#イー・アクスル
TEXT:福田 雅敏
「下町ロケット」の魂、日の丸サプライヤーの縁の下の技術をメーカーは見逃すな[THE視点]

来場者数6万3,810人・出店社数484社と、昨年を上回る規模での開催となった「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」<パシフィコ横浜(横浜市みなとみらい地区)/5月24日〜26日>。 本レポートの第1回[詳細はこちら]ではメーカー、第2回[詳細はこちら]ではサプライヤーの第1弾としてモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)の展示を紹介してきたが、最終回となる今回は、サプライヤーの中でも、普段はあまり注目されないバッテリー・カバーなど、縁の下を支える部品を紹介する。 自動車技術会……EVのホワイトボディを展示 本イベントの主催である自動車技術会のコーナーには、ホワイトボディ(骨格のみのボディ)の展示があった。 展示されていた車種は、「日産アリア」「トヨタbZ4X/スバル・ソルテラ」(兄弟車)、「マツダCX-60」「いすゞ・エルフ」の4車種。 この中から、EV、PHEVに関連する、3車種のホワイトボディを紹介する。 「日産アリア」は、最新のEV用プラットフォーム「EV-PF」を採用している。 エアコン関連(HVAC)のモジュールを、モーター・ルーム(ボンネット)に収め、室内はフラットフロアを実現。フロント周りのサブフレームの一部およびバッテリーパックには、アルミを使用し軽量・高剛性化も実現した。 「トヨタbZ4X/スバル・ソルテラ」は、トヨタとスバルの技術を融合し共同開発されたプラットフォームを使用している。 バッテリーパックをボディの一部として活用しているのが特徴で、高い安全性と操安性を実現している。バッテリーパックはスチール製だが、パックとボディをつなぐ部分には、アルミの押し出し材を使用する。 「マツダCX-60」は、PHEVではあるもののアルミ・ダイキャスト製のバッテリーパックを使用していることに目を引かれた。詳しくは後述する。

TAG: #イー・アクスル #人とくるまのテクノロジー展 #燃料電池車(FCEV)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ジェイテクト、遊星減速キャリア一体のイー・アクスル用小型デフを開発……デイリーEVヘッドライン[2023.05.10]

イー・アクスルの小型化・軽量化に貢献 前後2モーター式AWDでシェア拡大の可能性 【THE 視点】ジェイテクトは5月9日、モーター一体型駆動装置(イー・アクスル)に対応したディファレンシャル・ギア装置「遊星減速キャリア一体ジェイテクト・ウルトラ・コンパクト・デフ(JUCD)」を発表した。EV市場、とりわけイー・アクスルの需要拡大を見据えて開発された製品である。 「遊星減速キャリア一体JUCD」は、「遊星減速ピニオンギヤ」と「遊星減速キャリア」「超小型デフ(JUCD)」を一体化したもの。イー・アクスルの小型軽量化をはじめ、EVの航続距離の延伸にも貢献できるという。 本製品を使用することで、よりコンパクトなイー・アクスルが設計できるという。現在は、モーターとデフがオフセットしている「3軸式」が一般的だが、コンパクトな「遊星減速キャリア一体JUCD」を組み込むことで、それらを同軸上に配置でき装置全体を小型化できるとのこと。 具体的には、出力150kW級のイー・アクスル向けデフ単体としては、「JUCD」により約25mmのデフ幅の短縮効果がある。さらに遊星減速キャリアと「JUCD」を融合させることで、通常のデフと組み合わせた遊星減速キャリアに対して、約50mmの幅寸法の短縮と全体の小型化・軽量化を可能とした。 また、デフ・ハウジングを円筒形としてキャリア部と一体化し、トルク伝達時のハウジングの変形とバラツキを抑制することで、複数ある遊星減速ギアの歯当たりのバラツキをも改善し、減速機のノイズや振動の低減の面でも有利だという。 世界でEV化が進むと同時に、イー・アクスルのシェアも急拡大している。より優れたEVを開発するためには、優れたイー・アクスルが必要であろう。装置を小型・軽量化できる「遊星減速キャリア一体JUCD」は、激化するイー・アクスル市場において存在感を出せるはず。特に前後2モーター式のAWDでは、イー・アクスルの小型化は必須で、シェアは確実に拡大すると思われる。 ちなみにジェイテクトグループは、2021年にギアイノベーションセンターを開設している。今回の発表は、その成果のひとつと思われる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★イオンでEV電力買取サービス「V2AEONMALL」が開始……家庭で充電したEVを持ち込みイオンモールにて放電することでポイントを還元、「イオンモールアプリ」の標準追加機能としてリリース[詳細はこちら<click>] ★★ボルボ、新型EVが6月7日にデビューと予告……コンパクトSUV「EX30」が登場、同日から予約注文も可能に(本国発表)[詳細はこちら<click>] ★パワーエックス、完全子会社「PowerX Manufacturing(PXM)」を設立……バッテリー組み立て工場「パワーベース」のある岡山県玉野市にて設立、バッテリー製造事業の拡大と地元採用を加速 ★フィスカー、新型EV「オーシャンSUV」の量産第1号車を引き渡し……デンマークの顧客に、最大航続距離707km(WLTP)のSUV

TAG: #THE視点 #イー・アクスル #ジェイテクト
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
テスラ、次世代パワートレインの開発を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.03.20]

