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ジャパンEVラリー白馬2023(photo=日本EVクラブ)
TEXT:福田 雅敏
今年の最長距離の参加者は⁉︎……「ジャパンEVラリー白馬2023」は充電計画も愉しい

豪華EVパレードを行う「ジャパンEVラリー白馬2023」最終日 今年で10回目を迎えた「ジャパンEVラリー白馬2023」。前回のレポートは、イベント初日に行われた試乗会や夜の宴会などを紹介した。今回は2日目の模様を紹介する。 23日は、朝からパレードが行われた。「EV気候マーチ」と称され、「エイブル白馬五竜駐車場」をスタートし田園を絡めた絶景ポイントで記念撮影の後、前日のEVラリーのゴールである「白馬ジャンプ競技場」までの7kmを走行する。今年は55台が参加。都合により、前日から宿泊できない参加者なども訪れた。後述する「EVラリー」も1日だけの参加とはなってしまったが、楽しまれていたようだ。 充電インフラについての意見を交換できる「EVミーテイング」 パレード後は、エイブル白馬五竜エスカルプラザにて「EVミーティング」が行われた。10周年記念のスペシャルコンテンツである。 テーマは「充電インフラについて考える」。EVsmartブログの寄本編集長と、白馬EVクラブの渡辺氏によるトークが行われた。前半は普通充電について、後半は急速充電について。宿に充電インフラを持つ白馬村内ホテルのオーナー達や、ジャーナリストからも多くの意見が出された。 白馬には約40基(口)の充電設備があるというが、老朽化も目立つため入れ替え等について白馬村を含めて協議をしている最中だと言う。複数口充電を希望する意見が多かった。 その後は、エイブル白馬五竜の駐車場に戻り、白馬の美しい山並みをバックにEVと参加者の集合写真撮影。およそ60台のEV、PHEV、FCEVが一堂に並ぶ。この写真は圧巻である。 2日間にわたって行われる「ミッションラリー」と「デジタルスタンプラリー」 イベントのコンテンツの中には、2日間にわたって行われたものもある。「ミッションラリー2023」である。EVラリーならではの「スペシャルミッション」(配点はシークレット)と、白馬村内に設定されたスポット10か所を巡る「デジタルスタンプラリー」との獲得ポイントを合算して上位争うものだ。 「スペシャルミッション」は、一例をあげると「白馬村の充電設備がある宿に泊まる」「試乗会に参加する」「パレードに参加する」など5つのミッションからなる。 「デジタルスタンプラリー」は、スマホアプリを利用して白馬の自然や絶景ポイント、地元おすすめの名所、ゼロカーボンの取り組み箇所などを巡るもの。この2つのミッションの達成具合で賞が決まる。訪れる場所・時間・順番は決められていないので、試乗会の合間などを利用して参加する。1箇所のみので行うのではなく、村全体を活用して行われる宿泊イベントらしいコンテンツだ。

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ベルエナジー・ローディV2と日産・サクラ(photo=ベルエナジー)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
電欠のお助け隊から充電インフラへ……ベルエナジー、「電気の宅配便」の実証実験を開始[2023.09.14]

スペースさえあれば電話一本でどこにでも駆けつけその場で急速充電 充電スポットに行くという枷を取り払う新たなインフラとなるか 【THE 視点】ベルエナジーは、EV向け出張充電サービス「電気の宅配便」の実証実験を2023年9月19日から、茨城県つくば市内限定で開始する。 米国スパークチャージ社と共同で、「どこでも急速充電」をコンセプトに外部入力設備不要・完全スタンドアローン設計のEV急速充電器「ローディV2」の普及に取り組んでおり、EVユーザーに対する新サービス「電気の宅配便」の実装を見据えたニーズ調査をするという。 サービスの本格展開は2024年度内を目指している。ベルエナジーの拠点があるつくば市でまず実証を行ない、実験終了後は広範囲な事業展開を視野に入れサービスパートナーの募集を開始する予定だ。 「電気の宅配便」とは、急速充電器を搭載した専用車両がユーザーの車両の元にに出向き、その場で充電するというもの。事前予約が必要だが、わざわざ充電スポットに出向く必要がなく、自宅・事業所・そのほか出先で用を済ませる傍ら、急速充電サービスを受けられる。 実証期間は2023年9月19日から11月30日まで。使用機材のポータブルEV急速充電器「ローディV2」は、「CHAdeMO規格」に対応し最高20kWの出力が可能となる。充電容量は最大13.4kWh。この機器を「日産・サクラ」に搭載しユーザーの元に出向く。 ベルエナジーが展開するポータブル充電器「ローディV2」と「電気の宅配便」サービスは、この「デイリーヘッドライン」で幾度か取り上げているとおり、“電欠した際のお助け隊”のイメージが強かった。しかし今回の発表でそのイメージが変わった。このサービスは充電設備のない場所にもバッテリー残量を気にせず出かけられ、さらにその出先で充電時間をより有効に使えるようになる。 充電器のないショッピングモールやスーパーなどの買い物などにも有用だろう。普通充電のインフラでは十分な充電量が得られない場合にも有効な手段だ。取引先が社用EVで来社した際に利用すれば相手に喜ばれるはず。活用方法は色々と考えられる。 このサービスに「日産・サクラ」が使われているのも良い点だ。軽自動車なので機動性が抜群だし、小型なボディは充電時のスペース確保にも役立つ。これを機に、EVユーザーの充電の保険代わりとして、充電インフラの一形態として、全国での導入が始まってほしいものである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ・BMW・フォード、アメリカで合弁会社を設立 ……EVを活用した電力ネットワーク企業「チャージスケープ」を3社合同でアメリカに立ち上げた。複数の自動車メーカーと、アメリカ・カナダにある電力会社を結ぶ情報共有プラットフォームを構築し、EVユーザーの電力料金を削減するという。2024年初頭の稼働を目指す。 ★★三菱ふそう、新型「eキャンター」をヤマト運輸に900台納入 ……ヤマト運輸としても標準的に使用している最大積載量2トンのモデルを、全国に順次導入する。「eキャンター」専用に用意した「FUSOグリーンリース」を利用して契約する。 ★★ハイパーEVメーカーのリマック、日本上陸 ……ハイパーEVの「リマック・ネヴェーラ」が日本発売となる。輸入元は、ハイパーカー「ケーニグセグ」の正規代理店を務めるビンゴ。9月13日(水)から15日(金)まで、「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS」<東京都江東区新木場>でローンチイベントを開催する。 ★★プジョー、新型EV「E-3008」を発表 ……SUVタイプの新型EV。ステランティスの「SLTAミディアム・プラットフォーム」を初採用し、航続距離は最大700km。グレードは、2WDの基準車/ロングレンジと、デュアルモーターAWDの計3種類を用意した。 ★★住友商事、「EVバッテリー・ステーション千歳」を稼働 ……北海道千歳市に開設した。EVのバッテリーを再利用した大規模な系統用蓄電池設備。EVのバッテリー約700台分を収容し、約2,500世帯の1日分の電力を貯めることができるという。 ★東京センチュリーと関西電力、使用済みEVを利活用できるパートナーを募集 ……両社はEVの使用済みバッテリーを活用したバッテリーシステムの構築を共同研究するとともに、バッテリーを除いたEVの車体を利活用できるパートナーの募集を開始した。 ★ジェイテクト、燃料電池車向けの「高圧水素供給バルブ」を開発 ……第3世代となる「高圧水素バルブ」と「高圧水素減圧弁」を開発した。商用車向けの高流量対応品となる。供給バルブは従来比200%、減圧弁は従来比130%の性能となり、長時間の使用にも耐えられるという。 ★富士ソフト、パナソニックエレクトリックワークスのEV充電器シェアサービスに開発協力 ……EV用充電シェアリングサービス「everiwa Chager Share」のWEB・アプリの開発に協力した。同サービスは、あるオーナーが所有する充電器を登録してあるEVユーザーに貸し出す、いわゆるマッチングサービスになる。 ★スマートドライブ、マレーシアでEV充電事業を本格開始 ……ランカウェイ島と東部パハン州クワンタンに計3基の充電器を設置した。今後順次拡大するという。同社は2020年に現地法人を立ち上げている。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.14]

