インタビュー
share:

BYDの競争を勝ち抜く「スピード」とは?日本勢はこの早さをキャッチアップできるか!?


TEXT:小川 フミオ PHOTO:小川フミオ、BYD
TAG:

半年、新車を出さないとプレゼンスを失う

劉GMは流ちょうな日本語で話す。

「市場というのはスピード。多品種も重要ですし、競争に打ち勝つには、技術と設計と品質も重要ですが、開発のスピードが重要なんです。金型メーカーは、金型だけ考えますが、自動車メーカーの傘下に入れば、とうぜん自動車メーカーと同じように考える必要が出てきます。そこから設計のイノベーションが生まれてくると私たちは考えています」

劉氏が指摘するのは、市場における消費者の嗜好性が変化する速度。とくに若い層は、従来のクルマに対する思い入れはほぼないので、自動車観が、旧世代とまったく異なる。

「世の中の変化は、私たちが思うより早いんです。車の消費者っていうのは、もっといいものを常に追求していたい層。そうすると、従来のクルマづくりの発展上では、たしかにいいものは出来るかもしれませんが、その“すごいもの”が出来た時点で、もう誰もいらない、ってことになるんです。いまの市場では、半年、新車を出さないとプレゼンスを失ってしまうんですよ」

品質向上のためにバスとタクシーを選んだ

BYDの原点は、バッテリーとは、よく知られた話だ。王伝福(Wang Chuanfu)総裁という創業者が、二次電池、携帯電話部品生産および組立で香港証券取引所に上場したあと目を向けたのが乗用車。

2003年に西安秦川自動車責任株式会社を母体としてスタート(ゼロから自動車メーカーを立ち上げるのはほぼ不可能だったとのこと)。2008年に「BYD F3DM」なるモデルを世に出した。

「プラグインハイブリッドだったのですが、そのときはまったく受け入れられませんでした。非現実的だと笑われたぐらいです。でも諦めずにクルマづくりを続け、2010年にバス、12年にタクシー、2016年に電動モノレールを、BEVとして開発しました」

なぜ、バスとタクシーだったのか。

「この2つの乗りものは、使われた方が苛酷だと、誰もが知っていたからです。とくにタクシーは、おそらく世界中どこに行っても、乱暴に乗られています。逆を返すと、タクシーとして満足いく働きが出来れば、クオリティが担保される。誰もが、BYDのBEVの品質を認めてくれる。そう考えました」

先進的な技術を追求しつつ、つねに市場と製品との結びつきに最大限の注意を払う。さきの開発期間の短縮についての言及とも通底しているエピソードではないか。

聞けば、一本筋の通ったプロダクト戦略。BYDのヤル気には、かなりのものがある。

次回に続く

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
more
ニュース
ついに「コルベットがEV」に!? 2種類のコンセプトカーでシボレーが未来のハイパフォーマンスカー像を描く
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う
more
コラム
EV化だけじゃカーボンニュートラルは不可能! この先重要なのはハイブリッドとe-fuelだった
新型日産リーフはアメリカで激安EVになる! ただし日本での価格は「安くない」可能性も!!
ホンダのEVは「Honda e」からじゃないんだぜ! かつて販売したフィットEVを覚えているか?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択