#SUV
TEXT:小川フミオ
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの

ボルボ初のコンパクトBEV(バッテリー駆動のピュアEV)「EX30」が好評だ。シンプル&モダンなデザインに、コンパクトなサイズ、スムーズで扱いやすい。このモデルは、2025年までに新車販売台数の50%をBEVへと掲げるボルボにとっての戦略が秘められている。テクニカルリーダーに、小川フミオが訊き出す。 初のコンパクトBEVは、フレキシブルなプラットフォームで EX30は、ボルボが初めてゼロから手がけるBEV専用モデル。乗ると、スムーズで、扱いやすいサイズ感でもって、印象がよい。 もうひとつ、EX30の特徴として挙げられるのが、プラットフォーム。「サステナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー(SAE)」と名づけられており、ジーリー(Geely)との共同開発だ。 EX30の”姉妹”車は、ジーリーの新エネルギー車プレミアムブランドZeekrの「X」と、ジーリーがダイムラー(現メルセデス・ベンツ)と合弁で設立したスマートの「#1」。すべてBEV。 といっても、フレキシブルプラットフォームなので、ホイールベースなど異なる。基本プラットフォームが完成したあとは、ボルボはスウェーデン・ヨーテボリの自社でEX30を完成させた。 ボルボはどんなふうに独自のEVを作りあげたかったのか。 EX30の”味付け”を担当したのは、動的性能におけるテクニカルリーダーの肩書きをもつベテラン、エグベルト・バッカー(Egbert Bakker)氏。 2023年10月、EX30の国際試乗会が開催されたスペイン・バルセロナで、あまり表に出てこない開発ストーリーを聞いたのが、このインタビューである。 39年間ボルボを見渡し、Nedcarの共同開発も経験してきた ーー最初に、経歴について少し教えていただけますか。ボルボ・カーが用意したあなたの経歴をみると、さまざまなモデルにかかわっていらっしゃいますね。 「なにしろ39年間、ボルボで働いていますから。私はオランダ人で、デルフト工科大学を卒業したあと、1984年にヨーテボリのボルボ本社で働きはじめました。10年間、そこにいてから、オランダへ移り、三菱自動車との共同開発プロジェクトであるネッドカー Nedcarで、「S40」と「V40」(三菱版は「カリスマ」として95年から2004年にかけて生産)の開発に携わりました。本社に戻ってからは、フォード、マツダ、ジャガー、ランドローバー、それにピニンファリーナの仕事を手掛けていました」 ーーフォード・モーターカンパニーが1999年に、高級自動車ブランドを束ねて1999年に作ったPAG(プレミアオートモーティブグループ)ですね。ほかにアストンマーティンやリンカーン、マーキュリーなどが入っていて、ボルボも参加していましたね。 「私は、『850』(1991年)にはじまり、『V70』(96年)、『C70』(97年)、『S80』(98年)などにかかわってきました。いまはジーリーとの協業を担当しています」 EX30を起点にして、ラインナップが広がっていく ーー開発については、最初、プラットフォームの計画があって、それがほぼ完成してから、ボルボではそこからEX30というコンパクトなクルマを作ろうと決めたという説もあります。つまり当初は、コンパクトなBEVなんて、中長期計画に入っていなかったとか。 「そんなことないですよ。当初からEX30になるコンパクトBEVのベースを共同開発しようというプロジェクトでした。ジーリーが基本プラットフォームとサスペンションシステムを開発することが決まっていたので、私たちは、自分たちが欲しいスペックスを渡しました。それが2年半前です。そして、出来上がったものを、ヨーテボリに引き上げたのが1年半前でした」 ーーボルボではBEVはリアエンジンで後輪駆動が基本ですね。「XC40 Recharge」や「C40 Recharge」も、2019年の発表時はフロントモーターの前輪駆動でしたが、23年にモーター搭載位置をリアに移すとともに駆動方式も変更するという大胆な変更を行いました。 「ひとことで言うとパワーのためです。前輪駆動ではもちこたえられない、という判断です。XC40などはこのとき、いまのEX30や(これから発売される)『EX90』と共通の、パワフルで航続距離も長いモーターに変更しました。パワフルなモーターは後輪駆動でないと。ツインモーターは、これに加えて、ちょっと小さなモーターをフロントにも追加した仕様です」 ーージーリーのZeekr Xには、315kWバージョンがあって、静止から時速100キロまでを3秒で加速する、史上最速のコンパクトカーと標榜しているようです。EX30にも、同様のモデルが追加されますか。 「(笑)それはここでは言えません。出るか出ないか。もし出るとしたら、あなたたちジャーナリストが、まっさきにそのニュースを知ることになるでしょう。いまはそれしか言えません」 派生車種についていうと、次は「クロスカントリー」が予定されている(これは決定ずみ)。EX30はさまざまな可能性を秘めた車種なのだ。 <Vol.2へ続く>

