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電気自動車はガソリンスタンドに行かないだけに「日常メンテ」を「見落とし」がち! 常日頃からここだけは見ておきたいポイントとは


TEXT:山本晋也 PHOTO:TET 編集部/写真AC
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ブレーキパッドは減りづらいがフルード交換は必要

ブレーキまわりも傷みづらい傾向にあります。EVに限った話ではなく、ハイブリッド車でも同様ですが、電動車には「回生ブレーキ」というファクターがあります。ご存じのように、これは減速時にモーターで発電してバッテリーを充電するという機能。エネルギーの有効活用です。

そして、視点を変えると、減速に回生ブレーキを活用することは、メカブレーキ(ディスクやドラムと呼ばれるシステム)の負担を軽減することになります。そのため、ブレーキパッドやシューといったパーツの摩耗は少ない傾向にあります。これもメンテナンスコストを抑えることにつながります。ただし、ブレーキペダルの踏力をメカブレーキに伝えるブレーキフルードは湿気などを吸って傷みますから、定期的な交換が必要なのは変わりません。

EVの走行風景

EVに乗ると駆動用の高電圧バッテリーがどれだけ充電されているかを気にしがちですが、意外に忘れがちなのが12V補機バッテリーのコンディションでしょう。駆動用バッテリーを充電しておけばEVは走ると思っていたら、補機バッテリーがアガっていてシステムが起動しないなんてこともあり得ます。日常的に電圧を計測するほどシビアにならずともいいでしょうが、半年~1年に1度は点検を受け、補機バッテリーの状態を確認しておくと安心です。

エンジン車ではオルタネーターやジェネレーターといったパーツで走行中に補機バッテリーを充電しますが、EVでも同様に駆動用バッテリーから補機バッテリーへ電力を送って充電する仕組みとなっていますから、機械的な故障やルームランプの点けっぱなしといったミスがない限り、そう簡単に補機バッテリーがアガってしまうことはありません。それでも補機バッテリーが古くなってくると、必要な電圧を確保できなくなりますので点検が必要なのです。

EVのボンネット

EVにおいても補機バッテリーはボンネットを開けて確認することが多いのですが、同様にボンネット下にあるのがウォッシャー液タンクです。雨天時にワイパーを作動させた際、ウインドウの汚れを落としてくれる機能を持つ液体で、安全運転には非常に重要です。

ワイパーのおまけ的な機能と思っているかもしれませんが、保安基準に含まれる機能です。つまり、ウォッシャー液がしっかり噴射されなければ車検に通らないのです。いうまでもありませんが、エンジン車でもEVでも、ウォッシャー液を使い切ったあとは補充する必要があるのはなんら変わらないのです。

ウォッシャー液の残り具合は、タンクを覗いたり、キャップを外したりして目視で確認できますし、補充用ウォッシャー液は自動車用品店などで入手できます。プロに頼まなくともオーナーができるメンテナンスとして積極的に実施してほしいと思います。

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