#急速充電
TEXT:御堀直嗣
ガチのあるある話! 電欠寸前で急速充電器にたどり着いたら故障してた……どうするのが正解?

急速充電器には緊急連絡先が記されている 電気自動車(EV)で遠出をする際の命綱は、経路充電での急速充電器だろう。 たとえば、私が乗る日産サクラの場合、充電量が20%を切ると、「最寄りの充電施設を検索しますか?」と案内される。充電残量が20%を切ったら、そろそろ充電のことを考えはじめるのが無難だろう。 それでも、何らかの事情によって、充電残量がもっと少なくなるまで走ってしまう状況がないとはいえない。さらに、ギリギリで到達した充電器が故障などで使えなかったら、どうすればいいのか? エンジン車でも、ガス欠となった経験のある人はいるはずだ。そういう私も、運転免許証を取得して間もないころ、夜中にガス欠となった経験がある。当時乗っていた中古車の燃料計がずれていて、まだ表示では残っているはずが、じつは燃料切れになっていたのであった。 夜中に一緒に遊びまわっていた友人の知り合いがガソリンスタンドでアルバイトをしているというので連絡し、携行缶にガソリンを入れてもって来てもらい、ことなきを得た。 EVでも、電欠ぎりぎりで充電器にようやく到達するといった場面は、絶対にないとはいい切れない。しかも、頼みの綱の充電器が壊れていたら、どうすればいいのか? 以下は、私の経験ではなく、知人の体験談からである。 それによれば、急速充電器には緊急連絡先の電話番号が記されているので、そこに電話をし、急速充電器が壊れていることを告げると、遠隔操作で再起動できる場合があるとのことだ。そうすれば、通常どおり充電することができる。 ほかに、NEXCO東日本のWEBサイトのQ&Aには、急速充電器に併設している非常用コンセントを使うことができるとある。ただし、この場合は200ボルト(V)での普通充電になると思われ、なおかつ充電ケーブルは自分で用意する必要があるだろう。したがって、充電ケーブルを携行していなければ利用できない懸念は残る。 自宅での基礎充電で充電ケーブルの付いた機器を設置している場合、携行できる充電ケーブルを所持していないこともありえる。 そのうえで、充電ケーブルを携行していても、急速充電を期待していたのに、普通充電での充電ではどれほど時間がかかるかわからない。そこで、多少でも充電できたところで、最寄りの急速充電器を検索し、そこへ移動して残りの充電を行うという二段構えの充電をすればよい。もちろん、二度手間ではあるが、高速道路や有料道路上での充電にこだわらず、一旦、一般道へ降りることを厭わなければ、急速充電器は数キロメートル圏内にみつかるのではないか。

TAG: #急速充電 #急速充電器
TEXT:渡辺陽一郎
EVの急速充電器「50kWと150kW」だと同じ時間の充電量がまったく違う! 時間で料金を支払うなら充電器本体に出力を明記すべきじゃない?

運営側の判断で出力を調節することも 電気自動車やプラグインハイブリッドに充電する充電器には、さまざまな出力がある。充電に時間を要する普通充電の出力は、おおむね3kWから6kWだ。 高速道路のサービスエリアや公共施設に設置されている急速充電器は、50kW以上の出力があり、文字どおり充電時間を短縮できる。急速充電器にも複数の出力があり、現在日本にあるものは、50kW、60kW、90kW、100kW、120kW、150kW、180kWという具合にわかれる。出力が高ければ、短時間で大量の充電が可能だ。 ただ、注意したいのは、車種によって、急速充電の最大受入能力が異なること。たとえば日産アリアで急速充電器を使ったときの最大受入能力は130kWだ。1時間あたり最大で130kWの充電ができるから、90kWの急速充電器にも対応できる。 しかし、日産サクラの最大受入能力は30kWに留まる。従って1時間に30kWしか充電できず、90kWの急速充電器を使っても、50kWと比べて充電時間の短縮にならない。 つまり、急速充電器の実際の出力は、電気自動車の最大受入能力に左右されるが、ユーザーからは「急速充電器の本体に、何kWまで対応できるか表示してあるとうれしい」という話も聞かれる。たとえば最大受入能力が130kWの場合、50kWの急速充電器では30分間に20〜25kWの充電を行える。その出力が90kWに増えれば、同じ30分間で40kW前後に増える。電気自動車の性能に合った充電器を選べると便利だ。 急速充電器の設置場所がわかるホームページなどには、出力と充電可能な台数が表示されているが、設置場所ではわからないことも多い。急速充電器の出力を本体に表示すると親切ともいえるが、運営側の判断で、出力を調節する場合がある。充電料金を時間単位で決めるときの割安度を均一にするためだ。そうなると実際にはkWを表示した看板も掲げにくい。 それでも実際に充電を開始すると、ディスプレイには充電量がkWで示され、充電状況がわかる場合もある。急速充電器を効率良く便利に使うには、出力を分かりやすく表示するといいだろう。