TAG: #EX30 #SUV #ボルボ
TEXT:加藤ヒロト
中国車が世界を席巻する理由:何をもって「先進」か? 中国車の優位性を考える①

2022年の自動車総生産台数は約2,700万台で世界首位。新車販売に占めるEV比率は20%に達した。今や中国が世界の自動車業界を牽引していると言っても過言ではない状況だ。その理由について、中国自動車業界に精通する加藤ヒロト氏にレポートしてもらった。 中国で高評価される「先進性」はEVとのマッチングが良い? 中国メーカーのクルマを評価するポイントのひとつとして、よく「先進性」という言葉が用いられる。非常に曖昧なこの表現は人によって解釈が分かれるものだし、私もできれば使いたくない。だが、実際に中国の消費者、とりわけ90年代以降に生まれた「90後」や00年代以降に生まれた「00後」はクルマを選ぶポイントのひとつとして「先進性」を重視しているという。 もちろんメーカー側が消費者にそういう提案をしているからとも言えるし、「卵が先かニワトリが先か」ジレンマの一例に例えられるかもしれない。とはいえ、実際問題として昔からある日本や欧州、米国のメーカーが中国メーカーに遅れを取り、販売台数でも圧倒されているのは事実だ。その要因のひとつに、多くの人は「先進性の違い」を挙げている。 最近の中国車を見てみると、インテリアはたくさんのディスプレイに溢れている。日本車や欧州車でも最近はインストルメントパネルのディスプレイ化、そしてセンターディスプレイの搭載はもはや当たり前となっている。 だが、中国メーカーはそれだけで飽き足らず、「助手席用ディスプレイ」がデファクトスタンダードになりつつある。そしてこれはBEVやPHEVなどの新エネルギー車だけでなく、通常のガソリン車やHEVでも見られる風潮だ。助手席用ディスプレイの形式はさまざまで、運転席側ディスプレイからセンターディスプレイを介して継ぎ目のない一枚の画面にしているメーカーもいれば、助手席側のサンバイザーにディスプレイを埋め込むスタイルも見られる。 ディーパルS7に見る中国の「理想像」 長安汽車が2022年に立ち上げた電動ブランド「ディーパル(深藍)」のSUV「S7」に試乗した際も、最初は助手席用ディスプレイが見当たらなかったので不思議に思っていたのだが……。サンバイザーを下ろしたら12.3インチディスプレイが出現して度肝を抜かれた記憶がある。 ディーパル S7では最下位グレードを除く全グレードでオプション装備として設定しており、これが装備されないと内装のディスプレイは15.6インチのセンターディスプレイのみとなる。運転席側に位置するディスプレイは元から存在せず、通常のクルマではメーター周りに表示されていた速度や警告灯、車両状態はセンターディスプレイ左側に表示する形式となる。 これ以外にも、「左前の窓を開けて音楽を再生して」といった複数のコマンドに対応できる音声認識機能や、手で作るジェスチャーでメディアの操作や車内の写真撮影など、いかに車内で過ごす時間を充実させられるかにメーカーは重点を置いている。 この傾向は日本や欧州、米国といった昔ながらの市場で想定されるクルマの「理想像」とは大きく異なるもので、これこそが日米欧メーカーが中国メーカーに遅れを取っている一因と言われている。見方を変えれば、中国はクルマを所有できるようになってまだ日が浅く、自家用車に対する消費者の眼もまだ成熟していないことの証左でもある。 そのため、「ディスプレイだらけの内装」「音声やジェスチャーコマンド」といった「スマートフォンの延長線上」のようなわかりやすい要素でクルマを判断してしまうのだ。乗り心地やハンドリング、ブレーキタッチ、そして長期的なアフターサポートや伝統的なブランドイメージや信頼性などは二の次で、ある意味「玩具」「ガジェット」みたいなクルマが好まれる傾向にある。

