東京都は6月1日、令和5年度の集合住宅(マンション)等への充電設備導入に対する助成事業を発表。今年度は集合住宅の機械式駐車場に関する工事費補助等が強化され、マンション居住者にも電気自動車(EV)がグッと身近になりそうだ。
自己負担なしで設置できるケースも
EV購入にあたって一番心配なのが充電環境。最新の高級EVでは500kmを超える航続距離があたり前になってきているものの、公共用充電設備がまだまだ整備途上の日本では、やはり毎日自宅で充電できることが重要。ただ、一戸建てなら簡単な工事でコンセントを新設できるが、マンションだと個人が勝手に充電器を設置することはできない。また、最近では都内マンションに多い立体駐車場にも設置できる充電器が登場しているものの、工事費が高く、管理組合では中々新設に踏み切れないという状況にある。
そんな苦境に朗報となりそうなのが今回の助成拡充。今年度から機械式駐車場に充電器を設置する場合の補助金が、1基目は上限171万円/基、2基目以降は上限86万円/基に引き上げられたのだ。助成率については10/10とされ、上限の範囲内なら自己負担は発生しない。
では、この補助金はどの程度負担を低減してくれるのだろう。この点、正確な金額はメーカーから見積もりを取るしかないが、ネット情報だと最新の機械式駐車場対応普通充電器なら、設置費は1基当たり数十万円程度まで抑えられる場合もある模様。ということは、補助金を受給できれば、実質的に管理組合の負担なしで充電器を新設できる可能性がある。もちろん、充電器の新設には工事費以外に充電設備本体の購入費用もかかるが、こちらについても普通充電設備の場合2分の1の助成があるので、自己負担は低額に抑えられる。
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