ザルツギガではパイロット生産(とそれに続く検査)が始まっている
ザルツギガは50万台分のバッテリーを年産可能
ユニファイドセルは、現行のMEBやこの先のMEB evoといったプラットフォームでなく、さらに先に登場するSSP(Scalable System Platform)に使用されるもよう。
ザルツギガがフル稼働すると、40ギガワットのバッテリーを年産。クルマにすると50万台分に相当するそうだ。
「ユニファイドセルは、小型車から商用車まで、VW車の約85%で使える統一規格をもったものです。それによって、生産コストは下がります」
VWグループのテクノロジー担当役員でありPowerCoも担当するトマス・シュマル氏は、ザルツギガにおいて、私たちにそう説明してくれた。
「生産における垂直統合が、私たちのギガファクトリーのメリットです」
シュマル氏は言葉を続ける。
「研究開発から、製造・販売までのサプライチェーン上の全工程を自社グループ内で行うビジネスモデルです。スケールメリットで製品のコストダウンも期待できます」
いまから手を打たないと、欧州委員会の“2035年にはエンジンを載せた新車を販売禁止する”という規制が実施されたときに、間に合わなくなると考えているのだ。
スペインにもギガファクトリーを設置
バッテリーセルのテストを行う施設
PowerCoでは、つぎにスペイン・バレンシアに同様のギガファクトリーを2026年に完成させると発表している。
「2023 年から 2027年にかけて、特にグループのバッテリー戦略を含む最も魅力的なプロフィットプールに合計1800億ユーロを投資」すると、フォルクスワーゲンは2023年3月15日に発表。
「北米地域での存在感を高め、中国でのデジタル化と製品の競争力を向上し、グループの主要な製品ポートフォリオの開発も継続します」
そして、「投資金額の3分の2以上(68%) は、デジタル化と電動化といった将来の分野に割り当てられます」という。
ヨーロッパでBEV市場のリーダーの座を維持するという意気込みをみせるVW。着々と将来に向けて、足場を固めているのだ。