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「ボルボEX30」のツインモーターは想像を超える速さの持ち主だった! [ボルボEX30試乗記]


TEXT:生方 聡 PHOTO:Volvo
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回生ブレーキには不満も

ところで、EVでは加速のフィーリングとともに、回生ブレーキによる減速の印象も注目したいポイントだ。EX30では、車両設定で“ワンペダルドライブ”をオンにすると、走行中にアクセルペダルを緩めたときに回生ブレーキが利くとともに、ブレーキペダルを踏まなくても車両を停止させることが可能。ブレーキペダルから足を離してもクルマがクリープすることはない。一方、ワンペダルドライブ”をオフにすると、アクセルペダルを緩めても回生ブレーキが利かないという設定になる。

ワンペダルドライブがオンの状態でアクセルペダルを緩めたときに利く回生ブレーキは、シングルモーター、ツインモーターのいずれも、「ボルボC40リチャージ」や「XC40リチャージ」に比べると弱めで穏やか。街中の運転であれば、アクセルペダルのみにほぼスピードコントロールは可能だが、アクセルペダルを完全にオフにしてから停止までは一呼吸あるため、最後はブレーキを踏んで停止したほうが、運転がしやすいと思った。

ちなみに、最新のC40リチャージやXC40リチャージには、レーダーなどのセンサーにより先行車との距離を監視しながら、自動的に回生ブレーキの強さを調節してくれる“Auto”モードが用意されるが、EX30には搭載されていない。「できるだけシンプルに操作できるようにするため」というのがボルボの言い分だが、それならせめて回生ブレーキの強さが選べるとうれしいのだが……。

そんな細かい不満はあるものの、総合的に見ればEX30は魅力的なコンパクトEVに仕上がっており、日本で使うには打ってつけの一台といえるだけに、発売が実に楽しみだ。今回は電費や充電能力を試すことができなかっただけに、日本上陸後はそのあたりを徹底的にチェックするつもりなので、乞うご期待!

Volvo EX30 Ultra Single Motor Extended Range

全長:4,235mm
全幅:1,835mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,650mm
車両重量:1,790kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:143Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:560km
リアモーター最高出力:200kW(272ps)/6,500-8,000rpm
リアモーター最大トルク:343Nm(35.0kgm)/5,315
バッテリー総電力量:69kWh
モーター数:後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:RWD
フロントサスペンション:マクファーソンストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:245/45R19
最小回転半径:5.4m
荷室容量:318L
車体本体価格:5,590,000円
※数値は国土交通省申請値

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