#SUV
TEXT:TET 編集部
充電10分で300km走行も実現間近! BMW「ノイエクラッセX」発表で自らの変革を示す

ノイエクラッセとは? 2023年ドイツ・ミュンヘンで行われた「IAAモビリティ2023」で、BMWはこの先の10年を見据えたコンセプトカー「BMW Vision Neue Klasse(ビジョン・ノイエクラッセ)」を発表した。一見レトロな3ボックスセダンの風貌でありながら、電動化、デジタル化、循環型社会の要素をふんだんに取り入れ、BMWが目指すビジョンを具現化したコンセプトカーになっており、先の「ジャパンモビリティショー」でご覧になられた方も多いのではないだろうか。 もともとノイエクラッセという名は、1960年代に小型車と大型車の極端なラインアップとなっていた当時のBMWが、危機的な経営状態からの脱却を目指し開発した中型セダン「BMW1500」に対し社内で名づけられたニックネームで、直訳するならば「新しいクラス」ということになる。 後の1964年に発売された「BMW1800」からは、宣伝のために意識的にその名が使用され、この中型セダンが日常性とスポーツ性を高い次元で兼ね備えていたことから消費者の支持を集め、次第にその意味はスポーティな走りが楽しめるBMWを表すキーワードへと昇華することとなった。 その意味で「ノイエクラッセ」という名はBMWにとっては大きな意味を持つネームであり、100年に一度の変革期といわれ大きく変化を遂げようとしている現代にこそ、次のステップを示すのにふさわしい名と言えよう。 ノイエクラッセXは近未来の電動SUVモデルを示唆する 前置きが長くなったが、BMWが2023年に発表したビジョン・ノイエクラッセは、典型的なセダンタイプのボディではあったものの、そこはBMWらしく走りの良さを感じさせるデザインが施されていた。そして2024年、現代の主流タイプといえるSUVタイプのボディが与えられたノイエクラッセが発表された。それが「BMW Vision Neue Klasse X(ビジョン ノイエクラッセX)」だ。 ノイエクラッセXは、テクノロジー、サステイナビリティ、フィロソフィをスポーツアクティビティビークルセグメント(SAV)で具現化するモデルとなる。新たなアーキテクチャに初めて電動駆動を搭載したこの派生モデルは、ビジョンモデルを経て2025年からハンガリーのデブレツェン工場で量産車シリーズの生産に入る。 BMW AG取締役会会長オリバー・ツィプセは、次のように述べている。 「ビジョン ノイエクラッセXは、ビジョン ノイエクラッセとともに、今後のBMWモデルのラインアップの幅広さを示しています。ノイエクラッセは、カスタマーが求める多彩なモデルを反映しています。現在だけでなく将来も求められる、スポーティなセダンとその派生モデルから、モダンなSAVモデルシリーズに至るまで、多様性を反映しています。当社は、ノイエクラッセが自動車や具体的なコンセプトという枠組みをはるかに超えた、BMWブランドを再定義する存在であることを強調すると同時に、これまで以上にBMWらしさを打ち出していきます」 ノイエクラッセが未来のセダンについて明確なビジョンを示したものだとしたら、ノイエクラッセXは、未来のXモデルに対するBMWの据え方を描いている。それはドライバーズシートの頭上まで広がる広大なフロントガラスによる圧倒的な開放感のある室内空間や、ヘッドライトとキドニーグリルが連動した照明効果、近未来感あふれるインストゥルメントパネルなど、視覚的にわかりやすい部分にも表れているが、このビジョン ノイエクラッセXというクルマはもっと概念的な要素を示したモデルだといえる。

TAG: #BMW #SUV #コンセプトモデル #ノイエクラッセ
TEXT:TET 編集部
400万円を切る価格設定だけが魅力じゃない! ヒョンデ・コナが「ジャパンEVオブザイヤー2023」優秀賞を獲得した理由とは

