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「らしさ」に溢れるフィアットの走りは健在![フィアット500e試乗記:その5(最終回)]


TEXT:嶋田 智之 PHOTO:曽宮 岳大
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充電環境さえあれば真剣に欲しい

いや、とにかくほとんど全面的に心地好くなれるクルマなのだな、というのがこのクルマに乗ってみての素直な感想。BEVだからこそ得られるメリットが大きな魅力につながってるのはたしかだが、BEVだからどうこうという以前に、シンプルに1台のクルマとして楽しいし気持ちいいし一緒に過ごしていてニコやかでいられる存在なのだ。

僕は自宅で満充電にできることこそBEVと暮らすための基本の“キ”だという考え方なのだけど、もし自宅で200Vの普通充電ができるなら、真剣に500eが欲しいと感じたくらいだ。もっともその場合、長距離を走るときには50年前に生産されて出先で立ち往生する可能性は拭えない古いフィアット500で出掛けることになるわけだが、そういう生活環境が作れるなら、それはそれでおもしろいかも、とすら思う。繰り返しになるけれど、BEVに対してこんなふうな気持ちになったのは初めて、である。

ラインナップには受注生産の500eポップと上級版の500eアイコンという装備の異なる2つの3ドアハッチバックと、同じく上級版の装備を持った2ドアのオープントップが用意されている。オープントップの量産BEVは世界初にして現在でも唯一の存在だが、心地いい空気のなか、オープントップ版でゆっくり街中を流して走っていたら、僕が引っ越しをしたら充電の問題は解決するんじゃないか? なんていう考えが不意の頭の中に浮かんで来た。……あぶないあぶない。

Fiat 500e OPEN

全長:3,630mm
全幅:1,685mm
全高:1,530mm
ホイールベース:2,320mm
車両重量:1,360kg
乗車定員:4名
交流電力量消費率:128Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:335km
フロントモーター最高出力:87kW(118ps)/4,000rpm
フロントモーター最大トルク:220Nm/2,000rpm
バッテリー総電力量:42kWh
モーター数:前1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:FWD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:トーションビーム式
フロントブレーキ:ディスク
リアブレーキ:ドラム
タイヤサイズ:205/45R17
最小回転半径:5.1m
荷室容量:——L
車体本体価格:5,360,000円

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