カーボンフリーエネルギーを活用したEVカーシェアリングサービス
災害・緊急時は電力のデリバリーが可能になり人命を救える可能性
【THE 視点】レクシヴは9月1日、太陽石油向けにEVカーシェアリングシステムの提供を開始した。太陽石油の「SOLATOカーシェア」にレクシヴのプラットフォームを活用し専用のシステムを開発。オフグリッド型ソーラーカーポートで発電した電力でEVを稼働するカーシェアリングサービスを展開する。
2023年9月1日より愛媛県内にて開始され、今後は同県内における法人・自治体とカーシェアの実証に順次取り組む予定。レクシヴは今後も各企業や全国の行政と連携しながら脱炭素社会の実現に貢献していくという。ちなみにレクシヴは本実証において、「SOLATO」専用のEVカーシェアシステムおよびユーザー向けのウェブ・スマホアプリを開発した。
オフグリッド型ソーラーカーポートは、一般の電力系統から完全に独立して稼働する。太陽光発電なのでカーボンフリー電力となり、平常時はEV給電用として、災害時は非常用電源として活用が可能だ。
「SOLATOカーシェア」は、オフグリット型ソーラーカーポートを用いる点が最大の特徴だろう。今回の実証に導入した「日産・サクラ」はV2Hにも対応している。災害時などではソーラーカーポートが給電ポイントになるだけではなく、サクラからもV2H機器を介して施設に給電できるようになる。
電力が遮断された中で、必要とする施設・場所に「サクラ」が電力を届けるという活用方法も期待できる。生命維持のための機器はもちろん、通信機器や救助道具類を稼働するための電力をデリバリーするといった様々な活用法が考えられる。オフグリッド型ソーラーカーポートとEVの組み合わせは、緊急時に人の命を救える命綱になる可能性があるということだ。
ちなみに日産は、日立ビルシステムとの共同実証で、サクラの電力を使用しエレベーターを15時間連続稼働させることに成功している。「SOLATOカーシェア」は、本来のカーシェア事業以外にも導入メリットのあるサービスと言えそうだ。
レクシヴは、EVシェアリング立ち上げ支援サービスも行なっている。EVカーシェア事業者向けに、フルパッケージ型のEVカーシェアリング・プラットフォームを提供している。EV用充電器や電気工事の手配・EV調達・カーシェアリングの市場調査までサポートするという。
(福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
★★BMW、新型EV「iX1 eDrive20」を発表
……コンパクトSUV「X1」のEVモデル。最高出力は150kW(204ps)。バッテリーの容量は64.7kWhで、航続距離は最大475km。11kWのAC充電に対応し、0〜100%までの充電を6.5時間で完了できるという。2023年11月から生産を開始する。[詳細はこちら<click>]
★★トヨタ、「ハイラックスFCEV」のプロトタイプを公開
……日本でもヒットモデルとなっている「ハイラックス」を燃料電池車(FCEV)化した。水素タンクは3つ搭載し、航続距離は600km以上。「ミライ」のFCユニットを使用しているという。このプロジェクトはトヨタの英国子会社TMUKが行なった。
★★メルセデス・ベンツ、「CLAクラス」のEVコンセプトを発表
……「IAAモビリティ」にて発表。メルセデス・ベンツのエントリーグレードに位置付けられる。MMAプラットフォームを初採用した。800V電圧に対応し15分で400km以上の電力を充電可能。航続距離は750km以上(WLTP1)となるという。
★★ルノー、新型EV「セニック E-テック」や新型か「カングー」のEVバージョンを発表
……「IAAモビリティ」にて公開。「セニック」はコンパクトMPVであったが、発表された新型はSUVタイプとなった。モデル伝統のファミリーユース性を踏襲し、航続距離は620km(WLTP)以上になるという。2024年初めに発売予定。
新型「カングー」には従来のICEのほかEVが設定される。EVバージョンは航続距離265kmで、8年間または16万kmの補償付き。この期間中に容量が70%以下となった場合は無償交換になるという。
★オペル、「ヴィジョナリー・オペル・エクスペリメンタル」「コルサ・エレクトリック」「アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック」などを世界初公開
……ドイツ・ミュンヘンで開催中の「IAAモビリティ」にて発表。「ヴィジョナリー・オペル・エクスペリメンタル」はクーペ風のボディを持つコンセプトモデル。
「コルサ・エレクトリック」は5ドアハッチバックモデルで、「アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック」はステーションワゴンとなる。そのほか、小型EVの「ロックス・e-エクストリーム」と「ロックス・エレクトリック・カーゴ」も出展している。
★ポールスター、ミニカーのホットウィールとコラボしたEVスーパースポーツカーを公開
……コンセプトモデル「ポールスターシナジー」を発表。600以上のエントリーから3つに絞り、それらを融合したデザインを1分の1スケールのモデルとして発表した。デザインコンテストは今後も継続して行なっていくという。
★ボルボ、パワーエレクトロニクスのスタートアップに出資
……炭化ケイ素(SiC)技術を使用したパワーモジュール設計の専門「Leadrive」に投資する。ボルボは2030年までに完全電動メーカーになることを目標としており、基幹技術の一つとなるインバーターなどの技術開発を強化する構えだ。
★JA三井リースとプラゴ、EV充電サービスの法人を共同設立
……「株式会社プラゴサービス」を8月24日に設立。自宅だけではなく、生活環境一体をユーザーの充電スポットとみなす「マイ充電ステーション」の拡充を図る。また、再生可能エネルギー由来の電力をより取り入れることも目指すという。
★テラモーターズ、群馬県大泉町と連携協定
……EV充電サービス「テラチャージ」の導入を共同で進める。充電器を無料で導入できアフターサービスも24時間356日対応可能という点が評価され提携に至った。
★Jvolt、EVの充電スポットに立ち寄りポイントを獲得できるサービスを立ち上げ
……スマートフォン向けアプリ「Volty」の事前予約を開始した。充電スポットへの立ち寄りで貯めたポイントは、提携先のサービスで使用可能。「ナナコ」「ファミペイ」「ポンタ」「T-マネー」「ワオンポイント」などと交換できる。
★BMW、「ウルトラ・ジャパン2023」と「XM」がコラボ
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★トヨタ、「TOKYOもしもFES渋谷2023」に出展
……防災・減災をテーマとした啓発イベント。トヨタは給電機能を持つ電動車(プリウスなど)を出展し、災害時の活用方法などを紹介した。イベントには2日間で2,400人が来場したという。
デイリーEVヘッドライン[2023.09.06]