1,000ドル以下のパワートレイン 登場予定の「モデル2」から採用か 【THE 視点】テスラは3月1日に開催した投資家向けの説明会「2023 Investor Day」で、次世代のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)」のコストが1,000ドル以下になると発表した。 「イー・アクスル」は、モーター/インバーター/減速機が一体となった駆動装置だが、次世代型のコストが1,000ドル(約13万円)とは驚きだ。ちなみに今のモデルでは、モーターとインバーターだけで15万円程と予想している。それに減速機を入れて約13万円とは大幅なコストダウンだ。 確かにテスラは、生産台数も多く量産効果も出ていると思うが、その秘密は次の通り。「モーターに使われる磁石にレアアース(希土類)を全く使わない」という。レアアースを使わない永久磁石式モーターとしたことでコストも低減するが、中国依存が高いレアアースを避けることで脱中国化も考えてのことではないだろうか。 また、ようやくインバーターに使われるようになった半導体のっひとつであるSIC(炭化ケイ素)は、従来のシステムから75%も減らすとのこと。SICは半導体の中でもかなり高価だ。 テスラは、車体部品も大型のキャスティング(鋳物)をフレームに使うなどして、部品点数を減らしコストダウンを図ってきた。さらにパワートレインのコストも削減できれば、テスラはさらに安くなる。これは、登場が待たれるエントリーモデル「モデル2」から採用されるのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★アウディ、「Q6 e-tron」のプロトタイプを極寒地でテスト……2023年後半に発売予定[詳細はこちら<click>] ★★アウディ、2022年のEV販売台数が44%増加の11万8,978台……2025年までにEV10モデル以上を投入 ★ZF、電動ドライブの受注額が300億ユーロ(約4兆2,500億円)超え……乗用車と商用車を合わせて ★アルファバスジャパン、自社EVバス製品の「六価クロム」使用状況を調査……ボルト・ナット系の2種類部品が該当、部品交換を完了し問題なし ★「第21回学生フォーミュラ日本大会2023」開催決定……EVクラスには国内20チーム・海外10チームが参加、8月28日(月)~9月2日(土)にエコパ(静岡県袋井市・掛川市)にて ★Luup、電動キックボード事故の調査研究を開始……交通事故総合分析センター(ITARDA)・東京海上ホールディングスと共同で ★ボルボ、韓国でEVトラックを販売開始……3モデルを用意 ★ボルボ、南アフリカにEVトラックを初納入……ゴミ収集仕様車として ★日産、プレステージ・インターナショナル(PI)と「ブルー・スイッチ」施策で提携……EVを活用した災害対策など、PIも社有車を順次EVに置き換え

TAG: #THE視点 #イー・アクスル
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産、次世代型電動パワートレインのプロトタイプを公開……デイリーEVヘッドライン[2023.03.10]

EVとe-POWERの主要駆動部品を共通化 市販化後はコスト削減分をEVの車両価格に還元 【THE 視点】日産自動車は3月9日、EVとシリーズハイブリッド「e-POWER」の主要駆動部品を共用化しモジュール化した新開発のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)「X-in-1」の試作ユニットを公開した。 2026年までに2019年比でコストを30%削減した本パワートレインを採用し、EVと「e-POWER」の競争力をさらに向上させるという。モーター/インバーター/減速機の3つの部品をモジュール化したEV用の「3-in-1」を開発し、2030年にはEVをエンジン車並みのコストにしていくとのこと。 日産は、2010年に初代リーフを世界に先駆けて、量産EVとして販売を始めた会社である。それから十数年、世界ではどんどんと新型EVが発売されてきた。リーフも第2世代にはなったものの、パワートレイン等は旧型に近い構成で、特に海外の最新EVには後れを取っている。 今回EV用「3-in-1」のパワートレイン、いわゆる「イー・アクスル」を開発したことで、ようやく追いつく見通しだ。また2030年には車両価格もエンジン車並みとすることなので、2028年には量産予定とされる「全固体電池」の搭載を見込んでの話だろう。 まずは今回発表のイー・アクスルを搭載したモデルが出れば、テスラやラムのピックアップトラックのように、フランク(フロントのトランク)のスペースも確保出来るかもしれない。しかしそういった利便性の改善が可能かどうか明らかになるのはもう数年待たなけれならない。日産はもう少し早く出せないものだろうか? (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォルクスワーゲン、EV版「ワーゲンバス」の「ID.Buzz」の日本導入を決定……2024年末以降[詳細はこちら<click>] ★★エネチェンジ、マンションの専用駐車区画へのEV用充電器導入を支援……導入費用・電気料金を全額負担する「マンション専用車室ゼロプラン」を開始[詳細はこちら<click>] ★アイダ設計、EVを非常用電源として使えるオプションパックを販売開始……EVから電源を供給する「住宅用安心給電キット」とEV用200Vコンセントをセットに[詳細はこちら<click>] ★災害対策用の発電機をEV充電向けに活用するビジネスが開始……東西商事が内燃エンジンのポータブル発電機「ベクター」の日常活用を提案、導入団体が充電利用者に課金[詳細はこちら<click>] ★充放電の電流を配電部品(バスバー)の磁界で検知……サンコールが「磁器式電流センサー」を新開発、高精度なセンシングで航続距離の延伸などが可能に ★ブレイズ、自社製電動モビリティの第2回試乗会を開催……3月16日(木)〜18日(土)、東京ショールーム(東京都千代田区)にて ★ボルボグループの米マック・トラックス、同社初の中型EVトラック「マック MD エレクトリック」を発売……最高出力194kW(264ps)/最大トルク2,509Nm(255.3kgm)、バッテリー容量は150kWhおよび240kWh ★トヨタ、デンソー福島工場に水素発生用水電解装置を設置……「ミライ」や「ソラ」のFCスタックを流用

TAG: #THE視点 #X-in-1 #イー・アクスル

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