#商用EV
TEXT:TET 編集部
ヒョンデに続いてKIAも日本にやってくる! 2026年春の導入を目指し双日が販売代理店契約を締結

「PBV」は顧客に応じて仕様をカスタマイズできるのが魅力 グローバル総合商社の双日が、韓国のKia(キア)が開発中のEVバン「Platform Beyond Vehicle(PBV)」の日本国内における販売総代理店契約を締結したと発表した。販売開始は2026年春ごろを予定している。 PBVは、Kiaがグローバル展開を計画して開発を進めているEVバンのラインアップで、2024年1月に米国・ラスベガスで開催された世界最大規模のテクノロジーの見本市「CES」で初めてコンセプトが発表された。 PBV専用のプラットフォームを採用したことで、ユーザーの用途に応じて商品仕様を設定できることが特徴だ。自由度の高い座席レイアウトや荷室の形状、ドアパターン、バッテリー容量などを選択でき、ビジネスからプライベートまでのさまざまな用途に対応する。日本では、2026年春ごろに「PV5」の販売を開始し、順次ほかのライアンアップモデルの導入を進めていく方針だという。 Kiaは、今後の日本において、EVバンのさらなる普及を見込んでいる。主に都市部での利用が想定されるミドルサイズのバンは、いまのところラインアップが乏しく、市場の拡大や独自性の高い商品に対する需要が期待できることから、日本市場への進出を決めたという。進出にあたっては、日本における自動車販売の実績とネットワーク、セールス・マーケティング力などを評価し、双日を日本事業におけるパートナーに選定した。 双日は、「PBVの日本への導入を通じて、社会課題へのソリューションとなる競争力の高い商品の取り扱いを強化し、自動車販売事業において機能強化と新たな事業基盤の構築に取り組んでいきます」とコメントしている。 1日当たりの走行距離がおおむね決まっているルート配送車両は、従来からEVのメリットが生かされる領域だといわれて久しい。しかし、日本メーカーからは小型トラックと軽自動車規格のEVバンは登場すれど、普通車サイズのバンタイプでEVをリリースするという具体的な声は聞こえてこない。その間にも韓国・中国メーカーからは魅力的なラインアップが提示されている。一般向けの量産EVもいいが、法人向けの運搬車や機材のEV化は温室効果ガスの排出低減に効果が高いため、日本メーカーの奮起にも期待したいところだ。

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TEXT:TET 編集部
ビッグカメラとENEOSでんきが強力タッグ! ホンダ「N-VAN e:」の発売に先駆けて充電環境整備のワンストップサービス

それぞれの強みを生かして充電環境を充実化 2024年5月から先行予約を開始し、秋には発売を予定しているホンダの新型軽商用EV「N-VAN e:」に関連して、全国のホンダカーズを通じて「ビッグカメラ」および「ENEOSでんき」と連携した、充電環境整備のワンストップサービスを開始するとホンダは発表した。 ビッグカメラは言わずと知れた家電製品の販売大手。家電販売で培った豊富なノウハウを背景に、EV充電器の選定から設置工事、アフターサポートまでをトータルでケアする。 充電器はコンセントタイプ、AC壁掛けタイプ(3kW/6kW)、V2Hの3種類が用意され、戸建て住居を対象に工事を請け負う。もちろんこれまでの販売、施工実績から一部離島を除く全国対応なのはいわずもがな。これにより充実した充電設備環境を手にすることができる。 一方で、自宅充電の肝である電気料金については、ENEOS Powerが手がける家庭用電力販売事業「ENEOSでんき」とホンダがタッグを組み、割安な特別メニューを用意してN-VAN e:をはじめとしたEVユーザーをサポートする。 「EV夜とくプラン」と銘打たれた電気料金メニューは、自宅充電でEV/PHEVを充電するユーザーに最適化された時間帯別料金メニューだ。毎日、午前1~5時に設定した「EVタイム」に低価格で電気を使用することができる。また、EVタイム以外の時間帯も利用しやすい料金設定により、よりリーズナブルにEV/PHEVのある暮らしを楽しんでもらおうという狙いだ。 このように、ホンダカーズは車両販売だけでなく、N-VAN e:をきっかけにEV生活を始めようとするユーザーに快適な充電環境の整備を、販売店での商談の中で手間なく安心感のあるパッケージとして提供したいと考えている。それもユーザーにとって馴染みのある大手企業とのタッグなので、EVビギナーでも信頼のおけるパッケージングではないかと思う。気になる方は最寄りのホンダカーズに相談してみて欲しい。

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TEXT:TET 編集部
軽商用EVバンに新たな選択肢! 新型「日産クリッパーEV」が登場

