#三菱
TEXT:御堀 直嗣
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

TAG: #i-MiEV #リーフ #三菱 #日産
富士山の麓で行われた、三菱「スターキャンプ」。朝のヨガ体験の様子。筆者撮影
TEXT:桃田 健史
キャンプでPHEV・EVが大活躍! 給電機能で野外シアターやかき氷屋、車載1500W電源も

三菱自動車工業(以下、三菱)が主催するファンミーティング「スターキャンプ」が静岡県朝霧高原で今年も開催された。三菱の各モデル試乗体験のほか、スぺシャルライブ、モノづくりワークショップなど多彩なプログラムが用意されていた。PHEV(プラグインハイブリッド車)とBEV(バッテリー電気自動車)のアウトドア・ユースにおける可能性がそこには広がっていた。 富士山の麓に三菱ユーザー300組が終結 三菱が2023年9月9日~10日、富士山の麓に位置する朝霧高原で今年も「スターキャンプ」を開催した。 スターキャンプは、1991年に始まった三菱本社が主催するファンミーティングのひとつだ。 1997年で一旦終了するも、2007年に復活して現在に至っている。 近年は、三菱本社のほかに、全国各地の三菱販売店が主導するスターキャンプが並存するなど、三菱ユーザーから高い支持を得ているイベントだ。 今回のスターキャンプの参加者は、事前の抽選によって選ばれた300組が全国から朝霧高原にやってきた。 参加者のクルマを見ると、やはり多いのは「デリカD:5」。 本格的なオフロード走行ができるミニバンという、唯一無二の存在から長年に渡る人気車だ。往年の「パジェロ」が生産終了後、三菱のアウトドアイメージを牽引してきた、三菱にとって日本市場では欠かせない1台である。

TAG: #アウトランダーPHEV #三菱 #給電
TEXT:烏山 大輔
一気に遠出は無理だけど、高速走行は不得意ではない!三菱ekクロスEV THE EV TIMES流・電費ガチ計測

THE EV TIMES流電費計測の4回目を、7月に三菱ekクロスEVで実施した。ekクロスEV(と日産サクラ)は、高速道路でのロングドライブにむきにくいクルマであることはもちろん理解しているが、この電費計測は読者の皆さんの参考になる電費を公道走行で導き出したいという趣旨であるため、この記事を見て、やはり高速走行には向かないな、もっと悪い電費になるかと思った、などとご笑覧頂けると幸いである。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 80km/hでのんびりがベスト ekクロスEVのカタログ上の一充電走行距離は180km(WLTC)で、電池容量は20kWhだ。カタログ記載の一充電走行距離の180kmを実現するには、電費が9.00km/kWh(目標電費)を上回る必要がある。 ※電費についてはテスラなどで表示されるWh/km単位の数値も併記している。 各区間の計測結果は下記表の通り。9.00km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまで電費計測を実施したiX1、EQEセダン、EQS SUVが目標電費の倍以上の数値を記録していた100km/h走行のD往路(標高差316mの下り坂)で、かろうじて目標電費を上回ったところからも、電費の面では高速走行が不向きなことがうかがえる。 80km/h巡航でギリギリ180kmの航続距離 各巡航速度の平均電費は下記の表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は180kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。80km/hだけ9km/kWhを超えるが、100km/hになると一気に6km/kWh台に落ちる。120km/hはなんとか100kmを走れそうなレベルだ。 操縦性においていえば、120km/h巡航が「不得意」だとは感じなかった。それは正直街乗りだと固いなと感じる足回りがこの速度域では、バッテリーの低重心も手伝って、ビシッと安定した走りをみせるからだ。1,655mmもの全高も全く感じさせず、まるで背の低いセダンのような走りで頼もしかった。 各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると27%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.79倍の航続距離の伸長が期待できる。

TAG: #eKクロスEV #三菱 #電費計測
TEXT:生方 聡
eKクロスEVは街乗りベスト!? [三菱eKクロスEV試乗記]

