できる新プランを発表した。 テラモーターズが見出した充電の課題 EVの充電は、従来のガソリンスタンドのように補給のための外出が必要ないため、自動車の保管場所といった長時間駐車が前提となる場所で、日常的に充電をすることが最適とされている。また、自動車の保管場所として、マンションなど自宅でのEV充電導入が進んできている。しかしながら、自宅に駐車スペースがない場合も多く、そういった時には月極駐車場を契約することが一般的だ。 一方で、EVユーザーが月極駐車場を借りる際には、EV充電設備がある駐車場がベストだが、月極駐車場は青空駐車場であったり、電源を有する設備が敷地内にないということも多いため、そもそも電気契約をしていないケースが多い。これからEVが増える想定であっても、新規で電気を引き込んでまでEV充電設備を導入するという判断は難しいという課題があった。 テラチャージを電源がないところにも 充電環境が整っていない(敷地内に電源がない、電源があっても契約アンペア数に余剰がない場合など)駐車場であってもEV充電設備を導入できるようにすべく新プランを発表した。新プランは、テラモーターズが無料で電気の新規引込を行う上で、電気の基本料金や電気代に関しても実質無料で、テラチャージの特徴でもある初期費用・ランニングコストも無料となるため、駐車場オーナーや契約者の負担なく、EV充電設備の導入が可能となった。 ■対象施設 ・敷地内に電源がない月極駐車場 ・敷地内に電源はあるが、契約アンペア数に余剰がない月極駐車場 ■新プラン内容 ・電源新規1引込が無料 ・EV充電インフラ「Terra Charge」3kWモデル3基が無料 ・5年間、新規引込分電源の基本料金が実質無料 ・新規引込費用、充電設備代、工事代が無料 ・充電にかかる電気代が実質無料 ■テラチャージとは テラモーターズが、2022年4月より開始した電気自動車向けの充電インフラ。EVの充電設備だけでなく、充電時間の設定や料金決済を行う専用アプリ、管理クラウド、サービスの提供開始に必要な説明、充電設備の設置工事、ハードおよびソフトの管理運営までを一貫して担う。テラチャージによって、日本でEVがもっと身近になる環境づくりを目指している。 ■Terra Motors株式会社 設立:2010年 4月 資本金:19億円(資本準備金を含む) 代表者:徳重徹(取締役会長)、上田晃裕(代表取締役社長) 事業内容:EV充電インフラ事業、e-Mobility 事業、金融サービス事業、Connected E-Mobility プラットフォーム事業 ■新プラン・EV充電について問い合わせ先 Terra Motors株式会社 EVインフラ事業部 MAIL:info@terramotors.co.jp TEL:03-6823-4959

