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進化を続ける日の丸サプライヤーの底力を、自動車メーカーは見逃すな
今回まで3本にわたって「人とくるまのテクノロジー展」の模様を紹介してきた。今回の展示会では、イー・アクスルや、鉄に代わるバッテリーパックなどが目立った内容であった。
内燃エンジン車でもEVでもそうだが、一台のクルマを作るにはサプライヤーの協力は不可欠である。このような展示会を見ると、日本のサプライヤーの技術力は相当なものであり、世界に誇れると思う。
しかし、サプライヤーがどんなに優れた製品を開発しても、自動車メーカーが採用しないことには宝の持ち腐れになってしまう。人伝だが「私たちがどんなに優れたものを開発しても、メーカーさんに採用されないことには埋もれてしまうし、代わりに売る先もない」と、サプライヤーのエンジニアが嘆いていると聞いたことがある。
原価主義で、一台のEVをロー・コストでつくるのもひとつの技術であろう。しかし、日本の技術力を支えているサプライヤーの魂のこもった製品を、原価を正義にないがしろにしていいものだろうか。
世界を見れば、EVは高級路線に舵を切っていることがわかる。「安さ」では世界で勝負ができないのだ。自動車メーカーのエンジニアも、サプライヤーの力を改めて見直してほしいと、今回の「人とくるまのテクノロジー展」を見て強く感じた。
「人とクルマのテクノロジー展 2023」は、7月5日(水)~7日(金)に名古屋<愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」(愛知県常滑市)>でも開催されるので、このレポートで興味を持ってもらった読者、何より自動車メーカーのエンジニアの方にはぜひ足を運んで、サプライヤーの技術力を確認していただきたい。