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エネオス・NEC・日本通運の3社は、EVトラックの普及拡大に向けた経路充電の実証実験を9月5日より福岡県内で開始した(photo=日本電気)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
商用車にも公共のEV充電器を……エネオス・NEC・日通がEVトラックの経路充電を実証実験[2023.09.11]

市中にある充電器は乗用EV向けで大型車は近寄れない EVトラック専用の充電器の拡充があってこその普及 【THE 視点】エネオス・NEC・日本通運の3社は、EVトラックの普及拡大に向けた経路充電の実証実験を9月5日より福岡県内で開始した。 EVトラックは、EV全体の中でもCO2の排出削減に大きく貢献できるとされている。しかし、EVトラックに対応した充電設備を持つステーションは場所が限られているため、普及の足枷となっている。そこで、エネオスをはじめ3社合同でEVトラックの経路充電の有効性の確認・運用方法の確立を目指して実証実験を行なう。 実証期間は9月5日より1ヵ月。エネオスの 「Dr.Drive セルフ水城店」<福岡県太宰府市>に設置された急速充電器を用いる。実施車両は「日本通運・福岡支店」<福岡市>に導入されている EVトラック「三菱ふそう・e-キャンター」1台となる。 検証・確認項目は以下。 ・EVトラックの長距離輸送における経路充電の有効性 ・EV運用支援アプリの必要機能・有効性 ・出発地から配送先へのルート検索や電気消費量シミュレーション ・シミュレーションを踏まえた充電ステーションの検索 ・ドライバーへのバッテリー切れリスクの通知 この実証を通じて、NECは日本通運のEVトラックの実運行データを活用して開発したEV運用支援アプリケーションの価値向上を目指す。エネオスは、EVトラックユーザーの充電ニーズに応じた経路充電ネットワークの拡充を図る。日本通運は、EVトラックの運行データを活用して環境配慮車両の導入を積極的に進め、サプライチェーン全体を通じて環境負荷の少ない物流を提案していく構えだ。 商用車はその車体が大きいことから、立ち寄った休憩場所にEV用充電器があってもその機器にアクセスできないという問題がある。この実証実験を通じて、EVトラックの普及の上で欠かせない運用支援アプリケーションや充電ネットワーク、運送業者のEVトラック導入のハードルといった課題が具体的に見えてくるだろう。 1社のみの奮闘ではEVトラックの普及はできない。参画企業がそれぞれの技術を持ち寄り、現場での情報を共有しフィードバックすることが、普及拡大のためには必要な手順である。 今年は、EVトラック元年ともいえる。三菱ふそうからは第二世代の「e-キャンター」が発売され、いすゞからも「エルフEV」が発表された。商用EVはまだ普及の初期段階にある。この実証を将来に繋げてほしい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、北米で充電規格を採用 ……テスラが展開する充電規格「NACS」を北米向けのEVに採用する。2025年中にNACSに対応したEVを発売するという。ホンダは、欧州などのメーカーとともに北米に充電インフラの合弁会社を設立し、「NACS」への対応を進めている。 ★★フォード、新型EV「マスタング・マッハ-E・ラリー」を発表 ……EVの「マスタング・マッハ-E」のオフロードモデルをアメリカ本国で発表した。悪路を本気で走れる仕様となっているのが特徴。足回りやホイールは専用品を設定。駆動方式は前後2モーター式のAWDで、ラリー専用の走行モードも備えている。 ★★パナソニックとゼンリンがEVビジネスで協業 ……EVのエネルギーマネジメントを共同開発する。まずは、EV用充電器メーカーやEV用充電器の管理・運用を行なう企業向けに「EVチャージ需要マップ」の提供を開始した。 ★ベルエナジー、現場充電サービスの実証をレクサスユーザーなどを対象に開始 ……EVユーザーの希望場所・時間にEV用急速充電器を積んだサービスカーを派遣し、30分間の充電を行なう実証実験を開始する。対象は「トヨタ・bZ4X」「レクサスUX300e」「RZ450e」を所有するユーザーで、100名を抽選するという。対象エリアは愛知県全域となる。 ★中国新興シャオペン、ドイツに進出 ……2024年にドイツ市場に正式に参入する。進出の皮切に、スポーツセダンの「P7」、SUVの「G9」の2機種を導入する。 ★ステランティス、イタリアにバッテリーテクノロジーセンターを開設 ……今後、ステランティスのEVに搭載するバッテリーの開発・試験を行なう施設となる。8,000m2の敷地に32の気候テストセルを備えている。ステランティスは、本施設に4,000万ユーロ(約64億円)を投じている。 ★フォード、家庭でのEV充電コストを抑えるプランをテスト運用 ……アメリカ本国で導入。デュークエナジー社との共同施策で、充電時間の最適化や再生可能エネルギー由来の電力を使用。料金を月額固定とし充電コストを抑えるという。 ★ポルシェ、EVユーザー向けコネクトサービス「ポルシェ・コネクト・パートナー・サービス」を欧州と米国で展開 ……電力ピーク時を避けた充電量・料金の調整・最適化や充電コストの提供、EV向けのルート作成、確定申告に使用できる経費書類の作成代行などが利用できるという。 ★F1ウィリアムズの子会社WAE、高性能FCEV用プラットフォームを発表 ……FCEV向けのプラットフォーム「EVRh」を開発した。最高出力585psのパワートレインに対応し、車重1,990kg以下で航続距離600km、0-100km/h加速は2.5秒未満の性能を実現できるという。 ★アイモバイル、EV充電事業を開始 ……宿泊施設などで利用可能な「ふるなびEVスタンド」を開始した。「ふるなびトラベル」と提携する宿泊施設等にEV用充電器を導入。ふるさと納税サイト「ふるなび」の返礼品として用意する旅行プランなどに活用するという。 ★コンチネンタル、高効率のエコタイヤを公開 ……新タイヤ「ウルトラコンタクトNXT」を「IAAモビリティ」にて発表した。再生可能素材とリサイクル素材などを65%配合。転がり抵抗・ウェットブレーキ・車外ノイズにおいて、EVタイヤラベルの最高ランク「A」を獲得した。全19サイズを用意。 ★パーク24、EVに対するアンケート結果を公表 ……毎月9日に実施したアンケートにてEVに対する調査を公表した。EVの運転経験が「ある」の回答は21%。EVの購入を希望するタイミングは「価格が手頃になったら」が最多(25%)で、次いで「EVステーションが増えたら」(18%)という結果だった。 ★トヨタ、アメリカ・カリフォルニアでグリーン水素を生成 ……グリーン水素の生成施設「トライジェン」を、カリフォルニア・ロングビーチ港に竣工した。フューエル・セル・エナジー社との共同事業で、運営も同社が行なう。施設には、2.3MWの発電能力を持つFC発電所および水素ステーションも併設した。 ★電動キックボードシェアリングのループ、CO2フリーの電気100%で稼働へ ……使用電力を再生可能エネルギーに変更し、J-クレジットも取得したことで、稼働電力を実質CO2フリーとした。 ★スズキ、本社工場をCO2フリー電力で稼働 ……静岡県内で稼働する本社を含む工場に再生可能エネルギー由来の電力「静岡Greenでんき」を導入した。中部電力グループ所有の水力発電所の電力を使用している。 ★イベント「みんなでつくろう!再生エネの日!」開催 […]

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SDGs 氷上電気カート競技会 ERK on ICE(photo=日本EVクラブ)
TEXT:福田 雅敏
EVカートでアイスダンス……氷上EVカート競技「ERK on ICE」の申込みが9月9日まで

腕に関係なく参加が可能 日本EVクラブは、新感覚のEVモータースポーツ「第4回SDGs氷上電気カート競技会 ERK on ICE」を開催する。 筆者は第1回からこの「ERK on ICE」にスタッフとして参加している。「ERK on ICE」は、普段モータースポーツとは無縁のアイススケートリンクを使用し、電動レーシングカート(ERK)を滑るように走らせるイベント。普段味わうことができないクルマの挙動の面白さを体験できる唯一無二の機会である。 レース経験やテクニックに応じたクラス分けをしているため、経験を問わず気軽に申し込め、無理なく楽しめる内容となっている。3回目の開催となった昨年は、小学生や障害を持った方も参加し、氷上での新しいEVモータースポーツへの関心の高まりと同時に、裾野の広がりを感じた。

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「SOLATOカーシェア」(photo=レクシヴ)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
EVならではの独立エネルギー稼働……レクシヴと太陽石油がオフグリッド型カーシェアを開始[2023.09.06]

