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日産×ルノーのBEV開発企業「アンペア」がついに始動へ。欧州のみならず米中等でのBEV戦略の検討も考慮か?


TEXT:桃田 健史 PHOTO:日産、桃田 健史
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日産のe-Power向けに開発したモーターの部品。筆者撮影。

中国で地場メーカーのNEVが急増

今回の決算発表では、日産の売上高では前年同期比37%増で過去最高に達し、営業利益は98%となり全体として順調に見える。

だが、今後に向けて大きな課題が浮き彫りになった。

それが、中国市場の急激な変化だ。

2023年第1四半期の、グローバルでの販売台数は78万9000台で前年同期比で3.7%減少した。

このうち、日本は「セレナ」等の好調で前年同期比19.1%増、北米は「ローグ」等の好調で33.1%増、また欧州でも7.2%増となっている一方で、中国は45.8%減と大幅に落ち込んでいるのだ。

中国では、2023年前半に新型コロナウイルスが再拡大した影響や、NEV(新エネルギー車)向けの購入補助金が2022年で終了したことで、ガソリン車などを含めて地場メーカーを中心に実売における価格競争が起こり、その中で日産の市場競争力が落ちた。

さらには、中国地場メーカーがNEVモデルをリーズナブルな価格で次々に市場導入してきており、日産としてはこれまでにない事業方針で中国市場の立て直しを図る構えだ。

こうした中国市場での変化を目の当たりにしている日産としては「我々の見立てでは、アメリカでも(近い将来、中国のような急激な電動化シフトが)起こるだろう」(内田CEO)という予測を持っているという。

グローバルで急激に市場環境が変わっていく中で、日産としてはルノーグループと事業を相互補完しながら、企業としての限られた資源をどのように集中していくのか、さらなる議論が必要であるとの見解を示した。

具体的な方向性については、次の中期経営計画の中で明らかにする。

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