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エレキギターも良い音が出せる!……ホンダ、EV・FCEVとセットで使う給電機を発売[2023.09.07]


TEXT:福田 雅敏 PHOTO:福田 雅敏
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「Power Exporter e: 6000」(photo=本田技研工業)

2017年のLUNA SEAのコンサートで実際に使用した機器の廉価版
メーカーに関係なくあらゆるEV・FCEVから電気を取り出せる

【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)は9月1日、電動車両(バッテリー式EV・燃料電池車(FCEV)・PHEV)と接続して使用する可搬型外部給電器「パワー・エクスポーター e: 6000」を発売した。全国のHonda Carsにて購入が可能。価格は88万3,960円(税込)。

ポータブル発電機の開発でこれまでに培った独自の正弦波インバーター技術を採用。精密機器や楽器など、電気の“質”が求められる製品にも対応可能な電力を供給する。

EV・FCEV・PHEVといった電動車両と接続することで最高6kVAの電力を出力でき、平時はイベント・コンサート・レジャーなどにおける電源として、有事の際には避難所・小規模オフィス・店舗の非常用電源として活用できる。

現在販売している「パワー・エクスポーター 9000」に対して約10kgの軽量化を実現したほか、車両と接続する給電ケーブルの長さを1.2mから2.1mへ伸長するなど、使い勝手の向上を図った。

出力は100Vの電圧に加えて200Vに対応し、その両方を同時に使用可能。家電はもちろん、より大きな電力が必要なオフィス用エアコンや店舗用冷蔵庫なども動かすことが可能だ。

以前のイベントレポートで紹介した試作機がついに発売となった[詳細はこちら<click>]。出力が6kVAと、「9000」の9kVAよりも少し小さくなったが、価格や重量面でのメリットが増え、購入へのハードルが下がったと言える。

筆者の乗る「クラリティFUEL CELL」にも接続が可能だ。実は車両購入時に「9000」の購入も検討したが、本体重量がおよそ50kgと重く値段も高価(税込120万1,750円)だったことから購入を諦めた経緯がある。

2017年のことだが、ホンダは「クラリティ FUEL CELL」の電力を「パワー・エクスポーター 9000」を介してロックバンド「LUNA SEA」のコンサートで使用したことがある。SUGIZO氏のギターに電力を供給したようだ。会場は「埼玉スーパーアリーナ」と大きな会場だった。電気の質が音を左右するエレキギターの電力としてプロも納得の上で使用できることは、本品の完成度の高さを物語っている。

「パワー・エクスポーター」シリーズは、ホンダ車に限らず「トヨタ・ミライ」「日産リーフ」「メルセデス・ベンツ・EQS」などメーカーを跨いだEV・FCEVからも電力が取り出せるのが特徴。団体などで1台でも備えておけば、平時はイベントなどの電源として使用し、災害時は命綱になる。ビルのエレベーターなども動かせるかもしれない。活用方法は色々と考えられる。

ただ、1台の値が張るのがネックである。「CEV補助金」の対象にはなっているが(3分の1を補助)、現在、令和5年5月22日の到着分をもって申請受け付けが終了してしまったようだ。猛暑の夏はそろそろ終わるが、次は冬が到来し電力逼迫と共に大雪による災害が予想できる。補助金受付の早急な再開を検討してはいかがだろうか。
(福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

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デイリーEVヘッドライン[2023.09.07]

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