TAG: #テラモーターズ #充電
TEXT:栁 蒼太
フォード、北米の複数の生産工場でEVの生産を拡大

フォードは、顧客の高まるEV需要に応えるため、クアウティトラン、デトロイト、カンザスシティの製造拠点でマスタング・マッハ-E、F-150 ライトニング、 E-トランジットなどの人気EVモデルの生産を拡大する。 また、2023年に販売を予定している新型4車種(Super Duty、Ranger、Mustang、Escape)の販売準備も進める。 フォードの販売状況は? フォードはアメリカの自動車総合ブランドとしてNo.1の販売台数を誇り、またトラックやSUVの車両分野でもトップだ。 なお、フォードの電気自動車の販売台数は68%増加している。2月のフォードの米国市場シェアは、21.9%の販売増に後押しされ、1.4ポイント増の13.3%となっている。 人気EV「マスタング・マッハ-E」、ピックアップトラックを増産 メキシコでは、すでにマスタング・マッハ-Eの増産に着手しており、工場のオペレーションを変更することで、時間当たりの生産台数をほぼ倍増させることが可能となった。同社は、年末までに年間生産台数を21万台にすることを目標としている。 ところで、マスタング・マッハ-Eは、2022年の米国のEV販売台数でフォードを2位に押し上げている。同車種の顧客の3分の2以上は他メーカーからの顧客となっており、フォードに新しい顧客をもたらす、重要な車種となっている。 ミシガン州のルージュ電気自動車センターでは、ベストセラーのEVピックアップトラック「F-150ライトニング」の生産台数を3倍に増やすことを計画、2023年末までに年間生産台数15万台を達成する目標を立てている。 ところで、米国で最も売れている電気トラックであるF-150ライトニングは、2022年に記録した15,617台に加えて、2月までの販売台数が3,600台となった。F-150ライトニングの増産のために、フォードはミシガン州の3工場に20億ドルを投資し、3,200人の組合員の雇用を増やすとしている。 EV拡大のその先へ 日本市場から撤退してしまいいまやあまり馴染みがないフォードであるが、米国を中心とした業界の先駆者であることはいうまでもない。同社には、あまり日本では聞かない、装備を備えた車も存在する。例えば、先述したF-150ライトニングに目を向けたい。同車種は、他のEVを車車間充電できる機能をオプション設定している。これは「プロパワーオンボード」と呼ばれるもので、発電機と大容量バッテリーシステムによって、他のEVを車車間充電することができるのだ。 このようなユニークな機能性を備える車種もラインナップする同社が、生産を飛躍させ、どのようなモビリティの未来を創っていくのが楽しみだ。

TAG: #E-150 #マスタング
TEXT:栁 蒼太
フォルクスワーゲン、2022年のEVの納入数が前年比26%増の57万2,100台

フォルクスワーゲングループは 2022 年、供給の混乱、原材料やエネルギーコストの上昇による逆風にもかかわらず、収益性を改善し、堅調な業績を達成した。特に、ポルシェAGのIPOの成功、ザルツギッター(ドイツ北西部)にあるセルギガファクトリーの起工によるバッテリー会社パワーコの立ち上げ、米国での電気自動車ID.4の生産開始などによって、それらを達成させた。 全体的に堅調な伸び 全体の売上高は、2021年比11.6%増の2,792億ユーロとなった。全電気自動車(BEV)の納車台数は大幅に増加したが、半導体の不足、ロジスティクスチェーンの混乱、中国での供給停止により、総納車台数は7%の微減となった。 なお、特別項目計上前営業利益は225億ユーロ(前年:200億ユーロ)に増加し、特別項目計上前売上高営業利益率は8.1%(8.0%)に相当します。税引前利益は9.5%増加し、220億ユーロ(201億ユーロ)となった。税引後利益は2.6%増の158億(154億)ユーロとなっている。また、自動車部門のネット・キャッシュ・フローは48億ユーロ(86億ユーロ)となっている。これは主に、不安定な供給状況と、年末のロジスティクスチェーンの混乱に起因している。結果として、年末の運転資本、特に完成品、原材料及び貯蔵品の在庫は計画を大幅に上回り、2022年度末の運転資本の増加は、2023年度中にほぼ解消されると見込まれている。 EVの納車状況と展望 バッテリー電気自動車(BEV)の納車台数は2021年比 26% 増加し、2022 年には合計 572,100 台となった。なお、グループ納車台数に占めるそれらの割合は 7%に増加している。同社は、 2025 年に納車台数全体に占める BEV シェア 20%、2030 年には 50%を目指している。なお、2023年のグループ見通しとして、納車台数は約950万台に増加、売上高は10~15%増加、売上高営業利益率は7.5~8.5%の範囲にあると見込んでいる。 積極的な投資、見据えた見通し 同社グループは、2024年からの主要製品の発売に向けて、変革活動を加速し、ソフトウェア、バッテリー事業、ICEだけでなくBEVプラットフォームへの投資を行っている。その結果、2022年の研究開発費は189億ユーロに増加し、自動車部門の売上高に対する研究開発比率は8.1%となった。また、設備投資額は127億ユーロで2022年の自動車部門の売上高に対する設備投資比率は5.5%に相当する。 同社グループが掲げる課題には、特に経済環境、競争の激化、不安定な原材料・エネルギー・外国為替市場、排出権関連の規制の強化などがあるとしている。