TAG: #急速充電 #急速充電器
TEXT:琴條孝詩
台数が増えたらやっぱり問題も増えた! EV乗りが「急速充電スポット」で見かけるトラブル事例TOP3

EVの普及により増えるトラブル EVの普及が進むにつれ、充電スポットでのトラブルが増加している。とくに急速充電器では、限られた設備を大勢で共有するため、思わぬトラブルが発生することがある。今回は実際に起きた、あるいは起こり得るトラブル事例を紹介しよう。 <TOP3:プラグ抜き取り問題> まず、もっともゾッとするのが「充電中にプラグを抜かれる」という問題だ。想像してみてほしい。ショッピングモールで買い物を終えてEVに戻ると、充電ケーブルが外れている。確かに充電終了時間を5分過ぎていた。かといって、他人のクルマのプラグを勝手に抜くか!? とはいえ、このような“事件”はたまに起こっているようだ。単にプラグを引き抜かれるという嫌がらせ。ときには、充電途中で勝手に引き抜いて自分のクルマに充電する猛者もいるらしい。こうなるともはや嫌がらせの域を超え、暴力的な行為ともいえよう。 しかしこの行為、じつは礼儀に反するだけでなく、法律的にも問題となる場合もある。最近は、充電ステーションに監視カメラを設置するところも増えている。つまり、そういったトラブルも想定内というわけだ。後日、警察からの呼び出しを受けることなどないよう、くれぐれもお気をつけを。 <TOP2:充電完了車放置問題> ショッピングセンターなどで多いのが、充電が完了したクルマに長時間ドライバーが戻らない問題。多くの急速充電器は30分間の充電が上限となっている。30分経つと充電は自動的に終了するが、それでも買い物や食事に夢中になっているのか、クルマに戻らず、そのまま放置されていることがある。なかには充電完了後、1時間以上も戻ってこないケースもあり、待機しているクルマのドライバーたちを苛つかせている。 また、待っている人がいるのに“おかわり”するドライバーもいる。30分で充電停止になったのに続けて充電する人だ。これもよく口論しているのを目にする。 ショッピングセンターのなかには監視員がいるところもあるが、監視員にこれらの問題にクレームをつけても彼らとしては「駐車する権利はドライバーのもので、充電はサービスに過ぎないので注意できない」と、ドライバー同士の諍いには介入しないようにしているようだ。また、内燃機関(ICE)車が充電スペースに駐車していることもあり、EVユーザーにとって大きなストレスとなっている。

TAG: #充電 #急速充電
TEXT:渡辺陽一郎
充電中は「車内で待つ」がベスト! EVで急速充電器トラブルを避ける最低限のマナーとは

充電中は車内にいるようにしたい EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド/充電の可能なハイブリッド)を使っていると、自宅だけでなく、高速道路のサービスエリアなどで急速充電する機会もある。このときに大切なのが利用するときのマナーだ。 充電しているときのケーブルは、歩行者が車両の付近を通っても足が引っかからないように、なるべく車両側に寄せておきたい。乱雑にならないように注意する。 そして充電中は、なるべく車内にいるようにしたい。充電時間を利用して食事をするなら、サービスエリアのレストランには入らず、売店で弁当を買ってきて車内で食べる。レストランに入ると、注文してから食事を始めるまでに予想以上の時間がかかり、充電が終了しているのに車両を放置する心配も生じるからだ。充電を終えたあとの放置は、充電を待つ後続車のユーザーに迷惑をかける重大なマナー違反だから避けたい。 その点で車内にいれば、後続車両が来たときも、挨拶をしたり残りの時間を伝えられる。なお急速充電設備が混雑しているときは、充電時間は最長30分で切り上げるなどの配慮が必要だ。スマートフォンなどで検索して、なるべく空いている充電設備を選ぶことも考えたい。 そして充電が終了したら、ケーブルは正しい位置に格納する。路上に放置したりすると、歩行者の足に引っ掛かったり、後続の充電車両がタイヤで踏んでしまうなどのトラブルを引き起こす。充電を終えたあとの対処も重要だ。 充電に限らずマナーの基本は、自分が嫌なことは他人にもしない、自分が心地よいことを他人に対しても心がける点にある。そうすれば急速充電器を気もちよく使える。

