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トヨタが水素製造用水電解装置を開発、デンソー福島工場で稼働開始


TEXT:岩尾 信哉
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水素を製造する水電解装置の特徴

トヨタがミライやFCバス「ソラ」に搭載しているFCスタックを流用した水電解装置は、同社が長年にわたるFCEV開発で培ってきた技術と、世界の様々な使用環境の中で蓄積してきた知見・ノウハウを活かして新開発したものだ。その特徴は以下のとおり。

・水を電気分解するスタック(水電解スタック)に使用しているセルは、2014年12月の初代ミライ発売以降、700万枚以上(FCEV約2万台分)の量産・使用実績に裏付けられた高い信頼性を確保。

・FCEV用に開発、初代ミライ以降搭載しているスタックのセパレーターにチタンを採用。耐食性の高いチタンの特性を活かして水電解装置に求められる耐久性の向上を追求。長期にわたり安心して使用できるよう、約8万時間の稼働を経ても初期とほぼ変わらない性能維持を目指した。

・水電解スタックの生産過程において、FCEV用FCスタックの部品およびFCスタック生産設備の90%以上の流用/共用が可能になった。これによる量産効果などを通じて、今後は普及可能なコストレベルを追求する。

水分解水素発生装置 仕様

サイズ(縦×横×高さ):約2.3m×約5.8m×約2.8m
水素製造能力:約8kg/時間
水素製造エネルギー:53kWh/水素製造1kg
スタック種類:固体高分子型

望まれるグリーン水素の生産拡大

今回の水素発生装置では外部電力を使用して水を電気分解する。この際にCO2を排出することなく電力を得るために、再生可能エネルギーを利用することが求められる。このようにして生み出される水素は「グリーン水素」と呼ばれ、水を電気分解し、水素と酸素に還元することで生産されるものだ。

ちなみに、水素は生産方法によって呼び方が変わる。「ブルー水素」とは、天然ガスや石炭等の化石燃料を、蒸気メタン改質や自動熱分解などで水素とCO2に分解し、CO2を大気に排出する前に回収する方法で生み出される。

いっぽう「グレー水素」は、水素を生産するプロセスはブルー水素と同様ながら、ブルー水素と異なり、CO2を回収することなくそのまま大気中に放出する手法を採る。現在世界で生産されている水素ではグレー水素が全体の9割超を占める。生産/運用コストの抑制が必要とはいえ、さらなるグリーン水素の利用が求められる。

これまでトヨタは、乗用・商用のトラックやバスを含めた燃料電池(FC)車両だけでなく、FC定置式発電機の開発・実証運転など、FC製品の普及による水素利活用の促進を目指し、水素を「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各領域において、様々な業界のパートナーとの取り組みを進めてきた。将来において再生可能エネルギーを用いた「グリーン水素」が広く普及するよう、より一層の企業間の連携を望みたい。

 

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