日産 記事一覧

TEXT:加納亨介
EVオーナー114人の本音と実態。「フリーコメント集(後編)」アンケート 結果発表(最終回)

EVオーナーアンケート結果発表の最終回は、「EVの良いところ/悪いところ」に関するコメントを拾ってみた。 【アンケート概要】 調査対象:EVオーナー 調査方法:インターネット 調査実施期間:2023年1月12日〜2023年2月28日 アンケート回収状況:114件 良いところ 第3回で「次もまたEVを買う」という方が9割近くを占めるという結果を報告した。いわゆるアーリーアダプターにとっても、EVは一度乗ったらハイブリッド車やICE(内燃機関、ガソリン車やディーゼル車)には戻れないもののようだ。 上のグラフは「ご自身が所有するEVの気に入っているところを教えてください」の結果である(選択式/複数回答可)。114名の回答者のうちほとんどの方が出足や加速の良さなど動力性能を挙げている。フリーコメントを拾っていく。 「初動からダイレクト感が素晴らしく、回生モードだとアクセル、ブレーキがワンペダルで運転できる点が楽でいい」(東京都:BMW・i4) 「アクセルだけでの回生ブレーキによる減速操作」(東京都:VW・ID.4) 「とにかく上質な加速フィールと、回生ブレーキを使った(ほぼ)ワンペダル走行は良いです」(群馬県:日産・サクラ) 「加減速の操作感は圧倒的に電気が秀でる」(東京都:BMW・i4) 古典的なクルママニアの一部にはEVを毛嫌いする風潮が根強く残るが、リニアな加減速フィールはドライビングの悦びに直結することは間違いない。加減速をアクセルだけで済ます「ワンペダル」も、ICE時代にはなかったにもかかわらず好評を持って迎えられているようだ。 僅差の次点は静粛性だが、こちらも動力性能と合わせて言及されることが多かった。 「トルクフルな走りで静粛性の高いところ」(神奈川県:ヒョンデ・アイオニック5) 「速い・スムーズ・静か」(群馬県:テスラ・モデル3) たしかに大型のEVに乗ると、V12エンジンを積んだ超高級ICEサルーンのような静粛性と大トルクを味わうことができる。重量物であるバッテリーは床下にあり低重心にも寄与するから乗り心地も良い。 3位は「自宅で充電できること」。ICE時代は当たり前だった「ガソリンスタンドに寄る」という行為は、言われてみればたしかに無駄骨である。地域によっては燃料補給のためだけに往復数十kmも走らねばならないことだってある。 「ガソリンスタンドに行かなくていいのが凄く便利」(奈良県:テスラ・モデル3) しかし思わぬ罠もある。 「オイル交換やガソリンスタンドに行かなくて良いので楽。その分空気圧など日常点検を自分で行う必要がある」(千葉県:テスラ・モデルX) ガソリンスタンドがタダで貸してくれるあのエアポンプ、公共充電施設にも必要かもしれない。 「その他」では、どっしりとした乗り心地など快適性に関する記述が目立ったが、ガソリン臭くない、エンジンをかけなくても冷暖房が使える、メインテナンスがラクなどの声もあった。オイル交換と無縁なEVは、家電のように「使いっぱなし」が当たり前なのだ。 悪いところ 上の表は「ご自身が所有するEVについて、改善してほしいところを教えてください」の結果である(選択式/複数回答可)。最多得票は「気温が低いと航続距離が短くなる」であった。そもそもの「航続距離が短い」と合わせると、1充電の走行可能距離については多くの方から指摘されていることになる。 「強いて言えば冬の長距離は航続距離が落ちるところが気に入らないところです」(神奈川県:BMW・i4) 「厳寒時の電費が不満。急速充電もバッテリー温度が低いと15kw/hくらいしかでない。バッテリーコンディショナー欲しい」(群馬県:日産・サクラ) ICE時代は季節的なエンジン性能差など事実上なかったが、EVは外気温によるバッテリーの性能劣化を多分に意識させられる。加えてEVではヒーターの熱源も電気だ。陽が短ければヘッドライトなど灯火類の使用時間も増える。冬が辛いのはEVにとって運命的なものといえる。一方で、 「冬季充電施設の除雪をキチンとしてほしい」(宮城県:ボルボ・C40 Recharge) という意見もあった。充電施設は基本的に無人だから、小さそうで大きな問題である。なお、充電関連については第6回でも取り上げているのでそちらも参照されたい。 「車両価格が高い」「購入できる車種の選択肢が少ない」は、現時点ではどうしようもない。ただしメーカー各社はICEよりEVの開発に多く投資しているようだから、こちらは時が解決してくれるのではないか。 「その他」では、バッテリーの経年劣化について心配する声が多かった。 「SDGs的には長期保有が望ましいが、バッテリーの劣化という致命的な問題が付き纏う。調べれば調べるほどバッテリー劣化は避けられない運命です。短期所有で乗り換えを繰り返す人は気にしていないだろうが、長期保有する人ほどリスクを負う構造は知っておいた方がいい」(神奈川県:ヒョンデ・アイオニック5) この方は「買い替えは10年以上先」とお考えで、そうした時間軸ではEVはまだ重大な問題を抱えているといえる。 「まだわからないが、電池が劣化した時の電池交換の値段、もしくは下取り価格が不安」(埼玉県:日産・サクラ) 「走行用バッテリー交換のサポートの拡充。リーフは結局ディーラーが断り続けて交換出来ませんでした。北国では全くおすすめ出来ません」(宮城県:ボルボ・C40 Recharge) バッテリーの劣化で早々に車両そのものを買い替える、というのではちっとも環境に優しくない。バッテリー劣化度合いの公的基準(ボディ修復歴のような)と、中古車市場における表示義務の確立が急がれる。一方のメーカーはリーズナブルなバッテリー交換を目指さねばならない。 以上、掲載しきれないコメントもまだたくさんいただいているが、EVオーナーアンケート結果報告は今回で終了となる。基本的にアーリーアダプターならではの悦びに溢れていて我々も嬉しかったが、充電関連を中心に哀しみも少なくなかった。ただ、いまや自動車メーカーの開発資源はEVに多く振り向けられているし、関係諸官庁もEV時代に向けた環境整備に本腰を入れている。EVが当たり前の時代はもうすぐそこまで来ている、というのが集計作業を経た今の実感だ。