快適・安全装備充実の軽商用EVバンが登場 日産自動車は2024年1月30日に軽商用EVバンの「日産クリッパーEV」を、同年2月12日から発売すると発表した。 本モデルは、商用向け車両においても電気自動車(EV)の需要が高まっていることを受け、ラインアップの拡充を図ることで、いままで以上にユーザーへEVの魅力を届け、カーボンニュートラル社会の実現に貢献できるよう、三菱自動車からOEM供給を受けた車両をベースに日産が販売するモデル。軽商用バンとして必要な荷室性能と積載量を確保しながらも、モーター駆動のEVならではの力強い走りで、重い荷物も軽快に運ぶことが可能となっている。また、走行時や起動・停車時の静粛性も高く、早朝や深夜をはじめ、住宅街で使用する際にも安心して使えるとしている。 クリッパーEVの主な特徴は下記のとおり。 床下中央にバッテリーを搭載して低重心化が図られることで、軽商用バン特有の揺すられ感や段差における跳ね感を低減し、乗り心地のよさと操縦安定性の向上を実現。搭載されるバッテリーは20kWhの容量を持ち、航続距離は最大180km(WLTCモード)を確保する。普通充電では約7.5時間で満充電となるが、メーカーオプションの急速充電機能を使用すれば、80%までの充電が約42分で可能となる。これにより、業務終了後などに家や職場で普通充電すると、翌日には満充電状態で業務を開始でき、ちょっとした作業の合間の急速充電でも存分に走ることができる。 走行中の衝突回避を支援するインテリジェント エマージェンシーブレーキを始め、車線逸脱警報(LDW)、ハイビームアシスト、踏み間違い防止アシスト(前進のみ)など、多彩な安全装備を搭載し、全車がサポカーSワイドの対象となっているのもポイント。いざというときの危険回避や傷害の軽減をサポートしてくれる。 荷室は最大積載重量350kgを確保し、ホイールハウスの出っ張りや後席を倒した際の段差をなくすことで、荷物の出し入れのしやすさなど、軽商用バンのニーズを満たす荷室となっている。 グレードは2シーター、4シーターの2バリエーションを用意。2シーターには、スライドドアガラスとリヤクォーターガラスが両サイドともにパネル仕様となっているルートバンも設定される。 エクステリアカラーは全グレードにホワイトソリッドが設定されているほか、4シーターではスターリングシルバーを選択することができる。インテリアでは、デジタル表示のスピードメーターを採用し、インジケーターのサイズを大きくすることで視認性を高め流とともに、センターコンソール部のスイッチ類が、ひと目でわかりやすいレイアウトとなったことで操作性も優れる。 また、Type AおよびType Cの充電用USBポートを2シーターに標準装備、4シーターでもメーカーオプションで設定。キーレスエントリーシステムについているプレ空調スターター機能を使用することで、急速充電中、もしくは普通充電中に、乗車前に車外から車内の空調をオンにすることができる機能を2シーターに標準装備、4シーターにオプション設定する。排出ガスを出さずに室内を暑い日に荷下ろしを行っても、すぐに快適な車内空間で走行することができるのはうれしい。 日産クリッパーEVの価格は税込み286万5500円(定員2名/ルートバン)からで、2月12日に全国の日産ディーラーにて発売開始。 快適性に加え、安全装備が充実した新しい商用EVバンの「日産クリッパーEV」を自家用車として使う場合はクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象となり、事業用として使う場合にも脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金の対象となる。補助金を利用すればかなり購入代金を抑えて乗り出すことができるだろう。

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TEXT:TET 編集部
軽トラ・中型バンに続いて今度はダンプだ! HW ELECTROの商用EV「ELEMOシリーズ」に新ラインアップを追加

特装メーカー「新明和工業」とのタッグで誕生 HW ELECTRO(エイチダブリュー エレクトロ)は、特装車の国内トップメーカーである新明和工業と協業し、自治体向けの車種拡充を目的として、多用途商用EVのELEMO(エレモ)シリーズに「ELEMOダンプ」を新たに追加ラインアップ。2024年1月26日から販売を開始した。 ELEMOシリーズはHW ELECTROが日本市場向けに開発し、2021年4月に輸入小型EV商用車としては国内で初となるナンバー取得を実現している。 同年7月にはシリーズラインアップの第1弾として、軽自動車規格より車幅は狭く全長は長めにすることで軽自動車を上まわる400〜500㎏の最大積載量を可能とした「ELEMO(エレモ)」を発売したのを皮切りに、同年11月には全長を縮めて軽自動車規格に適合させた「ELEMO-K(エレモ ケイ)」を追加している。 さらに、2023年秋には全長約5.5m、車幅1.85mの中型EVバン「ELEMO-L(エレモ エル)」の販売を開始。EV商用車のランアップを順次拡充してきた。 そして今回、新たに追加されたのがダンプトラックである「ELEMOダンプ(エレモ ダンプ)」だ。

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新型となったステランティスの商用EVバン(photo=ステランティス)
TEXT:福田 雅敏/磐城 蟻光
7家族13兄弟が一斉に刷新……ステランティス、傘下に展開する商用EVバンが第2世代に[2023.11.01]

