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フォルクスワーゲン、2022年のEVの納入数が前年比26%増の57万2,100台


TEXT:栁 蒼太
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フォルクスワーゲングループは 2022 年、供給の混乱、原材料やエネルギーコストの上昇による逆風にもかかわらず、収益性を改善し、堅調な業績を達成した。特に、ポルシェAGのIPOの成功、ザルツギッター(ドイツ北西部)にあるセルギガファクトリーの起工によるバッテリー会社パワーコの立ち上げ、米国での電気自動車ID.4の生産開始などによって、それらを達成させた。

全体的に堅調な伸び

全体の売上高は、2021年比11.6%増の2,792億ユーロとなった。全電気自動車(BEV)の納車台数は大幅に増加したが、半導体の不足、ロジスティクスチェーンの混乱、中国での供給停止により、総納車台数は7%の微減となった。

なお、特別項目計上前営業利益は225億ユーロ(前年:200億ユーロ)に増加し、特別項目計上前売上高営業利益率は8.1%(8.0%)に相当します。税引前利益は9.5%増加し、220億ユーロ(201億ユーロ)となった。税引後利益は2.6%増の158億(154億)ユーロとなっている。また、自動車部門のネット・キャッシュ・フローは48億ユーロ(86億ユーロ)となっている。これは主に、不安定な供給状況と、年末のロジスティクスチェーンの混乱に起因している。結果として、年末の運転資本、特に完成品、原材料及び貯蔵品の在庫は計画を大幅に上回り、2022年度末の運転資本の増加は、2023年度中にほぼ解消されると見込まれている。

EVの納車状況と展望

バッテリー電気自動車(BEV)の納車台数は2021年比 26% 増加し、2022 年には合計 572,100 台となった。なお、グループ納車台数に占めるそれらの割合は 7%に増加している。同社は、 2025 年に納車台数全体に占める BEV シェア 20%、2030 年には 50%を目指している。なお、2023年のグループ見通しとして、納車台数は約950万台に増加、売上高は10~15%増加、売上高営業利益率は7.5~8.5%の範囲にあると見込んでいる。

積極的な投資、見据えた見通し

同社グループは、2024年からの主要製品の発売に向けて、変革活動を加速し、ソフトウェア、バッテリー事業、ICEだけでなくBEVプラットフォームへの投資を行っている。その結果、2022年の研究開発費は189億ユーロに増加し、自動車部門の売上高に対する研究開発比率は8.1%となった。また、設備投資額は127億ユーロで2022年の自動車部門の売上高に対する設備投資比率は5.5%に相当する。

同社グループが掲げる課題には、特に経済環境、競争の激化、不安定な原材料・エネルギー・外国為替市場、排出権関連の規制の強化などがあるとしている。

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