集合住宅に暮らす、あるいは自宅は持ち家ではなく賃貸派の人々にとって、「自宅(集合住宅)で充電ができない」ケースが多いことは、EVの購入をためらわせる最も大きな要因だ。実際、日産が2022年12月に実施した調査によると、EV検討層の半数は住環境を理由にEV購入を断念しているという。そのような背景のなか、集合住宅でEVを普及させる環境を整えるべく、日産自動車と積水ハウスは共同で「+e PROJECT」を発足させた。
プロジェクト始動、まずはサイトのチェックから
プロジェクトのスタートにあたって日産自動車は、神奈川県横浜市に積水ハウスが建築したゼロエネルギーの賃貸住宅「シャーメゾンZEH」において、集合住宅でEVと過ごす暮らしを体験するイベント「+e試住」を3月4日より実施する。「+e試住」では「食体験」「防災シミュレーション」「ペットとの暮らし」の3つのテーマを設定し、集合住宅にてEVのある暮らしを1泊2日で体験できる。
現在集合住宅で暮らしていて、集合住宅へのEV充電設備導入を検討している人に、具体的な方法をまとめた特設サイト(https://ev2.nissan.co.jp/PLUSEPROJECT/)も公開された。ここでは、プロジェクトに関する内容だけではなく、EVと暮らしにかかわるニュースや体験者の声などを定期的に配信するほか、「興味はあるけど、何から始めたらいいの?」という人のための『First Step診断』も設けられている。診断結果の中には充電サービス業者を紹介するページも用意され、設問に答えていくとEV導入に向けて、「初めの一歩」に何をしたら良いかが具体的に分かる仕様となっている。
*ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス):省エネと創エネを組み合わせ、快適な室内環境を実現しながら、年間の一次エネルギー消費収支をゼロにすることを目指す住宅のこと。