いま日本のEV市場をリードしているモデルといえば、軽自動車EVの「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」だ。このなかから、今回は軽EVのパイオニアが手がけたeKクロスEVにスポットを当て、その実力に迫ることにする。
軽EVが過半数を占める
2022年夏の発売以来、日本のEV市場でシェアを急伸させているのが、日産と三菱が共同で開発した軽EVの「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」だ。発売直後は供給が需要に追いつかない状況となり、一時、受注が停止する時期もあったほど。また、2022-2023「日本カー・オブ・ザ・イヤー」など、主なアワードをこの2台が総嘗めにするなど、2022年を代表するモデルとなったのは記憶に新しい。
話題性だけではなく、実際の販売台数でも、その勢いを確認することができる。下の表のとおり、2023年1月から6月の登録台数は、普通乗用車と小型乗用車、軽四輪乗用車タイプのEVの合計が45,663台であるのに対して、サクラとeKクロスEVは半数を超える24,629台を記録(自販連および全軽自協発表の統計データをもとに集計)。つまり、新車で販売されるEVの2台に1台が軽EVのサクラ、または、eKクロスEVという計算になる。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 計 | シェア | |
乗用車EV | 3,415 | 1,771 | 5,149 | 3,309 | 3,280 | 4,110 | 21,034 | |
乗用車+軽四乗用車EV | 8,492 | 6,954 | 9,581 | 6,212 | 6,516 | 7,908 | 45,663 | |
SAKURA | 4,213 | 4,109 | 2,888 | 2,370 | 2,773 | 3,236 | 19,589 | 43% |
eKクロスEV | 864 | 1,074 | 1,544 | 533 | 463 | 562 | 5,040 | 11% |
SAKURA+eKクロスEV | 5,077 | 5,183 | 4,432 | 2,903 | 3,236 | 3,798 | 26,629 | 54% |
軽EVといえば、三菱が2009年6月に世界初の量産EVとなる「i-MiEV」を発表。その直後に発表された「日産リーフ」とともに、日本でのEV普及をリードしてきた。そんな実績を持つ三菱と日産がタッグを組み、日本の生活に根ざした軽自動車の分野にEVの新風を吹き込むという試みは順調な滑り出しを見せており、サクラとeKクロスEVが日本の新しいEVの顔になろうとしている。
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