受賞要因はコンパクトボディと高評価の走り さらに攻めた価格設定も EV充電器の普及を進めるエネチェンジと、日本のEV黎明期から電気自動車情報発信する「EVSmartブログ」が2022年から主催している「ジャパンEVオブザイヤー」において、ヒョンデのKONA(コナ)が優秀賞を受賞した。 ジャパンEVオブザイヤー2023は、日本国内で2022年10月から2023年10月発売(受注開始を含む)までに発売した電気自動車18車種が選考対象となり、だれでも投票が可能な「一般投票」に加え、EV情報を発信するメディア関係者やEV関連企業のキーパーソンなどから編成される「エバンジェリスト投票」の合計ポイントで争われ、その年の顔となるEVが選出される仕組みだ。 その結果、2023年9月27日から予約受付を開始し、11月1日から販売が開始されたヒョンデの電気自動車コナが優秀賞に選出された。コナは日本市場でヒョンデが販売するEVの第2弾にあたり、日常のさまざまなシーンで使えるスペースユーティリティと、V2Lをはじめとした多様な便利機能を持つコンパクトSUVだ。 今回の受賞理由には、しっかりと室内空間を確保した使い勝手のいいコンパクトSUVでありながら、EVとして進化を遂げた走りや快適さが、とくにジャーナリストなどから高く評価されていることが挙げられている。 また、バッテリー容量48.6kWhのエントリーグレードである「カジュアル」では、車両本体価格を399万3000円とし、400万円以下の価格設定を実現しているだけでなく、バッテリー容量64.8kWhの上級グレード「ラウンジ」であっても489万5000円と、日本の一般EVユーザーにも手の届きやすい価格帯で発売されたことが高く評価されている。 ジャパンEVオブザイヤー2023優秀賞の受賞を受けて、ヒョンデは次のようにコメントしている。 「コナは日本でも使いやすいコンパクトサイズのSUVながら、最新世代の先進運転支援システムを採用し、安全で快適なドライブをサポートします。リーズナブルな価格設定に加え、全車に3年目の初回車検基本料までを車両価格に標準付帯しており、購入後も安心なカーライフを送っていただけます。また、長い航続距離性能やV2L機能など、さまざまな場面で“使えるEV”として高く評価いただけたかと思い、大変嬉しく思います」とし、今後も日本国内でのEV普及に努めていきたいとしている。 ヒョンデは積極的に出張型の試乗会を全国で展開しているので、スケジュールを確認のうえ、評価の高いコナの走りを体感してみてはいかがだろうか。

TAG: #KONA #SUV #ジャパンEVオブザイヤー #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
日産アリア NISMO 6月からのデリバリー開始をアナウンス ベースモデルも価格・装備を見直し3月下旬から発売へ

至るところにNISMO専用チューン 日産自動車は2024年3月8日、1月に開催された東京オートサロン2024で公開した「日産アリア NISMO」を発表するとともに、「日産アリア」のB6 e-4ORCE、B9 2WD、B9 e-4ORCE、B9 e-4ORCE プレミアを3月下旬より発売すると発表した。なお、「日産アリア NISMO」の発売は6月を予定している。 アリアNISMOはベースモデルのアリアe-4ORCEに、NISMO専用の加速チューニングを施し圧倒的な動力性能をさらに引き上げた、EV NISMOのフラグシップモデルだ。NISMOの性能コンセプトである「より速く、気持ち良く、安心して走れる車」に基づき、高い安定性と軽快さを実現し、走りの上質感を磨き上げたという。 幅広い温度域において安定した性能を維持するブレーキパッドや、素材から内部構造に至るまでこだわり抜いたアリアNISMO専用開発のタイヤ、軽量化とリム幅のワイド化を両立しながら空力性能にも貢献したデザインのホイールを採用している。あわせてシャシーにおいては、前後のサスペンションやスタビライザーに専用のチューニングを施し、スポーティでありながらも、EVらしい滑らかで上質な走りを実現している。 電動駆動4輪制御技術をNISMO専用にチューニングした「NISMO tuned e-4ORCE」は、さまざまなシチュエーションにおいて高いトラクション性能を誇り、電動車ならではの爽快な旋回加速を実現している。また、ワインディングなどにおいても、スポーツカーのような高いライントレース性や思い通りのコーナリングを可能とした。 エクステリアはベースモデルのアリアが持つ上質さと、空力性能を向上させるNISMOらしいダイナミックなパフォーマンスを体現したデザインが与えられている。NISMO専用のバンパー、リヤスポイラー、ドア・サイドモールを採用し、洗練されたスタイリングでありながらも、空気抵抗の低減とダウンフォースの向上を高い次元で両立している。 インテリアは、黒を基調としたなかにスパイスの効いたレッドアクセントを配し、上質でスポーティな空間を作り上げた。スポーツ走行に合わせてホールド性とフィット感を高めた専用シートを採用し、車両との一体感を感じられる仕様となっている。また、オプション設定のNISMO専用BOSE プレミアムサウンドシステムを装着した場合、NISMOモードをオンにするとフォーミュラEマシンのようなEVサウンドの演出により、高揚感のある走りが楽しめるという。 ボディカラーは、NISMOステルスグレーに黒ルーフの2トーンをはじめ、全6色がラインアップされた。 ベースモデルのアリアはラインアップの見直しが図られた。力強い加速、滑らかな走り、EVならではの静粛性と、心地よい室内空間を兼ね備えたクロスオーバーEVというアリアの特徴はそのままに、顧客ニーズに合わせて2種類のバッテリーサイズと2種類の駆動方式がラインアップされた。注文受付を一時停止していたB6 2WDグレードの注文受付が再開されることに加え、B6 e-4ORCE、B9 2WD、B9 e-4ORCE、B9 e-4ORCE プレミアという4つのグレードが追加発売される。2021年の発売当初にもB9グレードは用意されていたが、車両供給体制の問題から納車が叶わず、今回仕切り直して発売される格好だ。 エントリーグレードのB6 2WDは通勤や買い物などの日常使いに加え、週末のドライブにも十分な航続距離を持つグレードではあるが、よりロングドライブを楽しみたいという場合には、バッテリー容量が66kWhから91kWhにアップしたB9 2WDがおすすめだ。さらにe-4ORCEを搭載したB6 e-4ORCE、B9 e-4ORCEも設定されている。 前後2基の高出力モーターと左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し、あらゆるシーンや路面状況においてワクワクした走り、そして乗る人すべてに快適な乗り心地を提供するのがe-4ORCEだ。最上級グレードとなるB9 e-4ORCE プレミアには、ロングドライブをサポートする先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や、20インチ専用アルミホイール、本革シートをはじめとする特別な装備が標準設定されている。 なかなか安定して車両を供給することが難しかったアリアではあるが、NISMOモデルの追加と受注再開で、再び国産EVファンから注目を浴びることは間違いないだろう。