カーボンフリーエネルギーを活用したEVカーシェアリングサービス 災害・緊急時は電力のデリバリーが可能になり人命を救える可能性 【THE 視点】レクシヴは9月1日、太陽石油向けにEVカーシェアリングシステムの提供を開始した。太陽石油の「SOLATOカーシェア」にレクシヴのプラットフォームを活用し専用のシステムを開発。オフグリッド型ソーラーカーポートで発電した電力でEVを稼働するカーシェアリングサービスを展開する。 2023年9月1日より愛媛県内にて開始され、今後は同県内における法人・自治体とカーシェアの実証に順次取り組む予定。レクシヴは今後も各企業や全国の行政と連携しながら脱炭素社会の実現に貢献していくという。ちなみにレクシヴは本実証において、「SOLATO」専用のEVカーシェアシステムおよびユーザー向けのウェブ・スマホアプリを開発した。 オフグリッド型ソーラーカーポートは、一般の電力系統から完全に独立して稼働する。太陽光発電なのでカーボンフリー電力となり、平常時はEV給電用として、災害時は非常用電源として活用が可能だ。 「SOLATOカーシェア」は、オフグリット型ソーラーカーポートを用いる点が最大の特徴だろう。今回の実証に導入した「日産・サクラ」はV2Hにも対応している。災害時などではソーラーカーポートが給電ポイントになるだけではなく、サクラからもV2H機器を介して施設に給電できるようになる。 電力が遮断された中で、必要とする施設・場所に「サクラ」が電力を届けるという活用方法も期待できる。生命維持のための機器はもちろん、通信機器や救助道具類を稼働するための電力をデリバリーするといった様々な活用法が考えられる。オフグリッド型ソーラーカーポートとEVの組み合わせは、緊急時に人の命を救える命綱になる可能性があるということだ。 ちなみに日産は、日立ビルシステムとの共同実証で、サクラの電力を使用しエレベーターを15時間連続稼働させることに成功している。「SOLATOカーシェア」は、本来のカーシェア事業以外にも導入メリットのあるサービスと言えそうだ。 レクシヴは、EVシェアリング立ち上げ支援サービスも行なっている。EVカーシェア事業者向けに、フルパッケージ型のEVカーシェアリング・プラットフォームを提供している。EV用充電器や電気工事の手配・EV調達・カーシェアリングの市場調査までサポートするという。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★BMW、新型EV「iX1 eDrive20」を発表 ……コンパクトSUV「X1」のEVモデル。最高出力は150kW(204ps)。バッテリーの容量は64.7kWhで、航続距離は最大475km。11kWのAC充電に対応し、0〜100%までの充電を6.5時間で完了できるという。2023年11月から生産を開始する。[詳細はこちら<click>] ★★トヨタ、「ハイラックスFCEV」のプロトタイプを公開 ……日本でもヒットモデルとなっている「ハイラックス」を燃料電池車(FCEV)化した。水素タンクは3つ搭載し、航続距離は600km以上。「ミライ」のFCユニットを使用しているという。このプロジェクトはトヨタの英国子会社TMUKが行なった。 ★★メルセデス・ベンツ、「CLAクラス」のEVコンセプトを発表 ……「IAAモビリティ」にて発表。メルセデス・ベンツのエントリーグレードに位置付けられる。MMAプラットフォームを初採用した。800V電圧に対応し15分で400km以上の電力を充電可能。航続距離は750km以上(WLTP1)となるという。 ★★ルノー、新型EV「セニック E-テック」や新型か「カングー」のEVバージョンを発表 ……「IAAモビリティ」にて公開。「セニック」はコンパクトMPVであったが、発表された新型はSUVタイプとなった。モデル伝統のファミリーユース性を踏襲し、航続距離は620km(WLTP)以上になるという。2024年初めに発売予定。  新型「カングー」には従来のICEのほかEVが設定される。EVバージョンは航続距離265kmで、8年間または16万kmの補償付き。この期間中に容量が70%以下となった場合は無償交換になるという。 ★オペル、「ヴィジョナリー・オペル・エクスペリメンタル」「コルサ・エレクトリック」「アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック」などを世界初公開 ……ドイツ・ミュンヘンで開催中の「IAAモビリティ」にて発表。「ヴィジョナリー・オペル・エクスペリメンタル」はクーペ風のボディを持つコンセプトモデル。  「コルサ・エレクトリック」は5ドアハッチバックモデルで、「アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック」はステーションワゴンとなる。そのほか、小型EVの「ロックス・e-エクストリーム」と「ロックス・エレクトリック・カーゴ」も出展している。 ★ポールスター、ミニカーのホットウィールとコラボしたEVスーパースポーツカーを公開 ……コンセプトモデル「ポールスターシナジー」を発表。600以上のエントリーから3つに絞り、それらを融合したデザインを1分の1スケールのモデルとして発表した。デザインコンテストは今後も継続して行なっていくという。 ★ボルボ、パワーエレクトロニクスのスタートアップに出資 ……炭化ケイ素(SiC)技術を使用したパワーモジュール設計の専門「Leadrive」に投資する。ボルボは2030年までに完全電動メーカーになることを目標としており、基幹技術の一つとなるインバーターなどの技術開発を強化する構えだ。 ★JA三井リースとプラゴ、EV充電サービスの法人を共同設立 ……「株式会社プラゴサービス」を8月24日に設立。自宅だけではなく、生活環境一体をユーザーの充電スポットとみなす「マイ充電ステーション」の拡充を図る。また、再生可能エネルギー由来の電力をより取り入れることも目指すという。 ★テラモーターズ、群馬県大泉町と連携協定 ……EV充電サービス「テラチャージ」の導入を共同で進める。充電器を無料で導入できアフターサービスも24時間356日対応可能という点が評価され提携に至った。 ★Jvolt、EVの充電スポットに立ち寄りポイントを獲得できるサービスを立ち上げ ……スマートフォン向けアプリ「Volty」の事前予約を開始した。充電スポットへの立ち寄りで貯めたポイントは、提携先のサービスで使用可能。「ナナコ」「ファミペイ」「ポンタ」「T-マネー」「ワオンポイント」などと交換できる。 ★BMW、「ウルトラ・ジャパン2023」と「XM」がコラボ ……ダンスミュージックフェスティバルの「ウルトラ・ジャパン2023」に「XM」を出展する。展示ブースではミラーマテリアルと光が織りなす背景を前に「XM」の撮影が可能。また、イベントのラッピング仕様車が都内を走行する。 ★トヨタ、「TOKYOもしもFES渋谷2023」に出展 ……防災・減災をテーマとした啓発イベント。トヨタは給電機能を持つ電動車(プリウスなど)を出展し、災害時の活用方法などを紹介した。イベントには2日間で2,400人が来場したという。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.06]

TAG: #EV活用 #THE視点 #充電インフラ
ダスキンが導入したASF2.0(photo=ダスキン)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
女性に優しい独自の荷室設計……ダスキン、軽商用EV「ASF2.0」で移動コストなどを検証[2023.09.05]

