558psのID.Xパフォーマンスに観客の視線は釘付け
第1回めからフォルクスワーゲン本社が協力してくれていて、23年は会場に、ワンメイクのID.モデルを展示。
ID.4GTXをベースにクロスオーバー型に改造した「ID.XTREME(エクストリーム)」や、若いデザイナーたちがランボルギーニの塗装などを使って仕上げた「ID.5GTX XCITE(エキサイト)」、さらにスターウォーズをベースにしたTVシリーズの主人公をサブネームにした「ID.BUZZマンダロリアン」など、見ていて楽しい。
23年は「ID.Xperformance(エクスパフォーマンス)」がベールを脱いだ。発表されたばかりの「ID.7」の試作車をベースに、VW社内のエンジニアたちが仕上げたレーシーなモデルだ。
「改造しようと思うと、大きくいって2つの方向があります。ひとつはオフロードテイスト、もうひとつは今回のようにレーシー(レース的)なテイストです」
前後にモーターを搭載して、ビークルダイナミクスマネージャーで前後のトルクをコントロールして走るID.Xperformance。開発に携わった本社エンジニアのセバスチャン・ウンガーラント氏は、上記のように話してくれた。
「コンピュータープログラムを変更して、411kW(558ps)をしぼりだすとともに、デフロックに手を入れてドリフトモードを設けています。外観は、スワンネックのスポイラーも設けてレーシーに仕上げました」
話をミーティングに戻すと、参加者つまりID.のオーナーたちはほとんど全員が、以前はVW製ICE(内燃機関)に乗っていたそうだ。
「ゴルフRから乗り換えた理由は、やっぱりBEVはカーボンニュートラルと思ったからです。1年に5〜6万キロ走る自分のようなドライバーはなおさら、ICEから乗り換えるべきだと考えました」
そう話すオット氏は、2019年にID.3が発売されるとすぐに購入。23年9月までに11万9000kmを走行していた。
「ソフトウェアのマイナートラブルはありますが、走行性能で問題を感じたことはありません」と話してくれた。会場に集まったオーナーたちも、ほぼ同意見だったようだ。