TAG: #SUV #ディーパル #中国車
TEXT:生方 聡
メルセデス・ベンツが「コンセプトEQG」をジャパンプレミア

メルセデス・ベンツ日本は、10月28日に一般公開が始まる「ジャパンモビリティショー」で「コンセプトEQG」を日本初公開するとともに、最新の電動化モデルを展示する。 メルセデスがジャパンモビリティショーに出展する理由は? ジャパンモビリティショーに出展している輸入乗用車ブランドで、独自のブースを構えているのは「BMW」「BYD」、そして、「メルセデス・ベンツ」の3つだけ。 「2019年の東京モーターショーから今日にいたるまで、世界中でさまざまな環境の変化がありました。自動車業界も大きな変革期のなかで困難がありましたが、こうしてジャパンモビリティショーが開催されることは大変喜ばしいことであり、弊社としては自動車はやはり実際に見ていただくことが大事であると考え、このジャパンモビリティショーでひとりでも多くの方にメルセデス・ベンツに触れてもらいたいという思いから、今回出展しました」と、社長の上野金太郎氏は語る。 今回の同社のブースは「電動化」「デジタル化」「サステナビリティ」をテーマに、展示モデルはすべて電動化モデルとし、また、ブース全体を“空間オーディオ”で包み込む演出としている。展示車両には“ワールドプレミア”こそないものの、日本でもカリスマ的人気を誇る「Gクラス」のEV版である「コンセプトEQG」を日本初公開(ジャパンプレミア)しており、ショーの会期中には注目を集めそうだ。 このコンセプトEQGは今年9月に開催されたIAA(ミュンヘンモーターショー)で公開されたもので、圧倒的な存在感を示すGクラスのイメージを受け継ぎながら、EVならではの要素を加えることでその個性を際だたせている。たとえば、コンセプトEQGのフロントマスクは、ラジエターグリルに代えてスリーポインテッドスターが配されたブラックパネルを採用。周囲を縁取る照明に加えて、ドアミラーカバーに白く光るサークルや、ボディサイドのライトストリップが、エンジン車との違いを明確にしている。

TAG: #SUV #コンセプトEQG #メルセデス・ベンツ
BYDドルフィンのフロントビュー
TEXT:小川フミオ
BYD「ドルフィン」は日本製EVの脅威となるか。中国発の最新コンパクトハッチに国内試乗