コスモ石油が資本業務提携をするEVを使用 利便性の向上は商用EVの販売台数に直結 【THE 視点】ダスキンは8月31日、営業車両に2台のEVを導入し、実証実験を行なうと発表した。EV導入によるCO2排出量削減効果・ランニングコスト・実用性等について2024年2月29日まで検証、その結果を基にEV導入計画を作成するという。車両は軽商用EVの「ASF 2.0」を使用する。 同社の営業車両は、全国で1万台以上が稼働しており、低排出ガス認定自動車導入の推進やドライバーへのエコドライブの教育などを行っている。しかし、CO2排出量削減をさらに推進するため、EVのスタートアップASFの協力を得て、訪販グループの東京エリア2拠点(ダスキン入谷支店<足立区>、ダスキン高松支店<練馬区>)に計2台のEVを導入することを決定した。 検証内容は、環境負荷軽減(CO2排出量削減)効果・季節変動要因による航続可能距離・ランニングコストの検証・EV運用における各種基礎データの取得及び業務における実用性・車両性能検証などである。 ちなみにダスキンは「ダスキン環境目標 2030(DUSKIN Green Target 2030)」において、2030年度までにグループ拠点におけるCO2排出量を46%減(2013年度比)という目標を掲げている。 ASFは、コスモ石油と資本業務提携をしており、同社でリース販売を行なうほか、佐川急便も7,000台程度の導入を発表しており、納入が始まっている。 「ASF2.0」は営業車両としての利便性を重視した設計になっているが、ダスキン仕様はさらに改良を加え、資材の出し入れがしやすい独自の荷室を採用した。女性スタッフにも使いやすい設計だという。 商用車にも使用できる軽EVバンは、ホンダ・トヨタ・ダイハツ・スズキ・三菱からも発売が予定されているカテゴリーだ。軽貨物便などで全国の街を駆け巡っている軽EVは、狭い路地に入り急坂を上り下りするほか、ストップ&ゴーが繰り返されるなど非常にタフな使い方がなされる。 そういった使用に耐えうる耐久性はもちろんだが、何より車両を仕事場とするドライバーにとって使いやすいモデルが一番売れるEVバンになるはずだ。そういう意味では、ダスキン仕様「ASF2.0」が一歩先に出たと言える。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★エネオス、EV充電サービス用スマホアプリをリリース ……エネオスの経路充電サービス「エネオス・チャージ・プラス」に対応したスマートフォン用アプリ「エネオス・チャージ・プラス・EV充電アプリ」のサービスを9月5日にリリースする。月額料金はなく、充電器の操作から決済までアプリで完結できる。なお、本アプリの開発はエネチェンジが担当した。 ★★アウディ、新型EV「Q6 e-tron」を発表 ……ドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ」にて発表。新開発の「プレミアムプラットフォームエレクトリック」と「E3アーキテクチャー」をベースに開発した初のモデルとなる。インテリアは、人間工学と造形美を追求した先進的なデザインを採用した。 ★★クプラ、新型コンセプトEV「ダークレーベル」を発表 ……「IAAモビリティ」にて公開する。シューティングブレークのボディを持つスポーツモデル。全体的に鋭角的で近未来を彷彿とさせるボディデザインが特徴。 ★ベクトリクス・ジャパン、配送用の三輪EVスクーター「I-カーゴ」を発売 ……前一輪・後二輪のスクーター。後部の荷台には700Lの大型カーゴを装備している。運転席はルーフで覆い雨などから運転者を守る。航続距離は最大80kmで、価格は138万5,000円。 ★パナソニック、公共向けEV用充電スタンドを改良 ……パブリックエリア向けモデル「エルシーヴ・パブリック・モード3」を改良。最高出力を従来の3kWから6kWに向上した。価格は42万9,000円〜。 ★ボルボ、2023年08月の販売台数を公表 ……EVの販売台数は、8月の全販売台数(5万1,636台)の13%。ヨーロッパの販売台数は1万6,051台でEVのシェアは26%となった。 ★トヨタ自動車グループのトヨタ鉄鋼、グリーンスローモビリティを開発へ ……シェアサイクルプラットフォーム「ハロー・サイクリング」を展開するオープンストリートと共同開発する。車両は2023年4月の道交法改正によりできた「移動用小型車」に適合させたものとなる。 ★自動運転EV開発のチューリング、アマゾンの開発支援プログラムに採択 ……アマゾン・ウェブサービス・ジャパン(AWS)の大規模言語モデル(LLM)開発支援プログラムに採択。LLMは大量のテキストデータを学習し、人間のような文章や会話を行うシステムで、完全自動運転の実現に不可欠なものとされている。 ★レクシブ、EVタクシーを運営する第一交通産業をサポート ……EVタクシーのエネルギーマネジメントをサポートする。充電時間によりEVタクシーの運行に影響が出ないよう、運行管理に合わせたマネジメント等を行なう。同時にEV導入による経済効果や電気代などの検証も行なう。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.05]

TAG: #THE視点 #商用EV #国内ビジネス
充電インフラ整備促進に向けた指針(仮称)の案(出展=経済産業省)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
EV用充電器が2030年に30万口・平均出力80kWへ……経産省が新指針でインフラを強化[2023.09.01]

