コラム
share:

まずは欧米市場に投入される予感。カワサキ製EVバイク[EICMA(ミラノモーターサイクルショー)レポート:その2]


TEXT:小川 勤
TAG:

前回に引き続き、「EICMA」の小川さんのレポートをお届けする。カワサキ製EVバイクの特徴と使用用途、予測される導入市場についてなどを報告する。

まずは市街地を走る125ccクラスのEVバイクを発売へ!

EICMA(ミラノモーターサイクルショー)で発表されたEVニンジャとEV Zは、まさにバイクだった。マフラーがない違和感はあるが、そのスタイリングはカワサキらしさに溢れている。EVニンジャとEV Zのライセンス区分は、EU圏A1。排気量が125cc以下、および最高出力11KW(15ps)以下のバイクと同じ条件となっている。

ただ、125cc相当といってもきちんと作り込んでくるのがカワサキだ。モーターの出力軸にカウンターギヤを組み合わせチェーンでリアタイヤを駆動。さらにモーターは車体の下側に搭載するため低重心化にも貢献。バッテリー容量は最大3.0kWh。車体からの取り外しが可能なカートリッジ式のリムーバブルバッテリーバック(約12kg)をタンクの下側に2個搭載する。マスの集中と低重心化、きちんとスポーツバイクを作ってきたカワサキらしさが車体構成からも見てとれる。

正直、EVバイクに関しては中国やアメリカのベンチャー企業が手がけている場合も多く、そもそも彼らはバイクメーカーではないからバイクとしての作り込みはかなり甘く、そういった意味でもカワサキが動いた意味はとても大きいのだ。

また、こういった既存のスポーツバイクの作りを踏襲したことで、足まわりや外装パーツはガソリンエンジンモデルと共有できるメリットもあり、これはコストダウンにも直結する。125cc相当のバイクの場合、とても大切なファクターである。

細部を見ていて面白いなと思ったのはスイッチで、これはEVバイクならではのディテールとなっていた。まだ詳細は不明だが、右側には「eboost」左側には「WALK MODE」のボタンが設置されている。

「この2台に関してはまずは市街地から出ないことが前提になりますね。充電を考慮すると遠くには行けない。でも市街地でスクーターではなく、バイクに乗りたい人もたくさんいると思うんです。そんなユーザーにEVニンジャとEV Zを楽しんでいただきたいと思います」と話すのはカワサキの先進技術&カーボンニュートラルの総括部長である松田義基さんだ。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
コレクターズアイテムになること間違いなし! 「FIAT × ルパン三世」のクリスマスコラボプレゼントを実施中
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択