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じわじわ日本でのシェアを伸ばすBYDはシトロエンやルノーと同等規模に! 一方で日本のEV販売台数は前年同月比10カ月連続でマイナスだった


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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BYDがルノーやシトロエンと同等の販売規模に

まず初めに、2024年累計での主要自動車メーカー別のバッテリーEVの販売台数の変遷を見てみると、やはり日産の販売台数が圧倒的な存在感を見せています。その日産に続くのが、軽EV2車種をラインアップする三菱、およびテスラの存在です。そしてなんと、中国BYDがトヨタのEV販売台数を超えている状況です。

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まずはテスラに注目しましょう。月間販売台数の変遷を見てみると、9月はおよそ528台を達成。そして2024年Q3はじつに1307台を達成し、2023年Q3が1229台であったことから、前年同期比でプラス成長を実現することに成功しています。

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モデルYのモデルチェンジ「ジュニパー」の存在が噂されていることによる買い控えを考慮に入れると、個人的にはかなり健闘していると感じます。さいたま新都心や横浜みなとみらいの新ショールームの本格稼働によって、新たな需要を開拓できているのかもしれません。

テスラ独自の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーは、9月末現時点で累計122カ所、604基を建設。実際に稼働中なのは120カ所です。他方で、9月中の新規スーパーチャージャーの設置数はゼロと、なんと2カ月連続で設置なしとなりました。

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次に注目したいのがトヨタのEV販売動向です。トヨタは現在bZ4X、レクサスUX300e、RZという3種類のバッテリーEVを発売中ですが、9月に118台と、前年同月の288台から59%減というマイナス成長となり、需要が急速に減少している様子を確認可能です。

また、日産アリアの販売動向について、9月の販売内訳はまだ不明ながら、直近の8月は245台と、2023年後半から販売台数が停滞している様子を確認可能です。120万円もの大幅値上げが販売に影響していることは間違いないでしょう。

次に注目するべきは中国BYDの存在です。BYDは9月度で257台を発売することに成功。たとえば9月のシトロエンの販売台数は248台、ルノーが352台であり、いよいよBYDはこれらの中堅輸入車メーカーと同等の販売規模になり始めたといえます。

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すでにトヨタのEV販売台数も超え始めていることからも、果たして2024年末にかけて、シールの販売とテレビCMの浸透によってどれほど販売台数を増やせるのか。2025年以降に投入が期待されるSea Lion 07をはじめとする新型EVの動向にも注目が集まります。

BYD車のイメージ

最後に気になる動向が韓国ヒョンデの存在です。9月単体で58台と、前年同月の販売台数36台に比べればプラスであり、また1月から9月までの累計台数も前年同期比で62.5%のプラス成長を実現しているものの、販売台数のボリュームが寂しいと感じます。

ちなみに、この9月中の販売台数には、IONIQ5 Nの20〜30台程度の初期納車台数が多く含まれていることを考慮に入れると、既存モデルのIONIQ5とコナの販売で苦戦している様子も見て取れます。

ヒョンデは2025年早々にも、コンパクトEVのインスターを日本に導入する見込みです。他方でBYDドルフィン、日産サクラの直接の競合になり、軽ではないことで税制優遇を受けられず、その上ドルフィンよりもコスパで劣ったり、BYDのようにディーラーもないとなると、日本市場に合うコンパクトカーながら、大きくコケる可能性も出てきています。

ヒョンデ・インスター

ヒョンデとしては、このインスターでどれほどのコスパを実現することができるかが、2025年の日本市場における最注目ポイントであるといえそうです。

いずれにしても、この日本国内のEVシフト動向は、前年同月と比較してもマイナス成長であり、EVシフト後退という状況が見て取れます。とくに問題は、日本メーカーの、とくにアリアやbZ4Xなどのような普通車セグメントの販売動向が芳しくないという点です。

他方で、ホンダのN-VAN e:という最新の軽EVの投入という観点は、2024年末以降のEVシフト推進の大きな原動力となるポテンシャルを秘めています。

ホンダN-VAN e:

かなりの販売規模が見込まれているN-VAN e:の販売動向をはじめとして、定期的に国内EVシフト動向をアップデートしていきたいと思います。

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