大型・中型・小型の商用EVバンが各ブランドにフルラインアップ 日本の大手メーカーはなぜ電動化に手を出さない 【THE 視点】ステランティスは10月23日、傘下のブランドに展開する第2世代の商用EVバンを公開した。小型から大型までの各サイズを用意し、大型の最高クラスには最大容量110kWhのバッテリーを搭載。最大420kmの航続距離となる。充電は最高出力150kWの急速に対応する。 今回の発表は、合計7ブランド・13車種を一気に新型とする大規模なものだ。各ブランドに小型・中型・大型の商用EV版が揃うことになる(ラムは大型のみ)。各ブランドと車種は以下となる。 シトロエン:「ベルランゴ」「ジャンピー」「ジャンパー」 フィアット:「ドブロ」「スクード」「デュカト」 オペル/ボグゾール:「コンボ」「ヴィヴァーロ」「モヴァーノ」 プジョー:「パートナー」「エキスパート」「ボクサー」 ラム:「プロマスターEV」 これほどのブランドと車種を一気に刷新するのは、ステランティスとして初ということだ。 性能面を詳しく紹介すると、小型では最大330km、中型EVバンは最大350km、冒頭でも紹介した大型バンは最大420kmの航続距離となる。最高出力150kWの急速充電を使用すると、大型バンでは1時間以内に0〜80%まで回復する事ができる。e-PTO (電動パワーテイクオフ:架装用に動力を取り出せる装置) の装備もあるようで、様々な用途に応用ができるだろう。さらに2024年にはFCEVバン(燃料電池車)もラインアップに加わるという。 トヨタで言えば、「ライトエース」「ハイエース」「グランエース」が一気にEV化されるというイメージである。バッテリー式に加えてFCEVも用意されるとのことで、欧州の商用車のカーボンニュートラル化が一気に進むことになる。 こういった展開ができるのは、世界規模のグループ故の芸当であろう。プラットフォーム/バッテリー・E-アクスルなどが共用できるので、コストも抑えることができるはずだ。 欧州では大メーカーが商用EVに大きく舵を切ったわけだが、日本の大手が鈍いのは残念である。「トヨタ・ハイエース」は、「ジャパン・モビリティ・ショー」でEVコンセプトが出たものの、それどまり。「日産・e-NV200」は生産終了してしまい、欧州ではその後継「タウンスター」が発表されているが、国内市場では音沙汰がない。 大手の代わりに新興系の商用EVが存在感を高め物流企業への導入が進んでいるが、大手が動き出さないのはどこかいびつである。「カーボンニュートラル」を声高々に叫ぶのであれば、“毎日走ってナンボ”の商用車を無視してはならない。 ステランティスグループ傘下のブランドには日本法人もあるため、今回発表のあったEVバンが日本に導入される可能性もないとは言えない。そうなると、ますます日本勢は苦しくなるのではないか。 航続距離や耐久性などいろいろな問題もあろう。しかし、三菱ふそうやいすゞはEVトラックを登場させた。「ハイエース」と「キャラバン」のEV化も、具体的に進めるべきであろう。特に「ハイエース」については、トヨタが長年育て上げているFCEV技術で先行を許してよいものだろうか。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★テスラ、新型「モデル3」の試乗を開始 ……11月3日(金)よりストア試乗を開始する。試乗受付は公式WEBから。また、新型の航続距離も公表した。国土交通省審査値で706km(ロングレンジAWD)となる。 ★★東電系のJERA、EVのリユースバッテリーを活用 ……東京電力フュエル&パワーと中部電力の合弁企業JERAは、EVのリユースバッテリーを活用した大規模蓄電システムの実証実験を始めた。トヨタの技術協力のもの、特別高圧の送電系統に連携可能なシステムの構築を目指す。 ★★EVフォークリフトのバッテリーで蓄電設備 ……豊田自動織機とトヨタL&Fカンパニーは、フォークリフト用のリチウムイオンバッテリーをリユースした定置型蓄電システム「メガロア」を開発した。豊田市と共同で電力使用量の平準化などの実証実験を行なう。 ★ダイムラートラック、北米でEVトラックの量産を開始 ……傘下のフレイトライナー名義でEVトラック「eM2」の量産を開始した。「eM2」はボンネット形状を持ったアメリカンスタイルを持つEV。最大容量291kWのバッテリーを搭載し、航続距離は最大400kmとなる。 ★アウディ、EVの販売が増進 ……2023年1月〜9月期の業績を発表した。EVの販売は12万3,000台以上で、前年同時期比60%増となった。9月単月では17万5,000台超えで、こちらも前年同月比24%増となっている。 ★ステランティス、EVの販売が好調 ……2023年6月〜9月期の業績を発表した。前年同時期比37%増という結果となった模様。「ジープ・アヴェンジャー」「シトロエン・アミ」「プジョー・E-208」「フィアット500e」などが増進に貢献したという。 ★岐阜県高山市のリゾートホテルがEVバスを導入 ……完全会員制のリゾートホテル「サンクチュアリコート高山」がホテルと最寄駅を結ぶ送迎バスに導入した。車両はEVモーターズ・ジャパンのコミュニティバス型となる。 ★テラモーターズ、北海道の賃貸に充電器を整備 ……北海道札幌市を拠点とする賃貸業のビッグと業務提携した。2030年までにビッグの管理物件に、充電器5,000基の設置を目指すという。 ★岩手県にEV充電器の設置が加速するか ……エネチェンジと岩手銀行が協力を発表した。2024年1月までに岩手/青森/宮城の複数の施設に充電を導入する。まずは岩手県矢巾町役場と宮城県仙台市の飲食店「かに政宗」への設置が発表された。 ★鳥取県日吉津村にEV充電器が導入 ……テラモーターズが連携協定を結んだ。同村役場庁舎と公共施設「ヴィレスひえづ」に、6kWタイプの普通充電器を3基ずつ設置する。 ★元テスラの技術者が東北大発のベンチャーに ……テスラ/アップル/ノースボルトなどを渡り歩いたバッテリーの技術者ケンゾー・ナガイ氏が、東北大学発のベンチャー企業3DCのアドバイザーに就任した。3DCはバッテリー向けの次世代カーボン素材の開発を行なっている。 デイリーEVヘッドライン[2023.11.01]

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HWエレクトロ・パズル(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
超シンプルな四角いハコのEV……HWエレクトロ、新型の軽商用EV「パズル」を発表[2023.10.27]