TAG: #C40 #i4 #ID4 #アイオニック5 #サクラ #モデル3
TEXT:加納亨介
EVオーナー114人の本音と実態。「フリーコメント集(前編)」アンケート 結果発表(第6回)

THE EV TIMESで行ったEVオーナーアンケート。選択式項目の集計結果は別ページにまとめられているが、ここでは記述式項目のコメントを集めてみた。前編のテーマは「充電事情」。予想通り、オーナーの不満は小さくなかった。 【アンケート概要】 調査対象:EVオーナー 調査方法:インターネット 調査実施期間:2023年1月12日〜2023年2月28日 アンケート回収状況:114件 EV普及への最大のネックは、言わずもがなの充電事情である。質問16「充電環境にご意見があれば教えてください」に何らかの記述をくださった91名のうち、はっきりと「不満なし」を表明しているのは3名のみだった。 公共的な充電設備がガソリンスタンドに比べて著しく少ない現状では、自宅に充電設備がないとICE(内燃機関、ガソリン車やディーゼル車)のようには使えないと思われ、実際、約8割の方がその設備を備えていた。自宅充電の出来ない2割の方のうち約8割は集合住宅にお住まいで、つまり自らの意思で充電設備を設置できないと想像できる方々であった。「充電環境にご意見があれば教えてください」「EV購入を検討している人にアドバイス」といった記述式項目からコメントを拾っていく。 「商業施設や集合住宅に普通充電器を普及させるのが急務だと思う。自宅充電可能で1日の走行距離が100km以下だと迷わず購入して問題無いと思います」(大阪府:テスラ・モデル3) 「いまのところZESP3(編集部注:日産の充電サービス)でまかなっていますが、やはり自宅充電環境がほしい。集合住宅でも導入できるようなソリューションが広がることを期待しています」(静岡県:ヒョンデ・アイオニック5) 「現状は自宅充電が必須です」(北海道:テスラ・モデルX) 「自宅で充電環境を整えられる人は買って問題ないです。逆に無理なら積極的にお勧めしません。でも急速充電器だけでも運用は可能です」(福岡県:ヒョンデ・アイオニック5) 「既設マンションへの6kW充電器普及を法律・条例で推めてほしい」(愛知県:テスラ・モデル3) など、充電拠点増加への期待が窺われる。むろん国や自治体のバックアップも必要になるだろう。 充電設備そのものへの意見としては、 「現状のチャデモの低性能さやUX(ユーザー・エクスペリエンス)の低さをなんとかして欲しい」(神奈川県:テスラ・モデル3) 「チャデモ充電器が使い辛い。20kWは実用的ではない、50kWは必要」(兵庫県:テスラ・モデル3) 「UI/UXはテスラが最も優れていると思うので真似して欲しい」(神奈川県:フォルクスワーゲン・ID4) など、急速充電への意見が目立つ一方で 「日常の行動範囲に普通充電器が普及すれば急速充電はそれほど必要なくなる」(神奈川県:テスラ・モデルY) と、普通充電への期待もあった。急速充電はバッテリー保護のため“満タン”には事実上できないため、ショッピングや宿泊など出先での時間を使って普通充電できれば、その方がむしろ便利とも言える。 「充電器の使用順を決めるシステムが必要。整理券を出して欲しい。終わっても帰ってこない場合テスラのような罰金を」(不明:日産・リーフ) 「充電量に応じた金額にして欲しい。2口の急速充電は課題の解決にはならない」(福岡県:プジョー・e-2008) 「24H使用できる普通充電がほぼない」(神奈川県:日産・サクラ) 「支払い方式の互換性の完全確立」(大阪府:プジョー・e-2008) あたりは、EVの周辺環境がまだまだ過渡期の混乱の中にあることを示している。 ちなみに、自宅充電設備を持たない方の中で、その必要性を感じないという意見は「集合住宅でも都内は十分に運用可能です」(東京都:テスラ・モデルY)の1名のみであった。都内も23区内に限れば使用範囲も広くなく、走行距離も伸びないはずだから、ICEと同レベルの運用をしやすいかもしれない。 わずかだが充電設備の故障についての言及もあった。確かに「ガソリンスタンドが故障して給油できなかった」という話は聞かない。たとえ故障していたとしても、ある程度人口のまとまった地域ならさほど走らずとも別のガソリンスタンドがあるだろう。 「急速充電器の故障が事前に分かる仕組みが必要」(兵庫県:テスラ・モデル3) 充電器故障情報は、今のところWEB上の口コミに頼るしかないようだ。機器に内包された故障検知システムが必要と思われる。また、新規で設置時は補助金が出るが、修理には補助金がでないことも充電器の故障を修理しづらい原因となっているようなので、修理やメインテナンスにも補助金が出るといいのかもしれない。 充電環境に関するまとめとして、フォルクスワーゲン・ID4オーナーのコメントを紹介させていただく。 「経路充電(急速充電器)の充実と目的地充電(普通充電器)の充実を希望」(神奈川県:フォルクスワーゲン・ID4) この方は自宅に3kWの普通充電設備をお持ちだ。自宅で満充電して出発、目的地での滞在時間中に普通充電、足りなければルート上で急速充電、というのが理想であろう。というよりこれがEV社会の当たり前の姿だと思われる。果たしていつ頃実現されるだろうか。今のところ、日本は他の先進国から大きく後れを取りそうな気配だ。 フリーコメント集(前編)は以上です。後編では「EVの良いところ/悪いところ」についてお伝えします。

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TEXT:栁 蒼太
IONIQ 5(ヒョンデ)、モデル3(テスラ)、リーフ(日産)の利用傾向は?EVオーナーアンケート 結果発表(第5回)

