車検の有効期間はエンジン車と同じ
ほかにもEVは、車載バッテリーの重さからタイヤの摩耗が早いのではないかとの声もある。しかし、少なくとも新車で購入した際は、EV用のタイヤが開発され装着されているはずなので、極端な摩耗の早さにはならないだろう。
車両重量の重さという点では、かつての乗用車(セダンやハッチバックなど)に比べ、SUV(スポーツ多目的車)は車両重量が重く、そのぶんタイヤの摩耗が早まってもおかしくない。これに対する懸念の声が出ないのはなぜか。
EVもSUVも、軽ければ軽いに越したことはなく、たとえばBMW i3は、車体にカーボンファイバーを採用し、EVでも軽さを追求していた。
車検は新車で3年目、以後2年ごとに実施される決まりであり、ここはEVもエンジン車も変わらず同じだ。公道を走るクルマとして、安全や環境性能が確保されているかを確認するのが車検であるからだ。
まとめとして、全般にEVは故障や消耗の起きにくいクルマであり、快適に乗り続けたり、整備費用を抑えられたりという利点の多いクルマといえるだろう。
また、車載の駆動用バッテリーを管理するため、車両情報がメーカーによって情報収集されている。このため、不具合などの情報がいち早くメーカーによって確認されるので、運転者より先に不具合に気づきやすく、早め早めの手当をすることが可能になる。
たとえば米国のテスラは、本国では整備も自宅車庫などでの出張整備もできるようにするなど、所有者の手間を省く保守管理や修理の仕方が考えられている。極端にいえば、オイル交換がないことから、廃油の処理の心配がなく、修理や整備を路上や出先の駐車場など、どこでもできてしまうことになる。
EVの生産工場は油脂類がほとんどないので清潔できれいだ。それは、整備や修理についてもいえ、保守管理を清潔な環境で実施できるクルマともいえるのである。