いよいよ本腰を入れるEV用充電インフラの大幅拡充 充電規格についてもガイドラインを制定し利便性を担保 【THE 視点】経済産業省は8月28日、充電インフラ整備促進に向けた指針(仮称)の案について公表した。 経産省はこれまで、2030年までに「公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置する」との目標を掲げ、約3万基の整備を進めてきた。 今回の発表では、充電器設置目標を倍増(2030年までに15万口→30万口)させ、充電器全体の総数・総出力数を現在の10倍(約40万kW→約400万kW)にするという。電動化社会構築に向け、国主導で充電インフラ整備を加速させる構えだ。 急速充電は、高速道路上の機器を高出力化する(最高出力90kW以上、150kWも設置)。高速以外でも50kW以上を目安とし、平均出力を倍増(40kW→80kW)させることで充電時間を短縮し、利便性の高いインフラを整備する。 同時に、限られた補助金で効果的に設置を進めるため、費用対効果の高い案件を優先(入札を実施)して費用低減を促進し、充電事業の自立化を目指す。課金方式については、充電した電力量(kWh)に応じた従量課金を2025年度に実現するとしている。 商用EVについては、エネルギー・マネジメントを中心的に進めてコストを低減し、ユーザー・事業者双方にとって有利な料金制度を実現する。エネマネにより商用車の充電に伴う負荷を平準化・分散化させる。 さらに超急速充電(350kW等)やさらなる高電圧化への対応は今後の選択肢の一つとし、普通充電器についても従来の6kWから10kWに見直す。 急速充電規格については、国内は「CHAdeMO」がほとんどを占めているが、海外では「CCS2」/(欧州)「NACS」(米国)/「GB/T」(中国)が過半数を占めている。この事情を鑑みて、CHAdeMO協議会を中心に充電事業者やOEMなどの意見を取り入れたガイドラインの作成を行なう。 充電の通信規格についても、オープンプロトコルの「OCPP」や「ECHONET」を用いることを求めていく。車両と充電器の組み合わせで生じる不具合の解決などについては、2023年度中のマッチング・テストセンターを設置し準備を進める。 これらは、パブリックコメントを経て、10月上旬を目処に指針を策定する。ちなみに充電器の数の表現だが、1基で複数口の充電口を持つ機器が増えたことから、「基」から「口数」に変更された。 EVの普及において、これまで「卵が先か鶏が先か」、つまり車両の普及とインフラの整備のどちらが先をいくべきかの議論がされてきたが、今回の経済産業省の発表が実現するとすれば、「インフラの問題でEVが普及しない」とは言えなくなる。今後7年間で10倍と言うことは、毎年約4万基ずつ増えることになる。これまでの設置数以上の数が毎年増加する計算だ。 充電器の高出力化で充電渋滞の緩和なども見込まれる。高速道路外への一時退出を許可する充電の検討や、マッチング・テストセンターの設置の準備など、EVユーザーの利便性についても検討されていることが、今回の発表により明らかとなった。国はEVの普及に向けて本腰を入れたとみて間違いない。 この発表が絵に描いた餅とならぬよう、国主導でインフラの拡充を引き続き推進・実現してもらいたい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★日産、「ポータブルバッテリー from LEAF」を発売 ……9月1日(金)より日産の正規ディーラーにて販売開始。「リーフ」のバッテリーを再利用し、JVCケンウッド/フォーアールエネジーと共同開発。最大容量は633Whで、AC出力は最大900W。一般的な100VのコンセントのほかUSB-A/-Cのポートも搭載。充電は家庭の電源はもちろんシガーソケットからも行なえる。 ★★ダスキン、営業車両に軽商用EVを導入 ……軽自動車規格の商用EV「ASF2.0」2台を導入し9月1日(金)より実証実験を行なう。CO2の排出量削減効果とランニングコストを検証する。ASFはコスモ石油が資本業務提携するEVのスタートアップ企業。[関連記事はこちら<click>] ★★オペル、3台のEVをワールドプレミアへ ……ドイツ・ミュンヘンで開催するモーターショー「IAAモビリティ2023」にて「ビジョナリー・オペル・エクスペリメンタル・コンセプトカー」「コルサ・エレクトリック」「アストラ・スポーツツアラー・エレクトリック」を出展する。 ★経産省・産総研(NEDO)、商用EVを用いた実証「スマモビプロジェクト」を開始 ……国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、トラック・バス・タクシー事業者から、商用EVの車両・走行データの受け入れを開始した。運行管理とエネルギーマネジメントシステムの検討とシミュレーション技術の開発に活用する。バスは大阪市高速電気軌道など、トラックはCJPT、タクシーはGOが参画。 ★ユアスタンド、「愛・地球白公園(モリコロパーク)」の駐車場内にEV用充電器を設置 ……9月1日(金)より、「モリコロパーク」<愛知県長久手市>においてEV用充電器を稼働。最高出力6kWの機器を4台設置し、会員登録なしのQRコード決済にて利用可能。 ★ユビ電、三井住友オートサービスと富士電機より資金調達 ……「シリーズB 3rd」ラウンドにて、2社より合計2億円の資金を調達。累計調達額は14億6,800万円となり、電力環境と充電インフラの拡充を目指す。 ★自動運転EVのチューリング、5.2億円を新たに調達 ……山本一成CEO・田中大介COO・エンジェル投資家5名の計7名より資金調達し、累計額は15.2億円に。2025年に販売予定(100台限定)の自社開発EVの開発資金に充てる。 ★ヒョンデ、小型SUVの新型EV「コナ」を代官山T-SITE<東京都渋谷区>に展示 ……年内の国内発売を前に9月28日(木)まで先行展示。「ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜(CXC横浜)」でも展示を行なう。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.01]

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ワイヤレス充電システム(photo=ワイトリシティ)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
「充電規格戦争」終了の“切り札”か……エネチェンジ、ワイヤレス充電導入の検討を開始[2023.08.30]