TAG: #フォルクスワーゲン
TEXT:栁 蒼太
10代の大学自動車部員がエニカ(Anyca)でネッソ(NEXO)に乗ってみた! ─水素を追い求める一日─

EVに関して、ひときわ注目を浴びているヒョンデ。日本に導入されるのはFCEVの「NEXO(ネッソ)」とBEVの「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」の2機種だ。ネット広告や展示会などではBEVのアイオニック5に注目が集まっているが、ネッソはどうなのだろうか。これは簡単にいうと燃料電池車だ。おそらく燃料電池車といえばトヨタの「ミライ」(MIRAI)を思い浮かべる人がほとんどだろう。ヒョンデが生み出した燃料電池車は、いかほどの実力なのか。自動車部所属の現役大学生が実際に使ってみた模様を報告したい。 いきなり、冷や汗。WLTCモードで820kmのはずが… 「水素タンクは3本で計156.6Lの容量を持ち、WLTCモードでの航続距離は820km」 乗車前にこの情報をみた時には、どこまででも行けそうな気がした。そして、竹芝の引き取り場所から文京区にいる友人を拾い、千葉は銚子を目指す片道140kmのドライブ計画を練っていた。 しかし、思ってもいないスタートとなった。いざ借り始めると、水素残量が半分を切るか切らないかのところで使用開始となった(ちなみにエニカのルールでは、水素残量が半分以上で返却することが決められている)。この時点で航続距離は222km。残量表示では50%弱だった。実用状態により近いといわれるEPA値ではおよそ600km弱であることを踏まえると納得だが、それにしても残量が少ないことへの不安がよぎった。 水素を求めるドライブに急遽変更 水素を補給しないと銚子までもたない!と思った筆者。さすがに、日本の首都である東京なのだから水素ステーションなんて山のようにあるだろうと思って、検索をする。近くに「イワタニ水素ステーション芝公園」があるのを見つけ、ナビの経由地点に設定した。 しかし、そのステーションは工事をしており、ナビが案内してくれた道順で行くと、入ることができなかった(正確には「出来た」が、筆者がその入り口を見つけることが出来なかった。なお、同施設は、帰路の際に充填で利用した)。 そのステーションは諦め、文京区で待ち合わせをしている友人に、銚子までの道のりで水素を補給できる場所を探しておいてほしい!とお願いして、ひとまず文京区まで向かう。 そして友人を拾って、彼が探しておいてくれた「千住水素ステーション」に向かう。今度こそ安心して、水素をゲットすることができると胸を撫で下ろしていた。 ところが、またも予期していないことが発生。「予約制」だったのだ。担当の方が現地にいたので、予約なしでも入れることができないかとダメもとで聞いてみると、予約がいっぱいで利用できないと言われてしまった。 この時点で航続距離は170km。銚子までの道のりのどこかに、水素ステーションはあるだろう、とは思ったものの、未知の乗り物「燃料電池車」で旅路を進めるのには不安が募った。次こそは、「予約なし」の飛び込み来店でも受け入れてくれる場所を探さなければならないと、友人と筆者は必死に探した。念入りに電話をして、確認もした。 そして、見つけたのは約40km先の「ENEOS Dr.Driveセルフ武石インター店」だった。 無事到着し、藁をもすがる思いで水素充填をスタッフにお願いする。店名に「セルフ」が入っているが、水素充填はセルフではなく、スタッフが行ってくれる。水素が漏れ出していないかを計測器で確認しながら、充填をしていた。 これで安心。充填には、充填準備を含めて5分ほどかかった。その間にスタッフと話をした。スタッフ曰く、ステーションには毎日3、4台の燃料電池車が充填に来店し、ほとんどがトヨタ・ミライであり、ネッソは月に1度来るか来ないかだそうだ。 記念すべき、月に1台になれたのかと思うと嬉しくなったが、ネッソがまだあまり普及していないのだということも痛感した。 気になる充填料金は? 取材当時(2023年2月16日)における水素料金は1210円/kgであった。今回の充填では4kgの充填のため、4840円がかかった。なお、支払いは、車載されているカードにて行うため、ドライバーの負担はしなくて良い(エニカのオフィシャルカーを利用すると、距離料金として1km当たりの金額を支払う必要がある)。なお、水素タンクの総容量は156.6Lで、ここに70MPaの圧縮水素を蓄えることができる。0から満タンにするには、1万円ほどはかかるだろう。