人気の軽ハイトワゴンをEVに仕立てあげたeKクロスEVは、日常の移動手段としてベストな一台といえるだろうか? 取り回しの良さが自慢だが、乗り心地には注文も 航続距離を長くするためには、駆動用バッテリーをたくさん積むのが手っ取り早い。それに適したボディとして、全長が4.5mを超えるSUVスタイルのEVがいま主流となっている。この流れに逆行するように、20kWhという必要最小限のバッテリーをコンパクトなボディに搭載するeKクロスEV。航続距離はたったの180kmだが、ふだん「フォルクスワーゲンID.4」を愛用する身には、eKクロスEVの小ささは実に魅力的だ。比較的細い生活道路も余裕をもって通り抜けられるし、狭い駐車場でも楽に駐められる。この手軽さ、運転するときのストレスの少なさはうらやましいかぎりである。 それでいて、これまでの軽自動車とは一線を画する上質な走りは、EV化の恩恵である。eKクロスEVは床下にバッテリーを搭載して低重心化を図ったことで、全高が1,670mmと高いわりに前後や左右のボディの揺れはよく抑えられており、カーブを曲がるときのロールも穏やか。一般道だけでなく高速走行時もおおむね落ち着いた動きを見せ、直進安定性も良好である。 ただ、路面が荒れてくると細かいショックを拾いがちで、サスペンションの動きにしなやかさが足りないのが惜しいところ。それでも乗り心地は十分に快適なレベルであるが、さらなる進化に期待したい。

TAG: #eKクロスEV #三菱
TEXT:生方 聡
軽の枠からはみだしたeKクロスEVのパフォーマンス [三菱eKクロスEV試乗記]

660ccのガソリンエンジンに代えて、最高出力47kWの交流同期モーターを手に入れたeKクロスEVの走りにはどんな特徴があるだろうか。 パワートレインが変わるだけで、車はここまで高級になる 「eKクロスEV」に搭載される交流同期モーターは、最高出力47kW、最大トルク195Nmの実力を誇る。ガソリンエンジンの「eKクロス T」の660ccターボが47kW、100Nmだから、最高出力こそ同じ数字だが、最大トルクはほぼ倍である。しかも、eKクロスEVのモーターはその最大トルクを0rpmから発揮できるのが強みなのだ。 eKクロスEVには3つの走行モードが用意され、標準的な「NORMAL」に加えて、電費重視の「ECO」と、力強い加速が自慢の「SPORT」を選ぶことができる。このうち、もっとも穏やかなECOを選んでも、発進加速には余裕が感じられ、パワートレインのスムーズさや静かさも手伝って、高級車顔負けの気持ちよさを味わうことができる。 しかも、エンジン車と違って、アクセルペダルを踏む右足の動きに即座に反応するからストレスとは無縁であるし、アクセルペダルを踏み込んで素早い加速をする場面でも室内にエンジンノイズが響きわたらないEVは、常に心地よくドライブできるのがうれしいところだ。60km/hを超えたあたりから多少加速が鈍るものの、高速道路の合流などでもたつくことはなかった。 走行モードをNORMALやSPORTに切り替えると加速はさらに力強くなるが、ふだん運転するうえではECOだけで十分だった。

TAG: #eKクロスEV #三菱
TEXT:生方 聡
ダイナミックシールドが三菱を救う!? [三菱eKクロスEV試乗記]

共同開発の「日産サクラ」とは大きく異なるデザインを採用する「三菱eKクロスEV」。なかでも「ダイナミックシールド」を採用するフロントマスクが、三菱らしさを強烈にアピールする。 ダイナミックシールドが三菱車ファンのハートを鷲づかみ 「サクラ」と「eKクロスEV」は、日産と三菱が共同で開発したハイトワゴンタイプの軽EVだが、見た目の印象は大きく異なっている。とくにフロントマスクは対照的で、サクラが上品で落ち着いた印象にまとめられているのに対し、eKクロスEVは力強さを前面に出したデザインに仕上げられている。これは、三菱が「ダイナミックシールド」と呼ぶデザインコンセプトで、ランプ類を上下に分けるデザインにより力強さと安心感を表現。三菱の人気モデルである「デリカD:5」や「アウトランダー」を彷彿とさせるだけに、三菱車好きにはたまらないはずだ。 eKクロスEVのデザインは、ガソリン車の「eKクロス」を受け継ぐが、よく見るとラジエターグリルの部分がほぼ塞がれており、また、フロントフェンダーに「EV」と書かれたバッジが備わるのがガソリン車と見分けるポイントだ。eKクロスの給油口がボディ左側(助手席側)のリアフェンダーに設けられているのに対して、eKクロスEVの充電口が普通、急速ともにボディ右側(運転席側)にあるのも異なるところ。急速充電器に横付けする状況では、ボディの左側に充電器がくることが多く、充電口もボディ左側にあるほうが便利だと思うのだが……。 ちなみに、eKクロスEVでは200V/2.9kWの普通充電と最高20kWの急速充電に対応。さらに、バッテリーに蓄えた電気を取り出して自宅に給電する「V2H」や、家電などに給電する「V2L」に対応しており(いずれも専用の機器が必要)、停電などの際に非常用電源として使えるのは頼もしいかぎりだ。

