テスラ 記事一覧

TEXT:高橋 優
突如発表された6人乗りのテスラ「モデルY L」! めちゃくちゃ売れそうな中身をじっくりチェック

テスラ新型モデルは待望の6人乗りSUV! テスラが中国市場において新型モデルとなるモデルY Lを世界初公開しました。ホイールベースを3000mm超へと引き延ばして6人乗り仕様を実現。さらに、モデル3にロングレンジRWDグレードが追加設定される見込みなど、テスラの最新動向を取り上げます。 まず、突如として発表されたモデルY Lについて、全長4976mm、全高1668mm、ホイールベースが3040mmと、通常のモデルYの全長4797mm、全高1624mm、ホイールベース2890mmよりもひとまわり大きくした、いわばロングホイールベースバージョンとなります。よって3列シート搭載が可能となり、さらに2列目シートはキャプテンシートが採用されることで6人乗り仕様となりました。 この表は、今回正式発表されたモデルY Lと、通常のモデルY、およびモデルXのEV性能を比較したものです。まず、車両サイズについて、これまでテスラ車でホイールベースが3000mmを超えていたのはサイバートラックのみであり、モデルXですらホイールベースは2965mmに留まっていました。今回のモデルY Lは、全長に占めるホイールベースの長さが最大化されているのです。 また、気になるのが3列目よりも2列目のキャプテンシートの完成度でしょう。現在の中国市場は6人乗りの大型電動SUVがレッドオーシャンと化しており、2列目のキャプテンシートの快適性が重要視されています。たとえばモデルXの場合、2列目のキャプテンシートは4方向電動調整とシートヒーターが搭載されているものの、競合の6人乗り電動SUVの場合、シートクーラーやシートマッサージ、ゼログラビティシート、冷温庫、大型ディスプレイなどが完備されています。モデルY Lのキャプテンシートにどのような機能が実装されるのかは注目動向といえるでしょう。 また、現時点で確定しているのは以下のとおりです。 ・韓国LGエナジーソリューション製(LGES)の三元系バッテリーを搭載 ・フロントに3D3のインダクションモーター、リヤに3D7の永久磁石同期モーターを搭載 ・AWDグレードの最高出力は340kW ・最高速は201km/h ・ホイールには新たなデザインを採用 ・フロントタイヤに255/45R19、リヤタイヤに275/45R19という異型サイズを装着 ・車両重量は2088kgと通常のモデルYロングレンジAWDの1992kgと比較しても100kgほど重くなっている おそらく発売開始時にはRWDグレードもラインアップされると推測可能です。いずれにしても、通常のモデルYと比較して電費悪化をどれほど最小限に留めることができているのかには注目です。 そして、今回のモデルY LのさらなるEV性能を推測する上で重要な情報が、電池容量増量の可能性です。じつは欧州市場において、モデル3とモデルYの新たな車両情報が登録されており、LGES製としてLG5Mと名付けられた84kWh級の新型バッテリーが登録されました。このLG5Mによって、テスラモデル3ロングレンジRWDグレードは、これまでの702kmから750kmにまで航続距離を延長。モデルYロングレンジグレードにも同様のバッテリーが搭載見込みなのです。 そして、モデルY Lは秋から発売がスタートされるとアナウンス。よって、モデルY Lに搭載されるバッテリーはLG5Mの84kWhとなる可能性が極めて濃厚です。電費が悪化するロングホイールベースバージョンの発売に合わせて、電池容量を引き上げてくるというのも合理的に見えます。

TAG: #3列シート #テスラ #輸入車
TEXT:高橋 優
世界のBEV覇権争いの主役はテスラからBYDに! テスラはロボタクシーで巻き返しなるか?

