コラム
share:

バイクのEV化に対する海外と日本の温度差、欧州のショーで年々敷地面積を拡大するEVバイク[EICMA(ミラノモーターサイクルショー)レポート:その4]


TEXT:小川 勤
TAG:

自動車と同様にバイクも多様な電動車は欧米や中国のメーカーから続々と発表されているようだ。EICMA(ミラノモーターサイクルショー)でそれらを目の当たりにしたモーターサイクルジャーナリストの小川 勤さんにユニークなバイク達の印象を語ってもらった。

オリジナリティは高いが不安になるスペックが乱立するEVバイクも……

こ、これはどうなのだろう……。このダヴィンチという中国メーカーのバイクのスペックを見て驚愕した。興味のある方はメーカーのサイトに飛んでいただきたいが、最高時速は200km/h、最高出力は100kW(135ps)とあるが、少なくとも僕はこのディメンションや細部の作り込みでこの速度を出す気にはならなかった。

説明によると1000個以上のチップや200個以上の高性能センサーを採用しており、スマートフォンが鍵にも、メーターにもなるらしい。足まわりは本格的で倒立フォークにブレンボ製のキャリパーを装備。電子制御はヒル・スタート・アシスト・コントロール(坂道発進をサポート)やリバースアシスト(バック機能)、コンバインド・ブレーキ(ABS機能)、トラクション・コントロールも搭載している。

しかし、スポーツバイクに必要なホールド性の高いポジションは考慮されておらず、趣味のバイクに必要な美しさや機能美もない。価格は2万7500ドル(1ドル=135円の場合、約370万円)とかなり高めで、すでにアメリカでは発売されているらしい。少なくとも僕にこのEVバイクを受け入れる感性はなかった。

https://global.davincimotor.com/

一方で気になったのはスウェーデンのCAKE(ケイク)だ。EICMA 2022で『Sustainable Exhibitor Award(持続可能な出展者賞)を受賞し、日本ではゴールドウインが代理店となって販売を進めていくメーカーだ。

2016年よりスタートしたケイクは、「エキサイティングなモビリティ体験」と「環境への責任」の両立を目指し、ゼロエミッション社会への移行を加速させることを使命として活動している。ケイクが考える持続可能性とは、人と自然の共生をよりスマートで、環境に優しく、健康的かつ平和的に実現することにある。そのためにケイク社は年齢や性別、サイズ、スタイルを問わず、誰しもが敬意をもって自然と都市を冒険できる製品を生み出している。

ケイクで森の中を鳥のさえずりを聞きながら駆け抜ける喜びは想像に難しくないが、価格は高めでオフロードイメージのバイクである「カルク」は247万5000円から。その喜びを堪能するのはかなりハードルが高そうだ。

https://goldwin.ridecake.jp/

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
年間20万台のEVの生産が可能なメガファクトリー! ヒョンデが韓国・蔚山に新EV専用工場を建設
電動水素ターボブロア・プロトタイプ(photo=IHI)
燃料電池(FC)もターボチューン……IHIがFC航空機向け「電動水素ターボブロア」を開発[2023.11.16]
マンの新型EVトラック(photo=マン・トラック&バス)
ドイツで高性能EVトラック続々登場……マン、航続800kmの「eTGX/eTGS」発表[2023.11.15]
more
ニュース
レクサスRZが一部改良! FWDモデルの「RZ300e」も追加
BYD「シール」&「ドルフィン」がEuro NCAP安全性能テストで5つ星を獲得
メルセデス・ベンツがPHEV「GLC 350e 4MATIC Sports Edition Star」を発売
more
コラム
ホンダが「CR-V FCEV」を富士スピードウエイで世界初公開、なぜこのタイミングで世に出たか
電気自動車が「クルマとしての魅力」でガソリン車を上回る時代に突入してきた!
電動化時代にクルマはどうやって作ればいい?まずはプラットフォームを軸に考えてみる
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
ボルボの新型EV「EX30」のツインモーターは強烈な加速力と高い安定性が魅力!
「アウディQ8 e-tron」のブラックマスクは最新EVの証 [Audi Q8 e-tron試乗記]
マイチェンで名前まで変わった「アウディQ8 e-tron」ってどんな車? [Q8 e-tron試乗記]
more
イベント
BYDが「六本木ヒルズ クリスマスマーケット2023」に協賛! EVによるライトアップで街を彩る
主役級の注目度。美しく、しかもロータリーエンジン搭載のアイコニックSPがマツダらし過ぎた
カワサキ・ニンジャe-1(photo=磐城 蟻光)
THE“ローコスト”ナナハンキラー……「カワサキ・ニンジャe-1」はサーキットでこそ輝く
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択