コンパクトSUV「ATTO 3」を携えて、いよいよ本年日本での本格展開をスタートしたBYD。彼らが送り込む第2のモデルが、コンパクトハッチバックタイプの「ドルフィン」だ。2023年9月20日より販売を開始する小さな“刺客”は、いかなる実力を備えているのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオがいち早くプロトタイプに試乗した。価格に関する記事はこちら。 フォルクスワーゲン ゴルフに近いサイズ感 BYDが「ドルフィン」なるBEVハッチバックを、2023年9月20日から日本で発売する。このリポートはひと足先に「プロトタイプ」(発売前のモデルをそう呼ぶこともある)に試乗してのものだ。 ひとことで乗った感想を書くと、驚いた。驚いただけでは、やっぱり、短すぎる。驚いた理由は、期待以上によく出来ていたからだ。快適で、操縦性が高く、利便性も高そうだ。 ドルフィンは、全長4290mm、全幅1770mm、全高1550mm。近い数値のクルマを探すと、フォルクスワーゲン・ゴルフが全長4295mm、全幅1790mm、全高1475mmだ。 ゴルフと比較すると明確にわかるのは、ドルフィンは全高が高く、ハッチバックというよりSUV的な、いわゆるクロスオーバー車型であることだ。 電気モーターをフロントに搭載した前輪駆動方式で、ドライブトレインがコンパクトにできるBEVゆえパッケージングに秀でており、ホイールベースはゴルフより80mm長く2700mmもある。 BYD車は、駆動モーター、トランスミッション、DC-DCコンバーター、モーターコントロールユニット、車両コントロールユニット、オンボードチャージャー、バッテリーマネージメントシステム、高圧配電モジュールをまとめた「8-in-1電動パワートレインシステム」を採用。そのメリットとして、メーカーでは「重量は15%、体積は20%低減し、空間効率の最大化を実現」したとしている。 「e-プラットフォーム3.0」と呼ばれるシャシーに、BYDが独自開発したブレードバッテリーという薄いセルを集めたバッテリーパックを敷き詰めるようにして搭載。 ブレードバッテリーは、熱安定性の高いリン酸鉄リチウムを使っていて、「熱安定性の問題を解決している」と、BYD。 ちなみに、2023年1月に日本導入された初のBYDモデルである「ATTO 3」は、全長が4455mm、全高が1615mm、ホイールベースが2720mmと、ドルフィンより大きい。 ドルフィンのメリットは、数値からわかるとおり、よりパッケージングの効率がいいことと、立体式駐車場にも入れられるところにある。シャークアンテナの形状を変更して、1550mmに全高を抑えているそうだ。

TAG: #BYD #SUV #コンパクトカー
TEXT:TET 編集部
新モデル「iX1 eDrive20」がBMWのEVに追加。実質500万円前後で購入可能かも?

独BMWは9月5日、バッテリー電気自動車(BEV)である「iX1」に、新グレード「iX1 eDrive20」を設定し、発表した。 BMWの新たな電動エントリーSUV BMWがSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶSUVシリーズのうち、最もサイズの小さい「X1」をベースに、パワートレーンを電動化した「iX1」。今年2月にフルモデルチェンジした同モデルに、お手頃な新グレード「iX1 eDrive20」が追加された。 全長4,500mm×全幅1,835mm×全高1,620mmというボディサイズは、都市生活者にもピッタリのサイズ感だったが、従来のグレード構成は、前後ツインモーターのAWDパワートレインが最高出力272psを発揮する「iX1 xDrive30」のみ。スタート価格はBMWのBEVの中では最も安価ではあったものの、698万円となかなかの高額となっていた。 こうした状況のなか、よりリーズナブルなEVを求める人に朗報となるのが、今回本国で発表されたeDrive20だ。パワートレーンは204hp(約207ps)を発揮するシングルモーターによるFWD。xDrive30に比べると2割程パワーで及ばないが、0-100km/h加速は8.6秒、最高速度は170km/h(リミッター作動)と、街乗りには十分なスペックを確保している。駆動方式も頻繁にスキー等のレジャーへ出かけるのでなければ、FWDで必要十分と考える人もいるだろう。 eDrive20のフロアに搭載されるバッテリーの容量は64.7kWh。日本仕様のxDrive30が66.5kWhであるのに対し、若干小さい容量となるが、その差は微々たるもの。また、eDrive20の航続距離(WLTP暫定値)は、最大475kmとアナウンスされており、日本仕様のxDrive30(最大465km)よりも若干伸びている。基準等の差異による影響はあるにしても、xDrive30とeDrive20はほぼ同程度の航続距離と考えていいだろう。 >>>次ページ 車両価格は約600万円。補助金を利用できるとすれば……

