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EVさえあれば水が飲める!……日産・日立、ビル向けの自動給水ユニットを「サクラ」で稼働[2023.10.18]


TEXT:福田 雅敏/ABT werke
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「日産・サクラ」の給電で給水システムの稼働を確認(photo=日産自動車)

約8,500人分の1日分の水分摂取量を「サクラ」1台で賄えることを証明
より人の命にかかわる災害対策に踏み込んだ利活用が可能に

【THE 視点】日産自動車/日立ビルシステム/日産自動車/日立産機システムの3社は、マンション・ビル向けの自動給水ユニットをEVの電源で稼働させる実証実験を行なった。

「サクラ」をフル充電させた状態から、給電限界の残電力10%となるまで連続運転。繋がれた日立産機の自動給水ユニット「ダイレクト・ウォーターエース」が、2万1,171Lの水を給水できた。8,468人分の1日の水分摂取量またはトイレ4,234回使用分の水量に相当するという。

日産と日立ビルシステムは、EVを建物の電源として活用するV2Xの普及を目指した取り組みを推進している。日立ビルシステムは、EVを非常時電源としてEVを活用できる点に注目し、EVからエレベーターに給電・稼働させるシステムを開発し、2023年7月に発売を開始した。

今回の実証実験は、より人の命に関わる水の問題に踏み込んだものだ。「サクラ」の電力で8,468人の1日分の水分摂取量を供給とは驚いた。バッテリー容量40kWhの「リーフ」の基準車であれば、その倍の量が供給可能と計算できる。

気になるのは排水で、今回の発表ではその情報については明記はない。しかし、もし排水ポンプを同じ「サクラ」の電源で別に駆動したとしても、数千人分の飲料水の供給能力は確保されるはずだ。

先日のデイリーでも触れたが、日立ビルシステムは、三菱自動車と共同で「アウトランダーPHEV」の使用済みバッテリーを活用したトレーラー型の移動可能バッテリー「バッテリーキューブ」を開発し、事業化を目指している[詳細はこちら<click>]。V2Xを介してエレベーターの稼働に成功したと発表しており、今回の給水システムの稼働もできると思われる。

今回の実験も含めて、エレベーターと水の供給がEVの電力で可能ということが証明された。災害時のEVの利活用の模索は今後も続くだろう。強力なバックアップ電源になることは間違いない。
(福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

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……2023年の販売台数が3万5,000台を突破した。ルノーのEV全体の販売台数6万4,854台の54%を占め、欧州のEV市場でのシェアは2.2%となった。

★パナソニック、インドの近距離移動交通向けのIT支援システムの構築を完了
……三輪EVを活用したインドのラストマイル交通向けにシステムを構築した。10月より実証実験を開始しているという。インドでは大気汚染が深刻で、環境負荷の低いEモビリティの普及施策が進められている。

★10年後の自動車業界は「雇用を維持できない」
……調査会社のテクノポートは、自動車製造業の経営者・役員・経営企画の計103人に、EV普及に対する意識調査を行なった。約6割の企業が「EV普及により、10年後、今の雇用を維持できなくなる」と考えていることがわかった。打開策として58.6%の企業が「新市場開拓」を視野に入れていることもわかった。

★EVは昼間に充電しよう!
……電力シェアリングとEVごはんは「EV昼充電推進協議会」を発足した。再生エネルギーの多くは、太陽光発電で昼間に作られることに着目。EVを昼に充電することで再生エネルギー使用の比率が高まり、CO2の削減効果を見込めることから「EV昼充電推進プロジェクト」を開始した。

★和歌山県・南紀白浜空港の点検をEVで自動化
……南紀白浜空港エアポート/マクニカ/NECの3社が共同で実施する。マクニカの自動運転EV「マクニカー-01」が指定区域を走行。走行中にドライブレコーダーで録画した動画をAIが解析し、路面の亀裂や損傷等を発見する試みとなる。

★ヒョンデ、FCEVバスを発表
……「バスワールド2023」<ベルギー・ブリュッセル/10月26日(木)〜11月5日(日)>で燃料電池式EV(FCEV)バス「イヴェコ・バス・E-ウェイH2」を世界初公開した。大型車大手のイヴェコと共同開発したもので、ヒョンデの水素エネルギーブランド「HTWO」のFCシステムとモーターを搭載したものとなる。

デイリーEVヘッドライン[2023.10.18]

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