日本と中国で進める次世代CHAdeMO は最大900kWを想定 東京での公道レースが話題となったフォーミュラEでは、2025年より「ピットブースト」なる要素が加わっている。その内容は、レース中に34秒間のピットストップを行い、その内の30秒間で600kWの急速充電を実施するというもの。 日本国内で普及しているCHAdeMO急速充電では最大150kW、テスラ・スーパーチャージャーでも最大250kWといった市販車向け急速充電の出力からすると、フォーミュラEのピットブーストが使う600kWという数字は”超・急速充電”と呼びたくなる。 当然、多くのEVユーザーは「このくらいの大出力で愛車を充電したら、どんなに便利になるだろう」と想像してしまうだろう。 机上の計算でいえば、150kWで30分かかる電力量を、600kWであれば7分半でバッテリーに送り込むことができるからだ。 しかしながら、それは夢物語ではない。じつは、フォーミュラEのピットブーストを超える大出力の急速充電規格は、すでにできあがっていたりする。 それが、日本の誇る急速充電規格CHAdeMOの第三世代となる『ChaoJi 』だ。 じつは現在のCHAdeMO(第二世代)でも、規格上は最大出力400kWが上限となっている。そして、第三世代CHAdeMOとして開発され、日中共通の急速充電規格となるChaoJiでは、最大900kW(1500V×600A)という超高出力が規格の上限となっているのだ。 現実的にいっても、最大500kW超の急速充電をChaoji は考慮している 。数字的にはフォーミュラEピットブーストと同等の急速充電を、誰もが利用できるための次世代規格といえる。 急速充電においてはバッテリーのみならず、充電ケーブルも発熱してしまう。その対策としてChaoJi ではケーブルやコネクタに液冷機能を備えることも規格として決めている。まさに超・急速充電のグローバルスタンダードとなり得る内容なのだ。
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