TAG: #iX1 #SUV #ニューモデル
TEXT:小川フミオ
「EQE SUV」が日本発表! 取り回し良し、使い勝手良し、スタイリング良しのBEV SUV

スタイリングはいい意味で“フツウ” メルセデス・ベンツが手がける「EQE SUV」は、余裕あるサイズのSUVタイプのBEV。2023年8月25日に日本で発表・発売された。 特徴について「リアアクスルステアリングによって、最小回転半径は4.8メートルと、よりコンパクトなクルマなみの扱いやすさ。日本の道路事情によく合ったサイズです」 発表会場で登壇した、メルセデス・ベンツ日本営業企画部の上野麻海部長は、上記のように述べて、このモデルへの期待をにじませた。 印象的だったのは、スタイリングだ。いい意味で“フツウ”。奇をてらわないデザインだ。 「メルセデスの革新的な美しさと、伝統的なSUVデザインをみごとに融合したエクステリアには、新世代のダイナミズムとメルセデスならではのエレガンスが息づいています」 上野部長は、同時にお披露目された「EQE350 4MATIC SUV」と、高性能の「メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUV」の前に立ち、デザイン的な特徴について簡潔にまとめた。 メルセデス・ベンツが「ブラックパネルユニット」と名付けた、ICEならフロントグリルに相当する、独自の黒色のパネルがユニークだ。マスクのようにも見えるパネルの裏にはカメラをはじめセンシングユニットが収められている。 上記2モデルは、フロントマスクも差異化されている。 「AMGライン」エクステリアが標準となるEQE350 SUV のフロントバンパーは、「Aウイング・デザイン」とメーカーから呼ばれるテーマが採用されている。左右エアインテークとフリックを拡大。さらに下部にクロームトリムをアクセントに配したのが特徴だ。 EQE53 4MATIC+ SUVは、よりスポーティ。左右一文字のLEDによる「ライトバンド」がまず目をひく。ブラックパネルは、AMGバッジをもつ専用縦型。Aウイングは、ハイグロスブラックタイプとなる。 電気自動車専用プラットフォームならではのインテリア 室内は、デジタライゼーションがあらゆるところにほどこされている。代表的な装備は「MBUXハイパースクリーン」。コックピットディスプレイ、有機ELメディアディスプレイ、助手席用有機ELフロントディスプレイあをわせて3枚の高精細パネルを1枚のガラスで覆った「ワイドスクリーン」採用だ。 おもしろいのは、センターコンソールのデザイン。前部はダッシュボードにつながって、いっぽう下側は宙に浮いたような形状としている。 「これは、電気自動車専用プラットフォームの採用により、従来のようなセンタートンネルが必要なくなったことを視覚的に示しています」と、プレス向け資料ではBEVの要素がデザインに取り込まれたと説明している。 もうひとつのデジタライゼーションは、メーターディスプレイ。走行モードなどで変更可能だ。 EQE 350 SUV では、「スポーティ」「クラシック」「ジェントル」「ナビゲーション」「アシスト」「サービス」「Offroad」の7 つ。 EQE53 4MATIC+ SUVのばあい「TRACK PAC」「Supersport」「クラシック」「ジェントル」「ナビゲーション」「アシスト」「サービス」「Offroad」の8つとなる。 上記といちぶが重なるドライブトレインの設定(EQE 350 SUVでは、「Comfort 」「Sports」「ECO」「Individual 」「Offroad」)で、パワートレイン、ESP、サスペンション、ステアリングの特性変更が選べる。 日本ではまず「ローンチエディション」が発売される。 「EQE 350 SUVローンチエディション」は、1369万7000円で、デリバリーは発表日と同日から。「EQE53 4MATIC+ SUVローンチエディション」は1707万円で、デリバリーは10月からと、メルセデス・ベンツ日本ではしている。 <了>

TAG: #EQE SUV #SUV #メルセデス・ベンツ
TEXT:烏山 大輔
ロータスの電動SUV「エレトレ」が日本上陸!価格は2,332万円から、年内に500台の受注目標