THE EV TIMESのオープンに合わせ2月末まで実施していたEVオーナーアンケートに114もの回答を頂いた。本稿は、前編と後編を分けて紹介する、上位3車種比較記事の後編にあたる。前編では車両自体の比較、本後編では、車両を所有するにあたっての利用形態や所有にまつわる調査をまとめている。 モデル3はアーバンモデル? 続いて、オーナーの利用の本拠を見ていきたい。どの車種も一戸建てユーザーが多い。一方で、モデル3は、集合住宅のユーザーも一定数みられる。これに関連して、自宅設置の充電器の有無を見てみると、本拠の形態に相応していることがわかる。 これらの傾向の一因には、都心中心に設置されているテスラのスーパーチャージャーが影響している。テスラオーナーは、スーパーチャージャーや都心部に充実している充電環境を利用することを念頭に充電設備を持たない本拠を構える場合が多いのかもしれない。 動力性能・静粛性に満足、税金関連の期待も どの車種のオーナーも動力性能や静粛性能に満足を示している。一方で、「環境に優しいイメージ」の強いEVでありながら、意外にも、環境性能への思い入れは少ない。デビュー年が早いリーフと発売されて間もないアイオニックユーザーで差異があるので、所有をしていくうちに、それらの意識に変化が生まれるのかもしれない。ただ、これらの要素を踏まえても、実用的に優れており、走行性能に気に入っているからこそ、EVを選んでいる場合が多いことがわかる。 加えて、「税金などの維持費が安いところ」を気に入っているオーナーが多い。EVは「グリーン化特例」「エコカー減税」などの優遇を受けられる故、所有してからのケアの負担が軽くなっている。ところで、モデル3オーナーが、この項目を特に気に入っているとしているのは、実に興味深い。 気になる補助金 前項でコスト関連の話題が上がった。それに関連して、補助金に目を向けたい。 EVの購入に際して、補助金の有無は大きな要素となっているようだ。アイオニック5は、補助金が決め手というオーナーが多いが、それは次に示す、受け取った補助金額をみると一目瞭然だ。 国や自治体からの補助金として、50万円から100万円の補助金を受け取る場合が多い。特にアイオニック5オーナーは、75万円以上100万未満の大きなサポートを受けとったようで、購入検討の大きな判断材料になったのだろう。 まとめ 上位3車種を比べて 今回取り上げたIONIQ 5(ヒョンデ)、モデル3(テスラ)、リーフ(日産)は、多くのオーナーに愛されているが、それぞれのお気に入りポイント、走行シーンや利用形態には差異が見られた。車両単体としてEVを選ぶのも非常に重要であるが、様々な観点で車を選んでいく上で、これらのデータは参考になるかもしれない。 なお、後編では、車両を所有するにあたり、気になるポイントに注目をした。購入した時期によって補助金の額が異なるなど、同じ車であっても、多様な結果が得られたのは、見どころなのではないだろうか。 今回のような調査は、今後も行われる予定であるため、今後の動向の変化にも注目だ。

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TEXT:栁 蒼太
IONIQ 5(ヒョンデ)、モデル3(テスラ)、リーフ(日産)の利用傾向は?EVオーナーアンケート 結果発表(第4回)