テスラの販売台数は13.5%減 テスラとBYDの2025年第2四半期の販売台数が判明しました。テスラが大幅に販売台数を落としたことで、2025年の年間EV王者がBYDとなる可能性が確定的となりました。上半期における両社の現状と見通しを比較します。 まず取り上げていきたいのがテスラの最新販売動向です。テスラは2024年シーズンに178.9万台と、2023年比でマイナス成長に留まってしまっていたという背景が存在します。その上で、2025年Q2におけるグローバル全体の納車台数は38万4122台と、2024年Q2と比較して-13.5%と販売減少を記録しました。車種別の販売台数について、モデル3とモデルYの販売台数の合計は37万3728台と、2年連続で販売台数が低下しています。とくにQ2は新型モデルYの販売のピークを迎えていたものの、それでも販売減少に歯止めがかからなかった格好です。 さらに懸念するべきは、モデルS、モデルX、そしてサイバートラックの販売台数の合計でしょう。Q2単体で1万394台と、前年同四半期比で-51.8%と半減してしまっています。とくに懸念視するべきはサイバートラックです。現時点では販売台数の内訳は公開されていないものの、多く見積もったとしてもサイバートラックは5000台程度だったと推測可能です。すると、サイバートラックの年間販売台数は2万台規模と概算可能です。そして、現状のサイバートラックの生産能力は12.5万台以上であることから、生産ラインの稼働率は16%程度と低迷していると推測できます。まったく同様にモデルSとモデルXのフリーモント工場の生産ラインの稼働率も約20%と推測可能であり、収益性の圧迫要因といえそうです。この収益性については7月23日の決算発表に注視する必要があります。 いずれにしても、テスラが年初に掲げていた20〜30%の販売台数増加目標の達成は絶望的になったといえます。とはいえ、すでに商業運行をスタートしているロボタクシー事業には期待がもてます。現在はテキサス中心部の一部区画でのみ展開しているものの、今後どれほどのスピード感で展開が加速していくのか。この1、2年では目立った収益への貢献は期待できないものの、中長期的なテスラの新たな収益モデルとして期待せずにはいられません。

TAG: #2025年 #販売台数
TEXT:桃田健史
イーロンマスクの動きで不買運動まで起こったテスラ! EVが伸び悩むいまこの先の戦略はどうなる?

イーロン・マスクの一挙手一投足が経営に影響 6月に入って連日、「トランプ vs マスク」に関する報道が続いた。マスクとは、テスラCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏のことである。 ただし、今回の件でマスク氏はテスラ経営者としてではなく、アメリカ連邦政府の政府効率化省のトップとして報道されることが多い。その名のとおり、行政機関での無駄を削減することが、トランプ大統領がマスク氏に与えたタスクだったが、その強引な方策に解雇された職員やその家族から猛烈な反発が出た。 そうしたマスク氏に対する気もちが、テスラの不買運動へと飛び火した。また、欧州市場でもマスク氏の公的、または私的(テスラCEOとして)の発言がテスラの販売に大きな影響を及ぼした。 このような経営者の動向が、自動車メーカーの業績に直接関わるケースは極めてまれである。テスラの場合、創業時は投資家として、また2000年代末にテスラが窮地に陥ってからは経営トップとして表舞台に躍り出たマスク氏の一挙手一投足が、テスラの経営を大きく左右するというプロセスが続いた。 現状、そうした「テスラ=マスク氏」という構図が、テスラ事業にネガティブに作用しているといわざるを得ない。 一方で、テスラ事業そのものを見ると、モデルラインアップでは売れ筋「モデルY」と「モデル3」が熟成期となり、また「サイバートラック」の販売が頭打ち。新事業として、ロボットタクシーや人型ロボットを自社イベントでプロモーションし、一部は社会実装のステージに入っているものの、実質的なビジネスプランの先行きは未だ不透明な状況だ。 また、中国ではBYDを筆頭とする中国地場メーカーによるEV価格競争が激化するなかで、テスラとしては新たなるセグメントでの新車導入が必要な時期なのかもしれない。 時代を少し振り返ってみると、2000年代のEV業界は「リーフ」と「i-MiEV」が大手自動車メーカー初量産のEVとして市場の基盤を作った。2010年代に入るとテスラの「モデルS」構想が具体化したものの、安定的な生産に達するまでかなり長い年月を必要とした。 ところが、「モデル3」の登場と世界的なESG投資拡大によって、テスラの販売台数、そして株価が急上昇していった。ESG投資とは、従来のように財務状況だけではく、環境、ソーシャル(社会性)、ガバナンスを重視した投資のことだ。 そうした時代の波に乗ったテスラは、マスク氏の政権入りという高みに達したのだが、世界的なEGS投資のトレンドがすでにピークから下降に向かい、世界最大の中国市場で地場EVメーカーが躍進するなど、テスラにとって、またマスク氏にとってビジネスのステージが再び大きく変わり始めているのだと思う。 今後のテスラの動向を注視していきたい。