思わず目を引くシンプルなデザインはスタイルと機能を両立 価格は200万円を目標に2024末〜2025年春の販売を目指す 【THE 視点】HWエレクトロは、新型の商用EVコンセプト「パズル」を「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で発表した。「サステナビリティ」「コネクティビティ」「社会貢献」の3つのコアバリューを、軽自動車規格の商用EVのあるべき姿として具現化した。 2025年初春の発売を目指しているという。HWエレクトロのアプリ「MyHWE」や同社が展開するプラットフォームサービスとも連携することで、自然災害や環境問題などの社会のあらゆる課題を解決することを目指す。 HWエレクトロは、街の隅々を走る「ワンマイル配送」事業に携わる軽商用車をEV化することで、環境負荷の低減及び自然災害に強い街づくりに貢献できると考え、2020年より商用EV「エレモシリーズ」の販売を開始している。シリーズの展開を通して得られたユーザー・社会からの要望を汲み取りながら社会の“1ピース”となることを目指し、日本発のHWEオリジナルの新車種として「パズル」を開発した。 コンセプトカーを元にした量産モデルの計画がすでに進んでおり、2024年末〜2025年春の販売開始を目指している。価格は航続距離1kmに対して1万円の200万円(税別)を予定しているという。 「パズル」の特長をまとめると以下となる。 ・デザインからも見てとれる徹底した合理化 ・給電機能など搭載した街に安心をもたらすEV ・運ぶクルマとしての無駄のない角型の空間設計 ・好みに合わせてアレンジ自在にできる内装の配置 ・ワンマイル配送にもゼロ・エミッション車 ・ビジネスにもプライベートにも使用可能 ・USBポートとAC100V電源コンセントを装備した移動する社会インフラとしてのポテンシャル 実車を「JMS」の会場で見たが、徹底的に角型のボディに作り込んでおり、見た目もさることながら広く四角い荷物室の使い勝手はかなり高いものと思われる。「パズル」以外にも軽のEVバンが会場に多く展示されていたが、その中でも特に個性と機能を両立していると感じた。 積載量は350kg、価格も200万円台、航続距離も200kmを目指しているというから、日本製の軽EVバンとガチンコで競合する形になる。 少しでも多く、そして大きい荷物を運びたいというだけではなく、個性的な愛機が欲しいという事業者や個人に良いかもしれない。クルマ自体が名刺代わりになりそうだ。軽商用EVバンに魅力的な選択肢がひとつ増えることになるのは間違いない。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ヤンマー、船舶向け燃料電池を初出荷 ……水素・バイオ燃料ディーゼル機関を持つ旅客船「ハナリア」(商船三井グループのモテナシーが所有)向けに出荷したという。この燃料電池ユニットは2023年8月に商品化したもの。ハナリアは発電を燃料電池もしくはディーゼルで行ない、モーターでスクリューを駆動する仕組み。 ★★出光も交換式バッテリー事業を検討 ……出光興産と小型EV開発のFOMMは、出光のサービスステーションを活用したEV事業について覚書を締結した。小型EV「FOMM ONE」のメンテナンスや交換式バッテリーへの改造サービス、交換ステーション化などを検討していく。 ★★「ルーシッド・エア」のRWDが登場 ……アメリカ振興のルーシッドは、セダンの「エア」に後輪駆動モデル「エア・ピュアRWD」を追加した。価格は7万7,400ドル(約1,166万円)。 ★★ステランティス、中国新興EVを販売 ……中国の新興EVメーカー「リープモーター」の株式を約20%取得した。取得額は15億ユーロ(約2,400億円)。リープモーター製のEVを世界に向けて販売するという。 ★★「東京ビッグサイト」周辺がフォーミュラEのコースに ……来年開催の「フォーミュラE」東京大会のコースが発表された。全18ヵ所のコーナーがある全長2.582kmのコースで、「東京ビッグサイト」<江東区>の東展示棟を囲むようなレイアウトとなっている。 ★ボルボ、「EX30」の生産をベルギーでも ……日本にも導入されたばかりの小型SUV「EX30」を、中国・張家口に加えてベルギー・ゲント工場でも生産するという。生産価格を抑えて販売拡大を狙う。 ★「EQE SUV」が「ユーロNCAP」で運転支援システムが最高評価 ……メルセデス・ベンツは、「EQE SUV」が、ヨーロッパの自動車安全テスト「ユーロNCAP」において、運転支援システムが最高評価を得たと発表した。 ★47.1%がEVに対して関心や購入意向 ……Tポイント/カードを運用するCCCMKホールディングスは、22〜64歳の男女1万4,441人にEVに対するアンケート調査を行なった。EVの所有率は1%だが、購入意向や関心を示した回答者が47.1%となった。 ★EVプラットフォームのライセンス販売を商業化 ……台湾ホンハイ精密工業(フォックスコン)が主導し、ZFジャパン/ハコブネ/伊藤忠商事などが参画するMIHコンソーシアムは、グローバル市場向けにEVプラットフォームを商業化した。Mモビリティに初の技術ライセンスを供与する。 ★熊本の病院で自動運転パーソナルEVが実稼働 ……パーソナルEVを展開するWHILLは、熊本中央病院<熊本市>で「WHILL自動運転サービス」を11月6日(月)から開始する。病院内での車椅子代わりの移動手段として稼働させる。 ★プロパティエージェントのマンションにEV充電器が導入 ……EV充電インフラのテラモーターズは、ミガロホールディングス傘下のプロパティエージェントが開発する都内9つのマンションに充電器を設置した。いずれも最高出力3kWタイプのもの。 ★「S-LINKS渋谷」に充電器が導入 ……テラモーターズが導入した。「S-LINKS」<東京都目黒区>は、サンケイビルが手がけた複合施設。 ★ヒョンデに試乗するとTポイント獲得 ……ヒョンデ・モビリティ・ジャパンとCCCMKホールディングスは、ポイントプログラムを締結した。ヒョンデの公式WEBで会員登録/試乗/オンライン購入相談/車両購入をするとTポイントを獲得できる。 ★高級ホテル「デュシタニ京都」に「アウディ・e-tronスポーツバック」が常駐 ……「デュシタニ京都」<京都市下京区>に常駐させ、宿泊者向けのサービスやアクティビティに活用する。ホテルが保有する野菜畑での収穫体験の送迎などに充てる。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.27]

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いすゞ・エルガEV(photo=ABT werke)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
電気で走るいすゞの路線バスが誕生……「エルガEV」をサプライズでワールドプレミア[2023.10.26]