TAG: #充電 #急速充電
TEXT:TET 編集部
レクサスのBEVユーザーに特報! 「LEXUS Electrified Program」が急速充電サービス「PCA」と業務提携

150kW/90kWの急速充電器を全国380基以上展開するPCAと業務提携 これまで他のプレミアムブランドに比べ、バッテリー式電気自動車(BEV)のラインアップ拡充にあまり積極的ではなかったレクサス。いまのところSUVタイプのRZとUX300eの2車種を揃えるものの、ほかのブランドの充実ぶりと比べてしまうと見劣り感が否めない。 さらに、プレミアムブランドは自社のBEVユーザーの囲い込みに熱心で、市中の充電器よりも強力かつアプリを通じた利用事前予約ができるなどの利便性をアピールし、BEV購入後も積極的に自社と顧客のタッチポイントを増やす動きがみられる。 とくに顕著なのは、ポルシェ・アウディ・フォルクスワーゲンの連合体だ。グループで展開する急速充電ネットワーク「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」は、全国の大都市圏を中心に150kWの急速充電器を設置し、さらに90kWの急速充電器で周辺を固め、2025年2月16日現在は3つのブランドで計371拠点、385基もの急速充電器を設置する充実ぶりを見せている。 一方、レクサスの急速充電サービスは、出力150kW級の急速充電器を備えた「レクサス充電ステーション」が、2025年4月に福岡の「ONE FUKUOKA BLDG」に開設するステーションでようやく6拠点目となるに過ぎない。 しかし、ここにきてレクサスの急速充電環境が大きく変わろうとしている。なんとレクサスがポルシェ・アウディ・フォルクスワーゲンの急速充電サービスであるPCAと業務提携の覚書を締結したのだ。 レクサスはBEVにまつわる顧客のさまざまな不安や困りごとをサポートし、レクサスならではの提供価値を届ける「LEXUS Electrified Program(LEP)」のサービス拡充に取り組んでいるというが、今回の提携はその一環とされる。 この提携により、2025年7月からはLFPとPCAの会員が、それぞれのアプリケーションを通じて互いの急速充電設備を利用することが可能になる。これによりレクサスのBEVオーナーにとっては、経路充電の選択肢が強力かつ大幅に増えることになる。 むろん、レクサス自身もPCAの恩恵を受けるだけに留まらず、自社の「レクサス充電ステーション」の拡充を今後も進める方針である。2030年までに全国で100カ所以上のステーション開設を目指すほか、充電中の待ち時間にもBEVオーナーが有意義に過ごせるよう、近隣商業施設などとも連携し、さまざまなサービスを利用できるように整備を進めていくとしている。 なお、LFPとPCAでは月額基本料と充電に伴う従量料金に若干の差がみられるが、今回レクサス側から発表されたリリースでは、そのことについては触れられていない。ただし、メーカーの枠を超えて実現するこの急速充電ネットワークの大幅な拡充は、群雄割拠のプレミアムブランドのBEV販売にあって、今後レクサスが躍進する大きなきっかけとなるかもしれない。

TAG: #LFP #レクサス #急速充電
TEXT:御堀直嗣
「日本の急速充電器って遅くない?」にちょっと待て! 「急速充電器=ガソリンスタンド」という考え方自体を変えるべき

