エチケット専門企業「Debrett’s」と共同でEV充電器のスマートな使用方法などを指南
ステランティスのネットワークを活用し世界に配布を
【THE 視点】ステランティス傘下の英国ボグゾールは7月4日、EVに乗る際の人的トラブルを避けるための「エチケットガイド」を発表した。
英国を代表するエチケット専門企業「Debrett’s」 と協力して作成されたこのガイドは、EVの普及促進を図ることを目的に、EV所有する上での混乱や疑問を解消する狙いをもつ。
ボグゾールは、英国のドライバーのおよそ90%は、公共のEV充電ステーションの使用方法に関するガイダンスの欠如が、EVへの乗り換えを妨げる一要因と考えている。今回の 「EVエチケットガイド」では、「公共の充電スポットの使用方法」「他のドライバーとの充電時間の交渉方法」「良いEVゲストになる方法」といったEVを所有するにあたって対人関係をスマートにこなすためのアドバイスを記載している。
今後のEVやPHEV普及のためには、より良い充電器の使い方などの案内が必要だろう。ネット上でも「EVの充電器を長時間占拠するユーザーがいる」といった苦情がたびたび見受けられ、実際にトラブルが発生しているとも聞く。
実は筆者も、初めて公共の充電器を使用する際は不安だった。使用方法を見ながら充電したのだが、その充電方法を理解している間に次のEVが来てしまうと焦ったりする。事前に充電方法を理解していれば焦らずに済む。ガイドによる知識があれば、先に充電しようとしているユーザーが初心者で戸惑っているような場面で、アドバイスもできるだろう。
このようなガイドブックの存在が有用なのは、英国に限らず世界共通だと思う。EV普及のためにも世界に向けて発信して良いはずだ。ボグゾールはそれこそステランティスの一員なのだから、そのネットワークを活用すれば世界への配布は困難ではないはずだ。EV普及の黎明期だからこそ、このようなガイドブックは大切な存在である。
ボクソールは英国での電動化に注力している。2024年から同社の乗用車とバンの全ラインナップに電動モデルを提供し、2028年からは純粋な電動ブランドとなる予定だ。そのためにも、普及の妨げの要因をひとつでも減らし、普及促進を図る狙いと思われる。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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デイリーEVヘッドライン[2023.07.06]