ZFの電動アクスルを採用し後部までフルフラットの室内を実現 海外のEVバスと遜色のない高い完成度の予感 【THE 視点】いすゞ自動車は10月25日、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)において、新型のEVバス「エルガEV」を発表した。予告がなかっただけに、サプライズのワールドプレミアとなった。 長さ11,545×幅2,485×高さ3,330mmの大型路線バスで、乗車定員は最大80人。モーターの性能は125kW(170ps)×2/最大トルクは480Nm(49.0kgm)。バッテリーは全てフロントルーフに搭載され総容量は220kWhとなっている。普通充電・急速充電(CHAdeMO)を採用するが、充電時間や航続距離等は非公表。 車内は通路が後ろまで段差なしの低床のローフロア(LF)なのも特徴だ。LFの実現には、モーターが大きく関係していると考えられる。モーターメーカーは非公表だったが、リアアクスルにはZFと刻印されたことから、先に発売されている「エルフEV」と同様モーターもZFを採用したと思われる。しかも「AVE130」という型と出力が一致する2モーター仕様。メルセデス・ベンツのEVバスなどにも採用実績があるユニットだ。 このモーターの特徴は、左右のブレーキ・アクスルにモーターが組み込まれており、中央部分が出っ張りのない構造。このおかげで低床の段差がないローフロアが実現したわけだ。 バッテリーをルーフに搭載したこともローフロアと広々とした車内の実現に一役買っている。しかもこのバッテリーは水冷式を採用しているという。メーカーは非公表だが、「エルフEV」が韓国LG製を採用しているため踏襲したのだと推測する。 筆者は、先日ベルギーで行われたバスワールドに視察に行っているが、日本に戻り今回発表となった「エルガEV」をみて、海外製のEVバスと遜色ない作りだと感じた。いすゞがようやく国産EVバスを発表したことに嬉しさを感じた。 なお生産はいすゞと日野の合弁のバスメーカー「ジェイ・バス」が行なうという。もしかしたら、現行の路線バス同様に「日野・ブルーリボンEV」としてOEMデビューもあるかもしれない。 発売は2024年度中と発表されているが、価格は未定とのこと。早く試乗したいものである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★メルセデス・ベンツ、「Gクラス」のEVを発表 ……「コンセプトEQG」を「JMS」で発表した。オフローダーの「Gクラス」のテイストをそのままEVに落とし込み、4モーター式のAWDや2段変速ギアといった強力なパワートレインを備えている[詳細はこちら<click>]。 ★★カワサキ、ハイブリッドの「ニンジャ」を国内導入へ ……「JMS」の会場でEVバイクの「ニンジャe-1」とハイブリッドの「ニンジャ7ハイブリッド」を初公開した。ハイブリッドモデルは国内導入の準備を行なっているという。 ★★マツダ、ロータリー搭載のスポーツEVを発表 ……コンセプトモデル「マツダ・アイコニックSP」を「JMS」で発表した。2ローター式のロータリーエンジン(レンジエクステンダー)を搭載したEVとなる。次世代の「RX-7」と捉えて良いだろう。 ★★トヨタ、2台のEVコンセプトカーを発表 ……スポーツモデル「FT-Se」とSUV「FT-3e」を「JMS」で発表した。「FT-3e」は、コンパクトなボディを持つスポーツEVで、次世代の「86」を想起させるものとなっている。 ★★レクサス、2026年導入予定の次世代EVを発表 ……「JMS」で次世代EVのコンセプト「LF-ZC」と「LF-ZL」を発表した。「ZC」は2026年導入予定の次世代のバッテリー式EV、「ZL」は新型のソフトウェア「アリーンOS」を搭載したフラッグシップコンセプトモデルとなる。 ★★インフィニティ、2台のEVコンセプトカーを発表 ……日産自動車の高級ブランド・インフィニティは、「ヴィジョンQe」「ヴィジョンQXe」を「JMS」で発表した。「Qe」はセダンタイプで「QXe」はクロスオーバーとなる。 ★★BMW、「iX2」を日本発表 ……「JMS」で「iX2 xDrive30」を発表・発売した。最高出力200kW(272ps)/最大トルク494Nm(50.4kgm)のAWDで、航続距離は最大449kmとなる。価格は742万円。 ★★日産、コンセプトEV第5弾はスーパースポーツ ……「JMS」の会場で第5弾となるコンセプトEV「ハイパーフォース」を発表した。最高出力1,000kW(1360ps)のAWDで、サーキット走行ももちろん視野に入れている。丸目4灯のテールランプを採用していることから、「GT-R EV」と考えられる。 ★★三菱、クロスオーバーのEVコンセプトを発表 ……「JMS」の会場でクロスオーバーMPV「MITSUBISHI D:X Concept」を発表した。ミニバンタイプの車体で、「デリカ」のEV版とイメージできる。 ★ボルボ、新型EV「EM90」を11月12日に発表 ……「EM90」がMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)になると発表した。高級リビングルームをイメージした車内になるという。 ★スバル、「ソルテラ」を改良 ……運転支援機能「スバル・セーフティ・センス」の機能を拡充。渋滞時支援/レーンチェンジアシストなどを追加した。また、オーバルステアリングホイールも新採用した。 ★トヨタ、「bZ4X」を一般販売開始 ……一般販売を11月13日から開始する。購入は現金一括や残価型割賦に対応する。合わせて一部改良も発表された。低外気温下における充電時間を最大30%削減する。 ★エネチェンジ、「おでかけEV」と連携 ……ナビゲートが運営する充電スポット検索アプリ「おでかけEV」に、「エネチェンジクラウドEV」のEV充電スポット情報をAPI連携した。「おでかけEV」は、ドライブ計画時の利用や「チェックイン」でポイントが貯まるアプリ。 ★ステランティス、EVのバッテリーリサイクル事業を強化 ……原子力関連事業のオラノと協業する。EVの使用済みバッテリーからレアメタル類を回収し再利用するバリューチェーンの構築を目指す。 ★新興のMIHコンソーシアム、小型EV「プロジェクトX」を発表 ……台湾・フォックスコンが主導するMIHコンソーシアムは、「JMS」でEVの小型モビリティを発表した。「プロジェクトX」は2〜3人乗りのEVでバッテリーは交換式となる。 ★テラモーターズ、「CAVE OKINAWA」にEV用充電器を導入 ……沖縄県の洞窟・鍾乳洞の探検ツアーを運営する「CAVE OKINAWA」の利用者向け駐車場に充電器を導入する。充電器は最高出力6kWタイプで、2024年度中に3基が設置予定。 ★グローバル電子、カナダの充電器メーカーと代理店契約 […]

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ホンダ・MEV-VANコンセプト(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
集配用の軽EVも一歩前へ……着脱交換バッテリー方式の「N-VAN」をヤマトが実戦投入[2023.10.23]