THE EV TIMESのオープンに合わせ2月末まで実施していたEVオーナーアンケートに114もの回答を頂いた。 今回は、そのアンケート結果にて、所有している車種の上位の3車種である、IONIQ 5(ヒョンデ)、モデル3(テスラ)、リーフ(日産)の利用傾向を分析してみたい。前編と後編に分けて紹介をする。前編では、アンケートの概要、3車種の用途などに触れている。後編では、3車種のオーナーの特性や補助金について述べている。 EVオーナーは首都圏、主要都市に在住 【アンケート概要】 調査対象:EVオーナー 調査方法:インターネット 調査実施期間:2023年1月12日〜2023年2月28日 アンケート回収状況:114件 EVオーナーに限定した今回のアンケートの回答者の職業別にみてみると、回答者の57.8%が会社員、17.4%が経営者・役員、12.8%が自営業・自由業という結果となった。また、住んでいる都道府県をたずねたところ東京都は17.3%、神奈川県は11.8%、埼玉県9.1%、千葉県8.2%と、首都圏の1都3県で全体の半分を占める結果となった。 なお、大阪府、愛知県においても8.2%、6.4%の結果が出ており、主要都市でもEVオーナーが多いことがわかる。特筆すべきなのは、東北地方北部の寒冷な場所では、EVオーナーが少ない傾向がみられることだ。これは、EVのバッテリーの特性上、気温が低い条件下ではエネルギー効率が低下してしまうことが課題となるからだろう。 また、世帯人数についても尋ねたところ、9割以上が一般世帯で利用されていることがわかる。2020年の国勢調査によれば、日本の総世帯に占める単身世帯の割合は38%と、多くの単身者がいるにも関わらず、EVユーザーの多くが一般世帯であるというのは、特徴的な傾向かもしれない。 上位3車種の様子 アンケートの有効回答件数は114件。一つ目の質問では、どのEVに乗っているのかを調査した。圧倒的な割合を占めた上位3車種の結果は、 リーフ(日産)23件 モデル3(テスラ)33件 IONIQ 5(ヒョンデ)19件 であった。 アンケート結果分析の第1回では以下、これらの3車種で利用方法の傾向に共通点・相違点があるかを見出していきたい。 なお、本アンケート結果には、回答者層の偏りがあることが考えられる。これから示す結果が全てのEVにおける傾向を必ずしも完全に示すわけではないことを断っておく。 メインは「通勤」、モデル3は「レジャー・旅行」にも大活躍 どの車種にも共通して、利用シーンが多いのは「通勤」だ。また、リーフ、IONIQ5に見られるように、「買い物」でも活発に利用されているようだ。これらは、習慣的な利用のため、EVの充電サイクルが一定であることが一因であると考えられる。一方で、モデル3は、「レジャー・旅行」にも大活躍のようだ。モデル3はロングレンジモデルの場合、689km(WLTCモード)を誇り、安心して遠出できることが結果として表れている。 リーフ 450km(60kWhバッテリー搭載車) 322km(40kWhバッテリー搭載車) モデル3 605km(パフォーマンス) 689km(ロングレンジ) 565km(RWD) IONIQ 5 577km(IONIQ 5 Lounge AWD) 618km(IONIQ 5 Lounge) 618km(IONIQ 5 Voyage) 498km(IONIQ 5) 走行可能距離に関わらず走行距離に大差出ず どの車種もおおよそ、月間に1000km以下の走行をしている。ただ、長距離にも対応した車種の場合、1000km以上の走行ケースも多く見られる。車の年間平均走行距離の目安は1万km(月間、900km弱)と言われているため、EVのユーザーもその傾向にフィットしているようだ。 使い方も、用途も、お好みに合わせて カタログ上で見る、航続可能距離や基本的なスペックを超えて、実際のオーナーからの声は、実に興味深い。前編では、車両自体の特性にフォーカスを当てているが、後編では、車両を保有することに注目した記事となっている。後編にも注目だ。