2013年に急速充電器の整備が本格化 急速充電器の高出力化について、日本は欧州に比べ性能水準が低いとの評価がある。しかし、どこまで高性能化すればよいのかも、検討する必要があるだろう。 そもそも、急速充電器の整備が本格化したのは、2009年に三菱i-MiEVが発売され、2010年に日産リーフが発売されて以後の、2013年になってからだ。当然ながらそれを牽引したのは日本だ。 経済産業省が乗り出し、1005億円という途方もない予算で補助金を用意した。ただし、対象が設置費用の全額ではなかったため、トヨタ、日産、ホンダ、三菱自の4社が共同で自腹となる設置費用分を補助し、実質ゼロ円で急速充電器を設置できるようにあと押しした。そして、2014年までに急速充電器を4万基、普通充電器を6万基、計10万基整備する目標を打ち出した。 一方、現在の状況はというと、今年6月の経済産業省の報告では、急速充電器が1万口を超え、普通充電器が3万口を超えたとある。この実績と比較すれば、10年前の目標がいかに大きすぎたかが伺える。 それを批判するのは簡単だが、それほど、10年前は充電器の必要性や需要動向を見極めきれない状況にあったといえなくもない。数値目標の背景にあったのは、全国のガソリンスタンドの数だったはずで、電気自動車(EV)の充電における優先順位に対する知見も不足していた。 したがって、いくら設置費用がタダだといわれても、維持管理や電気代はどうするのかとの不安が、設置場所の施設側にあった。また、どれほど高性能な急速充電器を設置する必要があるのかどうか、疑問も多かった。 対する市販EV側も、登録車となる初代リーフでさえ車載バッテリー容量は24kWh(キロ・ワット・アワー)で、30kWの充電出力があれば、30分で8割近い充電が可能になる。それ以上の高価な、あるいは維持費のかかる高性能な急速充電器を設置しようという意欲につながらなかった。 米国のテスラは、独自に充電網を構築したので、CHAdeMOと関係なく、大容量バッテリー向けの高性能急速充電器の設置を独自に進めた。しかも、自動車メーカー(テスラ)自ら費用を支出し、当初は無料で充電できるような施策をとった。 この時点で、日本のみならず世界のほかの自動車メーカーは、自ら充電網を整備し、無料で充電できるようにするなど考えもしていなかった。なぜなら、ガソリンスタンドを経営するのは石油会社とその関連企業であるからだ。自動車メーカーの仕事は、商品性に優れたEVを作ればよいとしか考えなかった。ここに、EVに対する知見の不足が如実に表れている。

TAG: #急速充電 #急速充電器
TEXT:小鮒康一
「ガソリンでも走れるくせに急速充電器使うなよ」は暴論? 正論? PHEVの急速充電器問題を考えてみた

外部充電のみで賄っているPHEVユーザーも存在 EVユーザーにとってバッテリー残量というのは命綱でもあり、ギリギリの状態でたどり着いた急速充電器に先客がいたときの絶望感は計り知れないものがある。 このとき充電しているのがBEVであるならまだしも、PHEV車であったときは、「ガソリンでも走れるんだから、急速充電器占領しないでよ~」という気もちになる人も少なからずいるのではないだろうか。 筆者もBEVに乗っていたときは何度かそういったシチュエーションに遭遇し、そういった気もちを抱いたことがあるというのが正直なところだ。 しかし、冷静に考えてみれば、急速充電器を使用しているPHEVユーザーも年会費やビジター充電費を支払って使用しているれっきとしたユーザーであり、急速充電器を使用する権利はBEVユーザーと同等にあるということなる。 PHEVモデルはバッテリー容量がそこまで大きくないため、自宅で充電すれば十分だろうという声もあるかもしれないが、なかには自宅に充電設備をもたずに外部充電のみで賄っているユーザーも少なからず存在するハズ。 そもそもPHEVのユーザーは急速充電器を占領するな、といい始めてしまうと、次はBEVのユーザーでも緊急性の低いユーザーは急速充電器を占領するな、というような意見にも繋がりかねないだろう。 もちろん、急速充電器を使う側にもマナーは必要であるため、充電が終わっているのに一向にクルマに戻ってこないとか、そもそも純内燃機関車なのに急速充電器前に駐車するというような行為は言語道断だが、自車のバッテリー残量や待機ユーザーの有無などで譲り合って使うというのがマナーであるのはBEVでもPHEVでも変わりないといえるのではないだろうか。 今後、さらにBEVが普及して急速充電器がより多く設置されるようになったり、充電速度が飛躍的に向上したりすれば、こういったいがみ合う意見も減ってくるかもしれないが、現状はやむを得ないところがあるというのが実際のところ。いつの日か、そんなこともあったと当時を知る人の間で話せる日が来ることを期待したい。