TAG: #エニカ #ネッソ
TEXT:栁 蒼太
MINI Concept Aceman(コンセプト エースマン)が日本初上陸、3月5日まで一般公開も実施

MINIは、3月2日の“ミニの日”に「MINI Concept Aceman」(コンセプト エースマン)を日本で初公開した。このモデルはミニの将来的な姿を示すコンセプトカーである。3日から5日は一般公開される。 MINIの将来を示すモデル 昨年7月に欧州で発表された「コンセプト エースマン」は、MINIシリーズで初となるクロスオーバー・タイプの電気自動車コンセプトカーだ。MINIが将来のブランド特有のドライビング・プレジャーの決め手となると考えているデザインと、技術革新にスポットライトが当てられた。 具体的には、明快で無駄のないデザイン言語「カリスマティック・シンプリシティ」、新しいデジタル・インテリア体験、レザーやクロームのエレメントをまったく使用しない素材を利用することで、新しいMINIの幕開けを告げるものとなっている。 なお、全長4.05m、全幅1.99m、全高1.59mという、ブランドに期待されるプロポーションを備え、空力性能にも長けたボディが将来のMINIを示している。 ドライバーを迎えてくれるフロントエンド 正面から見てみる。まず目につくのが、ヘッドライトとフロントパネル(ラジエター・グリル・エレメント)だ。ヘッドライトは従来の丸型から、独自の輪郭を持つようになった。パネルの周囲は明るい表面で囲まれ、従来の六角形の輪郭はさらに洗練の度を増して八角形とされ、ユニークで印象的な光をつくり出す。なお、パネルは完全に閉じられており、上部にはマトリクスLEDユニットが組み込まれている。 通常フォグランプが装備されるあたりに位置する、赤色のメッシュ時のパーツは、スピーカーとなっている。EVはパワーユニットからの音がわずかなため、安全性能の観点から擬似的に走行音を作り出すべく、車外向けスピーカーを搭載した車種はあったが、それら以外の利用も踏まえられている。 これらのフロントパネルとスピーカーは、車両に人が近づくと前方の光によって追跡したり、音量がクルマとユーザーとの距離に連動したインタラクティブなサウンドが流れるという、カミングホーム機能に利用されている。 モダンながらも60年代を感じさせるサイドビュー サイドのシルエットは、MINIの元祖である、オリジナル・ミニのデザインを尊重している。その一方でボディ下端のワイドなサラウンド、力強いシルエットのホイール・アーチ、大径ホイール、印象的なルーフ・ラック、 アンダーライド・プロテクションなどを備えており、市街地走行に適したクロスオーバー・タイプとして、堅実でオールラウンドな特徴が強調されている。 タイヤに関しては、前後ともにピレリ製のP ZERO 245/40R20 99Wを装着している。同社のMINI TIRE CATAROGUEを見る限り、コンセプトカーが装着していたタイヤは最大サイズのものとなっている。よく見ないと気づかないかもしれないが、ホイールのリム中央には、三角形の輪郭が表現されており、スポークに視覚的な深みとダイナミズムを持たせている。 自分らしさを表現できるリアエンド リアでは、印象的なテールライトに着目したい。ここにもフロントのラジエター・グリル・エレメントやヘッドライトの内側と同様、マトリクス LEDユニットが採用されており、状況に応じて異なる照明シナリオが可能となっている。これらのライトの点灯の仕方を制御することで、ブレーキランプをユニオン・ジャック模様に表示できる。MINIデザイン責任者オリバー・ハイルマーは、将来的にはドライバーが自身でテールランプの表示形式をカスタマイズすることが実現すると話していた。

TAG: #MINI #エースマン
TEXT:栁 蒼太
10代の大学自動車部員がエニカ(Anyca)でアイオニック5(IONIQ5)に乗ってみた!