EV用充電インフラ大手がワイヤレス充電の普及に取り組む覚悟 「ユーザーがいつでもどこでも手軽に充電」の根幹を見失うな 【THE 視点】エネチェンジは8月23日、日本国内でのEV用ワイヤレス充電の導入を検討すると発表した。2022年7月に出資をした米ワイトリシティのシステムを使用する。 エネチェンジのEV充電サービス「EV充電エネチェンジ」は、現在、日本最大の普通充電(6kW)ネットワークを有している。2027年までに最大300億円を投じ、国内で3万台のEV用普通充電器の設置を目標に掲げている。 ワイヤレス充電は、EVユーザーの作業負担をほぼない状態にすることができる。EVユーザーの利便性を重視するエネチェンジは、ワイトリシティへの出資を通じて、既存および新規設備での実証実験を支援していくという。 ワイトリシティの充電システムは、地上に設置した充電パッド上にEVを止め、EVの車体下部に取り付けられた受電コイルを介して充電するというもの。磁気共鳴により作動するので、特別なケーブル類の接続がないのはもちろん、機器同士が触れることなく高効率な電力転送を行なえる。 充電パッドは、住宅や車道のほか立体駐車場用などの地上設置型と、駐車場や縁石の舗装に埋め込む地中設置型が用意されている。位置の許容範囲が広く、車両をパッドの真上などに完全に合わせる必要はない。トラックやバスにも対応できるという。 ワイヤレス充電については、先日のデイリー(6月29日)でもお伝えしているが、EV普及のうえでは欠かせない存在である[詳細はこちら<click>]。 ワイヤレス充電も、急速充電と同様に相互互換性(規格)の問題があったが、今やワイトリシティが世界標準になりつつあるようだ。多数の特許も取得済みでSAE、ISO、GB規格もクリア済み。ドイツの電子機器メーカーのシーメンスもワイトリシティに出資している。 日本最大の普通充電のEV普通充電器ネットワークを持つエネチェンジが、ワイトリシティへの出資並びに業務提携した意味は大きい。このワイヤレス方式が日本の標準的なシステムとなれば、EV用の普及をより促せるのではないだろうか。 急速充電器のプラグは、日本の「CHAdeMO」やテスラの「NACS」といった規格が乱立し、ユーザーにとっては不要な覇権争いが繰り広げられているように見える。ワイヤレス充電が普及すれば、そのような混乱も防げるのではないだろうか。ユーザーから見れば、「簡単に充電できること」が最重要だということを忘れてはならない。 ワイヤレス充電の普及にあたっては、車両側への機器取り付けの問題もある。しかしワイトリシティの機器は、OEM供給に対応できるという。多くの自動車メーカーが開発と普及に協力することを期待する。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★メルセデス・ベンツ、最高出力400kWの充電ステーションを今年秋に開設……独マンハイム/米アトランタ/中国成都にて10月から稼働、2024年末までに世界2,000ヵ所以上に充電ネットワークを展開へ ★★ポールスター、「ポールスター2」を改良(本国発表)……航続距離が最大22%向上、充電速度も34%スピードアップ ★★三菱自動車、「ミニキャブ・ミーブ」が最大97万2,000円の補助……「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」の対象、事業用に限る ★日置電気、本社工場(長野県上田市)と周辺公道にて自動運転EVバスの実証運行を開始……マクニカと協力し「ナビヤ・アルマ」を運行、9月8日(金)〜9日(土)は一般市民も乗車可能 ★ステランティス、米国内2,600ヵ所のディーラーにEV用充電器を導入へ……チャージ・エンタープライズ社が充電網を整備 ★二輪用品メーカーのデイトナ、電動キックボードの取り扱いを開始……オリジナルモデル「デイトナ・モビリティDK01」を開発、クラシカルな自転車風のデザイン デイリーEVヘッドライン[2023.08.30]

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出光の再生可能エネルギー施策のイメージ図(photo=出光興産)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
出光が一般家庭から太陽光電力を買取り……さいたま市と共同実施、余剰電力をEVの充電に活用[2023.08.24]