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TEXT:福田 雅敏
日本の新興ブランド「エイム」も新型スポーツEVを公開……写真で見るオートモビルカウンシルのEV時代[THE視点]

4月14日(金)〜16日(日)まで幕張メッセ(千葉県千葉市)にて開催された「オートモビルカウンシル2023」。ヘリテイジカーを中心に展示する本イベントだが、今回はEVの出展も目立っていた。 今回の目玉はマツダの「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」の日本初公開だが、それ以外にも多数のEVの出展が見られたので、写真とともにイベントの雰囲気をお伝えしたい。 元日産のエンジニアによるスポーツEV「エイム EV SPORTS 01 コンセプト」が初公開 「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」以外にもEVの出展が目立った。AIM(エイム)社が開発した「EV SPORTS 01 コンセプト」は本イベントが初公開の舞台となった。 車両デザインは、元日産のデザイナー中村史郎氏によるもの。自社製の駆動モーター「APM200」をリアに2基搭載する後輪駆動だ。このクルマはイベント後に英国に送られ、7月に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で走らせるという。 BYDのブースには、1月に発売されたばかりの「ATTO3」(アット3)と今年の末頃発売予定の「SEAL」(シール)の2台が展示されていたほか、さらに試乗車として「ATTO3」が2台用意されていた。今回試乗車を用意していたのはBYDだけだった。オートモービルカウンシルで試乗が出来るのは、筆者が知る限りBYDが初めて。BYDの意気込みが感じられた。 開発に携わった三菱のパイクスピークマシンに再会 三菱自動車のブースには、EV・PHEV合わせて5台が展示されていた。中でも注目を集めていたのは、2014年にアメリカの「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム・レース」に参戦し電気自動車改造クラスで優勝した「ミーブ・エボリューションⅢ」だ。 この「ミーブ・エボリューションⅢ」は、実は筆者も開発に参加した。そのおかげで、実際にパイクスピークにも行くことが出来たのだ。筆者にとって久し振りのご対面だった。EVではこのほか、量産EVの「eKクロスEV」が展示されていた。 日産自動車のブースには、中央に桜色の「サクラ」が展示されており、その横には、昨年レストアで話題となった俳優伊藤かずえさん所有の「シーマ」が提示されていた。トークショーも賑わっていた。 新旧のクルマの展示会となったオートモービルカウンシル、今回も2台のEVの発表の場となっただけに、今後もEVの展示は増えるのではないだろうか。新旧のクルマと触れ合う場所として大変興味深いイベントに感じた。