TAG: #eKクロスEV #三菱
TEXT:生方 聡
軽EVの時代がやって来た! [三菱eKクロスEV試乗記]

いま日本のEV市場をリードしているモデルといえば、軽自動車EVの「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」だ。このなかから、今回は軽EVのパイオニアが手がけたeKクロスEVにスポットを当て、その実力に迫ることにする。 軽EVが過半数を占める 2022年夏の発売以来、日本のEV市場でシェアを急伸させているのが、日産と三菱が共同で開発した軽EVの「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」だ。発売直後は供給が需要に追いつかない状況となり、一時、受注が停止する時期もあったほど。また、2022-2023「日本カー・オブ・ザ・イヤー」など、主なアワードをこの2台が総嘗めにするなど、2022年を代表するモデルとなったのは記憶に新しい。 話題性だけではなく、実際の販売台数でも、その勢いを確認することができる。下の表のとおり、2023年1月から6月の登録台数は、普通乗用車と小型乗用車、軽四輪乗用車タイプのEVの合計が45,663台であるのに対して、サクラとeKクロスEVは半数を超える24,629台を記録(自販連および全軽自協発表の統計データをもとに集計)。つまり、新車で販売されるEVの2台に1台が軽EVのサクラ、または、eKクロスEVという計算になる。 1月 2月 3月 4月 5月 6月 計 シェア 乗用車EV 3,415 1,771 5,149 3,309 3,280 4,110 21,034 乗用車+軽四乗用車EV 8,492 6,954 9,581 6,212 6,516 7,908 45,663 SAKURA 4,213 4,109 2,888 2,370 2,773 3,236 19,589 43% eKクロスEV 864 1,074 1,544 533 463 562 5,040 11% SAKURA+eKクロスEV 5,077 5,183 4,432 2,903 3,236 3,798 26,629 54% […]

