コラム
share:

水素が変える未来、BMWのFCEV開発者が語ったその詳細とは?


TEXT:烏山 大輔 PHOTO:烏山 大輔
TAG:

捨てられる電気を水素へ

グルドナー氏が見せてくれた資料の中に大変興味深いものがあった。それは2022年にドイツで電力網に供給されなかった再生可能エネルギーが5.8TWhもあったというもの。これにより約10万トンの水素を製造できるとの試算だ。これはiX5ハイドロジェンを約16,700回満充填できる量だ。

翻って我が国の状況はというと、再エネの普及により昨年の4月と5月の2ヶ月間だけで全国でのべ57日も太陽光発電などを停止させる「出力制御」が行われた。2015年に全国で初めて出力制限が行われた九州においては2022年度に80回も実施され「常態化」と言える状況だ。

せっかく発電したCO2フリーの電力を捨ててしまうのはもったいない。発電事業者も出力制限で収入がゼロになるよりは、水素製造電力として売電できた方が良いだろうし、水素製造コストも下がる。

日本政府も2020年10月26日の菅前総理の所信表明演説において、2050年のカーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギーを最大限導入することを発表している。ペロブスカイト型太陽電池の実用化、洋上風力発電の稼働も進めば、再エネがより潤沢になるのは間違いない。

再エネ電力でBEVを充電し、余った電力は捨てるのではなくCO2フリーのグリーン水素を生成し、FCEVに有効活用できるようになることを願いたい。これは石油などの資源を輸入に頼る日本が自国で資源を生み出せ、その分の輸入コストも下げられる素晴らしい未来ではないだろうか。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
more
ニュース
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場
more
コラム
ひと晩繋いでも満充電にならない! EVバッテリーの大容量化で「家庭の普通充電」じゃ役者不足になる!!
EVには専用プラットフォームと共用プラットフォームがある! だったら専用プラットフォームを開発する必要ある?
BYDがエンジンありのクルマを日本に導入予定! 気になるPHEV「シーライオン6」はやっぱり低価格で勝負!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択