EVヘッドライン
share:

「オート三輪」がEVで堂々復活……「EVトゥクトゥク」を進化させた消防用具搬送車が登場[2023.08.23]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
TAG:
サポートマーケティングサービスが開発した「エネバイ」(photo=サポートマーケティングサービス)

コンパクトな車幅により軽でも行けない場所にアクセス可能
商業用の配送車としても活躍が期待できるネオクラシカル

【THE 視点】サポートマーケティングサービスは8月21日、三輪のEVバイク「エネバイ」を、「危機管理産業展2023」<東京ビッグサイト/10月11日(水)〜13日(金)>にて展示・公開すると発表した。EVの「トゥクトゥク」に荷台を付け、消防用ポンプや太陽光パネルなどの積載・運搬が可能となるように改造した。

サポートマーケティングサービスは、この車両を消防バイクとして活用可能することを考え、2013年より開発を続けてきた。消防ポンプは、D級・C級・B級の順にサイズが大きくなり放水性も高くなる。従来はD級しか載せることができなかったが、B級ポンプを載せられるように自社で研究・開発を行なった。その結果、消防ポンプはもちろんのこと、それ以外の様々な救援物資も載せられる新たなジャンルの小型EVが完成した。

「エネバイ」の仕様は、全長2,450×全幅1,090×全高1,620mmで重量は270kg。最大積載量は200kgとなっている。駆動用交流モーターの出力は2kWで、家庭用100V電圧のコンセントから充電ができ、航続距離は90kmほどとのこと。

先日レポートをした「東京国際消防防災展2023」でも、この「エネバイ」を含む何台かの三輪EVの展示があった[詳細はこちら<click>]。

「トゥクトゥク」というよりは、現代日本の黎明期の物流を支えた「オート三輪」と言えよう。日本の小型の積載車と言えば軽トラックだが、それよりも幅が小さいため機動力があり、何より現場により近い場所に車体を停められるのは大きなメリットだ。

それにしても、EVでクラシックモデルを再生したり復刻したりするのは世界的なトレンドのようだ。しかし趣味・趣向を凝らしたファンカーとしてではなく、現代でもきちんと仕事ができる業務用車として復活させるのはどこか日本らしい。

消防・救命道具の運搬用だけではもったいない。かつて日本全国を「オート三輪」が走り回っていたように、配送業務のニーズにも応えられるのではないだろうか。キャビン付きなので、急な天候の変化からも運転者を守ることができ重宝すると思われる。「オート三輪EV」は、これからの活躍が期待できるネオクラシカルな新カテゴリである。
(福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★ベントレー、クラシックカーの「ブロワー」をEVで復刻……オリジナルの85%のサイズで再現、小型EVメーカーの「ザ・リトル・カンパニー」とコラボ

★BMW、「i5」でプレイできる車内ゲームに「Who Wants to Be a Millionaire?」を追加(本国発表)……ゲームのプラットフォーム「エアコンソール」を活用した車内ゲームが続々追加

★東京都、「令和5年度グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業」を開始……グリーン水素の製造から利活用までの一連の機器・モデルプランを公募し補助金を交付

★ブレイズ、「コストコ門真倉庫展」<大阪府門真市>にて展示販売会を実施……8月24日(木)〜9月03日(日)

デイリーEVヘッドライン[2023.08.23]

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
「マルチポートEVチャージャ」(photo=日立インダストリアルプロダクツ)
日立が発売「魔法のようなマルチ充電器」1基で数十台の充電に対応が可能、出力も自在[2023.10.02]
バッテリキューブ(photo=日立製作所)
トレーラー型の緊急用バッテリー登場……三菱・日立、使用済みバッテリーの再活用を事業化へ[2023.09.29]
WeCharge(photo=ユビ電)
充電料金を“普通の払い方”に……ユビ電、「WeCharge」にkWh単位の課金方式を導入[2023.09.28]
more
ニュース
ヒョンデ、新型電気自動車「コナ」の予約受付を開始、予定価格は税込400万円から
BYDの新型EV「ドルフィン」は363万円から。補助金で200万円台も可能
大型トラックのEV化進む。メルセデスが航続距離500kmの「eアクトロス600」を発表
more
コラム
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回
トヨタの全固体電池量産に向けた技術進化を実感。“夢の電池”ではなく、量産目前の現実味が。
ギガキャストの試作品(写真右)。プレス工程と溶接工程を必要とする従来品(写真左)と比べて工程数は一気に減る。出典:トヨタ
トヨタ「ギガキャスト」の正体を初公開の明知工場で見た。これからのクルマ作りには必須技術か
more
インタビュー
電気自動車で自由に旅できる世界を目指して。シュルーターさんと「ID.BUZZ」の旅物語
ボルボ「EX30」は「脱炭素」をキーワードにインテリアの“プレミアム”を再定義する
フォルクスワーゲン「ID.BUZZ」は人や荷物だけでなく笑顔もはこぶクルマ
more
試乗
“EVセダン”の決定版か!? 新型BMW「5シリーズ」セダンの電気自動車「i5」に試乗した
ホンダのEV「e:NP1」はマイルドにもスポーティにもなる走り!来年からの新型車にも注目
中国でもホンダイズムは健在!電気自動車としても進化している「e:NP1」のインテリアとは
more
イベント
自動車部品&輸入販売の超・老舗とBYDがコラボ、東京・品川に新ディーラーをオープン
ジャパンEVラリー白馬2023(photo=日本EVクラブ)
今年の最長距離の参加者は⁉︎……「ジャパンEVラリー白馬2023」は充電計画も愉しい
ジャパンEVラリー白馬2023(photo=福田 雅敏)
ぶっちゃけトークの夜がやっぱり本番⁉︎……72台のEVが集まった「ジャパンEVラリー白馬」
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択