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「EタイプのインパクトをEVで再現したい」ジャガー・マネージング・ディレクターが語る電動化への姿勢


TEXT:小川フミオ PHOTO:Jaguar Cars
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フォーミュラEから次世代ジャガーBEVを語ってきたグローバー氏は、ジャガーEタイプの存在を話しはじめる。それは、既存にとらわれない新しい価値観の創造だった、と。

Eタイプが示してくれたこと

−−フォーミュラEの話から、2025年という新世代のジャガーBEVにまで話題が飛びました。つまり、ジャガーにとっての電動化をいうときに、活動はみな有機的につながっているのですね。あたらしいBEVの話をもうすこし聞かせてください。

「私たちは、他のコピーをしない、他とちがっていることを敢えて厭わない、という創業者のスピリットを大事にしながら、次世代車の開発に取り組んでいます。過去の例でいうと、やはり、1961年のジャガーEタイプです」

−−ジャガーの名声を不動のものにしたスポーツGTですね。

「このクルマが発表された時点で、世界中のひとは、それまで同じようなクルマを観たことがなかったはずです。あのカタチもコンセプトも、世のなかにそれまで存在していませんでした。それと同じようなインパクトを、新世代BEVで提供したいと私たちは意気込んでいます。過去をこのように振り返りながら、いままで存在しなかったクルマを未来に出す。これが私たちの考えなのです」

ジャガーを顧客とともに全く新しいものへ

−−新世代のBEVはかなり上のマーケットを狙うものになると聞いていますが、どうなのでしょうか。

「なぜ、私たちがさらに上級マーケットへ移行しようとしているのか、ということですね。これまでセールスが好調だったジャガーの製品を振り返ってみると、そこに答えがあるのです。私たちがもっとも成功を収めた製品と同じようなところを狙うべきだというのが、私たちの結論なのです。これから、市場動向がどう変わっていくか、みていくと、生産台数をしぼって、高価格政策を採っていくのが、もっともジャガーというブランドにふさわしいと結論づけています」

−−高価格政策なのですね。

「おおざっぱですが、いまの2倍以上の価格です。高価格は、ジャガーというブランドにそぐわないものではありません。大事なことは、高価格の正当化です。そのために、いまのジャガーのプロダクトとはまったくちがったものを作らなくてはなりません。ほんとうにちがったプロダクトになるので、ユーザーエクスペリエンスとか、マーケティング戦略も、とうぜん、従来と同じというわけにはいきません」

−−具体的に教えてもらえるものがありますか。

「かんたんにいうと、顧客とダイレクトにつながりたいと考えています。オンライン販売の可能性もそのうちのひとつだし、逆にオンラインからオフラインへと、顧客が簡単に移れるようにするのも重要だと考えています。ブランドブティックを開くこともあるでしょうし、ポップアップにも取り組んでいきたいです。まだ計画段階ですが、かりにいうなら、ロンドンやパリや東京といった都市にブランドストアを直営で開き、顧客とのつながりをこれまで以上にしっかり持っていきたいと思っています。つまり、BEVを機会に、プロダクトを新開発するだけでなく、ジャガーをまったく新しいものにしたいのです。私たちは、既存の価値観にとらわれず、大胆で、恐れず新しいことを実行するブランドなのです。それをわかってくれるひとと価値観を共有したい思いです」

<了>

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