限定30台でふたつの異なる仕様を用意
メルセデス・ベンツ日本は、同社で唯一の3ボックスセダンタイプで電気自動車(EV)の「EQE」に、日本で限定30台のみの特別仕様車「EQE 350プラス エレクトリックアート」をラインアップ。2024年5月29日から予約注文の受付を開始したことを発表した。
EQEは専用プラットフォームを採用しているだけでなく、EVならではのパッケージの有用性を活かした空力に優れた「キャブフォワードデザイン」のエクステリアを持ち、面構成や継ぎ目の少なさなどを徹底した結果、量産乗用車では最高レベルの低い空気抵抗値を達成している。EVならではの低重心さがもたらす操縦性の高い走りも魅力のひとつだ。
リヤアクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、最高出力292馬力(215kW)を発生。リチウムイオンバッテリーのエネルギー容量は90.6kWh、WLTCモードの一充電走行距離は617kmを誇る。また、車両を蓄電池として利用し、充放電器を介して車外へ電力を供給する給電機能「V2H(Vehicle to home)」と「V2L(Vehicle to Load)」にも対応している。
そのため、自宅に駐車しているときに充電し、夜間はEQEから家庭に電気を送るといった使い方ができる。これにより、電気代の節約やCO2の削減に寄与することができる。むろんバッテリー容量が90.6kWhもあるので、非常時の電源としても有効だ。
さて、特別仕様車のEQE 350プラス エレクトリックアートだが、日本限定30台とはいうものの、標準車のEQE 350プラスをベースに、仕様とカラーの違いで台数が細かに設定されているので注意が必要だ。
まずは仕様の違い。ひとつ目の仕様は、キャブフォワードデザインを取り入れた伸びやかでクーペのようなエクステリアデザインに、「エレクトリックアートライン」と新デザインの19インチアルミホイールを採用。こちらは15台の販売を予定している。
ふたつ目の仕様は、「AMGラインエクステリア」やパノラミックスライディングルーフを採用したAMGラインパッケージこちらも15台の限定モデルとなる。
そしてボディカラーの違いによる台数の内訳だが、エレクトリックアートライン仕様の15台のうち、ポーラーホワイトが5台、オブシディアンブラックが10台となる。メーカー希望小売価格は両カラーともに消費税込み1040万円。
一方のAMGラインパッケージ仕様は、オブシディアンブラックが5台で1156万5000円。オパリスホワイトとアルペングレーが各5台で1169万9000円だ。このため、仕様とカラーの組み合わせによっては、かなり希少性のある個体が誕生することになる。
両仕様とも、高電圧バッテリーから発生する廃熱を車内の暖房に利用することで、車内を温める際の消費電力を大幅に削減するヒートポンプを標準装備している。ほかにもiPhoneでクルマの始動やロック操作が可能になるデジタルキーや、SpotifyやAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスに加え、Youtubeなどのビデオストリーミングをテザリング無しで操作することができる「MBUXエンターテインメントパッケージプラス」を標準採用する。
また、新車購入から5年間または10万kmのいずれか早い方まで保証する「EQケア」や、高電圧バッテリーを10年または25万kmまで保証するプログラムが特別仕様車には付帯される。クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は52万円が適用されるため、エレクトリックアートライン仕様であれば実質的な車両本体価格はアンダー1000万円となる。
EQE 350プラス エレクトリックアートは、保証を含めてかなりお得感のある特別仕様車になっている。気になる方はメルセデス・ベンツ正規販売店に急行してほしい。