TAG: #イーロン・マスク #トランプ大統領
TEXT:TET 編集部
テスラ・モデル3が特別価格調整で実質400万円切り!  新ストアにギガファクトリー招待のコンテストなど一挙発表

モデル3を買うなら6月30日までに駆け込むべし テスラの日本法人であるTesla Japanから3つの異なるトピックが一挙に発表された。 まずはテスラ・モデル3の車両価格に関して。テスラはモデル3の在庫車を6月30日までに注文した場合に限り、特別価格調整を行なうことを発表した。これにより、エントリーモデルのモデル3 RWDは国の令和7年度CEV補助金87万円を加味すると、実質購入金額が399万円となる。 この特別価格調整は実質的な値引きを意味し、モデル3の各グレードによってその金額は異なる。エントリーモデルのモデル3 RWDは、45.3万円の価格調整が入り車両本体価格は486万円に。モデル3 ロングレンジAWDは55万円の価格調整で566.9万円、モデル3 パフォーマンスは34.9万円の価格調整で61万円円と発表された。 3つのグレードすべてが、令和7年度のCEV補助金の対象で一律87万円となるから、モデル3 RWDの実質的な購入金額は399万円となる。さらに、東京都在住の場合を例にすると、都から最大80万円の補助金が受けられるため、319万円という衝撃的な低価格で購入することが可能となる。モデル3の購入を真剣に検討している方にとっては、迷ってる暇無しの神対応と言えそうだ。 関東・東海・近畿に新たな「テスラストア」がオープン 続いてのトピックは、テスラストアの新店舗に関する情報。 6月から7月にかけて、関東、東海、近畿の3エリアに新たなテスラストアがオープンする。これにより期間限定ストアと合わせて、全国23の拠点でテスラを体験できるようになる。また、いずれのストアも今年1月にフルモデルチェンジした新型モデルYとモデル3の2車種を展示予定だという。 各ストアのオープン日と所在地は次の通り。 ・テスラ神戸 6/14オープン 兵庫県神戸市兵庫区中之島2-1-1 ・テスラ茨城 6/21オープン 茨城県土浦市上高津367 ・テスラ名古屋則武 7/5オープン 愛知県名古屋市西区則武新町 3-1-17

TAG: #キャンペーン #テスラ #モデル3 #新店舗
TEXT:西川昇吾
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた

最新の輸入EVに試乗! 近年モデル数が増えてきているBEV。バッテリーに充電した電力のみで駆動するクルマたちだ。国産車でもさまざまなBEVがあるが、輸入車はそのバリエーションが多い。今回は個性やコンセプトがそれぞれ異なる輸入BEVモデルに一気乗り! それぞれのもつ世界観を味わってみた。 フィアット600e 今回試乗したBEVモデルのなかで、もっとも乗り味が普通だと感じたのが600eだ。「普通」というのは、ICE車に近い乗り味ということ。スロットルに対しても自然なトルクの出方で、パフォーマンスをアピールするようなBEVにありがちなビックリな加速は見せないし、全体的な乗り味も以前乗ったことがあるノーマルモデルの500を思い出させる雰囲気だ。おそらく狙った作り込みだと思うが、日本人が「フィアット」と聞いて思い浮かべるような乗り味がBEVでも再現されている。 乗り心地も割とマイルドでフワッとした感じに仕上がっていて、BEVらしさを感じない。1580kgというBEVとしては軽量な車重もこの乗り心地に影響していそうだ。このBEVらしくない自然な乗り味は初めてのBEVにオススメの1台といえる。 MINIエースマン MINI初の専用BEVモデルとしてラインアップされているエースマン。3ドアにはBEVとICE両方がラインアップされているが、エースマンはBEVのみの専用ボディだ(3ドアもそれぞれで異なる専用プラットホームとなっている)。 MINIの乗り味といえばゴーカートフィーリングと呼ばれるクイックな操作性が特徴。ステアリングとフロントタイヤが直結しているかのようなシャープなノーズの動きが、MINIの愛されポイントのひとつといえる。しかし、エースマンに実際に乗ってみるとゴーカートフィーリングは思ったより薄め。いや、普通のモデルと比べるとフロントがクイックかつシャープなフィーリングとなっているのだが、MINIファミリーのなかで考えるとその味付けが薄い印象だ。 どちらかといえばその乗り味はBMWのBEVモデルに近いかも? と思った。MINIらしさはしっかりとあるが、BEVで濃いMINIらしさを味わいたいのであれば3ドアのほうがいいかもしれない。