TAG: #EV #PHEV #急速充電
TEXT:渡辺陽一郎
全国の高速道路でたった「520口」かよ! EVが売れてないのにそこかしこで「急速充電待ち」が発生するワケ

高速道路の急速充電器は520口程度に留まる 2024年中旬時点で、急速充電器(CHAdeMO)の口数は、全国に約1万500口とされる。給油所の数は全国に約2万7000カ所で、もっとも多かった1994年は6万カ所以上だったからいまは半減したが、急速充電器の口数はさらに少ない。 しかも給油所では、1回に複数の車両を給油できて所要時間も短いが、急速充電器は前述のとおり全国に約1万500口しかないうえに、充電の所要時間は、給油に比べて大幅に長い。乗用車の給油は5分以内で終わるが、急速充電は、充電量にもよるが1台当たり20〜30分はかかる。 その代わり、電気自動車は自宅でも充電できるのだが、急速充電器を利用すると順番待ちになることが多い。それはおもに高速道路のパーキングエリアやサービスエリアだ。新車の販売店に設置された急速充電器なら、比較的スムースに利用できるが、パーキングエリアやサービスエリアでは時間を要する。 そうなる理由は、パーキングエリアやサービスエリアの拠点数に対して、設置されている急速充電器が少ないためだ。全国にパーキングエリアは約650カ所、サービスエリアは約240カ所だから合計約890カ所に達するが、高速道路の急速充電器は520口程度に留まる。 パーキングエリアやサービスエリアの約890カ所に達しない。 ちなみに電気自動車のユーザーは、大半が一戸建てに住む。都市部の販売店では「最近はマンションに住みながら、販売店の急速充電器で充電するお客さまも増えているが、中心はいまでも一戸建て」だという。そうなると、短距離移動のための充電は自宅で行う。急速充電器を使うのは、長距離移動が中心だから、高速道路にこそ集中的に設置すべきだ。 しかし実際は、前述のとおり急速充電器が適材適所で設置されているとはいえない。関係者によると、「高速道路のパーキングエリアでは、それぞれ配電事情が異なり、急速充電器を設置しにくい場所も少なくない」という。 結局のところ、電気自動車の充電は自宅で行うのが基本だ。そして電気自動車は、遠方への外出には適さない。電気自動車の世界観では、クルマは近隣の移動に使うものだ。遠方まで出かけるときは、駅の駐車場に駐めて公共の交通機関を利用するパーク&ライドとの親和性が高い。長距離の移動では、クルマの利用よりも、公共交通機関の環境負荷が圧倒的に小さいためだ。 仮に電気自動車で長距離を移動するなら、時間に余裕をもたせて、充電スケジュールを組んでおく必要がある。

TAG: #急速充電 #急速充電器
TEXT:小鮒康一
この先の「充電カード選び」が明暗をわける! EVをお得に乗るなら充電サービスにアンテナを張るのが正解だった

