BEV(バッテリー電気自動車)が搭載している大容量のバッテリーは、クルマを走らせるだけではなく、V2H(Vehicle to Home)を活用すると、BEVから家に給電もできる。ではBEVを蓄電池として考えるとコスパが良いのはどのモデルになのだろうか。家庭用蓄電池も合わせて考察してみる。 家庭用蓄電池は割高!? 家庭用蓄電池は、ウェブで調べてみるとバッテリー容量が4〜16kWhで100〜250万円ほどが相場のようだ。設置工事費込みの価格のため、蓄電池単体の価格は不明だが、工事費は30〜50万円ほどのようなので、蓄電池は1kWhあたり12.5〜17.5万円と試算できる。 また、アメリカのBEVメーカー「テスラ」もパワーウォールという蓄電池を販売している。バッテリー容量は13.5kWhで価格は110万円※と思われる。1kWhあたり8.15万円だ。パワーウォールは最大10台まで拡張して設置が可能という特徴もある。 ※以前はホームページに価格を掲載していたと記憶しているが、現在はなくなっており、テスラの認定販売施工会社への問い合わせフォームからしか価格を知る術はなさそうだ。 どれくらいの蓄電池容量があれば良いのか 一般的に4人家族が1日で消費する電力は10〜12kWhとされている。実際のご自身の使用量は、夏か冬の冷暖房を使用する時期が一番多いと思われるので、明細書やウェブで確認すると良いだろう。 自宅に蓄電池を設置すると、太陽光発電の電力を溜められることに加えて、災害による停電時に電気を使えることも大きいと思う。 日本での停電で思い出されるのは、2019年9月、千葉県に大きな被害をもたらした台風15号によるものだ。93万戸が停電し、その完全復旧には16日間もかかった。 さすがに16日は長すぎるとしても、例えば5日分の電力50kWhをパワーウォールで賄おうとすると、パワーウォールを4台設置する必要があり、それだけで少なくとも440万円、さらに工事費もかかる。 自宅に設置するだけの蓄電池に数百万円を使うのであれば、「動く蓄電池」であるBEVを買って、普段の生活の足にも使えた方が良いのでは。そうであればコスパとしてどのクルマが一番良いのだろうか。