TAG: #SUV #アリア #新型車情報 #日産
TEXT:TET 編集部
クロスオーバー改めカントリーマン! モデルチェンジしたSUVのMINIにBEVを追加設定

待望のBEVモデルを追加 いまや大小さまざまなラインアップを持つMINIにおいて、もっとも室内空間が広く、多用途性を感じさせるのがカントリーマンだ。「ん? カントリーマンって何?」と思う方に向けて復習させていただくと、2023年11月にそれまで日本ではMINIクロスオーバーという名で広く人気を得ていたモデルが、フルモデルチェンジを果たすと同時に、海外ネームのMINIカントリーマンへと名称を改めたのだ。 3代目となるMINIクロスオーバー改めMINIカントリーマンは、先代モデルと比較して全長で13センチ、全高で8センチ大きくなり、よりゆとりのある車内空間を作り出している。また、MINIファミリーらしい顔つきでありながら、ヘッドライトは四角基調として差別化を図り、スタイリッシュなCピラーをアクセントにしたサイドビューと、シンプルだがグラマラスなテールデザインにより、プレミアムコンパクトSUVらしい品格を纏うようになった。 そして2024年3月1日、この3代目MINIカントリーマンにいよいよBEVモデルが追加ラインアップされた。 追加されたグレード名は「E」と「SE オール4」。両グレードともエネルギー容量232Ah/66.45kWhのバッテリーを搭載しているが、モーター搭載位置とシステム出力、それに伴う航続距離が異なっている。 「E」は最高出力150kW、最大トルク250Nmのモーターを前輪に搭載し、一充電走行距離は462km。一方の「SE オール4」は最高出力140kW、最大トルク247Nmのモーターを前後輪にそれぞれ搭載する4輪駆動モデルで、システム最高出力は225kW、システム最大トルクは494Nmにもなり、0-100km/h加速も5.6秒で駆け抜ける俊足ぶり。その分、一充電走行距離は433kmと「E」に比べ6%ほど短くなる。 先行して発表されたエンジン車と同様に、インストゥルメントパネルの中央には非常に凝ったグラフィックを表示する円形有機ELディスプレイのインフォメーションパネルが設置されていて、新世代MINIの世界観を強く印象付けている。機能面ではハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能をはじめとした安全機能やアシスト機能が充実。また、BEVモデルらしく、車両に蓄えられている電力を外部に給電することが可能な外部給電機能を搭載している。 また、今回のMINIカントリーマンEおよびSEオール4の販売開始を機に、今後発表されるすべてのMINIは顧客のライフスタイルの変化に対応して、正規ディーラーでの注文受付に加え、ウェブサイトから365日24時間利用可能なプレオーダーに対応していくことが発表されている。 車両価格は、Eが税込み593万円、SEオール4が税込み662万円となり、デリバリーの開始は2024年第2四半期以降とされている。 海外ではMINIの電動化は急速に進んだものの、まだまだ日本では少数ラインアップ。それだけに、THE EV TIMES読者のなかにも上陸を待ち望んでいた方がおられることと思う。ぜひ名前も装いも新たなカントリーマンのBEVモデルに触れて見てはいかがだろうか。