太陽光由来の電力で充電・稼働させるエネマネを含めた実証実験 交換式の有用性を実証するために利点と難点を徹底検証せよ 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)とヤマト運輸(ヤマト)は、交換式バッテリーを用いた軽EVの集配業務における実証を2023年11月から開始すると発表した。群馬県内においてまずは1台を導入・稼働し順次増加させるという。 ホンダの着脱・交換式バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」(MPP)に対応した「N-VAN」ベースの車両「MEV-VANコンセプト」を使用する。バッテリーの充電には再生可能エネルギー由来の電力を使用し、エネルギーマネジメントの検証も同時に行なう。 ホンダは現在「MPP」を活用した電動モビリティの普及に力を入れている。まずは自社向けの施策として、原付スクーターへ採用し一般販売したほか[関連記事はこちら<click>]、小松製作所(コマツ)にMPPユニットを供給し電動パワーショベルを開発・発売している[関連記事はこちら<click>]。 ヤマトは、「2050年温室効果ガス自社排出量実質ゼロ」および「2030年温室効果ガス自社排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向けて、EVを2万台・太陽光発電設備810基・再エネ電力の使用率70%までの向上といった環境対策を進めている。 そんな両社はまず、軽商用EVの「N-VAN e:」(2024年春発売予定)をひと足早く集配業務に導入し実証実験を進めてきた。今回の実証は、それよりも一歩前へと進むものだ。 使用する「MEV-VANコンセプト」は「MPP」を8本搭載。日中に太陽光由来の電力で充電することにより、夜間などに一斉充電を行なうことで発生する電力使用のピークを緩和し、充電待機時間も削減するなどより効率的なエネルギーマネージメントが期待できる。 車両面の検証ももちろん行なう。以下が具体的な内容だ。 ・バッテリーレイアウトを含む集配業務における車両の使い勝手や航続可能距離などバッテリー交換作業と現場オペレーションの両立性 ・登坂時や積載量の多い場合など集配業務におけるさまざまな条件下で必要とされる動力性能 ・交換式バッテリー運用における各種基礎データの取得・検証・耐久性 ・集配業務における車速・アクセル・ブレーキなどドライバーの運転操作や空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データの取得 ・複数のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの実現性 「MEV-VANコンセプト」のプロトタイプは、「スマートエネルギーWeek 春」で実車を見学している[詳細はこちら<click>]。単体としてはコンパクトな「MPP」でEVまで動かせるとは驚きである。ただし1.3kWh/個の「MPP」を8個搭載するので、バッテリーの総容量は10.4kWhとなる。正直なところEVとしては少ない。 その分、日中に交換が必要になるだろうが、1個あたり10.2kgあるバッテリーを8個交換するうえ、バッテリーの上に荷物がある場合は、それらを一度下ろすといった作業も必要となる。それでも充電するよりは交換の方が早く済むと思われるが、ドライバーの負担は増えることになる。 搭載する「MPP」の総容量は10.4kWhなので、太陽光発電の出力が10kWもあれば1~2時間程度で充電できる計算になり、1日2回の交換頻度なら対応できるだろう。再エネ電力の活用が本当に効果的かどうかも、この実証で明らかになるはずだ。ホンダの肝入り「MPP」の本格的な実戦投入と言えるこの実証で課題点を洗い出し、交換式バッテリーの有用性を証明してほしい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「ランクル」のEVコンセプトが発表 ……コンセプトEV「ランドクルーザーSe」がトヨタ自動車から公式に発表された。3列シートの5ドアモデルとなる。「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)で公開する。また、EVのピックアップトラック「EPU」も初公開・展示する。 ★★トヨタ、テスラ方式を採用 ……2025年に販売開始するEVモデルにテスラの充電規格「NACS」を採用すると発表した。すでに販売した「CCS」規格搭載モデルのユーザーには、「NACS」の互換アダプターを提供するという。 ★★ランチア、新型のフラッグシップモデルを2026年に発売 ……全長4.70mのファストバックモデルになると発表した。ステランティスの「STLAミディアムプラットフォーム」を使用する。航続距離は700km以上になるという。 ★「JMS」にZEVエリアが展開 ……東京都は、ゼロ・エミッション・ヴィークル(ZEV)に特化した展示エリアを「JMS」に設ける。EVの試乗体験会を実施するほか、フォーミュラEのマシンのデモ走行も行なう。 ★「BYD・ドルフィン」が「エニカ」に導入 ……カーシェアリングサービスのエニカが、BYDのコンパクトモデル「ドルフィン」を新規導入した。9,200円から利用が可能。またBYDジャパンでは、エニカの利用が50%オフ(「ドルフィン」「アット3」が対象)になるメルマガキャンペーンを実施している。 ★フォロフライ、商用EVバンなどを「JMS」に出展 ……1トンクラスのEVトラックを開発・展開しているフォロフライは、1トンクラスのEVバン「F1VAN」と、その4シーターモデル「F1VS4」を「JMS」に出展すると発表した。 ★ヤマト・インダストリーとIAT、独自開発のEVを「JMS」に出展 ……2022年に資本業務提携を締結した両社が「JMS」に出展する。ヤマト・インダストリーは新ブランド「JEMY」で取り扱う商用EVバン「EV48」。中国新興のIATは、フルサイズのEVピックアップトラック「T-MAD」のコンセプトカーを展示する。 ★リマック、欧州での充電が無料に ……EVハイパーカー「ネヴェーラ」を製造・販売するリマックは、ヨーロッパ最大の急速充電ネットワークのアイオニティとの協力を発表した。ヨーロッパ24ヵ国に展開する同社のステーションの利用料金が8年間無料になる。 ★ステランティス、全電動モデルに旅行キャンペーンを実施 ……ステランティス傘下の全ブランドの電動車「EV/PHEV/MHEV」の購入者を対象に「カスタムメイドの旅」を用意する。JTBがプランニングを担当。購入車両に合わせて、充電プランなどを含めた旅を提案するという。10月7日(土)〜12月29日(金)までの購入者が対象。 ★ブレイズ、三輪スクーターのリースを開始 ……中古車のオークネットが展開する「法人・個人事業主向けEVバイクリース」で、三輪スクーター「EVデリバリー」の取り扱いを開始した。 ★BYD共同開発のポータブルバッテリーに新製品 ……デジタルデバイスのユーグリーンの代理店を務めるフォーカルポイントは、大容量ポータブルバッテリー「PowerRoam」の取り扱いを開始した。BYD共同開発のリン酸リチウムイオンバッテリーを採用し、容量は2,046Whとなっている。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.23]

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グローバル・ハイエースBEVコンセプト(photo=トヨタ車体)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
商用車の真打が電動化……トヨタ車体、「ハイエース」のEVコンセプトを発表[2023.10.19]