電力地産地消のうえに提供側にお金を還元する好循環 太陽光発電設備の設置義務化なら導入費用相殺につながる施策を検討せよ 【THE 視点】出光興産とさいたま市は8月9日、市内の一般家庭が設置している太陽光発電の余剰電力を買い取ると発表した。 出光とさいたま市は、「ゼロカーボンシティ実現に向けた共創推進に関する連携協定」を締結している。その協定のもと、市内一般家庭の太陽光の余剰電力を「idemitsuでんき」を介して買い取り、10月から市内の公共施設と出光のステーション「セルフ浦和中尾SS」に使用する。 「セルフ浦和中尾SS」では、今年7月にEV用急速充電器を設置し再生可能エネルギーの電力を使用している。太陽光発電設備、蓄電池およびエネルギーマネジメントシステムも導入済みだ。 この協定により実現する再生可能エネルギー施策のフローは以下となる。 1……「idemitsuでんき」が市内の一般家庭の太陽光発電の余剰電力を買い取るとともに、出光グループの「ソーラーフロンティア」が太陽光発電システムのメンテナンスや機器交換などに対応。 2……買い取った太陽光の余剰電力を、「idemitsuでんき」の再生可能エネルギー電力「グリーンプラス(CO2フリー)」として、さいたま市の公共施設と「セルフ浦和中尾SS」に供給。 3……「セルフ浦和中尾SS」にて、EV用急速充電サービスに使用。 4……「セルフ浦和中尾SS」の太陽光発電システムの電力をSS内で使用。同時に余剰電力を蓄電池に充電し、電力逼迫時に放電するエネルギーマネジメントを行なう。 この出光の取り組みは、「VPP」(バーチャルパワープラント:仮想発電所)の一例ともいえる。電気の地産地消とEVを組み合わせた新しい取り組みの良い例ではないだろうか。 東京都などでは、太陽光発電設備の新築への導入が義務付けられるが、余剰電力をどうするかまでは議論が進んでいないように思われる。余剰電力の取り扱いは、すでに全国で問題になり始めている。 余剰電力をEVに活用することは良い施策だと思う。定置型の蓄電池と組み合わせれば、夏場の電力ピーク時などでも安定してグリーン電力をEVに供給できる。なにより、電力の買い取り先があることは、太陽光発電を導入した一般家庭にとって大きなメリットになると言えよう。 「卒FIT(固定価格での買取期間<住宅用太陽光発電の場合10年間>)だけでは、導入コストを回収することは無理」だと、知人が新築の際に住宅メーカーの担当者から実際に言われたと聞いている。導入を義務化するなら、補助金だけではなくそのコストやメンテナンス費などが帳消しになるような長期的な施策も考案すべきである。 出光とさいたま市のこの施策は、それらの問題の解消につながる新しい取り組みと言えよう。今後他の地域でも増えることを期待する。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★BMW、新世代のEVモデル「ノイエ・クラッセ」「MINIクーパー」「CE 02」をワールドプレミアへ……「IAAモビリティ 2023」<ドイツ・ミュンヘン/9月5日>にて ★★ベルエナジー、EV用のポータブル急速充電器「Roadie V2」のレンタル事業を開始……9月1日より開始(料金は要相談)、オプションとしてテスラ車用のアダプターも用意 ★★エネチェンジ、EV向けのワイヤレス充電の実証実験開始の意向……出資しているワイトリシティと協業し普及を推進 ★東北大学、車体自体をバッテリー化できる素材を開発……3Dプリンタを活用した3次元構造のカーボン材料、車体フレームにエネルギーの貯蔵が可能に ★フォルクスワーゲン、「フォルクスワーゲン浜松西」および「浜松」の各店舗にてCO2排出量実質ゼロ運用を開始……EVの充電にもCO2排出ゼロの電力を使用 ★J.D.パワー、新車購入予定者(1年以内)を対象にEVの購入意向や意向者像を初調査……12月に結果を発表 ★ヨネ、EVを被せて消化する消防用品「超耐熱ファイヤーブランケット」を「ラリージャパン2023」の機材として納入……消化困難なバッテリー由来の火災に対応[詳細はこちら<click>] ★新電元、二輪EV向けのパワーコントロールユニット「DU012」をインドにて量産開始……バッテリー電圧/車速/モーターの回転数などをリアルタイムで検出・制御 ★バッテリーセルメーカーのノースボルト、12億ドル(約1,750億円)を新たに資金調達……ヨーロッパと北米でのプロジェクトを拡大 ★大平洋金属とマイクロ波科学、マイクロ波を利用したニッケル精錬技術を共同開発へ……EVに使用するリチウムイオン・バッテリーの材料、製造時のCO2排出を抑制 ★クレハ、「フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)」の生産設備を増強……リチウムイオン・バッテリーのバインダー素材 ★エナリス、容量市場(発電指令電源)参加企業を募集……V2H機器を持つ事業者も対象、電力供出時に報酬が発生 ★日産、「エコ1チャレンジカップ2023〜中・高校生による手作り電気自動車コンテスト〜」を開催……「東急自動車学校」<東京都多摩市/8月26日(土)>にて ★日産、鳥取県境港市とEV活用の包括連携協定を締結……日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」施策、公用EVの段階的な導入などを支援 デイリーEVヘッドライン[2023.08.24]

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サポートマーケティングサービスが開発した「エネバイ」(photo=サポートマーケティングサービス)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
「オート三輪」がEVで堂々復活……「EVトゥクトゥク」を進化させた消防用具搬送車が登場[2023.08.23]

コンパクトな車幅により軽でも行けない場所にアクセス可能 商業用の配送車としても活躍が期待できるネオクラシカル 【THE 視点】サポートマーケティングサービスは8月21日、三輪のEVバイク「エネバイ」を、「危機管理産業展2023」<東京ビッグサイト/10月11日(水)〜13日(金)>にて展示・公開すると発表した。EVの「トゥクトゥク」に荷台を付け、消防用ポンプや太陽光パネルなどの積載・運搬が可能となるように改造した。 サポートマーケティングサービスは、この車両を消防バイクとして活用可能することを考え、2013年より開発を続けてきた。消防ポンプは、D級・C級・B級の順にサイズが大きくなり放水性も高くなる。従来はD級しか載せることができなかったが、B級ポンプを載せられるように自社で研究・開発を行なった。その結果、消防ポンプはもちろんのこと、それ以外の様々な救援物資も載せられる新たなジャンルの小型EVが完成した。 「エネバイ」の仕様は、全長2,450×全幅1,090×全高1,620mmで重量は270kg。最大積載量は200kgとなっている。駆動用交流モーターの出力は2kWで、家庭用100V電圧のコンセントから充電ができ、航続距離は90kmほどとのこと。 先日レポートをした「東京国際消防防災展2023」でも、この「エネバイ」を含む何台かの三輪EVの展示があった[詳細はこちら<click>]。 「トゥクトゥク」というよりは、現代日本の黎明期の物流を支えた「オート三輪」と言えよう。日本の小型の積載車と言えば軽トラックだが、それよりも幅が小さいため機動力があり、何より現場により近い場所に車体を停められるのは大きなメリットだ。 それにしても、EVでクラシックモデルを再生したり復刻したりするのは世界的なトレンドのようだ。しかし趣味・趣向を凝らしたファンカーとしてではなく、現代でもきちんと仕事ができる業務用車として復活させるのはどこか日本らしい。 消防・救命道具の運搬用だけではもったいない。かつて日本全国を「オート三輪」が走り回っていたように、配送業務のニーズにも応えられるのではないだろうか。キャビン付きなので、急な天候の変化からも運転者を守ることができ重宝すると思われる。「オート三輪EV」は、これからの活躍が期待できるネオクラシカルな新カテゴリである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ベントレー、クラシックカーの「ブロワー」をEVで復刻……オリジナルの85%のサイズで再現、小型EVメーカーの「ザ・リトル・カンパニー」とコラボ ★BMW、「i5」でプレイできる車内ゲームに「Who Wants to Be a Millionaire?」を追加(本国発表)……ゲームのプラットフォーム「エアコンソール」を活用した車内ゲームが続々追加 ★東京都、「令和5年度グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業」を開始……グリーン水素の製造から利活用までの一連の機器・モデルプランを公募し補助金を交付 ★ブレイズ、「コストコ門真倉庫展」<大阪府門真市>にて展示販売会を実施……8月24日(木)〜9月03日(日) デイリーEVヘッドライン[2023.08.23]

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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