初代リーフ級の大容量が可能に
新シリーズとは2023年6月から発売している「Plusシリーズ」。
このPlus(プラス)とは、複数のポータブル電源を接続して電池容量を拡張することを指す。
モデルは2つあり、単体での容量が1264.64Whの「1000Plus」と、2042Whの「2000Plus」。
「1000Plus」の定格出力は2000Wなので、メーカーでは「電子レンジやドライヤーも使用可能」としている。
その上で、拡張用のバッテリーパック「1000Plus」を用意した。バッテリーパックには、コンセントなどの外部機器とのインターフェイスはない。本体後部のポータブル電源「1000Plus」と接続するポートがある。
こうした接続を連続的に行うことで、最大で5kWh(5000Wh)まで電池容量を拡張できる。
次に、定格出力3000Wの「2000Plus」の場合、拡張の幅はさらに大きい。
メーカー関係者の説明によると、最大のユースケースでは、バッテリーパック「2000Plus」を使った3パッケージ(2kWh×2×3)を並列化して、合計6パッケージでの電池容量24kWh(24000Wh)が可能だという。
24kWhといえば、日産の初代「リーフ」と同じ電気容量である。
一般家庭の用途としては、ここまで大容量をポータブルバッテリーで賄うことは想定しにくい。
メーカー関係者のよれば、用途としては屋外での仮設飲食施設や、自治体などの防災用などが考えられるという。
ハイブリッド、PHEV、EVでもポータブル電源の常備がさらに増えるか?
電池容量を拡張するかどうかに係わらず、ポータブルバッテリーの需要は今度、さらに増えていくことが予想される。
これは、自動車の電動化とも関係が深いのではないか。
近年、EVやプラグインハイブリッド車の普及により、自動車ユーザーにとってバッテリーの電池容量という概念がかなり浸透してきた。
そして、充電や給電という電気のやり取りが、数年前に比べると“身近なこと”に感じる人が増えていている印象がある。
ハイブリッド車についても、1500W/100V電源コンセントの標準装備化が進んできているところだ。
そうした中で、「クルマ×電気」、または「クルマを使った生活×電池」という発想が自動車ユーザーの間で定着しつつあるように感じる。
ポータブルバッテリーという考え方についても、ホンダのMMP(モバイル・パワー・パック)のような電池の標準化を目指す動きもある。
こうしたポータブルバッテリーに係わる分野で、今後も様々な新しい商品展開が期待できそうだ。