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産、「サクラ」の電源でエレベーターを15時間駆動に成功……デイリーEVヘッドライン[2023.04.13]

日立ビルシステムと共同実証に成功 6階建エレベーター往復416回分 【THE 視点】日産自動車と日立ビルシステムは、「日産サクラ」からの給電のみでエレベーターを15時間連続稼働することに成功した。 日産と日立ビルシステムは、EVからの給電で停電時のエレベーター利用を可能にするV2Xシステムの普及に向けた協創の取り組みを実施している。 今回はその第2弾として、「サクラ」のバッテリーの電力を使用し、外部給電可能な残電力10%に至るまでの連続稼働実験を実施。その結果およそ15時間の連続稼働を実証した。 6階建ての試験棟に設置されたエレベータを実験環境として設定。実験開始から14時間56分が経過し、エレベーターの連続昇降回数が416回(往復)を数えた時点で「サクラ」のバッテリー残量が10%となり、エレベーターも安全に停止したという。 筆者の個人的な経験で恐縮だが、以前二十数階のいわゆるタワマンに10年程度住んでいたことがある。その期間中、停電でエレベーターが動かなかった時が3回あった。1階と2階にあるロビーは、エレベーターが動くのを待つ人であふれた。まだ少し若かった筆者は、二十数階の自宅に階段で登ることができた。階段数は500程度だったと記憶している。 地震等で停電が今後もあることを考えると、老後までタワマンに住むのは難しいと思い、その後低層のマンションに引っ越した。このエレベーターの件もその理由の一つである。 今回の実証のように、マンション側にV2Xの受け入れができるようであれば、住民が保有しているV2X対応のEVを予め登録しておき、災害時など停電となった場合に使用できればエレベーターを稼働させることが可能になる。住民は最低限帰宅できるわけだ。 この有用性が認知されればマンション内に遅々と進まない充電器の設置なども推進されることも考えられる。ただ、エレベーターによっては安全確認後ではないと稼働できないものもあるため、普及には遠隔確認システムを確立させるなどの条件がいくつか付きそうではある。 しかしタワマンでの停電被害の大変さを実体験した筆者からすると、EVの災害時等の活用事例として非常に良い取り組みだと感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★GM、リチウムの自社生産体制を強化……米エナジーXと提携し塩水からのリチウム精製技術を開発 ★★フォード、カナダ・オンタリオ州の工場をEV向けに改修……18億カナダドル(約1800億円)の大規模投資、2024年第2四半期に改修開始 ★★テラモーターズ、新潟県村上市にEV充電器「テラチャージ」を100基導入……3年以内に市内施設へ順次設置 ★★トヨタ、「クラウン」にFCEV追加を正式発表……セダンモデルに設定、2023年秋頃発売[詳細はこちら<click>] ★メルセデス・ベンツ、2023年第1四半期のEV販売台数は5万1,600台……前年同時期比89%増、全車の販売台数のうち10%を占める ★レクシブ、神奈川県小田原市に「日産サクラ」を5台導入……平日は公用車、休日はカーシェアとして民間に供与 ★住友金属鉱山、電池材料事業を拡大……次世代正極材料の開発を加速、電池研究の試験設備と開発棟を建設 ★プラゴ、ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルと提携……2024年末までに系列ホテル30カ所にEV充電ステーションを開設 ★イヴェコ、スペイン・セビリア市にEVバスを納入……市内の路線バス用に全長12m級を5台を納入 ★アバルト、「500e」の擬似エンジン音の開発に6,000時間以上と公表……「ステランティス・サウンド・デザイン・スタジオ」が担当、車内にエンジン音を再現[詳細はこちら<click>] ★ブレイズ、EVモデル第2回試乗会を開催……4月21日(金)・22日(土)、本社駐車場(名古屋市中村区)にて

