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恒例の1000kmチャレンジで明らかになった充電性能! 長距離走行が多いひとにはメルセデス・ベンツEQEはアリなEVだった


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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チャデモ規格を採用するEVとしては最速クラス

4)浜松SA→駿河湾沼津SA(150kW級急速充電器)

・走行距離:113km
・消費電力量:31%→7%
・平均電費:5.1km/kWh(196Wh/km)
・外気温:28.5℃〜29℃
・充電セッション:7%→17%(10分)

メルセデス・ベンツEQE 1000kmチャレンジのようす

本当の最後の充電スポットに到着です。120km/h制限区間のみのため、流石に電費は悪化しています。しかしながら大問題が発生。充電出力が80kW程度しか発揮できず、期待どおりの115kW程度は発揮できませんでした。理由はまったくの謎ですが、結果的に浜松SAで入れ切ってしまったほうがよかったことになり、これによってタイムロスが発生。

メルセデス・ベンツEQE 1000kmチャレンジのようす

※SOC11%で80kWしか出ず。おそらく250A程度に制限されているものと推測可能です

5)駿河湾沼津SA→海老名SA(ゴール)

・走行距離:75km
・消費電力量:17%→4%
・平均電費:6.4km/kWh(156Wh/km)
・外気温:29℃〜34.5℃

メルセデス・ベンツEQE 1000kmチャレンジのようす

海老名SA直前で走行距離1000kmを達成しました。海老名SAには充電残量4%で到着。この海老名SA到着時点での充電残量が少なければ少ないほど、最後の充電時間を短縮することができるわけですので、綿密な充電残量コントロールが求められるわけです。

その意味においてはまずまずの充電残量コントロールを達成できたといえそうです。

メルセデス・ベンツEQE 1000kmチャレンジの結果

トータルの所要時間は10時間3分と、私がこれまで行ってきた1000kmチャレンジの検証のなかではテスラ以外で最速クラスのタイムを叩き出すことに成功しました。また、最後のタイムロスがなければ、おそらく史上初、CHAdeMO規格採用のEVで10時間切りを実現していたはずです。

確かに充電セッションにおけるいくつかの謎は残ってしまったものの、やはり今回の1000kmチャレンジを通して明らかになったのが、何といっても電費性能の高さです。電費性能が優れていることによって、その分だけ充電時間を短縮することにもつながり、結果的に1000kmチャレンジのタイム短縮につながるためです。高速道路を頻繁に使用するような方にとっては、EQEは極めて相性のよいEVといえるのかもしれません。

いずれにしても、メルセデスのEVセダンであるEQEは、チャデモ規格を採用するEVとしては最速クラスのタイムを実現しており、150kW級急速充電器の恩恵を受けることができるという意味で、最新EVとしても十分の性能を発揮していると感じます。とくに東京〜大阪間を充電なしで走破可能というポテンシャルは、EVとしての実用性に懸念を持つユーザーの多くを納得させるのではないかと思います。内燃機関モデルのEクラスからの乗り換えという意味でも、選択肢の一つに浮上した方も多いのではないでしょうか。

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