TAG: #試乗 #輸入車
TEXT:TET編集部
令和7年度の「CEV補助金」で輸入車トップの87万円補助! テスラ・モデル3を買うと3年間充電し放題プランもついてくる

輸入車唯一の最高額を確保したテスラ EVの購入を検討する際、メーカー・車種や居住地により異なる補助金の多寡で、実質的な購入金額に差が生まれ、購入車種の選定に大きく影響する。国が支給する補助金は現在1種類「CEV補助金」が設定されているが、令和7年度は補助金の額を算出するにあたって、経済産業省は項目を見直し、GX推進に向けた鋼材の需要喚起のための新たな加算措置が設けられた。 従来からメーカー・車種に対する評価項目となっていた重要鉱物の安定確保、サイバーセキュリティへの対応、ライフサイクル全体での持続可能性の確保など多岐にわたる項目に加え、環境負荷が低い鋼材の今後の計画等に係る企業評価項目などが総合的に判断されるようになった。その結果、輸入車のなかで唯一最大87万円の補助金を受け取れるようになったのがテスラだ。 この補助金の対象車種には、2025年モデルで劇的進化を遂げ、4月24日以降に登録が開始される新しいモデルYも含まれる。モデルYのエントリーグレード「RWD」の税込み車両本体価格は558万7000円となっているため、東京都在住者を例にすると、国から支給されるCEV補助金87万円に加え、東京都からZEV補助金が最大80万円支給され合計167万円となる。 これにより、実質的な車両本体価格は391万7000円まで下がる。さらに、局所的な話ではあるものの、千代田区在住の場合は最大20万円の補助金が上乗せされ、合計187万円もの補助金が受け取れるため、実質車両本体価格は371万7000円となる。 令和7年度4月以降に購入し、87万円のCEV補助金が支給されるテスラのモデルは、この新しいモデルYのRWDとロングレンジAWDのほか、モデル3のRWD、ロングレンジAWD、パフォーマンスが対象となる。一方、モデルSとモデルXについては、次世代自動車振興センターが公表している補助対象車両一覧を確認すると、どちらも53万6000円に留まる。 モデル3を対象とした「充電不安ゼロキャンペーン」でさらにお得に テスラは令和7年度のCEV補助金額が確定したこのタイミングで、テスラ スーパーチャージャーの無料利用特典をはじめ、EVを初めて所有する方も安心して購入できる「充電不安ゼロキャンペーン」を開始している。 具体的にはモデル3のカスタムオーダー、または在庫車を購入すると、納車後3年間はスーパーチャージャーによる充電が無料となるほか、自宅での充電をサポートするアイテム「ウォールコネクター」または「モバイルコネクター」のいずれかがもらえる。ガソリン代が高騰する昨今の状況において、3年間充電し放題というのは、EV本来のランニングコストの低さをさらに強調すると言え、お買い得度が高い。 「充電不安ゼロキャンペーン」は6月30日までの期間限定のため、モデル3を検討中の方はこの機会をお見逃しなく。