TAG: #BEV #MINI #SUV
TEXT:西川昇吾
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった

テスラとヒョンデのEVを乗り比べ 自動車メディアでは毎年恒例となっている日本自動車輸入組合(JAIA)主催のメディア向け試乗会。この試乗会に若手自動車ライターの筆者も参加させて頂いた。今回は、現在トレンドであるBEVのSUVとして、専売メーカー「テスラ」の「モデルY」と日本に再上陸を果たした「ヒョンデ」の「コナ」の2モデルを同時に見ていく。 いまでこそさまざまなタイプのBEVが存在するが、BEVの先進性というイメージを牽引してきたのはテスラの影響が大きいだろう。日々アップデートが行われることでの進化や、先進性を全面に押し出した操作系や充電設備(スーパーチャージャー)などが特徴的で、乱暴な言い方かもしれないが、これまでの自動車を否定するような側面すら感じる。 今回試乗したのは2022年に日本に導入されたモデルY。2023年には世界で120万台が納車され一年間でもっとも売れている自動車となったそうだ。試乗車はロングレンジモデルで航続距離は605kmとなっている。 対するヒョンデは2022年に日本市場への復活を果たした。日本市場ではFCEVも含めた電動車のみのラインアップであるが、世界的にみたら世界3位(2022年)の販売台数を誇る大手自動車メーカーだ。日本では新参者のイメージが強いかもしれないが、テスラに比べたら長年に渡って自動車を作り続けてきたメーカーであるということを忘れてはならない。 今回試乗したのは2023年11月に日本市場で発売されたばかりのコナ。日本ではBEVのみの展開となっているが、ほかの国では内燃機関車も用意されている。試乗車はラウンジと呼ばれる上級グレードで、航続距離は541㎞だ。なお、基本的にどのグレードでも64.8kWhというバッテリー容量は同じ、受注生産となるエントリーグレードのカジュアルのみ48.6kWhとなっている。 クーペライクなシルエットを持つモデルYとオーソドックスなSUVのシルエットとなっているコナを見比べると、エクステリアが異なっているのは当然だが、差として驚かされるのがインテリアだ。コナのインテリアは各種スイッチ類が常識的に配置されていて「自動車」といった雰囲気がする。 対するモデルYは、ステアリングコラムから生えた2本のレバーとステアリングに備え付けられたふたつのボタン、そしてセンターに備え付けられたモニターのみだ。 何というか、モデルYはデザイナーが考えたシンプルなインテリアをそのまま体現したかのようだ。正直いろいろな操作をモニターから階層を通らないとできないため面倒くさい。その点は物理スイッチが多くあるコナのほうが使いやすくて好印象だ。 しかし、モデルYが世界で売れているというのだから、これがワールドワイドでウケているということになる。保守的な日本人だから不便に感じてしまうのか、それとも世界が目新しいものに飛びついているだけでまたコナのようなインテリアに戻るのか、それともモデルYみたいなインテリアがワールドスタンダードとなるのか……、個人的な正直な気持ちは、いままでどおりのままがいい。新しいワールドスタンダードができあがってほしくないところだ。

TAG: #SUV #輸入車 #電気自動車
TEXT:高橋 優
テスラ追撃へポルシェが本気! EVのみのモデルに生まれ変わる「マカン エレクトリック」がバカ売れ必至