トヨタの大型バン「グランエース」をベースにEV化 日本の商用車の代表選手がいよいよ電動化か 【THE 視点】トヨタ車体は、商用車「ハイエース」のEVモデル「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」を発表した。「ジャパン・モビリティー・ショー2023」(JMS)で初公開する。先進的なデザインと大空間、使いやすさを兼ね備えた次世代EVバンとなる。 発表された特徴をまとめると以下となる。  ・多様化するドライバーに配慮(静粛性・乗降性・最小回転半径 5.5mといった取り回しの良さ) ・使いやすさの追求(フラットフロア・ウォークスルー・荷物を楽に移動できる専用カート) ・助手席エリアをカーゴスペースとし約3.5mの⾧尺物を積載可能 ・コネクティッドを活用した配達効率向上(配送ルートの最適化・次に配達する荷物の積載位置表示) 「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」は、日本で市販されている「グランエース」がベースのもの。海外向けでは商用バージョンもあるので、それをベースにEVに仕上げたのだろう。 「グランエース」には、2021年の「箱根マラソン」や、2023年の「オートサロン」にも出展したFCEV仕様が存在する。先日のニュースでも取り上げたが、福島県の交通企業は、そのFCEVの「グランエース」のキッチンカーを導入した[詳細はこちら<click>]。 公開された「ハイエースBEV」のCGを見ると、「グランエース」譲りのスラントノーズはそのままに、フロントフェイスは「プリウス」のようなスポーティな意匠に変えられている。一方、ブラックのフェンダーは樹脂化したのだろうか、ラグジュアリーな「グランエース」とは違って全体的にどっしりとしたタフネス性を表現していると感じる。 パワートレインは、FCEVの「グランエース」からFCスタックや水素タンク、ハイブリッド用バッテリーを取り外し、代わりに容量を増やしたバッテリーを搭載してEVに仕立てたと思われる。 荷室は、従来の「ハイエース」とは大きく異なり、「ホンダ・N-VAN」に近いシートレイアウトと荷室の構成で、使い勝手が良さそうだ。ベース車のグランエースがボンネットバンでエンジンがフロント配置のため成立したレイアウトだろう。 これも想像だが、バッテリーは床下に敷き詰めていると思われる。「グランエース」は後輪駆動だが、「ハイエースBEV」もおそらく踏襲。FCEVの「グランエース」は、プロペラシャフトを介して後輪を駆動しているが、その方式を流用しているのか、「E-アクスル」(モーター/ギアボックス/インバータ一体型装置)を新たに採用しているのか、実車を見るまでは分からない。いずれにせよ、低重心化により走行安定性は高いだろう。 ボディサイズは、全長5,280×全幅1,950×全高1,990mmで、「グランエース」とほぼ同じ値。このボリュームはグローバルサイズで「HWエレクトロ・エレモ-L」「ルノー・E-テック・トラフィック」「ラム・プロマスターEV」「フィアット・E-デュカト」に近い大きさだ。 日本で本格的に普及させたいのであれば、現行の4ナンバーサイズの「ハイエース」をEV化することがベターであろうが、その名を冠したEVが登場したのは大いに歓迎したい。量産・市販化の可能性が高まったことに胸が躍る。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「60ランクル」がEVに ……「ハイエース」「ランドクルーザー」専門店のフレックスと、特装車架装のトノックスは、「60型ランドクルーザー」用のEVコンバージョンキットを開発した。このキットを組み込みEV化した「60ランクル」を「JMS」に出展する。 ★★「BMW・i5」にツーリングワゴンを追加 ……新型「5シリーズ」のEVモデル「i5」にツーリングを追加すると欧州で発表した。2024年春に公開するという。ブランド初のEVワゴンとなる。 ★★シトロエン、廉価なEV「Ë-C3」を発表 ……ヨーロッパで発表。コンパクトSUVの新型EVとなる。最大容量44kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は320km(WLTP値)。価格は2万3,300ユーロ(約370万円)で、2025年までに1万9,990ユーロ(約320万円)の最廉価版も用意するという。 ★EV充電で“ポイ活” ……EV充電スタートアップのジェイボルトは、EV充電マップアプリ「ボルティ」のiOS版の先行提供を開始した。EV充電器の近くでチェックインをすることでポイントが貯まる。ポイントは「ナナコ」「ポンタ」「ファミペイ」などと交換が可能。 ★ホンダ、小型EVの汎用作業車をトロント・ピアソン空港で稼働 ……ホンダのEV作業車のプロトタイプが、カナダのトロント・ピアソン空港で稼働を始めた。汎用型の車両で、タグカー・エプロンの清掃・芝刈り・フェンス点検など様々な作業に対応することができる。 ★テラモーターズ、インドに進出 ……EV充電インフラのテラチャージは、インドに現地法人テラモーターズ・チャージング・ソリューションズPvt Ltdを設立した。10月6日より稼働を開始したという。インドにおいて充電インフラの拡充を狙うとのこと。 ★フォーミュラEのジャガーTCSレーシング、2024年シーズンのドライバーを発表 ……ミッチ・エヴァンスとニック・キャシディの2人を起用する。キャシディはエンヴィジョン・レーシングからの移籍。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.19]

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ホンダ・N-VAN e:(photo=本田技研工業)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
日本での商用EV争いは軽自動車が熾烈に……ホンダ、「N-VAN e:」をWEBで先行公開[2023.10.06]