TAG: #CEV補助金 #テスラ #モデル3 #モデルY
TEXT:琴條孝詩
「サイバートラック乗りたいぞ」じゃあ並行輸入……とはいかない! エンジン車と違ってEVの並行輸入に存在する高いハードルとは

世界中で魅力的なEVが登場 電気自動車(EV)の時代が到来し、世界中で多種多様なEVが続々と発売されている。しかしその一方で、日本市場に導入されていないモデルも数多く存在する。従来の内燃機関(ICE)車であれば、並行輸入で海外モデルに乗る愛好家も少なくなかったが、EVの場合、並行輸入車をほとんど見かけない。なぜEVでは並行輸入が進まないのか、その理由と課題について探ってみよう。 <魅力的な海外EVモデルの登場> 2024年3月、中国の家電大手シャオミが初のEVセダン「SU7」を発表した。SU7は、最高出力673馬力、最大トルク838Nmという圧倒的なパワーを誇り、0-100km/h加速は2.78秒という驚異的な性能をもつ。さらに、最大航続距離は800km(中国のCLTC基準)に達し、急速充電では15分で510kmの航続距離を回復できるという。また、同12月、クロスオーバーSUV「YU7」を公開した。「YU7」は2025年に発売されるとしている。シャオミの高い性能と先進的なデザインをもったEVは、多くの自動車愛好家たちから注目されている。 一方、アメリカで注目を集めているのがテスラのサイバートラックだ。独特な未来的デザインと、最大1万1000ポンド(約5000kg)の牽引能力、最上位モデル(Cyberbeast)では0-60mph(約96km/h)加速が2.6秒という性能で、多くの日本人ドライバーたちも深い興味をもって見つめている。 しかし、これらの魅力的なEVモデルは、現時点で日本での正規販売の予定がない。 <EVの並行輸入を阻む高いハードル> ICE車の場合、並行輸入は比較的容易だった。しかし、EVの並行輸入には多くの障壁が存在する。まず、EV並行輸入の最大のハードルは充電インフラの互換性にある。日本国内の急速充電器の約80%が「CHAdeMO」規格に対応しているが、欧米や中国のEVの多くは「CCS」や「GB/T」を採用している。たとえ変換アダプタを使用したとしても、充電速度が50%以上低下する事例もあり、実用性が損なわれる。テスラのスーパーチャージャーに至っては自社ネットワークに依存するため、並行輸入車は原則利用不可能だ。さらに、家庭用充電設備の電圧差(日本は100V/200V、海外は220-240Vが主流)も無視できず、充電効率の低下や機器劣化のリスクがつきまとう。 また、EVのバッテリーは高電圧・大容量であり、安全基準への適合が極めて重要だ。日本の厳格な車両安全基準に適合されるには多額の費用と手続きがかかる。さらに、EVのソフトウェアアップデートや遠隔診断などのコネクテッド機能が、日本の通信規格や法規制に対応していない可能性もある。たとえば、自動運転機能の地図データ更新が地域制限にかかる可能性も高く、セキュリティアップデートが適用されないまま走行する危険性も無視できない。

TAG: #並行輸入 #輸入車
TEXT:琴條孝詩
白ばっかりだったテスラだが今度はグレーだらけになるハズ! アメリカのEVテスラのボディカラーが偏るワケ

テスラは標準色にパールホワイトマルチコートを採用 街なかでテスラを見かけると、その多くが白色であることに気づく。これは偶然ではなく、テスラが標準色としてパールホワイトマルチコートと呼ばれる白を採用していることが大きな要因であろう。ちなみに、標準色は追加費用がない。 なので、機能に差がなく、色にこだわりがない人は標準色を選ぶ理由もよくわかる。とくにテスラのホワイトは高級感のある美しい色味で、追加料金を支払ってほかの色を選ぶ必要性を感じない購入者が多いことは確かだ。 <世界的に見ても白い自動車が好まれる> クルマの色は、ホワイトが世界的にも人気を集めている。ガラス・塗料メーカーの米PPG社の調査によると、2022年に販売された新車の34%がホワイト系の塗装を施されており、2位のブラック(18%)を大きく引き離している。 その理由はいくつかある。 まず、ホワイトは汚れや傷、塗装の劣化が比較的目立ちにくい。また、夏場の暑さ対策としても有効で、ほかの濃色と比べて車内温度の上昇を抑える効果がある。これはとくに電気自動車において重要で、エアコンの使用を抑えることでバッテリーの消費を節約できる。 さらに、ホワイトは中古車市場での売却時に高値がつきやすいという利点もある。人気色であるホワイトは、中古になってもなお人気が持続し、平均的な色と比べて高いリセールバリューをもつ。そういった理由からここ数十年間ずっと日本の自動車市場でもホワイトがもつ清潔感や高級感が重要視されていた。

