ニュース
share:

「EV整備ネットワーク」の構築へ。ナルネットコミュニケーションズと日本自動車車体補修協会が新興EVメーカーをフォロー、EV特化型のメインテナンスパックも開発


TEXT:加納亨介
TAG:

自動車整備受託のリーディングカンパニーと、行政公官庁とのパイプを持つ社団法人とのタッグ

ナルネットコミュニケーションズは、日本自動車車体補修協会(JARWA)と共同でEVメインテナンスに対応できる整備工場のネットワーク構築に乗り出す。

同社はオートリース会社などから自動車の整備・管理を受託する企業で、この分野のリーディングカンパニー。国内で約10,500ヶ所の整備工場ネットワークを持ち、部品交換時期などの整備情報をデータベース化して一元的に管理している。

一方の日本自動車車体補修協会は「自動車車体補修における信頼性の確保」を目的とする一般社団法人で、国内自動車メーカー8社や溶接機メーカーなどのほか、内外の新興EVメーカーも多く加盟している。近年はスキャンツールを使用した自動運転関連整備(エーミング)や、新興メーカーのアフターサービス網構築支援で存在感を増すなど、変革期の自動車整備に独自のノウハウを持つ。

この両者が手を取り合うことで、EVのメインテナンスに長けた整備工場ネットワークを作り上げる。具体的には、専用工具を使ったEV整備ノウハウや高電圧の扱いなどの技術情報、車種ごとの固有情報などを提供し、整備工場のEV対応を促進させる。構築されたネットワークは、新興EVメーカー相乗りの整備ネットワークとして利用されることを想定している。

同時に、EVに特化したメインテナンスパックの開発も進める。行政公官庁と連携し、ICE車とは視点の異なる点検・整備項目を設定する。新興EVメーカーとも協調し、多様な駆動システムを持つさまざまなEVに対して普遍的なメインテナンスパックを全国一律で提供する。

EV整備ネットワークとEV特化型メインテナンスパック。どちらも来るべきEV時代に欠かせない社会資本的存在といえ、EVユーザーの利便性向上に貢献するはずだ。

EV普及の足枷は充電環境だけじゃない

承知の通り、日本は先進諸国と比較してEVの普及が遅れている。原因としてよく挙げられるのは充電拠点数の少なさだが、ユーザーにとっては購入後のメインテナンス体制も同じくらい気になるところなのである。

 

EVが当たり前になる時代ももうすぐと思われ、それにともないHWエレクトロ、フォロフライ、EVモーターズジャパンなど、これまでクルマを作ったことのないEV専門新興メーカーの参入も増えてきた。正規ディーラーネットワークを構築済みの既存自動車メーカーと異なり、これら新興EVメーカーの多くは自前の整備ネットワークを持たない場合が多いことから、アフターサービス網作りへのフォローが待たれていた。

 

ナルネットコミュニケーションズと日本自動車車体補修協会が行う「EV整備ネットワーク」構築への取り組みは、この問題の解消に向けた大きな一歩といえる。

TAG:

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
more
コラム
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
そういや「スマートグリッド」ってドコいった? EVを蓄電池として利用する流れのいま
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択