最新マカンはEVのみをラインアップ ポルシェがタイカンに続く新型EVとして、マカンのEVバージョンをワールドプレミアしました。800Vシステムを採用しながら、後輪操舵機能も搭載することで取りまわしをよくするなど、ポルシェのエントリーモデルとしてオールラウンダーなEVに仕上がっているようです。 まず、ポルシェに関しては2030年までに発売する車両の8割をバッテリーEVに置き換えるという電動化方針を表明しています。これは、911以外は完全にバッテリーEVに置き換えるという意味であると思います。 2019年に初のバッテリーEV、スポーツセダンのタイカンを発売し、そのタイカンについては、パナメーラを上まわり、911に匹敵するような販売台数を実現しています。さらに今後は、ケイマンのバッテリーEVバージョンを2025年中に投入しながら、カイエンのバッテリーEVバージョンも2026年ごろの登場を予定しています。 そして、タイカンの次のバッテリーEVとして長らく注目されていたのが、マカンのEVバージョンの存在です。このミッドサイズSUVであるマカンについては、ポルシェのラインアップのなかでもっとも安価なエントリーグレードということもあり、ポルシェでもっとも売れ筋なモデルでもあります。 なんといっても今回発表されたマカン エレクトリックについては、内燃機関車をラインアップせずに、純粋なバッテリーEVモデルとなりました。新型マカンを購入したいのであれば、バッテリーEVしか選択肢がなくなることを意味するわけで、その意味において、ポルシェのEVに対する本気度が伝わってくるわけです。 それでは、今回ワールドプレミアが開催されたポルシェの新型EVであるマカンエレクトリックについて、とくに気になるEV性能についてを確認していきたいと思います。 まず初めにグレード設定については2種類、マカン4とマカンターボをラインアップしています。どちらも同じく、前後にふたつの永久磁石同期モーターを搭載したAWDシステムを採用、搭載バッテリーについても、グロスで100kWh、ネットで96kWhのバッテリーを搭載しています。 満充電あたりの航続距離については、欧州WLTCモードにおいて最大613kmという航続距離を実現しています。他方で、今回のマカンに限らずEV全般で気をつけるべきは、その装着タイヤによってEVの航続距離はかなり変わってくるという点です。 マカンエレクトリックは、20インチから22インチを装着可能であるものの、22インチの場合、リヤ側は295/35R22と極太タイヤになることによって電費性能は悪化します。なんと22インチ装着の場合の航続距離は516kmと、20インチと比較しても100kmほど変わってくることから、航続距離や電費性能を気にする方は、装着タイヤのサイズをどれにするのかに関してを、デザイン性以外でも気にしたほうがいいと思います。 また、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいてもっとも信用に値するEPAサイクルベースの航続距離はまだ公開されていないものの、おそらく最長で500km弱を実現見込みであることから、とくに日本でマカンエレクトリックを購入検討されている方は、この最大500km弱程度という数値を、高速走行の際のマックスの航続距離とイメージしておくのがベターかと思います。 次に、充電性能に関して、マカンエレクトリックはタイカンと同様に最大270kWの充電出力に対応、充電残量80%まで21分間で充電を完了できるとしています。 このマカンの充電性能について特筆すべきは、バッテリーのプレコンディショニング機能を搭載していることで、ベストコンディションと説明している、バッテリー温度20〜25度に自動的に温度を調整することが可能となり、急速充電時間の最速化を実現します。 また、今回のマカンに搭載される800Vシステムのバッテリーパックについては、バンク充電システムを採用している点も注目です。仮に400V対応の急速充電器で充電を行った場合、バッテリーパックの片側半分が充電されることで、最大135kWという充電出力を許容可能となります。 これまでのタイカンであれば、800V対応の急速充電器で充電する場合は、別途DC-DCコンバーターを搭載することで、800Vへと昇圧を行なっていましたが、バンク充電システムを採用し、片側のバッテリーを使い分けることで、より効率的な800Vシステムへの対応が可能となったわけです。 そしてなんといっても、このポルシェについてもっとも特筆するべきは、日本国内にも独自の急速充電ネットワークが存在するという点です。 ポルシェ正規ディーラーとともに、アウディとフォルクスワーゲンの販売店に設置しているPCA(Premium Charging Alliance)の最大150kW級急速充電器を、全国24時間365日利用することが可能であり、実際に私自身もアウディRS e-tron GTで、PCAの充電ネットワークを使用しながら長距離走行テストを行いましたが、やはり24時間365日使用可能という点は非常に安心感がありました。 いずれにしても、この日本国内でマカンエレクトリックを購入するという際は、非常に大きな強みになるといえるでしょう。

TAG: #MACAN #PORSCHE #SUV #モデルチェンジ
TEXT:TET 編集部
EVなのにエキゾーストが響き渡る! ゲキ辛ホットハッチ「ヒョンデ5N」に乗ったら感動の嵐