TAG: #eKクロスEV #三菱
TEXT:岩尾 信哉
ルノー・日産・三菱アライアンス、資本提携関係を見直し 日産、ルノーのEV子会社への出資を決定

変化するルノー・グループと日産の関係 ルノー・グループ、日産自動車株式会社、三菱自動車工業株式会社は2023年2月6日、英国ロンドンで会見を行い、ルノー・グループと日産の取締役会での承認を経て、3社のアライアンスをより高いレベルに引き上げることを目指す旨を発表した。 会見の内容として重要なのは、ルノー・グループと日産の資本比率がそれぞれ43%、15%から、どちらも15%に変更されたことだ。日産としては1999年のルノーとの資本提携から20年以上を経て、ようやく「不平等条約」の解消にこぎ着けたことになる。なかでも注目すべきは、ルノー・グループと日産が将来のEV開発に向けて、新たな取り組みを共同で実施するとしている。 世界市場での電動化モデル販売の拡大 今回のアライアンスの発表として、以下のような概要が明らかにされた。注力すべきマーケットとして、ラテンアメリカ、インドおよび欧州において、事業の拡大などのアライアンス強化を推進するとしている。 ラテンアメリカでは、ルノー・日産の協業によるアルゼンチンやメキシコでの新型車の投入を含むピックアップモデルの販売強化などを公表。メキシコでは、日産が20年ぶりにルノー・グループ向けに新型車を生産するとしている。EVに関しては、EV専用のCMF(コモン・モジュール・ファミリー)-AEVプラットフォームをベースとした、日産とルノー・グループの「手頃な」AセグメントのEVを2車種投入するとされる。 市場拡大が見込まれるインドでは、ルノー・グループと日産は、複数の新型車プロジェクトでの協業を検討しつつ、中南米地域と同様にAセグメントEVの導入を検討するという。 ルノー日産による次期B/CセグメントのEV開発 ルノー・グループの主要市場であるヨーロッパについて見てみると、詳細は未公表ながら、将来への取り組みの検討が公表されている。 2026年以降のEVのラインナップに関しては、ルノー・グループと日産は、次世代CセグメントEVにおける協業の可能性を模索するとされる。将来的に技術水準となるような充電時間を達成するために、ルノーと日産は共通の800Vアーキテクチャーの採用を検討するなど、欧州市場向けモデルにおける技術の共有を継続するとした。 具体的には、2026年からルノーのEV生産子会社であるフランスの「ルノー・エレクトリシティ」で生産を予定。従来のCMF-BEVプラットフォームをベースとした将来の日産のコンパクトEV (Bセグメント) など、既存のプロジェクトとともに開発等を推進していくという。 いっぽう、ルノー・グループと三菱自動車は、ルノーの「キャプチャー」「クリオ」の資産を活用し、CMF-Bプラットフォームをベースとした次世代「ASX」「コルト」の2車種の新型車を開発予定としているが、電動化に向けた動きは明らかにされていない。 このように将来的にはアライアンス内でのEVのA/Bカテゴリーはルノー、C/Dは日産がカバーするとしており、三菱に関しては検討中となっている。 既存の長期ビジョンとしては、日産の「Nissan Ambition 2030」やルノーの「Renaulution」が謳われている。これらに基づき、アライアンス・メンバー各社の事業計画を補完するよう立案された今回のビジネスプランは、「各社の持続可能な成長や脱炭素化に向けた目標の実現に向けて、共通性や投資機会の面から活用されます」としている。 具体的には、各社の新たな取り組みに関して、異業種のパートナーが参加可能となるようなビジネス戦略を展開する。電動化や低排出技術について既存の戦略に沿って進めるとともに、ビジネスのうえで付加価値が期待できるパートナー各社のプロジェクトに投資・協業することで合意したという。 前述のように、日産は2021年11月末に「Nissan Ambition 2030」を発表している。今後5年間で約2兆円を投資して電動化を加速するとして、2030年度までにEV15車種を含む23車種の新型EVを投入予定としている。日産はグローバルの「電動車」のモデルミックスを50%以上へ拡大。技術面では、次世代の高性能バッテリーとして注目される全固体電池を、2028年度に市場投入するなどとしている。

TAG: #ルノー #三菱 #日産
TEXT:TET 編集部
EVを含む次世代自動車の試乗会を横浜市が開催……デイリーEVヘッドライン[2023.02.08]

メーカーの垣根を超えた次世代自動車の試乗会を横浜市が企画 【THE 視点】横浜市は、EVをはじめとした次世代自動車の試乗イベント「Zero Carbon Yokohama 次世代自動車試乗会 in みなとみらい」を開催する。  同市は「横浜市地球温暖化対策実行計画」に基づき、温室効果ガス排出削減を進めるため次世代自動車の普及を促進している。その一環として各自動車メーカー・販売店と連携協定を締結。その第2弾のイベントとして開催する。  試乗車は「トヨタbZ4X」「トヨタ・ミライ」「日産サクラ」「ホンダe:」「マツダMX-30 EV MODEL」「CX-60 PHEV」「三菱eKクロスEV」「アウトランダーPHEV」「ヒョンデ・アイオニック5」の9車種。  これだけの車両が一度に展示・試乗できるのはなかなかないだけに、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。「EVなどの次世代自動車が欲しいがどれにしようか悩んでいる」という購入検討者には大変良い機会であるはず。昨日の「THE視点」でも触れたが、やはり実車を見て乗って、スタッフから話を聞きたいと思う人も多いのではないだろうか。  例えば試乗会で販売店のスタッフと話ができれば、その流れでディーラーにも行きやすいはず。こういった試乗会はぜひ全国規模で開催してほしいものである。  ちなみに横浜市は次世代自動車の普及促進に力を入れていて、燃料電池車購入やEV用充電設備導入の補助金などを用意している。  このようなイベントは、開催する横浜市をはじめ展示車を提供する地元ディーラー、ユーザーそれぞれにメリットがあると感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★BMW、メキシコに8億ユーロを投資……現地で高電圧バッテリーアセンブリーを生産 ・BMW、ライプツィヒ工場でバッテリーセルのコーティングラインを稼働……高電圧バッテリーの生産を強化[詳細はこちら<click>] ・マツダ、自動車用モーター可変界磁技術の開発で「NEDO省エネルギー技術開発賞」を受賞……モーターの実用域の効率改善と回生量を増加、今後EVにも技術を適用 ・ルノー・グループと日産、欧州で両社販売店における充電インフラの共同整備を検討……使用済みバッテリーと生産廃棄物のリサイクルについても共通パートナーを選定 ・東レ、韓国でPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「トレリナ™」の生産能力を年産5,000トンに増設……EVの電装部品に使用する素材 ・アウディ、IT系人材400人を新規雇用……eモビリティのソフトウェア開発を強化