ロータスの日本における代理店エルシーアイは9月1日、同ブランド初のSUVかつBEV(バッテリー電気自動車)の「エレトレ」を日本で初披露した。 素のエレトレは後日発表 「エレトレ」には、エレトレ、エレトレS、エレトレRの3つのグレードがあるが、今回導入されたのはエレトレS(2,332万円)とエレトレR(2,585万円)だ。 「素のエレトレ」は、価格やスペックも含めて今後発表される。 3グレードともに前後にモーターを搭載したAWDで、エレトレとエレトレSは450kW(612ps)/710Nm、0-100km/h加速4.5秒、最高速度258km/h、航続距離600km(WLTP)というスペックだ。 エレトレRは、675kW(918ps)/985Nm、0-100km/h加速2.95秒、最高速度265km/h、航続距離490km(同)の性能を誇る。 6月17日に開始した予約販売開始以来、これまでに約100台を受注している。さらに年末までに合計500台と意欲的な受注目標に掲げている、と関係者から話を聞くことができた。納車は来年の夏以降を予定している。

TAG: #SUV #エレトレ #ロータス
TEXT:小川フミオ
メルセデス・ベンツ「EQE SUV」を発売!BEV7車種目は、日本の道路事情に合ったサイズとAMGモデルを設定

メルセデス・ベンツ日本は、8月25日にSUVタイプのBEV「EQE SUV」を発売した。「EQE350 4MATIC SUV」「メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUV」の2モデルを投入。 EQE SUVにはAMGモデルを設定 メルセデス・ベンツが手がけるSUVタイプのBEV「EQE SUV」が、2023年8月25日に国内発売された。500キロを超える巡航距離、AMGモデルの設定、V2H給電システムの採用と、特徴の多いモデルだ。 これで、BEVは7台目になるので、たいしたいきおいだ。「日本市場の可能性は大きい」と、東京都内の大きなホテルの発表会の席上で、来日したメルセデス・ベンツ・グループのオラ・ケレニアス取締役会会長は語っている。 日本に導入されるEQE SUVは、2モデル。「EQE350 4MATIC SUV」と、高性能版の「メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUV」だ。 EQE SUVは、2022年9月に日本導入されたBEVのセダン「EQE」と基本プラットフォームを共用。さらにセグメントではより上級のEQS SUVとも同じプラットフォームを使う。 EQS SUVとの差異は、サイズと走行距離。EQS450 4MATIC SUVと比較した場合、全長4,880ミリのEQE SUVはマイナス250ミリとなる。 航続距離では、528キロのEQE SUVはマイナス65キロというぐあい。いっぽう、メルセデスAMGによる高性能モデルの設定はEQEのみだ。 ボディサイズは、EQE350 4MATIC SUVの場合、全長4,880ミリ、全幅2,030ミリ。さきにEQS SUVよりコンパクトとしたが、それでもじゅうぶん余裕あるサイズだ。   シームレスデザインでCD値0.25 EQE SUVにおけるパワートレインのレイアウトは、メルセデス・ベンツ仕様も、メルセデスAMG仕様もともに、2基のモーターを使い、全輪駆動と共通。 前後アクスルに「eATS」なる電動パワートレインを搭載。三相の巻線を2つ備える六相式により「きわめて強力」(メルセデス・ベンツ)と謳われる電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)を採用。ACモーターのローターに永久磁石を採用しているため、ローターに通電の必要がないというのも特徴といえる。 ユニークなのは、ICEでいえば燃料消費率に相当する一充電あたりの走行距離を長くするための工夫。 前記「eATS」にディスコネクトユニットなる機構を組み込んでいる。低負荷時にフロントモーターをクラッチを用いて切り離すことで、走行抵抗を低減するというもの。 CD値0.25という極端に低い空気抵抗値のボディデザインも”省エネ”対策といえる。ボディは各パネル間のギャップを可能なかぎり埋めるという凝った設計で、格納式ドアハンドルなどとともに、質感と空力に大きな影響をもたらしているはず。 EQE350 4MATIC SUVは、システム最高出力215kW、システム最大トルク765Nm。駆動用バッテリーは、リチウムイオンタイプで、容量は89kWhと大きい。 メルセデスAMG EQE53 4MATIC+ SUVは、よりスポーティだ。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は90.6kWhに上がる。が、8月25日の発表段階では、「まだ認証がおりていない」と、日本仕様における最高出力と最大トルク、それに走行距離は未発表。 サスペンション形式は、フロントが4リンク、リアがマルチリンク式。連続可変ダンパーとエアサスを組み合わせた「AIRMATIC」が標準装備となる。 AMG EQE53 4MATIC+ SUVでは、さらに専用装備として、前後にアンチロールバーをそなえ、さらに、走行状況に応じて結合あるいは切り離しを電子制御する「AMGアクティブライドコントロール」が組み合わせられる。     […]