EV(電気自動車)界隈で、ひときわ注目を浴びている、ヒョンデのIONIQ5(以下、アイオニック5)。今回は、現役の大学自動車部員の目線で、約120kmの走行を通して感じたことを書き綴る。 著者は日々競技車両に接しているとはいうものの、まだ免許取り立ての19歳。それゆえ、報道向けの広報車では保険がカバーされないケースがある。それでもどうしてもEVに接して、運転したいという意欲から、若年者でも簡単に車両を借りることができるカーシェアサービスのAnyca(以下、エニカ)を利用して試乗した。本記事の最後にエニカの使用方法を簡単にまとめたので、アイオニック5が少しでも気になったら試してみて欲しい。 世界が認めるEV まずは、アイオニック5の基本的な「おさらい」をしたい。2022年2月に日本市場へ導入されたヒョンデのアイオニック5は、革新的なデザインをまとったSUVタイプのBEV。WLTCモードで498~618kmという実用的な航続距離とすぐれた動力性能を備える。充実した快適装備や安全装備を備え、同クラスの車種と比べてもコストパフォーマンスに優れた一台だ。日本の「2022−2023インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を初め、数多くの賞を世界中で獲得している。 乗り込んだ瞬間の満足感 キーを持って車に近づくだけで、ドアノブがポップアップして、出迎えをしてくれる。車内に乗り込むと、流行のメーターパネル用とインフォテイメント用の大型スクリーンが目に飛び込む。 室内を見渡せば、広々とした空間が広がっている。フラットフロア、スライドコンソール、パノラマサンルーフなど、広く感じる仕掛けが目白押しだ。それらの工夫もいいが、そもそも3.000mmのロングホイールベース、SUV並の車高であるため、どの座席に座っていても広い。