軽商用バンの大ヒットモデルがいよいよ参戦でシェア争いは熾烈に 「ジャパン・モビリティ・ショー」は軽商用EVの初公開ラッシュ 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)は、軽商用EV「N-VAN e:」を公式WEBで先行公開した。 エンジン車の「N-VAN」が持つ積載製などの機能性をEVでも継承している。荷室のフロア下に搭載するバッテリーを薄型化し、床は低くフラットとし天井は高くすることで大容量な荷室空間を実現しているという。エクステリアは、従来のデザインを踏襲しつつ、使用済み自動車のバンパーをリサイクルした「バンパーリサイクル材」を採用。 「N-VAN e:」の最大の特徴と言えるのは走行性能だろう。EVならではのスムーズな走り出しに加えて、荷物の重量を感じさせないパワフルさ、低重心化による走行安定性を実現しているという。 ブレーキ操作に対してリニアに反応する「電動サーボブレーキ」(回生ブレーキと油圧ブレーキを協調するもの)を軽商用バンとして初採用した。スムーズにブレーキが掛かることで車内の荷崩れの防止につながる。さらにブレーキローターのサイズを大きくし、Dレンジと比べて減速度を大きくするBレンジも設定した。低重心な車体なので、より安心・安全な減速ができるだろう。 パワーユニットの詳細は明らかにされていないが、電動アクスルの小型化に加えて大容量かつ薄型化したバッテリーの採用や高電圧部品の集中配置により、商用車に必要な荷室空間と実用的な航続距離を確保することを目標としている。航続距離は確定していないが、配送業務に十分対応できるよう航続距離210km(WLTC値)を目標に開発しているとのこと。エアコンの消費電力を抑え、航続距離の延長が期待できる「ECONモード」も設定しているようだ。 充電は急速充電に加え、倍速の普通充電となる最高出力6kWタイプに対応している。充電時間は最長5時間とのことで、電気料金の安い夜間帯の中で満充電が可能だ。充電リッドはフロントフェイスに配置し、ケーブルを接続したままの乗降がしやすいよう配慮もしている。 「AC車外給電用コネクター」を使用すれば、1500Wの範囲内で電気製品を駆動することが可能。さらに可搬型外部給電器「パワーエクスポーター e:」を使用することで最大9kVAの高出力給電が可能となり、出力の高い冷蔵庫や冷暖房器具などの駆動が可能となる。緊急時に役立つ機能である。なお、スマートフォンアプリ「ホンダ・コネクト」を使用して、指定時間充電/最大電流量/充電待機時間などの設定を遠隔で行うことが可能だ。 ようやく車両の詳細が公表された「N-VAN e:」は、今年6月からヤマト運輸での実証試験も行なわれるなど、すでに実稼働面での開発が進められている。かねてより「2024年春に発売」と公表していただけに、開発は順調のようだ。 今回驚いたのは、6kWの普通充電に対応していること。電池容量は公表されていないが5時間でフル充電と考えると、最大容量25kWh程度のバッテリーと推測できる。バッテリーの性能にも自信があるようだ。ただ、最大積載量はエンジン車よりも50kg少ない300kgとなっているので注意が必要だ。 気になるのは価格だが、補助金を使えば100万円台に抑えられるとの噂があるので、最も高いグレードでも200万円台後半になるのではないか。 ちなみにホンダは「ジャパン・モビリティ・ショー」で、「新型軽商用EVプロトタイプ」を出展すると発表している。「N-VAN e:」と見て間違いないだろう。先日、スズキは同じ軽商用EVバンに属する「eエブリィ ・コンセプト」の出展を発表している。「eエブリィ」はダイハツからのOEM供給モデルなので、本家もEVの「ハイゼット」を出展するのではないだろうか。 先日のデイリーで「欧州で商用EVバン戦争勃発」と報じたが、日本では「軽商用EVバン戦争勃発」と言えるだろう。日本が得意とする分野で存分にシェア争いを繰り広げて開発を加速してほしい。 商用車としての機能はすべて満たしていると言える作りと装備を持つ「N-VAN e:」への期待は、筆者のみならず配送業者や個人でも高まるだろう。2024年春の発売が待ち遠しい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★北米トヨタ、LGとバッテリー供給を契約 ……韓国のバッテリーメーカーのLGエナジーソリューションと長期供給契約をした。アメリカで生産するバッテリー式EVにLGのリチウムイオン・バッテリーを搭載する。LGはアメリカ・ミシガン工場に約30億ドル(約4,466億円)を投資しラインを新設・稼働するという。 ★★ジェネシス、SUVの「GV60」を改良 ……ヒョンデの高級ブランドであるジェネシスは「GV60」の改良型をアメリカで発表した。主要な改良点は走行距離。後輪駆動モデルで最大294マイル(約473km)の航続が可能となった。価格は5万2,000ドル(約774万円)から。 ★★HWエレクトロ、リースプランを開始 ……事業者向けに商用EVを定額で提供する「HWEカーリース」を10月1日より開始した。軽規格のEV「エレモ-K」の場合、自社リースの代金と補助金を合わせて9,800円/月で利用が可能になる。なお、本サービスは環境省の補助金がなくなり次第終了するという。 ★お台場のEVカート用サーキットが10月28日(土)にオープン ……トムスが運営する「シティサーキット東京ベイ」のプレオープンが決定した。11月22日(水)まで「プレオープンフェスティバル」を開催。10時から22時までの6部制で、EVレーシングカートおよびシミュレーターが乗り放題となる。 ★いすゞ、横浜市と連携協定 ……「横浜市内の商用車部門におけるカーボンニュートラルの実現に向けた連携協定」を締結した。商用EV・FCVといった車両の普及や、それらを利用した輸送の効率化などに協働で取り組むという。 ★ベルセデス・ベンツ、トラック「eアクトロス600・プロトタイプ」が無充電で530kmを走行 ……40トンのウエイトを積んだプロトタイプのトレーラーで、530kmの無充電走行に成功した。充電1回で1000km以上を走行できることが実証されたという。 ★日本発超小型EVの新星が「ジャパン・モビリティ・ショー」に登場 ……特装車架装のトノックスと超小型EV技術研究組合(METAx)は、「マイクロ・ユーティリティ・ビークル」を共同開発する。開発車両は「ジャパン・モビリティ・ショー2023」の会場で公開する予定だ。 ★プラゴの充電インフラがYahoo!のマップサービスで検索可能に ……LINEヤフーと連携し、「Yahoo!カーナビ」「Yahoo!マップ」「Yahoo!ロコ」などで検索が可能になる。充電ステーションの場所はもちろん、充電器の出力や台数も表示されるという。 ★ジゴワッツ、最高出力6kWの充電器が補助金対象に ……倍速の普通充電が可能になる最高出力6kWタイプの「JW-EVSE-6KI」がJARIの認証を受けた。これにより従来の3kWタイプと同様に補助金の対象となる見込み。 ★国内自動車関連業のEV事業参入意向が5割以下 ……帝国データバンクが「EV普及の影響/参入企業の実態調査(2023年)」の結果を公表した。EV普及によりマイナスの影響を受けている企業は49.2%。「参入済みもしくは参入予定」と回答した企業は44.1%だった。 ★ボルボ、2023年9月のEV販売台数は9,205台 ……前年同月(6,072台)比52%の増加。1月〜9月の販売台数は8万629台で、前年同時期(3万2,369台)比149%増となった。 ★「BYD AUTO 名古屋北」が10月6日(金)にオープン ……BYDオート・ジャパンの正規ディーラーとして開業。ショールームを備えた店舗としては、国内12ヵ所目になるという。運営は双日が担当する。10月7日(土)〜10月31日(火)までオープニングフェアを開催する。 ★日立アステモ、二輪向けEVシステムをJMSに出展 […]

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