サービスによって年会費や充電料金が異なる BEVで走るためには必要不可欠な充電という行為。いまBEVに乗っている人の多くは自宅に充電設備があり、寝ている間など、クルマを使用しない間に充電を行い、次に乗るときにはある程度充電された状態、もしくは満充電状態で乗り出すというケースが一般的だろう。 ただ近年は、大容量バッテリーを搭載したBEVも増えてきており、BEVで長距離移動を行う人も少なくない。そうなると、道中で継ぎ足し充電などを行うケースも増えるワケなのだが、ここで問題となるのが充電をするためには基本的に会員カードやwebでの認証など、何かしらのワンアクションが必要となり、充電ケーブルを車両に繋いで即充電、とはいかない点だろう。 しかもこの会員カードは誰でも入会できるタイプのものもあれば、そのメーカーの車種を保有していないと入会できないタイプもあり、それぞれに入会金や月会費、そして都度の充電料金の単価に違いがあるというややこしさなのだ。 一応、カードがなくてもその場でweb登録を行って充電をすることができるビジター充電というサービスもあるが、登録に手間がかかる上にビジター充電は割高になることが多いので、緊急時の最終手段という形になるだろう。 新車でBEVを購入するユーザーの多い現在では、ほとんどの人が各販売メーカーが用意する充電プランに入会しているとは思うが(初年度無料などのサービスが付帯するケースも多いため)、今後、中古車でBEVを購入するユーザーも増えてくるにつれて、どのサービスに入会するかに頭を悩ませる人が増えるのは間違いないだろう。 現状は複数のサービスが存在する状況となってはいるが、すでにサービスを終了した事業者も存在するなど、まだまだ紆余曲折がありそうな雰囲気で、携帯電話やクレジットカードのように定期的に内容を見直して選択する必要が出てくるハズ。 各社とも基本料金はやや高めながら都度課金額が安いところや、年会費はかからないものの、都度課金額が高めなところなど、すでに特色も出てきているので、自分の使い方に合わせて最適なサービスを選びたいところ。 数が多いと選ぶのには難儀するが、その分だけ競争力が働いてユーザーにとっては有利になることも少なくないので、つねにアンテナを張っておくことが重要といえそうだ。

TAG: #急速充電 #急速充電器
TEXT:桃田健史
急速充電器はさまざまな規格が乱立状態! EVの普及を目指すなか充電器事情はこの先どうなる?

CHAdeMOは当分の間150kWまで 普通充電と急速充電。こうした表現が最近、日本でもかなり浸透し、その違いについての理解も広まってきている印象がある。 最近では、経済産業省によるEV普及施策の一環として、ベンチャー企業などを巻き込んで全国各地でEV用充電インフラ整備が進んでいることも影響しているのだろう。また、消防法などによる高出力型充電器の設置に関わる規制も段階的に緩和されている状況だ。 そうしたなか、急速充電については、高速道路のSAやPAで最新設備の導入を急いでいるところだ。EV所有者に限らず、そうした機器をSAやPAで見かけることもあるだろう。 具体的には、1基を単独使用した場合の最大出力が90kWで同時に複数のEVに対応できるタイプや最大出力150kWの仕様だ。輸入車ブランドでは、アウディとポルシェが連携し、全国の新車販売店で出力150kWの充電器を設置する事業戦略を進めているところだ。 こうした急速充電の高出力化の傾向は、いつまで続き、またこの先はどこまで出力が上がっていくのだろうか。 IT、電子・電気に関する各種カンファレンスや商業見本市、また自動車メーカーの報道陣向け試乗会など、さまざまな機会に急速充電に関わる人たちと急速充電の今後について話を聞いているが、「CHAdeMOは当分の間、150kWまで」という声が主流だ。 高出力化の最大の課題は、充電器単体のコストではなく電気代だという。イニシャルコスト(初期投資)としては、急速充電器が数百万円かかり、さらに設置工事にも数百万円が必要であり、トータルで1000万円を超えてしまうことも珍しくない。さらに、ランニングコストとしての電気代がかさむ。 そのため、急速充電器をさらに高出力化するのであれば、新しいサービス事業の開拓が必然であろう。 たとえば、家庭や企業における普通充電やV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)、また電池のリサイクル・リユース、さらにスマホなど通信機器の購入・データ通信・通話代を含めるといった、エネルギーマネージメント事業の構築が考えられるだろう。 一方で、グローバルに目を向けると、急速充電方式については、CHAdeMO、アメリカでのCCS1、欧州でのCCS2、中国でのGB/T、そしてテスラ方式であるNACSが並行して存在する状態が続いている。EVシフトがいま、「踊り場」といわれるなか、急速充電の規格について実質的な標準化や統一に関する議論が自動車産業界で盛り上がっているとはいえない状況だ。 それでも、自動車産業界では「2030年代にはEV本格普及の目処が見えてくる」との見解が一般的だ。そのため、急速充電の規格、またエネルギーマネージメント事業を勘案した適正な高出力についても2020年代後半までには、自動車産業界で何らかの動きが起こるのではないだろうか。

TAG: #急速充電 #急速充電器

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