TAG: #アイオニック5 #エニカ #ヒョンデ
TEXT:栁 蒼太
「サクラ」「リーフ」などがレンタカーでお得に! 基本料金40%OFFの大チャンス

関西圏の輸入車ディーラーなど大きな経営規模を備えるGLIONグループ(ジーライオングループ 兵庫県神戸市)が運営するレントオール株式会社サンコーレンタカーは、2023年2月25日(土)から2023年3月5日(日)に開催される「GLION 39 Fair 総力祭」に合わせ人気の電気自動車のレンタル基本料金を特別価格で提供する。 期間限定キャンペーン サンコーレンタカーは個人での利用からビジネスまで、バラエティ豊富な車種を提供している。同社のグループ会社が開催する「GLION 39 Fair 総力祭」にあたり、人気車種である日産サクラ、日産リーフをはじめとするEVのレンタカーの基本料金を最大で40%オフにするキャンペーンを実施する。対象は、 2023年2月25日(土)から2023年3月5日(日)に予約をした場合だ。なお、返却の際に満タン充電する必要はない。遠出をする場合、充電カードの(550円/日)貸出しもある。 <価格例> (日産サクラ) 6時間 12時間 24時間 通常価格 ¥7,150 ¥8,250 ¥9,900 キャンペーン価格 ¥4,290 ¥4,950 ¥5,940 免責補償料は1100円。 (日産リーフ) 6時間 12時間 24時間 通常価格 ¥13,200 ¥15,400 ¥17,600 キャンペーン価格 ¥7,920 ¥9,240 ¥10,560 免責補償料は1650円。   日産サクラのでおすすめ利用例 サクラをレンタルした場合、どのような使用ケースがあるだろう。おすすめしたいのは、「身近なお買い物」だ。遠出は、あまり向いていない。 ここで、筆者が実際に、レンタカーとしてサクラを借りた経験を交えて紹介したい。(ニコニコレンタカーで借りた。)その際は、街乗りに加えて、高速道路を利用した片道140kmを超えるロングドライブを試した。 ちなみに、サクラの航続距離はWLTCモードで180km。実測値に近いとされるEPA換算だと150km弱。走行性能は、80km/hを超えた辺りから気になる風切り音以外は、高速域でも安定して走行できる上、プロパイロット搭載車であれば、疲労具合も少ないだろう。しかしながら、航続距離が短いため、片道だけで急速充電器を2回利用した。それぞれ、サービスエリアや道の駅の急速充電で30分充電し、80%ほどの充電にして再スタートに臨んだ。 充電時間によって片道で1時間増えるとなると、非常に時間を取られてしまう。それぞれのスポットで買い物やレジャーの計画を立てられるならば、遠出もできるかもしれないが、それが叶わない場合は、近場のお出かけに止めるのが良いかもしれない。 日産リーフのおすすめ利用例 それでは、リーフの場合はどうだろう。おすすめは「長距離を伴うお買い物」「ちょっと遠い観光」だ。サクラと比べて、航続距離に長けるリーフは、長距離でも安心の相棒になるだろう。 こちらも、筆者自身が実際利用した経験がある。走行性能としては、航続距離がある程度確保でき、フルで人が乗車をしたとしても軽やかに加速することができる。また、荷物がたくさん積載できる上に、シートヒーターなどの快適性能も充実しているため、同乗者にも嬉しい車となっている。ある意味、日常生活での利用では、オールマイティに対応することができるといえるだろう。 春のドライブにEVはいかがでしょう EVは静かな移動空間を作ってくれる。家族や友人を誘ってEVを利用すれば、会話がはずみ、いつものお出かけがより豊かになるかもしれない。EVで新生活のための買い出しやお花見などに出掛けてみるのはどうだろう。   <キャンペーン適用条件> ※お得な情報がメールで届くCLUB GLIONにご登録をお願いします ※2023年2月25日(土)から2023年3月5日(日)にご予約いただいた方(出発日は期間外でOK)  

TAG: #サクラ #リーフ #レンタカー
TEXT:栁 蒼太
[大阪オートメッセ2023]エアコンついてます! 快適なミニマムモビリティ ―KGモーターズ―

「第26回大阪オートメッセ2023」(2月10~12日、大阪府・インテックス大阪)に設置された「EVゾーン」には多種多様なEVが集った。今回は、愛らしいルックス、これからの発展が楽しみなモビリティに注目したい。 小さな乗り物、大きな魅力 KGモーターズ株式会社 が開発している1人乗りの小型の電気自動車。丸目のレトロなフロントライト、前後対称のデザインなど、目を奪われるポイントが多い。 魅力あふれるのは見た目だけではなく、所有面にもある。車両規格が第一種原動機付自転車のため、車検不要、税金や保険も原付と同等の維持費で所有できる。また、充電は家庭用の100Vコンセントで可能で、5時間の充電で航続距離は100kmと、1人の近場のお出かけにぴったりな一台だ。 ユニークなコストカット 前後対称であることによって、部品のパーツを大幅に削減できるそうだ。例えば、ドアパネルはボディラインを左右で同じにすることによって、取手の切り抜きの場所を入れ替えるだけで対応することができる。 「快適さ」は、カットしません 開発を行っているKGは「1人で快適に安全に移動できる乗り物」の最小単位となるようなモビリティを作ろうとしている。最近ミニマムモビリティの界隈は動きが活発になっているものの、あくまで簡便に移動することのみにフィーチャーすることが多い。しかし、同社は「快適に」というのが重要なポイントとしている。そのため、「屋根、ドア、空調付き」というのは絶対に譲れない条件だそうだ。 小さめの荷物であれば、運転席の前後対称の空きスペースに載せることもできる。前部はエアコンの機材や各種の機器が埋まっているため、軽くて小さな荷物のみ載せられるが、頻繁に取り出す小物などを収納することも可能だ。また、センターポジションに運転席が備え付けられているため、独特の走る楽しみを体感することができる。 YouTuberから世界に通用する自動車メーカーに期待 開発を進めているのは、広島発のスタートアップである、KGモーターズだ。2022年3月ごろから開発を始め、10月ごろからプロトタイプの作成、といった非常に早いペースで開発を進めて、2025年の発売を予定している。 同社の開発の模様は、YouTube チャンネル「【KG Motors】くっすんガレージ モーターズ」で見ることができる。新しい乗り物を製作する様子が見られるのは、非常にワクワクするものだ。YouTuberが本気で作る次世代チョイ乗りモビリティに注目が集まる。 主要スペック 全長 2,450mm 全幅 1,090mm 全高 1,500mm 定格出力 0.59kW(0.8ps) 最高出力 5kW(6.8ps) 航続距離 約100km 充電時間(AC100W) 5時間 乗車定員 1名