TAG: #THE視点 #V2H #サクラ
TEXT:烏山 大輔
日産とホンダが上海モーターショー2023に出展。EVやコンセプトカーを展示予定

中国・上海で開催される「上海モーターショー2023」に、日産自動車株式会社はコンセプトカーの「Max-Out(マックスアウト)」をはじめとする幅広いラインナップを展示することを発表した。 一方、ホンダは、電気自動車「e:N(イーエヌ)」シリーズの第2弾プロトタイプを世界初公開すると発表した。両社とも中国市場向けにデザインされた電動車両や新技術を展示する予定であり、ホンダは二輪車の展示やカスタマイズモデルの展示も行う。上海モーターショー2023は4月18日から27日まで開催される(一般公開日は4月20日から4月27日)。 日産は中国の多様なニーズに応えるために、新型車や世界初公開のコンセプトカー2車種を出展する予定である。コンセプトカーのマックスアウトは、日産の長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の一環として、将来の持続可能で革新的なモビリティを体現するデジタルコンセプトカーとして公開された。今回のモーターショーでは、このコンセプトカーの実車を初めて中国で展示し、優れた操縦安定性や快適性など、新しいドライビング体験を提供することを目指している。 さらに、中国市場向けにデザインされた新たなEVコンセプトカーに加え、EVやe-POWERを搭載したさまざまな電動車両を展示する予定である。日産ブースでは、プレスデーの初日は電動車両、二日目はSUVを中心とした展示を行う。中国向けにデザインされたSUVのコンセプトカーは二日目に公開予定だ。 ホンダは電気自動車「e:N(イーエヌ)」シリーズの第2弾プロトタイプを世界初公開する。ホンダ四輪ブースでは、イーエヌシリーズの第2弾プロトタイプに加え、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、そして電動二輪車を3モデル展示し、中国におけるホンダの電動モビリティラインナップを紹介する。また智能化技術のブースでは、新世代コネクテッド技術「Honda CONNECT 4.0」や全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」の技術を体験できる。 さらに二輪ブースでは、大型二輪販売チャンネル「Honda DreamWing」に投入する新しいグローバルモデルを中国初公開するとともに、カスタマイズモデルの展示を行うなど、ホンダの多彩な“FUN”を具現化するモデルが展示される予定だ。

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TEXT:曽宮 岳大
EV世界初の試み。イギリスの探検家が「日産アリア」で北極から南極まで9ヵ月の冒険へ

日産自動車は、イギリスの探検家ラムゼイ夫妻が「日産アリア」に乗り、北極から南極までの冒険「Pole to Pole」に出発したと発表した。ラムゼイ夫妻は北極〜北米〜中米〜南米〜南極とアメリカ大陸を経由しながら、北極から南極までの約27,000kmの道程を9ヵ月かけて走り切る予定。EVによる北極から南極への移動は世界初の試みとなる。   悪路走行に必要な改造が施されるもパワートレインは市販車と共通 冒険に使用される車両は、日産自動車が提供し、極地走行用チューニングのエクスパートであるArctic Trucksが悪路の走行向けに必要な改造を施したもの。道中で直面する雪や海氷といった悪条件下も走行できるように39インチの大径スノータイヤを装着し、サスペンションにも専用のチューニングが施されている。巨大タイヤを大胆なオーバーフェンダーで覆ったその佇まいはスパルタン。SNSに公開されている映像では、雪の降り積もった凹凸の激しい路面を大径タイヤで踏みしめるように突き進む姿を見ることができる。   一方、バッテリーやパワートレインは市販車と共通のものを使用しており、電動四輪制御技術「e-4ORCE」を搭載する。   なお北極や南極といった充電環境のない場所では、風力発電機とソーラーパネルを備えたポータブル充電ユニットを使用する。この発電ユニットを積んだトレーラーを牽引し、休憩時に強風や日照時間の長さを使用して発電を行う計画だ。計画が順調に進めばEVによる極地移動の可能性が広がり、今後様々なシーンで応用されるかもしれない。   また、アリアにはエスプレッソマシンや気象観測機器、撮影用のドローンなど、旅に役立つアイテムを搭載しているという。なお、ラムゼイ夫妻の旅の模様はinstagram(poletopoleev)で見ることができる。 >>>次ページ EV経験が豊富なラムゼイ夫妻にとっても最大のチャレンジ

TAG: #アリア
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産自動車が「R32 GT-R」をEV化……デイリーEVヘッドライン[2023.03.29]