TAG: #ボディカラー #白
TEXT:斎藤充生
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた

大胆な「みきゃんカラー」で子どもたちに大人気 ディアパソン C580 Fork3 ヤマハが2026年内の発売を目指して開発を進めている小型特殊規格の低速EV「ディアパソン C580」は、この大阪オートメッセで新たに「オトナの隠れ家」をコンセプトに開発されたトレーラーを牽引した「ディアパソン C580 Fork3」を出展。 岡山県の両備テクノモビリティーのトレーラーを使用し、愛媛県のフィーストが改造を担当。外装には愛媛県のイメージアップキャラクター「みきゃん」が大胆に描かれ、瀬戸内色の強いコンセプトモデルになっている。 ヤマハがかつて販売していた電動バイクのEC-02もみきゃんカラーにカスタムされ、トレーラー内でホビー用のバイクを整備して、外を走りまわるような使用方法を提案。トレーラー内の電源はもちろんポータブル電源を使用しており、ディアパソンに使用するバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」の充電も可能な仕様になっている。 ヤマハブースの隣には、子供たちを対象としたアクティビティ「こどモビリティ」が展開されていたことに加え、この親しみやすい外観からか、入れ替わり立ち代わり子どもたちがディアパソンに座っては記念撮影をしていたのが大変印象的だった。 小型特殊規格に収まるディアパソンだから、運転に必要な小型運転免許は16歳から取得できる。子どもたち、あと少しで本当に運転できるようになるから、それまでお楽しみに!

TAG: #G-7オートサービス #オートバックス #ヤマハ発動機 #リバティーウォーク #大阪オートメッセ2025
TEXT:斎藤 充生
大阪は電動モビリティも元気いっぱい! ヒョンデの超注目EVにスズキ初の電動モペットなど見どころたくさん

ヒョンデの新型スモールEV「インスター」は隠れキャラクターの宝庫 大阪オートメッセに初のブース出展を行なったヒョンデは、発表されたばかりのスモールEV「INSTER(インスター)」を2台と、オートバックスと協業し、土屋圭市氏監修のもと開発されたチューニングパーツを装着した「IONIQ 5 N DK Edition」の計3台を展示。 カスタムカーショーではいわゆる走りのモデルに注目が集まりがちだが、今回は圧倒的にインスターに多くの人だかりができていた。軽EVに迫る魅力的な価格設定と実用的なコンパクトさからか、購入検討モードで車両を隅々までチェックしており、関心度の高さが伺えた。 これまで日本にライアンアップされていたヒョンデは、どことなくクールなイメージのモデルだったが、このインスターはユーモアたっぷりでカジュアル。 ボディシルエットこそ骨太でアクティブな印象を受けるが、車内外のいたるところに公式キャラクターのモチーフともなった円が描かれており、なかなかポップな表情を見せている。 こういった愛らしさが親しみやすさを生み、人々の関心を自然と生んでいるのではないかと感じるところで、1960年代のラリー・モンテカルロ参戦マシンをイメージしたカスタム版のインスターを含め、ヒョンデの意外な一面が感じられるクルマといえそうだ。 今春にはHyundai Customer Experience Center 大阪(CXC大阪)のオープンを控えるヒョンデにとって、この大阪オートメッセは関西圏のユーザーに対し、絶好のアピールとなったに違いない。

TAG: #オートバックス #スズキ #ヒョンデ #大阪オートメッセ2025
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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