2025年にEVブランドへ生まれ変わるジャガー
ドライバーランキングのトップ5に2名のチーム所属ドライバーを送り込めたのは、ジャガーTCSレーシングだけであった。そのことを考えるといかにマシンが優れ、チームは巧妙な戦略を立案し、それをドライバーが正確に実行できたのかが証明された結果と言えよう。
ジャガー・ランドローバーのモータースポーツ担当マネージングディレクターであり、その表情豊かで常に感情を前面に出す姿勢からテレビ中継にもよく登場する、ジャガーTCSレーシング・チーム・プリンシパルを務めるジェームズ・バークレーは、今回のタイトル獲得について次のように述べている。
「これはジャガーTCSレーシング、ジャガーブランド、そしてこの成功に貢献したすべての人にとって本当に歴史的な瞬間です。この世界選手権における勝利は、チーム、ドライバー、パートナー、ファン、そして世界中のJLRの同僚たちのものです」
「ジャガーは豊かなレースの歴史を持っており、2016年にフォーミュラEプログラムを開始したとき、その伝統にさらに貢献することを決意しました。電気自動車レースの頂点である2024 ABB FIAフォーミュラEのチームタイトルを獲得したことは、全員の努力と勝利への不屈の精神にふさわしい報酬です。ミッチとニックの両名には感謝します。ドライバーズタイトルの栄冠まであと一歩に迫りながらタイトルを逃したことはふたりにとってつらいことですが、彼らは1年を通して信じられないほど素晴らしい走りを見せてくれました。来年もタイトルを争うことは間違いありません」
「これまでの私たちの旅に関わってくれたすべての人に個人的に感謝の意を表したいと思います。これはジャガーTCS レーシングにとって素晴らしい瞬間であり、この信じられないような偉業を一緒に楽しみましょう!」
東京E-PrixでフォーミュラE参戦100戦目を達成し、F1とまったく同じコースレイアウトで行われるモナコE-Prixを制覇。いくら予選で下位に沈んだとしても必ずといっていいほど上位に進出し、「振り返ればジャガーがいる」というほどレース中に強さを見せたジャガーTCSレーシング。ジャガーは2030年までのフォーミュラE長期参戦にもコミットメントしているので、当面この強さは継続されることだろう。
英国の伝統的ブランドは、2025年に向けてオールエレクトリックのモダンラグジュアリーブランドへと再構築されようとしている。そのようななかでのマニュファクチャラーとチームの同時タイトル獲得は、来たるブランドの再構築に大きな弾みが付く結果といえよう。