メルセデス・ベンツ日本は、8月25日にSUVタイプのBEV「EQE SUV」を発売した。「EQE350 4MATIC SUV」「メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUV」の2モデルを投入。 EQE SUVにはAMGモデルを設定 メルセデス・ベンツが手がけるSUVタイプのBEV「EQE SUV」が、2023年8月25日に国内発売された。500キロを超える巡航距離、AMGモデルの設定、V2H給電システムの採用と、特徴の多いモデルだ。 これで、BEVは7台目になるので、たいしたいきおいだ。「日本市場の可能性は大きい」と、東京都内の大きなホテルの発表会の席上で、来日したメルセデス・ベンツ・グループのオラ・ケレニアス取締役会会長は語っている。 日本に導入されるEQE SUVは、2モデル。「EQE350 4MATIC SUV」と、高性能版の「メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUV」だ。 EQE SUVは、2022年9月に日本導入されたBEVのセダン「EQE」と基本プラットフォームを共用。さらにセグメントではより上級のEQS SUVとも同じプラットフォームを使う。 EQS SUVとの差異は、サイズと走行距離。EQS450 4MATIC SUVと比較した場合、全長4,880ミリのEQE SUVはマイナス250ミリとなる。 航続距離では、528キロのEQE SUVはマイナス65キロというぐあい。いっぽう、メルセデスAMGによる高性能モデルの設定はEQEのみだ。 ボディサイズは、EQE350 4MATIC SUVの場合、全長4,880ミリ、全幅2,030ミリ。さきにEQS SUVよりコンパクトとしたが、それでもじゅうぶん余裕あるサイズだ。 シームレスデザインでCD値0.25 EQE SUVにおけるパワートレインのレイアウトは、メルセデス・ベンツ仕様も、メルセデスAMG仕様もともに、2基のモーターを使い、全輪駆動と共通。 前後アクスルに「eATS」なる電動パワートレインを搭載。三相の巻線を2つ備える六相式により「きわめて強力」(メルセデス・ベンツ)と謳われる電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)を採用。ACモーターのローターに永久磁石を採用しているため、ローターに通電の必要がないというのも特徴といえる。 ユニークなのは、ICEでいえば燃料消費率に相当する一充電あたりの走行距離を長くするための工夫。 前記「eATS」にディスコネクトユニットなる機構を組み込んでいる。低負荷時にフロントモーターをクラッチを用いて切り離すことで、走行抵抗を低減するというもの。 CD値0.25という極端に低い空気抵抗値のボディデザインも”省エネ”対策といえる。ボディは各パネル間のギャップを可能なかぎり埋めるという凝った設計で、格納式ドアハンドルなどとともに、質感と空力に大きな影響をもたらしているはず。 EQE350 4MATIC SUVは、システム最高出力215kW、システム最大トルク765Nm。駆動用バッテリーは、リチウムイオンタイプで、容量は89kWhと大きい。 メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUVは、よりスポーティだ。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は90.6kWhに上がる。が、8月25日の発表段階では、「まだ認証がおりていない」と、日本仕様における最高出力と最大トルク、それに走行距離は未発表。 サスペンション形式は、フロントが4リンク、リアがマルチリンク式。連続可変ダンパーとエアサスを組み合わせた「AIRMATIC」が標準装備となる。 AMG EQE53 4MATIC+ SUVでは、さらに専用装備として、前後にアンチロールバーをそなえ、さらに、走行状況に応じて結合あるいは切り離しを電子制御する「AMGアクティブライドコントロール」が組み合わせられる。 […]