インタビュー
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「分断はやめて、楽しもうよと(笑)」 モデル3オーナー、石井さんに聞くEVコミュニティ事情


TEXT:曽宮 岳大 PHOTO:曽宮 岳大

ネガを楽しみに変えようと『EVごはん』を開設

実際の購入体験を通じて、ネット上に出回っている情報とのギャップを感じたのですね。

「技術はすごく進化しているので、今のEVではすぐにバッテリーがなくなってしまうということはないし、急速充電器の数も日々増えています。そういう現状と照らし合わせて、現実とかけ離れた発言があり、それを鵜呑みにしてしまうような状況はもったいないと思うんです。グローバルで見ればEVがすごく伸びています。そうしたなかで、消費者が過剰にネガティブな発言をすると、その産業の発展に影響が出てしまう。それは正しい姿とは思えないですよね。日本経済の大黒柱といえる自動車産業は、これからも世界経済の中でしっかりと存在感を示し日本をしっかりと支えて欲しいと思います。現在の多様性の社会の中で、全員がEVに乗らなくてもいいけど、過剰にEVを否定することはやめようよ、という気持ちが僕のなかにあって。少しでもEVに対する理解が広がる一助になればという気持ちから、EVの充電時間を楽しく“美味しい時間”として捉えようというコンセプトから誕生したのが、『EVごはん』なんです」

 

EVには、ネガティブな部分もあるかもしれないけどその進化にも目を向け、この先の未来を一緒に作っていこうという発想ですね?

「そうですね。いま、全体的に停滞感がある時代のなかで、少しでも前に進めていかないと本当にヤバいという気持ちはありますね。未来を一緒に作ろうというとなんだか偉そうですけど、でもそういうことだと思うんです。保守的になってしまっては進歩がなくなってしまいますから」

これまで趣味性の高いクルマを乗り継ぎ、現在もテスラと同時に1965年製のオースチン・ヒーレーで旧車ライフも楽しまれている石井さん。そんなクルマ好きの石井さんが、モデル3の所有を通じて感じたEVの純粋な面白さと、世間にはびこるネガティブな意見。石井さんはそのギャップに違和感を覚えたと話す。「別にEVを推進しなくてもいいけど、否定するのはやめようよ」という言葉が印象的だった。『EVごはん』の開設も、充電時間というネガな部分をプラスに楽しもうという前向きな考えが背景にあったのだ。その『EVごはん』は現在、3,000人を超える会員がいるとのこと。次回は、石井さんにうかがった、約3年間のモデル3所有を通じて感じた“EV生活の本当のところ”をお届けしたい。

 

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