「脅威のハイテク戦闘機」をEVにコンバート 独自の4WD「アテーサE-TS」をどうするか 【THE 視点】日産は、「R32型 スカイラインGT-R」のEVコンセプトモデル「R32EV」を製作すると発表した。既存の「R32 GT-R」の車体を利用した「コンバージョンEV」となる。 「R32型」は8代目「スカイライン」として、1989年に発売された。中でも「GT-R」は実に16年ぶりの復活となり大きな話題を呼んだ。 「GT-R」のために専用設計された2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT」は、当時の国産車最強の280psを発生。駆動方式には、路面状況に応じて前輪に駆動力を配分するFRベースの電子制御4WD「アテーサE-TS」が採用された。 サスペンションも新開発の4輪マルチリンク方式を採用し、セダン派生型のスポーツカーとしては世界トップクラスの運動性能を実現した。1990年~1993年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)では4シーズン29戦29勝0敗という戦績を残したことでも知られる。 「GT-R」は「アテーサE-TS」という独自の4輪駆動を採用し鉄壁の速さと技術の高さを証明していただけに、「R32 GT-R EV」もただ電動化しただけでは名折れになる。そこに日産の最新電動4WDシステム「e-4ORCE」を織り込むのかどうか、何よりRB26エンジンの強烈なインパクトを電動でどう表現するのか、フロントヘビーと言われる重量特性は変わるのか、期待が高まる。 「東京オートサロン2023」でのトヨタ「AE86 カローラ・レビン」のEVといい、人気のビンテージカーのEV化に注目が集まる中での発表なだけに、完成が待ち遠しい。また情報が入り次第お伝えしたいと思う。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★首都高、「都市計画駐車場」にEV用充電器を設置……汐留/日本橋兜町駐車場など計5カ所に普通充電器 ★★イーモビリティパワー、路上パーキングエリアにEV用急速充電器を設置……芝公園付近(東京都港区)と代官山付近(同渋谷区)の2ヵ所に ★アウディ、試乗会「Audi e-tron tour experience(半日プログラム)」を開催……5月12日(金)にインターコンチネンタルホテル大阪(大阪市北区)にて、「Q4 e-tron 」「e-tron GT」など計4車種を用意 ★公道対応の小型「EVトライク」が「蔦屋家電+」(二子玉川ライズS.C. テラスマーケット:東京都世田谷区)に展示……両備ホールディングスが取り扱い、前二輪・後一輪の三輪車[詳細はこちら<click>] ★テラモーターズ、大阪府交野市にEV充電器「テラチャージ」を導入……交野市役所はじめ公共施設計6箇所に ★米新興のルシード、「ルシード・エア」に「アップル・カープレイ」を標準装備化……「iPhone」の機能を車両側から利用可能に ★丸紅、世界初のEVタンカー「あさひ」がJ-クレジットに登録……CO2排出削減量を「クレジット」として国が認証 ★運送業向けDX推進企業のシステック、トラックの屋根を利用する太陽光発電「ロジソーラー」を発表……バッテリーに直接充電しオルタネーターの負担を低減

TAG: #GT-R #THE視点 #コンバージョンEV
TEXT:生方 聡
レベルの高い走り 乗り心地には要改善点も [日産アリア試乗記:その4]

EV専用プラットフォームを採用するアリアの走りをチェック。総じてレベルは高いが、改善すべきポイントも見えてきた。 低重心化のメリット EVの場合、背の高いSUVスタイルであっても、床下に重量のかさむバッテリーを搭載することで低重心化が図られ、走行時の安定性が確保されることが多い。アリアも例外ではなく、低重心化のメリットが見て取れる。 たとえば、SUVでは目立ちがちなロールやピッチングといった走行時の揺れは、このアリアではよく抑えられており、挙動は比較的落ち着いている。高速走行時の直進安定性も高く、目地段差を越えるときのショックも、さほど気にならない。ワインディングロードでは弱めのアンダーステアのおかげで、スポーティなドライビングが楽しめた。 ただし、荒れた路面を通過するような場面では、細かい上下動を伝えがちで、とくにリアからの軽いショックは気になるレベルだった。許容できる範囲ではあるが、今後のランニングチェンジで解消してほしいものだ。

TAG: #アリア
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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