日本上陸間近のアイオニック5Nに乗った 2022年に日本に再上陸し、ネッソとアイオニック5を皮切りに、2023年下半期にはKONAの導入を開始した韓国自動車メーカーのヒョンデ。そんな同メーカーが、次に導入を控えているのが「N」の名が付くアイオニック5Nだ。そもそも「N」というブランドは、ヒョンデが参戦中のWRCなどにおける、モータースポーツの分野で培った要素や技術を、量産車に反映させている。BMWの「M」やメルセデス・ベンツの「AMG」のような立ち位置と考えてもらえると、イメージがわきやすいだろう。 今回試乗したアイオニック5Nは、「Nブランドとしては初となるBEVモデルで、ベースモデルより全高を20mm下げ、全幅は50mm拡大している。フロントに166kW、リヤには282kWのモーターを搭載し、システム最高出力は609馬力。さらに、ブーストモードが備わっているのも特徴で、使用時の最高出力は650馬力を発揮するため、じつに驚異のスペックの持ち主なのだ。 試乗会場は愛知県にあるスパ西浦モーターパーク。まずはノーマルモードで数周走行を行った。正直なところ、ノーマルでも十分すぎるくらい速い。“新世代の電動ホットハッチ”。そんなキャッチがふさわしいモデルであることを実感した。 だが、驚くのはまだ早い。なんとステアリングホイールの下にある「N」ボタンを押すことで、車内には勇ましいエンジンサウンドが響き渡り、キャラクターが激変したのだ。なぜBEVなのにサウンドが出るのか。その答えは「Nアクティブサウンド」と呼ばれるシステムによるもので、車内に6個、車外に2個のスピーカーが備わっており、そこから出た音だったのだ。せっかくのBEVなのにわざわざ音を出す必要があるのか。そんな意見があるかもしれないが、車内に響きわたるサウンドは極めて自然。好みはあるかもしれないけれど、間違いなく気分は上がる。 さらに、ステアリングにはパドルシフトが装着されているのだが、使用することでサウンドとともに変速を行ってくれる。これはサウンドと同様に、8速DCTをシミュレートしたシステムが搭載されているからで、その完成度の高さには驚きを隠せなかった。 結果、アイオニック5Nは、いままで試乗したBEVモデルとはまったくキャラクターが異なっている。BEVモデルの運転なんてつまらないと思っているドライバーの方にはぜひ一度試乗していただいて、アイオニック5Nの刺激的な走りを味わってみてほしいと思う。 なお、アイオニック5Nは、1月12日 (金)から開幕する東京オートサロンのヒョンデブースにも展示される予定。気になる方は、ヒョンデブースに足を運んでみてほしい!

TAG: #SUV #スポーツ #輸入車 #韓国
TEXT:TET 編集部
シトロエンC5 Xに専用の内外装色で演出された特別仕様車「ヒプノスプラグインハイブリッド」が登場

シトロエンのフラッグシップに特別仕様車 ほかのどのブランドとも異なる独特なスタイリングで存在感を放つシトロエン。なかでもクロスオーバーSUVのC5 Xは、セダンとステーションワゴンとSUVそれぞれの強みを組み合わせた独創的なクーペスタイルのフォルムで、新世代サルーンとして好評を博している。 そんなシトロエンC5 Xに、新しいボディカラーと内装を設定した特別仕様車の「C5 Xヒプノスプラグインハイブリッド」が追加された。C5 Xヒプノスプラグインハイブリッドは、通常モデルでは設定されていないブルーエクリプスとグリプラチナムの落ち着いたボディカラーにベージュ基調の明るい内装を採用する。 エクステリアでは、フェンダーおよびリヤサイドに施された赤いアクセントバッジや、精悍さを引き立たせるダークコーティングを施した専用ホイールが特別仕様車ならでは。 インテリアでは、コンビネーションシートやドアトリム、センターコンソール部分にベージュを使用することで、車内に統一感をもたらしている。さらにダッシュボードには、通常モデルとは異なる木目がらを採用し、むくもりのある落ち着いた雰囲気を演出。フロアマットには同特別仕様車ならではの「HYPNOS」ロゴがあしらわれる。 シトロエンC5 Xヒプノスプラグインハイブリッドの価格は682万円。 なお、全国のシトロエン世紀ディーラーでは、2024年1月13・14日の両日、「C5 Xヒプノスプラグインハイブリッド・デビューフェア」を開催する。Webでお申込みのうえ期間中にC5 Xをご成約いただいた方に、C5 Xのインテリアと同じシェブロンモチーフの紋様をあしらったオリジナルアンブレラがプレゼントされる。 この機会にシトロエンの正規ディーラーを訪れてみればいかがだろうか。