TAG: #bZ4X #eKクロスEV #MX-30 #THE視点 #アイオニック5 #サクラ #デイリーEVヘッドライン #トヨタ #ヒョンデ #ホンダ #ホンダe: #マツダ #ミライ #三菱 #日産 #福田雅敏
TEXT:福田 雅敏
[THE視点]現役エンジニアが見抜いた「日産サクラ」JNCAPファイブスター獲得の要因

「衝突安全性能評価」「予防安全性能評価」の最高評価に加えて、「事故自動緊急通報装置」を備える必要がある「ファイブスター賞」 日産自動車株式会社は1月24日、自動車アセスメント(JNCAP)で、「衝突安全性能」と「予防安全性能」等を統合して評価する総合評価「自動車安全性能2022」において、「サクラ」が最高評価「ファイブスター賞」を獲得したと発表した。兄弟車の「三菱eKクロスEV」も同様に獲得した。 「サクラ」の「ファイブスター賞」獲得は、「デイズ」(2020年度)、「ルークス」(2021年度)に続き軽自動車として3車種目で、軽自動車EVとしては初の受賞である。ガソリン車も含めて日産の軽自動車の安全性の高さを改めて示したことになる。 JNCAPは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により自動車の安全性能を評価・公表するもの。最高評価となる「ファイブスター賞」は、「衝突安全性能評価」と「予防安全性能評価」の両評価で最高ランクを獲得し、かつ「事故自動緊急通報装置」を備えた車両のみに与えられ、審査は大変厳しいものとなっている。 「サクラ」は、「高強度安全ボディ(ゾーンボディ)+歩行者傷害軽減ボディ」と「7つのエアバッグ」による普通乗用車にも匹敵する衝突安全性能に加え、検知対象を人が乗車している自転車にも拡大した「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」などの先進安全装備で構成される「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」を採用している。 さらに「リーフ」の開発で培った技術を投入することで「衝突後の感電保護性能評価」もクリアし、軽EVの安全性の高さを実証した。 バッテリーパックの衝突安全基準が「サクラ」を頑丈なボディにしたか 日本の軽自動車は、車体の外寸が限られるなかで室内寸法を最大限に広げるという設計のものが多く、衝撃吸収部分がどうしても少なくなりがち。その中での評価獲得には、重くなりがちなEVでも高い安全性を確保するという日産の軽自動車に対する安全性の取り組み、そして開発陣の高い志があったのだろうと評価できる。

TAG: #eKクロスEV #JNCAP #THE視点 #サクラ #三菱 #日産 #福田雅敏

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
初夏の北軽井沢でアウディ最新モデルを堪能! 「あさま空山望」とのコラボキャンペーンは5月20日まで募集中
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
レンジローバーPHEVの使用済みバッテリーを再利用! エネルギー貯蔵システム「BESS」で真の循環型経済の実現を目指す
more
コラム
数字だけ高スペックでも実際の充電は遅い! EVの進化についていけない急速充電器の現状
テスラ・モデルYに600km走れるRWD登場も日本導入はナシの予想! 日本は「ジュニパー」の登場に期待
爆速充電と超豪華な内装を引っ提げたミニバン「MEGA」が爆誕! 驚きの中身とひしめくライバルとの比較
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択