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「S」と「R」の差
今回エルシーアイが発表したエレトレSとエレトレRの資料からこの2グレードを比較し、253万円分の差になっている大きな要因を洗い出してみる。
パワートレインでは、前述の通り最大出力が異なることに加えて、エレトレRではリヤのトランスミッションが2段変速になっている。これにより発進時のより力強い加速と高速走行時の低電費を両立する。
また、ロータスダイナミックハンドリングパック(ロータスインテリジェントアンチロールコントロールとアクティブリヤホイールステアリング)が標準で、ロータスならではのハンドリングと低速時の小回り性能を実現し、高速走行時の車両安定性を向上させる。
ドライブモードに「Track」があるのはエレトレRだけだ。その他にはRange、Tour、Sport、Individual、Off-Roadの5種類が設定されている。
エクステリアでは、フロントやリヤバンパーの下部、ミラーをカーボン化するカーボンパックがRに標準。さらにバックドアの「LOTUS」バッジやホイールがブラックになり、「R」であることを主張する。
インテリアでは、クオーツインテリア(薄いグレー)が標準で、スポーツタイプのアクセル/ブレーキペダルを採用する。
切替も可能なスポーツモーターサウンドはR専用の装備だが、Sに標準のKEFリファレンスオーディオ(2,160W、23スピーカー、3Dサラウンド)は、Rでは55万円のオプションだ。
211.2万円のカーボンセラミック・ブレーキシステムを選択できるのはRだけで、フロントのブレーキを標準の6ピストンのキャリパーと同じ重量のAPレーシング製10ピストンの「Radi-Cal」キャリパーにすることができる。ディスクがカーボンセラミックになることで30kgの軽量化も実現する。
SでもRでもオプションの主な装備は以下の通り。後席が2座の4シーターレイアウトは、88万円のエグゼクティブシートパックを選択しないといけない。“デジタルミラー”で風切音低減もできる「サイドカメラ」は35.2万円だ。
BEVの主戦場であるSUVセグメントに、プレミアムとスポーツという特徴をひっさげて参入してきたエレトレは、ライバルに対してその明確なキャラクターが大きな武器になるのは間違いないだろう。果たしてあと4ヶ月で受注目標の500台を達成できるのか、エルシーアイからのニュースを待ちたい。
ELETRE S
全長:5,103mm
全幅:2,060mm
全高:1,636mm
ホイールベース:3,019mm
車両重量:2,520kg
乗車定員:5名
一充電走行距離:600km(WLTP)
最高出力:450kW(612ps)
最大トルク:710Nm(72.4kgf•m)
バッテリー総電力量:112kWh
モーター数:前1基、後1基
トランスミッション:前1段、後1段
駆動方式:AWD
フロントサスペンション:マルチリンク
リアサスペンション:マルチリンク
フロントブレーキ:ディスク
リアブレーキ:ディスク
タイヤサイズ:前275/40R22、後315/35R22
荷室容量:688L、フランク46L
車両本体価格:2,332万円
ELETRE R