TAG: #CITROEN #SUV #特別仕様車 #輸入車
TEXT:TET 編集部
レンジローバー初のEVモデルが登場! ティーザー画像と動画を公開

もっとも静かで洗練されたレンジローバーを開発 2023年12月13日(現地時間)、ランドローバーは、レンジローバー初となる電気自動車モデル「レンジローバーエレクトリック」のティーザー画像および動画を公開。 同時に「レンジローバーエレクトリック」の予約を優先的に案内するプライオリティアクセスの登録サイトをオープンした。 「レンジローバー エレクトリック」は、極端な温度環境、あらゆる気候条件、どんな地形にも対応する走破能力、850mmの渡河水深を確保すべく、現在、プロトタイプを使ってテストを行なっているという。 エンジニアたちは、史上もっとも静かで洗練されたレンジローバーを開発するという目標を掲げ、独自のアクティブ・ロードノイズ・キャンセリング・システムとサウンドデザインに加え、モダンラグジュアリーを体現するEVならではの静穏で快適なキャビンを実現。 800Vのアーキテクチャーを採用し、公共充電ネットワークでの急速充電に対応する(欧州仕様)。 また、簡単な充電、エネルギーパートナーシップ、無線通信でソフトウェアのアップデートができるSoftware-Over-The-Air(SOTA)、航続距離を最大化する技術などシームレスなEVエクスペリエンスを提供。 レンジローバーの模範的なデザインを踏襲しながら、EVモデルならではの先進的なルックスを実現している。ぜひティーザー動画で確認してほしい!

TAG: #EV #SUV #エレクトリック #レンジローバー #電気自動車
TEXT:TET 編集部
ヒョンデIONIQ 5のロボットタクシーが新イノベーションセンターで生産開始

ヒョンデとMotionalが全電気式ロボタクシーを共同開発 2023年11月21日、Hyundai Motor Groupと世界的な自律走行技術のリーダーであるMotionalは、Hyundai Motor Groupイノベーションセンターシンガポール(HMGICS)の開所を祝うとともに、ヒョンデとMotionalが共同開発した全電気式ロボットタクシー「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」が新センターで生産されることを発表した。 IONIQ 5は2024年から米国で、Motionalの商業サービスの一環として配備される予定だ。 また両社は、IONIQ 5が米国連邦自動車安全基準(FMVSS)の認定を受けた最初のSAEレベル4自律走行車(AV)のひとつであることを明らかにした。Motionalの社長兼最高経営責任者カール・アイアグネマは「今回の認証取得は、同車の極めて徹底した開発・試験プログラム、安全性と信頼性、そして高度な自律走行技術を証明するものです」とコメントした。 さらに、「HMGICSは輸送革新のビジョン」と述べ、「この施設でIONIQ 5が生産されることを大変誇りに思うと同時に、史上初のFMVSS認定自律走行車を世界に紹介できることを楽しみにしています。厳しい連邦安全基準を満たし、大量商業化の準備が整った業界をリードするロボタクシーを開発できたのは、ヒョンデとの協力関係の賜物です」と強調。 IONIQ 5の開発から生産までを実現したHMGICSの役割について、同センターの最高経営責任者 Hong Bum Jung(ジョン・ホンボム)は「HMGICSは、Hyundai Motor Group初のグローバル・イノベーション・ハブであり、未来のモビリティのための世界的な実証試験施設です。当センターの使命は、先進的で多様な形態の未来型モビリティ・ソリューションを開発・生産することで、モビリティ・バリューチェーンを変革することです。Motionalとの協業によるIONIQ 5の生産を開始することで、モビリティの未来におけるパラダイムシフトの最前線に立つことを志し、継続的なイノベーションの旅に乗り出す所存です」と話した。 IONIQ 5は商業生産に入り、初期モデルはすでにMotionalの米国施設に納車された。これらのEV車は2024年の商業サービス開始に向けて、Motionalの厳格な試験および安全性検証過程を経ている。

TAG: #EVロボスイーパー #SUV #ヒョンデ

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