TAG: #KGモータース #大阪オートメッセ2023
TEXT:栁 蒼太
[大阪オートメッセ2023]ブレイズ(BLAZE)の超小型モビリティ勢揃い!

大阪オートメッセの「CARトップ&THE EV TIMESゾーン」の一角に、株式会社ブレイズ(BLAZE)が超小型のEVモビリティを出展した。ブレイズは愛知県に本社を置く、EV開発を行う企業で、スマートなものから遊び心をくすぐるものまで、様々な公道走行ができるEVモビリティを手がけている。今回の展示では、小型折りたたみ電動バイクからワイルドな見た目のミニカーまでバラエティ豊かなラインナップを展示していた。 折りたたみもできる!電動バイク「ブレイズ スマートEV」 小型折りたたみ電動バイク。ものの数秒で折りたたむことができる。車両重量が18kgであるため、片手で軽々と持ち運ぶことはできないが、コンパクトに収納できるのは、非常に魅力的だ。なお、メーカーの想定する用途としては、街乗りでのラフな利用のほかに、車に積み込み、移動先で取り出してレジャーや観光に使うという利用も見込んでいる。まさに、それらのシーンには、バッチリ叶うだろう。 筆者は、大学の自動車部に所属している関係で頻繁にサーキットや走行場に行くことがあって、広い会場を移動する際に利用している人をよく見かける。その度に、颯爽と移動する姿を見て嫉妬している。ちなみに、この電動バイクの最高速度は30km/hだ。一見、遅く思えるが、実際に乗ってみるとそのスピード感は相当だという。 さらに、まだまだ魅力は止まらない。ユニークな装備も目白押しだ。任意のスピードで速度を維持するクルーズコントロール、盗難防止のセキュリティアラームが装備されている。また、Bluetoothスピーカーが搭載されており、スマホとの接続により音楽を楽しんだりナビの音声ガイドを聞くこともできる。また、USBポートも備えていて、スマホの充電も可能だ。 車両規格は原付一種で、公道を走る場合には原付免許とヘルメットの着用、自賠責保険への加入が必要となる。家庭用コンセントから約3.5時間で満充電となり、走行可能距離は約30km。価格は19万7,780円(消費税込)。

TAG: #ブレイズ #大阪オートメッセ2023
TEXT:栁 蒼太
​​EV充電エネチェンジ(ENECHANGE)とイーモビリティパワー(e-Mobility Power)が業務提携――「カード一枚でどこでも充電できる」 世界を作る