TAG: #EQE SUV #SUV #メルセデスベンツ
TEXT:生方 聡
「iX」は走りも上質 プレミアムSUVと呼ぶにふさわしい出来映え [BMW iX試乗記]

CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を組み込んだ軽量構造ボディや4輪アダプティブエアサスペンションを標準装着する「iX」の走りをチェック。プレミアムSUVとしての実力は? 軽量化と低重心が生み出す極上の走り BMWが新しい「テクノロジー・フラッグシップ」と謳うiXには、最新のテクノロジーが惜しみなく投入されている。たとえば、高張力鋼板とアルミニウム、CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を組み合わせた軽量構造ボディもそのひとつで、軽量化と高いボディ剛性を両立しているという。とはいえ、111.5kWhの大容量バッテリーを搭載するiX xDrive50の車両重量は2,560kgに及び、BMW自慢の“駆けぬける歓び”とはほど遠い走りを予想していたのだが……。 実際にクルマを走らせてみると、iXは動き出しが軽く、重量級であることをすぐに意識しなくなった。しかも、コーナーでは低重心のデザインと4輪アダプティブエアサスペンションにより、SUVに付きもののロールやピッチングはきっちりと抑え込まれ、安定しきった姿勢のまま、思いどおりに向きを変えるスポーティさはまさに駆けぬける歓びである。 一方、乗り心地はプレミアムSUVにふさわしい快適なもの。高速走行時により引き締まった乗り心地を望むならスポーティな設定を選ぶこともできるが、それでも乗り心地が損なわれることはなく、しなやかにボディの動きをコントロールする巧みさには感心するばかりだ。 テクノロジー・フラッグシップのiXだけに、運転支援システムの充実もうれしいところ。高速道路の渋滞時、速度が60km/hを下回ったところで、ステアリングホイールから手が放せる「ハンズオフ・アシスト」は完成度も高く、渋滞のストレスが格段に低減。利用できる速度の上限がさらに上がると文句なしである。

TAG: #BMW #iX #SUV
TEXT:生方 聡
速いだけじゃない! BMW iXの知的な回生ブレーキにも注目だ! [BMW iX試乗記]

システム最高出力523psを誇る「BMW iX xDrive50」。その加速は想像以上だった! アクセルひとつで高級車にもスポーツカーにも スタートボタンを押す儀式が省かれたEVが増えるなか、このiXはキラキラと輝くクリスタル製のスイッチを操作してはじめて走行可能な状態になる。やはりクリスタルのシフトレバーでDレンジを選んでブレーキペダルを緩めると、iXはゆっくりとクリープを始めた。 まずは様子見でアクセルペダルを軽く踏んでみると、iX xDrive50は余裕ある加速を見せ、2,560kgの車両重量が嘘のように思えるほどである。しかも動きは滑らかで、走り出した瞬間からiXの高級車としての資質を思い知らされた。 一般道でも高速道路でも、アクセルペダルを深く踏み踏み込む必要はなく、たいていのシーンではパワーメーターの表示上せいぜい25%程度で、加速は事足りてしまう。しかも、アクセルペダル操作に対してモーターは瞬時に反応し、即座にスピードを上げるiXは、ストレスとは無縁である。 アプローチが短い高速の合流などの場面で、アクセルペダルに載せた右足に力をこめると、圧倒的な加速に襲われる。その際、キャビンに響くブーンという効果音がなんとも未来的だ。iX xDrive50のパフォーマンスはスポーツカー顔負けといえるが、その実力を解き放つ機会がなかなかないというのが悩ましいところである。

TAG: #BMW #iX #SUV

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