bZ4XよりコンパクトなbZ3
「bZ3」の特徴としては、トヨタのBEV初となるBYDのリチウムイオンLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーをベースとした、駆動用バッテリーを採用することが挙げられる。正極にLFPを採用したこのバッテリーは、容量49.9kWhと65.3kWhの2タイプが用意される。一充電あたりの最長航続距離は、49.9kWh仕様は517km、65.3kWh仕様が616km(中国国内の燃費モードであるCLTCモード)を謳う。
加えてトヨタは、長年ハイブリッド車開発を通じて蓄積してきた電動化技術と経験を融合した、電池構造、冷却システム、制御システムと安全監視システムを新たに設計。高品質、高効率、先進的でかつ安心・安全な電動システムなど、性能の高さを主張する。
エクステリアについても触れてくと、bZ3も現在のトヨタデザインの潮流である「ハンマーヘッド・デザイン」の顔つきを与えられた。ボディサイズは、全長:4725mm、全幅:1,835mm、全高:1,475mm。ホイールベースは2,880mmとされた。EV専用の「e-TNGA」プラットフォームを基本に構築されたボディのCD値は0.218を実現している(乗車人数:5名)。
ちなみに、bZ3に先んじて登場したSUVタイプの「bZ4X」は、全長:4690mm、全幅:1860mm、全高:1650mmと、ひとクラス上のサイズであることがわかる。対して、2850mmのホイールベースは「bZ3」が30mm、全長も35mm上回ることから、セダンの前後に伸びたスタイリングととともに、室内空間の確保に配慮したことが想像される。
世界的なEV用の販路拡大を視野に
話を戻せば、横浜ゴムは新車装着では高い技術が求められるEVへの納入を強化するとともに、そのフィードバックを市販用タイヤの開発に活かし、時代の変化に対応した商品ラインナップの拡充および各商品の性能向上を図っているとしている。
ちなみに、bZ3の発表から続く2022年11月に開催されたロサンジェルス・オートショーにおいて、トヨタはBEVのコンセプトカー「bZ Compact SUV Concept」を米国で初披露した。同モデルは、BEV専用ブランドであるbZシリーズの中で、日常生活で扱いやすい小型サイズのハッチバックスタイルのSUVとして、開発を進めているという。将来の北米市場への導入を見据えれば、横浜ゴムにとってもビッグビジネスとなる可能性もありそうだ。