エネチェンジとイーモビリティパワーは、2月9日、EVユーザーの利便性向上や充電器の設置施設への集客性拡大のために業務提携契約を締結したと発表した。 今回の提携によって、イーモビリティパワーや自動車メーカー各社が発行する充電カードを持つ会員が、エネチェンジが設置した約1000基の普通充電器を2023年4月から利用できるようになる。 エネチェンジの足跡 エネチェンジは、2021年11月より6kW充電器の全国設置を進めており、専用アプリを介して利用できる。同社が開発する6kW出力の充電器を使用することで、これまで国内に普及していた3.2kW出力の普通充電器のおよそ半分の時間で充電を終えることができる。EVバッテリーの大容量化が進む中、EVドライバーは限られた滞在時間の中で効率的に充電を確保できる。 なお、6kWの充電サービスに非対応の車にも同社の展開戦略がなされている。軽EVやPHVなどの6.0kW出力非対応車が充電する際、出力電力量が自動で判別され、料金が算出されるシステム新機能「充電出力に応じた料金」を2023年1月より展開している。 これまでは出力量にかかわらず、充電時間に応じて料金が算出されていたが、新機能の導入により、3.2kWの充電出力にのみ対応している車種なども含め、すべてのEVドライバーに適正な料金で充電サービスを提供できることになった。EVドライバーもEV充電器オーナーも面倒な手間が少なく済む、快適な充電環境を作っている。 EVチャージャーの先駆者、イーモビリティパワーのこれまで 日本充電サービス(NCS)の事業を継承したイーモビリティパワーは、日本最大のEV・PHV充電ネットワーク事業を継承し、自動車メーカー各社発行のEV・PHV充電カードで利用可能な充電ネットワーク構築を進めてきた。2014年以降、自動車メーカー主導で、ユーザーの利便性に配慮した仕組みが形づくられてきた。  事業提携で何ができるようになるのか? イーモビリティパワーはSAやPAなどといった移動途中で充電する経路充電、一方のエネチェンジは自宅や事業所などの拠点での充電、目的地充電をメインとしている。今回の両社の提携によって、EVユーザーの充電サイクルを全面的にサポートすることができる。また、従来の3kW普通充電器だけではなく、倍速での充電が可能となる6kW充電にも対応できる。 なお、エネチェンジの充電器である「EV充電エネチェンジ」を利用する場合であっても、専用のアプリをダウンロードや登録する手間をかけずに、従来から自動車メーカーやイーモビリティパワーが発行している充電カードを、エネチェンジの充電器のRFID部分にかざすだけで利用できる。ユーザーは新たな追加費用を負担せずに充電できるようになる。 両社が考える未来像 日本におけるエネチェンジの充電器の設置台数は、累計で2500台を超えており、直近の四半期ベースで1000台を超す受注を獲得できるようになってきた。 政府は2030年までに15万台の設置を掲げており、同社はそのシェアのおよそ半分、もしくはそれ以上を目標とし、2023年6月までに3000台の累計受注台数を目指している。この目標に対してクリアが見えてきたとしており、エネチェンジの城口洋平 代表取締役CEOは、今回の取り組みが、充電器の普及拡大においても貢献すると認識している。  イーモビリティパワーは12,600台を同社のネットワークの中に有しているが、いずれもパートナーが運営しているものであり、そこにエネチェンジが加わることで、事業の拡大が期待できる。既存の3kWの充電器を保有している施設オーナーに対して、エネチェンジの6kWのモデルにアップグレードする案内が可能となり、最適な充電環境の構築がしやすくなる。 また、普通充電、急速充電の利用状況がわかるようになるため、どのような充電形態が求められているのかが把握でき、日本全体の充電環境の最適化が可能となり、「(世界の国々から)日本をベンチマークしてもらえるような充電インフラをエネチェンジと作っていきたい」と、イーモビリティパワーの四ツ柳尚子 代表取締役社長は今回の提携に対する期待を述べている。   進む連携、ユーザーの個人情報の扱いは 会員データについては、カードの発行元(主に自動車メーカー)が有しており、イーモビリティパワーやエネチェンジは詳細なユーザー情報を取得できない仕組み。ユーザーが持つユニークなID毎において、充電状況、回数を取得するという程度である。ただ、急速充電や普通充電の利用状況が把握できるようになるため、新設の充電器の設置や既存の3kWの充電器を6kWにアップデートする有用性を考える際のエビデンスとなりうるという。  

TAG: #イーモビリティパワー #エネチェンジ #充電
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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