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EV充電ステーションへの布石か……出光が新業態の第一弾でコーティング・洗車専門店を開始[2023.10.13]


TEXT:福田 雅敏/ABT werke
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「apolloONE江東東陽町KeePerPROSHOP」のイメージ(photo=出光興産)

カーコーティングと洗車はEVでも需要変わらず
充電インフラを展開すれば複合サービスが可能

【THE 視点】出光興産は、モビリティサービスに特化した新業態の店舗「apolloONE(アポロワン)」を展開する。第1号店として、カーコーティング・洗車専門店「アポロワン江東東陽町キーパープロショップ」<東京都江東区>を10月7日にオープンした。

出光は、中期経営計画において「スマートよろずや構想」を掲げている。全国展開のサービスステーション(SS)「アポロステーション」を重要なインフラ網として維持・活用するため、従来の給油所のみならず地域の生活支援基地としての役割も担うべく変革を進めている。

「アポロワン」はそのうちの一つの類型で、洗車/カーコーティング/カーシェアリング/レンタカー/車検/板金/整備/車両販売/買取といったニーズに高い専門性をもって対応する新業態のSSだという。

その先陣として、「アポロワン江東東陽町」ではカーコーティングと洗車を専門的に行なう。今後、2030年までに約250店舗の「アポロワン」の展開を目指し、多様に変化するモビリティのニーズに柔軟に対応していくとのこと。

EVやFCEVが普及すれば、従来の給油所としてのSSの需要は減る。SSの倒産は実際に増えており、今後もガソリン価格の高騰などでユーザーの給油回数が少ない傾向が続けば、SSの軒数が増える可能性はないと思われる。

出光はそこに目をつけた。出光と昭和シェルが経営統合し、エリアによっては店舗同士が隣接することも背景の一つであろうが、SSを廃業するのではなく、より社会に役立つ形に業態転換して商機を作るのだ。

「アポロワン」は特に良い目の付け所だ。第一弾の展開となるカーコーティングと洗車はEVでも欠かせないメンテナンスだ。そのほかにも出光は、一般家庭のソーラーの余剰電力を使用したEV用充電設備を導入したり[詳細はこちら<click>]ドローンのベースとなるような構想を立てていたりと[詳細はこちら<click>]、時代に合わせたSSの活用を試みている。

筆者はFCEVに乗るが、現在の水素ステーションでは洗車もタイヤの空気圧点検も行なえない。トイレを借りたり飲料を買うことさえできないところもある。EVにおいても同様で、街に広がる充電インフラはそれだけの機能を持つ設備が多く、トイレや買い物をしたいのならお店を自分で探して徒歩移動する必要があるのだ。店舗に隣接していても、充電時間が20分と決められていれば、クルマから離れるか迷ってしまう。

次世代車両が増えるに従い、休憩所を伴うような設備は必要になるだろう。「アポロワン」は、将来的にはEVの充電に対応すると予想する。充電待ちのついでに洗車やコーティングの施工も頼めるのであれば非常に便利だ。スタッフの作業を見ているだけでも楽しい時間となるだろう。

EVの充電待ち時間は商機である。SSの楽しい変革をこの勢いで進めてほしい。
(福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★カワサキ、EVの「ニンジャ」を発表
……完全電動のEVスポーツバイク「ニンジャ・e-1」と、ハイブリッドの「ニンジャ7・ハイブリッド」を発表した。両車は「ジャパン モビリティ ショー」で世界初公開する。

★★トヨタと出光が全固体電池で協業
……全固体電池の量産化に向けて、固体電解質の量産技術開発・生産性向上・サプライチェーンの構築を両社で取り組むことに合意した。両社の連携で、2027〜2028年の全固体電池実用化を確実なものにするという。

★★ホンダと三菱商事がEVで新事業を創出へ
……EV用バッテリーのモニタリング機能を強化し、新車・中古車のバッテリーの状態を把握することで、定置型の転用を視野に入れたライフタイムマネジメントを目指す。また、電力需給のタイミングに合わせたエネルギーマネジメントシステムも構築していくという。

★「日産・サクラ」の給電でマンションに給水
……日産自動車・日立ビルシステム・日立産機システムが共同で実証実験を行なった。V2Xシステムを活用し、マンション・ビル向けの自動給水ユニットの稼働に成功したという。

★ステランティスとサムスンSDIがアメリカに2ヵ所目のバッテリー工場を建設
……合弁会社のスタープラス・エナジーを通じて、アメリカ・インディアナ州に建設する。年間生産能力は34GWhで、2027年初頭に生産を開始する。

★日通、FCEVトラックを初導入
……関東甲信越ブロックFBU(航空)に6台の水素燃料電池式(FCEV)トラックを導入した。2023年末までに合計20台を導入予定。

★JR東日本がEVトゥクトゥクをレンタル
……傘下のJR東日本スタートアップが、EVトゥクトゥクのレンタルサービスを展開するエモビと連携。JR青梅線鳩ノ巣駅で10月18日から実証実験の形でレンタルサービスを行なう。

★ヴァレオ、「JMS」にEV関連技術を展示
……独自開発の小型EV「マイクロ・ユーティリティ・ビークル」を初公開するほか、800Vの高電圧に対応したインバーター・モーター一体型駆動装置「e-アクスル」を出展する。

デイリーEVヘッドライン[2023.10.13]

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